Welcome to Deep Structure Radio. この番組は言語学者のKeiと、
アシスタントのもちこが、
言語学の面白さを広めるべく、私たちが普段何気なく使っている言葉について、
言語学という特殊なレンズを通じて、面白おかしく語っていく番組です。
今回は、みんなが大好きなあの料理の名前に潜む違和感について、お話ししていきたいと思います。
それでは、今夜も言語の深層へ潜っていきましょう。
はい、ということで、101号室の言語学のお時間です。
Keiさん、突然の質問なんですけども、チーズインハンバーグって好きですか?
好きです。
好きですよね。おいしいよね。
おいしいですね。つい頼んでしまう。
ファミレスとか行くとよくあるし、頼んじゃうよね。
で、こないだファミマで買い物してる時に、濃厚チーズインファミチキになるものを見たんですよ。
ほう。
でもやっぱりファミチキの中にチーズが入ってるっぽい。
それもおいしそう。
で、このチーズインっていうのに、僕昔から結構違和感を感じてたんですよ。
で、このチーズインファミチキを見た時に、「はっ!」って気づいたことがあって、今日はそれについて話していきたいんですけど。
確かにその状況だけを考えたらね、ハンバーグの中にチーズが入ってるとか、ファミチキの中にチーズが入ってるわけだから、
チーズインハンバーグもチーズインファミチキも間違ってないと思うのよ、英語的にも。
まあなんかこう、内側にチーズがいるっていう感じがします。
そうそうそうそう、中に入ってるっていうのは正しいんだけど、
でもこの英語耳で聞いた時にこのチーズインハンバーグってすごい変だなって思っていて、
何が変なの?っていうことなんだけど、
まずそもそもチーズインハンバーグの主役って何?なんだと思う?
主役?要はハンバーグ。
だよね、ハンバーグが主役でしょ?チーズじゃないよね。
あくまでもトッピングの筆頭というか、デミグラスソースよりもチーズだよっていうだけで、
要はハンバーグ。要はチーズかハンバーグかって聞かれたら、ハンバーグだとは思いますね。
ですよね。でも英語耳でチーズインハンバーグって聞くと、
なんか日本語にしたらハンバーグの中のチーズって言ってるように聞こえるんですよ。
確かにこうインハンバーグがこう何でしたっけ?全知識?みたいな。
要はチーズっていう主役はチーズ感は、私の英語力でも言われてみればそんな感じがしますね。
主役がすごい入れ替わってるように感じちゃうんですよね。チーズインハンバーグって英語で聞くと。
で、なんでそんなことになるのかっていうことを今日は解説していきたいと思います。
考えたこともなかったですね。
なんでそんなことになるのかって話なんですけど、これは統合論でいう修行部の位置が関わってきます。
修行部の位置ですか?
その修行部の位置っていうのがキーワードになってきます。
まず修行部って何かっていうと、要はそのフレーズの中でのボス、メインのところを修行部って言います。
主役?
だから例えば名刺句だったらそのボスは名刺だし、動詞句だったらそのボスは動詞だよね。
で、その修行部っていうのが、今言った名刺句の名詞とか動詞句の動詞っていうのが、その句の中で最初に来るのか、それとも最後に来るのかっていうのが各言語で違うんですよ。
これがパラメーター的に各言語設定されてるっていう風に言われてるんですね。
ここまで聞いたらもしかしたら予測がつくかもしれないけど、英語は修行部が最初。ヘッドイニシャルって英語で言うんですけど。
で、日本語は最後に来る言語なんですね。
だから例えば日本語でリンゴを食べるって言った時、食べるが動詞だから後ろに来るじゃないですか。
でも英語だったらeat an appleっていう風にeatの方が頭に来るよね。
これと同じことが名刺句の中でも起きてるわけですよ。
だから英語耳でチーズ&ハンバーグって聞くと、チーズが最初に来てるから、主役チーズかよっていう感じがすごいするなっていうのがあって。
だからそっちが主役に聞こえるわけよね。っていうのをこの間、濃厚チーズ&ファミチキを見た時に感じたわけ。
日本語は後ろに来るから、結局メインはファミチキだよねっていうことになる。
今言ってくれたのと全く同じことを違う例で繰り返すけど、
日本語はさっき言ったみたいに修行部が最後に来る言語だから、チーズ&ハンバーグって言われた時に、
あ、ハンバーグが主役なんだね。それでふって納得できちゃうっていうか、
特に日本人としては違和感を感じないんだけど、僕はアメリカでしばらく生活してたことがあるから、
その気持ちで帰ってきてチーズ&ハンバーグとか濃厚チーズ&ファミチキって聞いたら、
あ、なんか変って思ったわけよね。
なるほど。でも確かによくこう、巷でも日本語は最後まで聞かないとわからないとか、
英語は結論から言うとかね。
で日本語は最後に言いたいことは持ってくるんだみたいな感じで、
リンゴを食べまでは食べたのか食べなかったのかわかんないんだみたいなのがあるから、
なんかこう日本語は後ろに大事なところというか主役が居がちっていうのは、
なんかこうイメージとしては納得感があるのかなと思いました。
そうなんですよ。でこれがその統合論の世界でいう主要部。
でその位置っていうのが言語によって違うよねっていうのは結構重要な概念としてあるわけですよね。
まあ前か後ろかの基本的には二択ってことですか。
そうですね主要部の位置は二択ですね。前に来るか後ろに来るか右に来るか左に来るかのどっちかですね。
なるほど。
じゃあなんでこのinっていうのが日本の中では何々入りみたいな、
チーズinって言ったらチーズ入りみたいな意味で定着しちゃったのかなってことをぼやっと考えたんですけど、
これおそらく英語でその形容詞っぽく使われる表現として、
動詞プラスinっていうのがあるんですよ。例えばwalk-in closetとか。
チェックインとか。
そうだしwalk-in closetって言ったら歩いて入れるクローゼットでしょ。
とかあとはドライブインティアターとか。車のまんま入ってってそれで車に乗ったまんま映画見て車で出てくるみたいなのがあったりするんですよね。
アメリカだと。そういう風に動詞プラスinっていう形で使うと何々に入った状態でできるとか入っていけるみたいな意味で使えるんですけど、
これを元にというかこういう使い方があるから動詞とか名詞とかそういうの関係なくチーズinってくっつけちゃえばいいんじゃねっていう
ある意味ミスアナリシスというか誤分析間違った分析をしてチーズinって作り出しちゃったのかななんてことをぽやっと思ったりしたわけですよ。
本来は前置詞って多分英単語帳に載ってるような熟語帳か動詞プラス前置詞みたいなのがあると思うんですけどチェックインも名詞っぽいけどよくよく立たせばチェックinだしドライブinもドライブinだしっていう感じで本当はその動詞にinがついてたのにそこから広げてというか
なんか多めに見積もってチーズinもいけるだろうみたいに日本でこうなっちゃったっていうことですか?
そう和製英語みたいな感じでその英語でそういう言い方するからって言ってその使い方を広げちゃった広げてチーズinっていうのでもいけんじゃねっていう感じにしちゃったんじゃないかなとか思って
海外の人がファミレスに行ってチーズinハンバーグって多分英語表記もそのままチーズinハンバーグなんじゃないかなと思うんですけど違くない?みたいに思われるんですかね
思うんじゃないですかなんかチーズの中に入っていけるハンバーグみたいな感じがするかもしれない
なんかこう私たちチーズinハンバーグって言ったらハンバーグこうナイフで切ったらチーズトロッと出てくるみたいな絵がもう描けちゃうと思うんですけど
日本語に馴染みのない特にこの場合だと英語圏の方が聞いたら違う絵が浮かんじゃうような
だから英語で正しく表現しようと思ったら例えばハンバーグwithチーズin itとか
ハンバーグだから一緒にチーズが中に入っているとかあとはチーズstuffedstuffed詰めるって意味なんだけど
それをあれですね英文法でやったかもしれないけど過去分子の形にして受け身の形にしてチーズstuffedハンバーグとか言ってハンバーグステークとか言えば
チーズの入ったチーズが中に包まれているハンバーグみたいな意味で言えると思うので
ぜひ全国のレストランで英語表記のメニューをつけている方にはそういうふうに直してほしいなと
なるほどwithだとやっぱあの添えて感がありますかねチーズを添えてみたいな
確かにそうかもだからチーズstuffedハンバーグステークとかハンバーガーパティとかがいいのかなとか思いますけどね
全国のレストランの方々にはちょっと見直していただいて正しい意味で伝わるように使ってもらいたいななんて思います
はいでは今日の1015sの原話区はこの辺りで次のコーナーに行ってみましょう
もちこの持ち込み
このコーナーではもちことリスナーの皆さんが日常生活で発見した奇妙な言い回しや新しい若者言葉謎のビジネス用語
そんな日常にあふれる不思議な言葉遣いを計算に分析してもらうそんなコーナーです
では今日は私の持ち込みということでお話をさせていただきたいと思います
はいテーマはですね言い間違いです
会社の研修で遭遇した言い間違いがございましてその話をしてもいいですか
どうぞはい当たり前のことを当たり前にやるってすごく大事だよねっていうシーンでですね
やると決めたことをやっていこうよみたいな話のニュアンスだったんです
そこでおそらく本当は決めたことにコミットしていきましょう
コミットメントってライズアップのコミットで言いたかったんだと思うんですけど
本当に真顔で込めたことに決めっとしていきましょうっていう風に
あの研修のしかも外部の先生だったんですよ
言ったんです
でもなんか特に誰も吹き出すこともなくなんならそこで噛んでしまったわけでもないので
訂正も入らずそのまま終わったんです
え、込めたことに決めっとって言わなかったって思いながら
なんかこうスルーなのかって思いながら聞いてしまっていたんですけど
この言い間違いってちょっと癖あるなという風に思っていて
噛んじゃったとかちょっと詰まっちゃったっていうのとは
明らかに違うタイプの新しいジャンルの言い間違いなのかなと思って
これにこう法則であったりとかあるあるなんだよみたいなところとか
英語でもあるんだよみたいなところがあれば
Kさんに教えていただきたいなと思いました
はいわかりました
なるほど面白い例ですねこれもね
何がすごいって本人が言い間違いって気づいてないっていうのが
そうなんですよ多分気づかなかったんじゃないか訂正が入らなかったので
多分気づいてないんでしょうね
こうした間違いっていうのはスプーナリズムとか
日本語で言うと頭音転換
頭音?
頭の音の転換ひっくり返るってことですね
っていう風に呼ばれたりしていて
例えば他の例だと僕もやっちゃったことあるんですけど
エッグベネディクトじゃなくてベッグエネディクトみたいな
風に言っちゃったりとか
あとは高田のババをバカ田のタバって言っちゃうとか
英語でも実際あったりするらしいんですよね
ちょっとパッと例思い出せないんですけど
英語でもスプーナリズムの例っていうのはあって
これスプーナリズムっていう名前がまずどこから来てるかっていうと
スプーナ博士っていう
ごめんなさい大学覚えてないハーバードだったかな
どっかだったと思うんですけど
大学の先生がよくそういう言い間違いをするっていう
スプーナ博士がよくそういう言い間違いをするよねっていうので
スプーナリズムって呼ばれるようになっちゃったっていう
結構不名誉な名前が出てるんですけど
スプーナ博士もびっくりですね
それがすごい有名になって
ハーバードの学生たちがスプーナ博士がこういう言い間違いしそうだよねみたいな
ある種ネットミームの走りじゃないけど
そういうことを言ったりとかしていたっていうので
有名になった例なんですよね
ごめんなさいちょっと英語の例がパッと思い出せないのが悔しいところなんですけど
でもこれ結構よくあるんですよ
そうなんですね
基本的には似たような音の
しかもそれが頭に出てくるときにそれをひっくり返しちゃう
っていうことがあって
なんでこれ起きるかっていうと理論は結構いろいろあるようです
僕は音の研究詳しくないのでそこまで具体的には知らないんですけど
音とか単語とかっていうのを思い出して話すっていう処理を
人間の脳で行うときにある程度人間先読みしながら
計画を立てながらしゃべって処理を行うんですよね
その時になんか手違いというかバグってというか
やべって言って後ろの音を先に言っちゃう
予測を立ててるせいで次にこれ言わなきゃって思ってるせいで
そっちは先取りしてきちゃうっていうことが起きるので
こういう間違いが発生することがあるっていう風に言われてるんですよね
考えながら話してるときにもう決めるって話をするときに
この後にコミットメントって言うぞみたいなところが
頭の中ではそこの処理が動いてる分そこに手違いが起きて
先にこうが来ちゃうみたいな
そう込めたことに決めとって言っちゃったんじゃないかなと思います多分ね
これが実際よくある例なんであんまりバカにせずにというか
でも一文字一文字処理してないんじゃないかみたいなのは
私もXか何かで見たことあるんですけど
この文章が皆さん読めるのすごくないですかみたいなやつで
中身の順番がぐちゃぐちゃになってるみたいなやつありません?
分かります分かります文字の頭とお尻が合ってる
単語の頭とお尻の字が合ってると真ん中ぐちゃぐちゃしてても読めちゃうよねみたいなやつ
なんかあれと一緒で言うえおって私たち読んでるんじゃなくて
ある程度この塊で処理をしてるっていうのは感覚的にはイメージ湧くかなと思いました
そうですね文字のぐちゃぐちゃしてても読めるってやつ
あれはあれでまたちょっと面白い研究があるんでまたそのうち話はしていきたいなと思うんですけど
人間のすごいところとして一個一個丁寧に積み上げてとかじゃないっていう
なんかある程度まとめ面倒くさがり屋さんなんだなと思いながらも結構楽をしようとしているというか
その方が効率的だよねっていう
なんかそのコスパよく処理をしてるからこそ起きるエラーなんだなと学びました
非常に面白い例をありがとうございました
ありがとうございます
このコーナーでは皆さんが日常で感じた言葉の違和感を大募集しています
街中で聞こえた変な会話職場の謎ルールあるいは私が言い間違えましたという自主でも構いません
あなたが確保した生きたサンプルをぜひもちこまでお知らせください
優秀な報告書はKさんが分析しこの番組のアーカイブに永久保存しちゃいます
報告フォームは番組の概要欄にございます
皆さんの投稿お待ちしております