オランダの小学校に見る分担勤務
教育カフェテラス、進行役の水野太一です。 国内外の教育の話題から、明日の学校につながるヒントを探す番組です。
アシスタントの高橋紗友香です。今日もよろしくお願いします。
紗友香さんは、担任の先生は月曜日から金曜日まで毎日学校にいるものと思っていますか?
思っています。担任の先生のお休みの日は、クラスが少しそわそわしていた記憶があります。
今日の記事の筆者も、同じ思い込みをしていたそうです。
東洋経済オンラインの9月11日の記事で、千葉県の公立小学校の先生、松尾秀明さんが、この夏にオランダの小学校を訪ねて書いています。
訪ねたのは夏休み中で、授業の日を見たわけではないと最初に断っています。
夏休みなら先生もあまりいないのではないかと想像していました。それでも驚くことはあったのでしょうか?
会議を減らし対話を変える
何度も驚いたそうです。週に3日か4日だけ働く先生が珍しくなく、一つの学級を複数の先生が担当して、それぞれ来る曜日が違うこともあります。しかも定例の職員会議もほとんどないそうです。
以前この番組で日本のチーム担任生のお話を伺いました。でも会議がないと先生同士で話が繋がらなくなりそうです。
筆者も最初はそう考えました。ところが話し合わないわけではないのです。必要なことがあればその時に関係する人同士で短く話し、個別の確認はとても頻繁にします。日常の連絡にはスマホの対話アプリも使うそうです。
全員を集める会議を減らして必要な人とだけ話すということでしょうか。それなら私の実習先の打ち合わせよりむしろ話す回数は多いかもしれません。
筆者も会議を減らしているというより話し合いの形を変えていると書いています。国の統計を見ても契約の上でフルタイムの85%より少なく働く小学校の先生は71.9%に上ります。
仕事量を先に確かめる仕組み
7割以上が短い時間で働いているのは驚きです。でもそれだと給料が減って生活が苦しくなりませんか?
減ります。それでもあえて短く働く人が少なくないそうです。オランダではどれだけ働くかとどんな契約で働くかは別の話で、短い時間で働くことが非正規という意味にはなりません。一定の条件で勤務時間を増やしたり減らしたりする申し出もできます。
辞めるかフルタイムで続けるかの2つしかないわけではないのですね。それなら長く続けられる人が増えそうです。
筆者もそこに持続可能性の意味を見ています。ただ一番の疑問は残ります。短く働く人がいるなら残った仕事は誰がやるのかってす。
私もちょうどそれが気になっていました。結局フルタイムの先生の負担になるのではないでしょうか。
筆者はその答えを労働協約で見つけました。オランダでは毎年夏休みの前にチームで翌年度の仕事も配分も話し合います。授業だけでなく準備・採点・事務・新しい先生の支援・研修・休憩まで洗い出します。
その上で今いる人員で本当に実行できるかを確かめ、無理ならチームと管理職と雇い主で調整するのです。
仕事を先に決めて人を当てはめるのではなく人と時間から仕事の量を考えるということでしょうか。
筆者の気づきもまさにそれでした。自分はずっと週3日になったら残りの仕事を誰がやるのかと考えていたそうです。でも先に問うべきなのはこの人員と時間でこの仕事量は実行できるのかだったと書いています。
日本だと新しい仕事が来たらどう効率化するか誰が担当するかから考えている気がします。
筆者も同じ指摘をしています。仕事の総量をそのままにして効率化だけ進めると空いた場所にまた別の仕事が入ります。課題な仕事量を現場の工夫とスピードで吸収し続けることを効率化と呼んではならないと書いています。
オランダの課題と選べる教室
オランダは先生にとって理想の国なのでしょうか。私は少し尋ねてみたくなりました。
そこは筆者も慎重です。オランダも教師の楽園ではなく小学校の先生は6.3%不足していて事務の負担も問題になっています。だから週4日勤務をそのまま輸入すればいいという話ではないのです。
では日本が真似できるのは仕事の量を先に確かめるというところでしょうか。
筆者の結論もそこに近いです。人を仕事に合わせ続けるのではなく人が働ける時間の中に仕事が収まるかを考えることです。筆者はもう一点オランダの教室であなたはどうしたいのと子供に問う姿勢を何度も感じたそうです。選べることと話し合うことはセットだというのです。
働き方の話だと思って聞いていましたが最後は教室の話につながりました。私もあなたはどうしたいのと子供に聞ける先生でいたいです。自分の働き方もそうやって選べるようになれたらと思いました。
選べる学校で育った子が選べる社会を作っていきます。週3日という数字よりその順番を覚えておきたいところです。
最後までお聞きいただきありがとうございます。次回はまた別の国や教室の話ができたらと思っています。