で、この話を聞いた時に、これはなんて言語学的なんだと、私は感じたわけですよ。
どういうことかと言いますとですね、おじいちゃんには非常にかわいそうなんですけれども、
残念ながら言語学という学問の視点から言うと、パパママより先にジジが出てくることはね、ほぼゼロなんですよ。
一緒にいないからとかそういうのではなく。
そういうのではなく、言語学的に無理というお話ですね。
で、なんでこのパパとかママが圧勝してジジが最高列になってしまうのかっていう話を今日はしていきたいと思っております。
ではですね、実際解剖していきたいと思うんですけど、ももち子さん、パパ、ママ、バーバ、この発音上の共通点って何だと思います?
パパ、ママ、バーバ、真っ先に思いつくのは、同じ音が2回繰り返してるなっていうのは思いましたけど、
でもそれだとジジも別に一緒ですもんね。
そうですね、ジジも一緒ですよね。
他にもっと口の動きに注目して考えてほしいんですけど。
パパ、ママ、バーバ、始まるときに口が絶対閉じてるかな?
そうですね、その通りですね。
言語学的にはPとかMの音、ムムムとかあるいはBの音ですね、バッバッ。
こういう音っていうのは全部両方の唇を閉じて作る両親音っていう音なんですね。
唇の音。
両方の唇の音って書いて両親音って言います。
この両親音って当然唇で作ってる音なので、赤ちゃんからしたら見やすいわけですよね。
口の動き見てたら。
視覚情報として見えるわけじゃないですか。
なるほど。
ですがこれに比べてジジはどうでしょう?
ジジ?
口は閉じてないですね、唇かは開いてます。
どうやって出してるかって言われたら、口をイの形にしてて、ジ、うーん、わかんないですね。
そうですよね。
ジの音は専門用語で言うと、有声死刑口号外破札音って言います。
非常に難しいですけど。
赤ちゃんどころか持ち子が厳しいです。
どういうことかと言いますとですね、まず有声なのでこれは声があるっていうふうに書くんですけれども、声帯が振動するっていうことですね。
その音を作るときに。
死刑の音なので、まず上の歯茎に下の先ちょうどくっついて、デュっていういわゆる破裂音という弾くような音を作ります。
その直後に口号外っていう歯茎よりもうちょっと後ろのところなんですけど、そこに下が行ってジっていう擦る、摩擦音と呼ばれる擦るような音を作る。
これを組み合わせて行うので破札音っていうふうに呼ばれます。
これがジの発音なわけですね。
なんとなくわかります?この震えている感じとか。
ジ、ジ、ジ、ジ、ジ、ジ。
なんとなく言われてみれば、下の位置とかってよくLとRの違いはねとかTHの音はねっていうときに習いますけど、意識したことないかなみたいな気持ちになっちゃうんで。
言われてみたら、後ろの方にいるかな?震えてるかな?くらいはわかるような気もするくらいかな私は。
今野志子さんが言ってくれたみたいに、すごくこの微妙な動きをジの音はしなきゃいけないわけですよ。
さっきパ、マ、バはものすごい僕簡単に説明しましたよね。
唇使ってる音ですよ。だから赤ちゃんにとってもめちゃくちゃ簡単なわけです。
ジとギ何が違うって言われたらちょっとわかんないんですもん。
ジとギの違いっていうのはギはもっと後ろの方で発音していて、さらに破裂が起きるタイプの音っていう。
音にもいろんな超音法っていうんですけど、音の作り方みたいなタイプがあるんですね。今日は細かくお話ししませんけど。
それは赤ちゃんには厳しいんじゃないですか。
大人でもこんなに外的に説明されるのが難しいことを赤ちゃんは時間をかけて習得しなきゃいけないわけなんです。
なので赤ちゃんからすると丸見えなパ、マ、バみたいな音の方が簡単なわけですね。赤ちゃんにとっては。
したがってジジはどうやっても最初には出てこないわけです。だってジジの方が圧倒的に難しいんだもん。
むしろだからパパとママと呼ばれるようになった説すらありません?
それでめちゃくちゃ良い視点なんですよ。実際に世界の言語の中でお母さんを表す音にはものすごくMが多いって言われてるんですね。
マザー。
イタリア語でもママですよね。もちろん言語の系統みたいなのもあると思うんですけど。
でも世界的に発音しやすいMの音っていうのがお母さんを呼称する名前に使われやすいっていうのはどうもあるみたいです。傾向として。
確かに韓国語もおんまとかって言いますね。
そうですね。なので赤ちゃんにとっては見える音っていうのがすごく獲得しやすいっていうことですよね。
言いやすくて呼びやすくて、一番最重要パーソンじゃないですか。
赤ちゃんにとってはね。
そこで出しやすい音っていうのがむしろそっちなのかなって思うぐらい、ジジにはちょっと残念な結果になりましたけれども。
そういう実は言語獲得と音の秘密っていうのがジジの悲劇には隠れていたんだなということを感じながら私は日曜天国楽しく聞いていました。
ジジには伝えられてない。
ジジには伝えられてない。
アズミさんがアナウンサーなんでそういうことをわかってらっしゃって。
ちょっとねそういうような話も出たりはしたんですけれども。
ジジにはきっと伝わってないんじゃないかなと思いながら。
もしそのジジがこの放送を聞いてくれてたら落ち込まないでっていうことを伝えたいなと思ってますね。
またその子供がね、いざそのジっていう発音ができるところまで来たってことは、ある意味口の中の筋肉がプロのレベルまで発達したってことなので。
さっきのなんちゃら音が習得できたってことですよね。
そうなので、それを素直に褒めてあげてほしいなというふうに思います。
今日の101号室の言語学はこんなところで、次のコーナーに行ってみたいと思います。
もちこの持ち込み。
このコーナーではもちことリスナーの皆さんが日常生活で発見した奇妙な言い回し、新しい若者言葉、謎のビジネス用語。
そんな日常にあふれる不思議な言葉遣いをKさんに分析してもらう。そんなコーナーです。
早速今日のお便り行ってみましょう。
ラジオネーム万年平社員さん。
Kさんもちこさんこんばんは。
前回のおソースの話、面白すぎて何度も聞き返しました。
が、そのせいで私の耳が完全にバグってしまいました。
今までは聞き流せていた言葉がいちいち気になって仕方ありません。
そして今日ついにおソースを超える偽材を社内の会議で発見してしまったので報告します。
うちの営業マンが取引先の方に向かって真剣な顔でこう言ったんです。
御社のごニーズに合わせまして最適なプランをご提案します。
ご、ごニーズ?ニーズにご?
その瞬間私の頭の中にはのし袋に入った必要性ニーズがちらついて会議の内容が全く入ってきませんでした。
けいさんこれは私の耳がおかしいんでしょうか?それともこれも言語の進化なんでしょうか?とお便りいただいております。
ありがとうございます。非常にいい、面白いデータを見つけてきてくださいましたねこれは。
ごニーズ。
これすごいね。ごニーズ。一体何が起きてごニーズになったんでしょうね。
すごい真剣な顔でおっしゃったんでしょうね。
可能性として考えられるのは、言語の進化って言うとちょっと僕好きじゃないので変化って言いますけど、
もしかするとその人の中では可能性の一つですよ。あくまで可能性の一つですけど、ニーズを外来語というよりは漢語っぽく見てるというか、あるいはもしかしたら和語かそうでないかで分けてる。
前回の話で和語、漢語、外来語って3つに分けてるよって話だったけれども、その方にとっては和語かそうじゃないかみたいな。
和語or notみたいな感じ。和語だったらおつけてもいいけど、和語じゃなかったらなんかつけなきゃごにしとくかみたいな感じかな。
つけないっていう選択肢がなくなっちゃったんですかね。
なんてだろうね。もしくはご要望じゃなくて、その要望をビジネス用語に変えた可能性もあるかなと思いましたけど。
私も最初、要望だったらご要望、意見だったらご意見って言ったところで、そこに近いじゃないですか。
本当はご要望から派生して、でもご要望って言うとすごい欲しいっていうのが目に見えてるけど、
needsの方がもしかしたら、まだこれが欲しいんですって指させないようなところでも、合わせて提案させてくださいよっていう要望じゃ表せないけど、
だからニーズって使いたい、でもご要望みたいに丁寧にしたいってなった時に、生み出してしまったごニーズなのかなって。
ニーズっていう言葉でしか表せない意味というかニュアンスというかがある。
要望とはきっとその営業マンにとって、御社のご要望に合わせましてっていうのとはまた違うニュアンスがあったんじゃないですかね。
なるほどね。
もち子さん的にはどうですか。ニーズっていう単語の方がフィットするなみたいな場面がありそうな気がする。
僕は大学で働いてて、あんまりいわゆる社会で働いてないというか、いわゆる企業で働いてないので、ニーズっていう単語を使う機会があんまりないんですけど。
これは完全にビジネスあるあるですけど、はっきりさせたくない時にカタカナにするんですよね。
あー、ちょっとうやむやにしてるみたいな感じ。
要望ってもう明らかにこれが欲しいっていうはっきりした印象があるけど、ニーズだとまだほんわりしてるとか、
なるほど。
なんかこうアジャイルとかもそうだし、なんだろう、はっきり漢語とかの方が断定しちゃう感じがあって。
みんなにとってカタカナ語ってちょっとこう遠いから、なんかこうごまかせるって言ったら変かもしれないんだけれども、
なんかこうそういう時に便利に使いがち。
だからそこにはたぶん従来、え、それもうカッコつけないで漢字にしなよとかカタカナ使うのやめなよっていう気持ちもわかる一方で、
でもなんかやっぱりそこにしか伝えられない、こう定まってないんだよっていう印象だったりとか。
なんだろう、バッファー用意しておきたいんだよって、このバッファーももうちょっとね、予備って言えないみたいなところで、
なんかこうそういう感じで使い分けてるというか、使っちゃうっていうのは、なんかこうビジネスパーソンあるあるなんじゃないかなとは思いますね。
なるほどね。
このコーナーでは皆さんが日常で感じた言葉の違和感を大募集しています。