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2025-12-03 05:21

アメリカの高校に広がる新職種「メンタルヘルスナビゲーター」とは

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アメリカの学校で注目を集める「Youth Mental Health Corps」。若者が“メンタルヘルスナビゲーター”として生徒の心の支援を担うこの取り組みが、教育現場にどんな変化をもたらしているのか。教師不足の課題を背景に、共感や地域性を生かした支援の可能性を語り合います。

サマリー

アメリカの高校で導入されている新しい職種、メンタルヘルスナビゲーターは、SNSや学校で孤立を経験している学生を支援しています。特に同世代の若者が相談相手となることで、信頼関係が築かれ、メンタルヘルスの危機への対応が進んでいます。

メンタルヘルスナビゲーターの役割
みなさんこんにちは。教育カフェテラス水野太一です。
今日は、アメリカで話題になっている教育とメンタルヘルスの新しい形、
メンタルヘルスナビゲーターについてお話しします。
情報源は、デッドサージの2025年11月3日付の記事です。
メンタルヘルスナビゲーターって聞き慣れない言葉ですね。
どんな人たちがその役割を担っているんですか?
24歳のマリサ・ガルシアさんという方が紹介されていました。
彼女は高校で20人から40人ほどの生徒を担当していて、
欠席が多いとか、授業への集中が落ちている生徒と一つ一つで話をして、
原因を探ったり、地域の支援につないだりしているそうです。
すごいですね。先生とかカウンセラーじゃなくて、少し年上のお兄さん、お姉さんみたいな感じなんですね。
まさにその通りです。このプログラムの特徴は、しかし距離感なんです。
メンバーは10代後半から20代前半の若者たちで、生徒と同じ世代。
だからこそ、SNSの悩みなどにもリアルに共感できるんですよ。
確かに同じ世代だと話しやすそうです。
友達感覚で、でもちゃんと聞いてくれる人ってすごく心強いかも。
そうなんです。ガルシアさんも共感できる小さなことが信頼につながると言っていました。
例えば、同じようにSNSのトラブルや学校での孤立を経験しているので、分かってくれると感じてもらいやすいんですね。
でも、そういう人が相談に乗るってちゃんとしたトレーニングを受けているんですか?
いい質問です。このプログラムでは、アメリカの国のサービス団体であるアメリコーツスが協力していて、
参加者はメンタルヘルスファーストエイドや緊張を和らげる対応法なども研修を受けています。
大学の関連講座を取る人も多いそうです。
ちゃんとした支えがあるんですね。感謝しました。どんな地域でこの活動が進んでいるんですか?
最初はコロラド州、ミネソタ州、ミシガン州、テキサス州の4州で始まりました。
今ではカリフォルニア州やニューヨーク州など11州に広がっています。
さらに2026年度には18州になる予定なんですよ。
すごいスピードで広がっていますね。それだけ必要とされているってことなんでしょうか?
そうですね。背景には若者のメンタルヘルスの危機があります。
アメリカでは高校生の約2人に1人が悲しい、絶望的だと感じたことがあり、
1割近くが自殺を試みた経験があるという調査もあります。
支援の広がりと効果
一方で専門家が足りない地域も多い。
だからナビゲーターの存在がプロの代わりじゃなくて最初の相談先として大事なんですね。
そうです。代わりではなく補う存在。
記事ではコンティニュアムを向き合いこる連続的な支援の仕組みが大事だと説明されていました。
つまり軽い悩みから深刻なケースまで繋がって支援できる体制を作ろうという考え方です。
日本でも最近スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーがいますけど、そこまで充実していない地域もありますよね。
まさにそこなんです。日本でも人的資源が限られている中、
近い世代の若者がメンタルサポートの入口役となる仕組みは、教育現場に新しい可能性をもたらすかもしれません。
確かに私が教育実習した時も困っていてもカウンセラー室に行く勇気がない生徒が多かったです。
もう少し話しかけやすい人がいたらと思いました。
その感想はとても大事ですね。信頼関係の入り口をどう作るかって、学校の居心地を左右しますからね。
記事では実際にナビゲーターの存在で血跡が減り、トラブルも減った学校があったそうです。
すごい効果ですね。それにナビゲーター自身にも学びがありそうですね。
はい。その点も面白いんです。
プログラムに参加した若者の多くが卒業後に教育や心理の道を志しているそうです。
ガルシアさん自身も大学院でソーシャルワークを学ぼうとしています。
支援する側がそこで進路のヒントを得るって素敵ですね。
生徒の成長だけでなく支援する人の成長にもなっている。
まさに支え支えられる関係ですね。
教育の根っこにあるのは人と人の関わり、その循環が自然に生まれているのがこの取り組みの強みだと感じます。
日本でも地域の若者は学校に関わる仕組みがもっと増えたらいいなと思いました。
ちょっと未来が見える気がします。
僕もそう思います。
制度の形だけでなく信頼や共感という人間的な側面に目を向けることで教育の豊かさはもっと広がりますね。
今日の話を聞いて、教育と福祉がつながる未来ってすごく近いかもしれないと感じました。
本当にそうですね。では、今日の教育カフェテラスはここまでです。
最後まで聞いてくださった皆さん、ありがとうございました。
次回も教育の今を一緒に考えていきましょう。
聞いてくださった皆さん、ありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。
05:21

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