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皆さん、こんばんは。ドーピング0会代表理事の吉田です。
一般社団法人ドーピング0会が主催・運営するラジオ番組、ゼロラジの時間がやってまいりました。
ゼロラジでは、世界で起こっているドーピング関連のニュースを中心に取り上げ、それを解説する番組となっております。
この番組は、私、吉田、そして、理事の唐津山です。
この2人でお送りしていきます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい、ということで、さてですね、今回は前回のお話、ちょっと触れておきましたけども、
女子テニスですね、女子テニス界のトップ選手2人に起きたドーピングの問題をですね、取り上げていきたいと考えております。
1人目は、元世界ランク1位でグランドスラム2勝を挙げている、下田ハレプ選手。
そしてもう1人、現在の世界のトップを走る、伊賀シフォンテク選手ですね。
この2名、ドーピングに関するニュースっていうのは珍しくないんですけども、
この2人の事例っていうのは、ほんとね、考えさせられるので挙げさせていただきました。
では、処分の重さの違いっていうところに注目が集まっています。
世界的な実績を持つ選手が、なんでこんなに違う判断を受けたのかというところですね。
今回はその背景を時系列も並べながらですね、紐解きながら、薬物の種類とか判断基準とか、
そして選手の反応に至るまで解説をしていきたいなと考えております。よろしくお願いいたします。
お願いします。
それでは最初にですね、この番組はニュースを上田ちゃんは先生に読んでいただいて、そこから入っていくということになりますので、
上田ちゃん先生、よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
それでは早速ニュースの方に移りたいと思います。
ハレプ選手のドーピング問題
まず最初のニュースは、世界ランク1位、ハレプ選手側のニュースとなっておりますので、
そちらの方を読ませていただきたいと思うんですけども、ちょっと時系列複雑になりますので、要点だけ先に述べさせていただきますと、
2022年の9月に世界ランク1位のハレプ選手は、全米オープンで採取された検体からロキサリウスタッドという物質が検出されまして、
こちらの非特定物質になっていますので、暫定的資格撤処分を受けていると。
その後、アスリートバイオロジカルパスポートですね、ABPでも異常が検出されて、
一旦4年間の出場撤処分を受けたんですけど、最終的には9ヶ月に原発されたというのが、ハレプ選手側のまずニュースです。
今まとめてお伝えしましたけれども、記事を読ませていただくとですね、
ハレプ選手は2022年全米オープンの期間中に行われた検査で、禁止薬物のロキサリウスタッドに陽性反応を示し、
2022年の10月7日から暫定的な出場停止処分となった後、生体パスポートのデータに異常が見つかる違反も認定され、
4年間の出場停止処分に直面。
2023年2月にスポーツ仲裁裁判所キャスエイを訴え、脱衛に汚染されたサプリメントが原因の主張ということが認められて、
2025年の3月に協議復帰をしたというのが、このハレプ選手側、今ニュース読ませていただいたとおりとなっております。
ありがとうございます。
そしたら先にハレプ選手の件いっちゃいますかね。
そうですね、それかシフォンテック選手と比べた方がいいので、先にシフォンテック選手の方も読んでみましょうか。
はい、先にそちらをニュースを両方とも読んでみましょう。お願いします。
シフォンテック選手の処分
わかりました。今度はシフォンテック選手ですね。
この時点では世界ランクが2位だったということで、1位と2位という感じで、1位がハレプ選手、2位がシフォンテック選手という感じになっております。
シフォンテック選手側のニュースを読ませていただきます。
女子テニスの、失礼いたしました。
シフォンテック選手側はですね、2024年の8月12日、2020年8月に行われた協議会検査で、シフォンテック選手が強心症の治療薬トリメタジジンの陽性反応を示したとして、1ヶ月の出場停止処分におかしたとITIAは発表したというのがニュースになっております。
今回のニュースとしては、このハレプ選手とシフォンテック選手の罰則の違いというところなんですけど、
このシフォンテック選手側はわずか1ヶ月の出場停止処分で済んでいるというのが、このニュースの比較される部分になっているというところです。
ありがとうございます。めちゃくちゃ端的にわかりやすく伝えていただいてありがとうございます。
本当に世界のトップランカーの2人なんですが、片や4年、片や1ヶ月というところで、かなり処分に違いがあるよねということで、
本当にこのハレプ選手とシフォンテック選手の対応の差に対してテニス界全体を巻き込んだ論争になっているというのが現状というか、昨年からずっと続いているような話になっておりますね。
結局、ハレプ選手側は一応9ヶ月に厳罰はされたものの、そのキャスの判断が遅すぎて、約17ヶ月ぐらい競技ができていなかったと。
なので、ハレプ選手もそれに関してはインスタグラムの方で、このシフォンテック選手がなんで1ヶ月で済んでいるのかという自身との処罰の違いに理解するのは本当に不可能ということを投稿したということもその後のニュースで出てきてまして、
世界ランク1位と2位で争っている最高峰の選手が、同じような違反になったのにこの罰が違いすぎるというところが、我々としてもどう考えたらいいかっていうのは、今回このニュースを取り上げた一つの大きいテーマかなと思います。
そうですね。ひも解いていくとね、やっぱりハレプ選手の方はABPですね。これ毎回出てくるんで、さすがに覚えていただいたかもしれないですけど、アスリートバイオロジカルパスポートの異常がこちら出ているので、そういったところも問題になったのかなとは思っています。
ABPも再度簡単にご説明すると、ABP、アスリートバイオロジカルパスポート、頭文字でABPになります。これは選手の血液データですね、これを長期的にずっと蓄積しておいて、
その中で、禁止物質は出てないんだけど、何か血液の検査データに異常が見られたときに直接的な証拠はないけど、あなたやったよね何かっていうような間接的なものっていうような捉え方をしていただけたらいいかなと思っています。
なので今回の場合は、このロキサジュスタットの陽性反応だけではなくて、ここにアスリートバイオロジカルパスポートの血液パラメータの変動っていうところも組み合わさっていて、それもあって、ITIAとしては意図的な接種というふうに判断したっていうような流れですね。
この薬っていうのがロキサジュスタットはどういう薬かっていうと、人生貧血の治療薬でして、端的に言うと前回と一緒なんですけど、前回出てきたものと一緒なんですが、体内のエリスロポエチン、血液を作ろうとするホルモンですよね。このエリスロポエチンっていうのを酸性促進しますよっていうことですね。
なので、この薬を使うとエリスロポエチンを作ろうっていうふうになって、で、赤血球が増える。増えると酸素の運搬能力に関わっていくので、時休憩の競技とか、テニスとかももちろんそうですけども、そういった競技のパフォーマンス向上につながるんじゃないかということで、禁止されているようなものになりますね。
なるほどありがとうございます。ということは、ハレプ選手側の主張としては、なんでこんな罰則の機関が違うんだっていうことですけど、もちろん禁止物質の検出というところとABPの違反というところもあったので、そこをどう解釈するのかっていうところはちょっと違いもあるっていうところだとは思うんですけど、
もちろん禁止物質に関してはサプリメントの汚染だっていうところで、説明もそもそも難しいと思いますけど、前回の池田選手のテーマでもさせていただいたとおり、ABPの違反をどう説明していくかってかなり難しいかなっていう話させていただいたんですけど、今回に関してはその何らか提出した医学的な証拠が認められたような形にはなっているっていう解釈でよろしいでしょうか。
そうですね。もうおっしゃる通りだと考えておりまして、このCASっていうのは仲裁機構なんで、そこのCASが客観的なデータを見たときに、じゃあ意図的にやったっていうことではないよねっていうようなところですよね。
なので、4年の処分っていうのは厳しすぎるっていうような判断をしてますんで、今金沢先生が言ってくださったとおりですね、そこを変えていくような根拠が出されたと見るのが妥当かなと捉えてます。
わかりました。ありがとうございます。
次はそのシフォンテク選手側の話をちょっとしていきたいんですけど、トリメタジジンっていう薬が登場してるんですけど、まずちょっとこの物質がどういう物質でどんな薬なのかみたいなのをちょっと説明していただいてもよろしいですか。
はいありがとうございます。
トリメタジジンって聞いて、あれって思った方は結構アンチドーピングニュース2かなと思うんですけど、トリメタジジンっていうのは残念ながら最近スポーツ業界の中で禁止物質として使っていて、規則違反としてドーピングに引っかかってきているニュースが多いかなという私は認識をしております。
どういう薬かっていうと、先ほどあったんですけど強心症の薬として治療に使われる薬なんですけど、エネルギー代謝を促進するっていう、あと血流改善とかですねそういったものが期待されていて、アスリートが使うとですね、持久力の向上であったりとか、リカバリーにつながるっていうことが期待されるということで、使っている選手が一定数いるような
バックグラウンドがあります。そういったこともありまして、和田のですね、禁止票国際基準っていうリストがあるんですね。禁止されている物質が載っているリストがあるんですけども、そこにもですね、S4というカテゴリーのところにトリメタジジンっていうのが載っていますので、
載ったのは本当に使われているからなんですね。悪い方の意味なんですけど、使われているから掲載がされたというようなものになっています。
ありがとうございます。先ほどこの物質聞いたことある方は、アンチドーピング乳質というお話もありましたけども、ちょっとここでその過去にこの薬が問題になったケースをお話しいただければと思うんですけどよろしいですか?
はい、ありがとうございます。そうですね、このトリメタジジン有名になったのはですね、2022年の北京冬季オリンピックですね、冬季五輪ですね、の方でロシアのフィギュアスケーターのワリヤワ選手ですね、がこの薬の陽性反応を示したということで、まあ議論を読みましたよね。
ワリヤ選手の、あの弁護団の主張としましては、祖父、おじいちゃんがこの心臓病でこの薬使ってて、で確か家庭内でなんかこう、まぁコップだったと思うんですけど、飲んだ後になんか、なんでかわかんないですけど、そのね、禁止物質がそこの、普通は薬飲んで水飲むからそのコップに残らないだろうと思うんですけど、
まあ何らかの理由で、その薬の成分がワリヤワ選手が摂取するっていうところに繋がったみたいな、同じコップを使ったから、なんかそういう話だったと思うんですけど、そういう説明をしてましたね。
で、最終的にですね、あの、オリンピックには出たんですけども、やっぱりその後、結果はワリヤワ選手出せなかったですし、
で、今も復帰というところで言うと、今もその動向が注目されているっていうことなので、
まあ未だにこう、ワリヤワ選手を見る目というのは厳しいものがあるなというふうには考えています。
なるほど。ありがとうございます。
なかなかその弁護団の主張も、どれだけ正当性があるのかとか、かなり判断は難しいし、やっぱりかなり使われてるというか、
センシティブな、いろんな意味でセンシティブな物質なのかなっていうのはちょっと感じますね。
そうですね。やっぱり選手がこう、取ったという中でも、自分が意図的に取っていないですよということを証明しようとするのはすごく難しくて、
なのでそういったところで前回専門家を巻き込みましょうっていう話をさせていただいたと思うんですけど、そこに繋がっていくんですよね。
自分だけではおそらく確実に無理で、言ってしまえば本当にそれを言っていたのかということが証明できないですよね、一人だとね。
なのでやっぱりチームを組んだり弁護団を組むっていうのはそういうことになるんですけど、このあたりはですね、処分がそもそも短かったのはなんでやねんっていう話なんですけども、
メラトニンと処分の主張
シフォンテック選手の場合は、ポーランドなんですけど、そこで市販されていたメラトニンっていう睡眠に関するサプリメントですかね。
海外ではサプリメントとして流通してて、日本ではちょっと扱えないんですけども、メラトニンのサプリメントに取りめた自身が購入していたっていうことが後から出てきているので、
その結果をもって、重大な過失はないだろうっていうような主張をしていると。
それで1ヶ月ということになってるっていう話ですね。なのでこの場合はサプリメントに、
メラトニンっていうサプリメントなんで、もちろんその取りめた自身が入る余地はないだろうっていうものに対して
入ってた。それを意図せずに取った。だから選手本人にはそこには関係ないよね。
関係ないというか、選手自身は気づきようがなかったよねってことですね。
だからこの処分の短縮というか、いうとこに繋がったという認識をしています。
ありがとうございます。最後にもう一度ハレップ選手とシフォンテック選手の処分の公平性というところの話をさせてもらいたいんですけど。
先ほどもちょっとお話しさせていただいた通り、ハレップ選手はインスタグラムの方で自分の処分が重くて、
シフォンテック選手はわずか1ヶ月で済んだというところで、理解するのは本当に不可能だと。
なんでこんな差があるのかっていうことを、深い懸念を表明してたんですけど。
同じような薬物違反でも対応にばらつきがあるように見えるんですけど、この点に関してはどう考えたらいいかとか
その点は吉田さんの考えとかありますか?
これはやっぱり、そもそも証拠をいかに早く出すかみたいなところにも繋がってくるかなと思うんですね。
なので何か万が一っていうところを想定して日頃から準備しているかっていう差も実はここには見えてきてないですけども、関係はあるのかなと私自身は捉えています。
例えばシフォンテック選手の場合は、自分が摂取していたサプリメントにその禁止物質が入っていたんじゃないかということで、
やっぱりそのデータを早く出しているので、視覚的処分もやっぱり短くはなりますよね。
一方のハレプ選手っていうのは、そこが示すのにやっぱり時間がかかっているというところもありますので、
このあたりもともと日頃からそのリスクに対して備えておく。
例えば自分が摂取するサプリメントっていうものが何かっていうのは、例えばすぐに分析ができるとか。
そういった体制を整えておくっていうのは、どこまで事実かっていうのはちょっと伺い知れないところではあるんですけども、
そういったところで実は3人はなってるんじゃないかとは思います。
選手からすると、そう思いたいですよね。ハレプ選手からすると。
いやいや不公平だよねってなるっていうのはわかるんですけども、
ただ一方で、おそらくこういった自分ドーピングの違反になってしまったときの、
初動の違いみたいなところも私自身はあったのかなと考えております。
選手の主張と処分の評価
なるほど、ありがとうございます。
やっぱりそういう初動の速さだったり、そういうのを出していくには、日頃からこう自分で注意するのはもちろんのこと、
専門家にも、なるべくオーアクセスでしやすいようにしておくっていうのも、かなり大切かなっていうところにはなりますかね。
そうですね、やはり原因がどこだったのかということとか、
やっぱりABPが絡んでくると、そこを示すってやはり前回もお話した通りでかなり難しいと考えられるんですね。
血液がなぜそういう挙動を示したのかというところを、やっぱりこう示していかないといけないので、
そういう意味でもやっぱりハレプ選手はまあ言ってしまえばやることはやってるんじゃないかという、
やっぱりね、あのー、禁止物質も出ているし、ABPでも挙動がおかしいっていうことで出てきているので、
まあ私としてはそっちはまあ妥当かなというふうには思っていて、
逆に、ハレプ選手、あ、じゃなくてごめんなさい。シフォンテク選手の方は、
そこに対して出すものを出したので短くなったっていうので、こちらも1ヶ月がどうかっていう細かい処分の期間は別として、
まあでも私は割と妥当なのかなと、冷静に見てみると。
いうのがやっぱり思いますよね。そこはおそらく、
選手というよりも選手の周りの人たちが、まあかなり手助けしているのは思うんですけど、
それでもやっぱり自分の中でこれが原因なんじゃないかっていうところにすぐにこう、アプローチがしやすいっていうのは違いとしてもあったのかなとは思います。
なるほどありがとうございます。少し複雑なニュースでしたけど、今日 吉田さんとお話できてだいぶクリアカットになったような気がしています。
本当ですか?ありがとうございます。
はい、ということでですね、今日は 女子テニス
前回は男子のテニスだったんですけども、今回は女子テニスの業界 その2人ですね、2人のトップ選手
下田ハレプ選手と井上フォンテク選手という2名の事例を通じて、このドーピング規則違反の資格定処分
この基準とか課題とかですね、そういったところについて触れさせていただきました。
ありがとうございます。なんか本当に、今日あのニュースの中でも、選手自身の感情だったり、そういう理不尽さを表に出す
みたいなことも、非常に伝わる内容だったので
なんかいつもの、ただこう規則違反だけではない、本当に選手生命とか
選手のそういった側面にもちょっと触れた内容で、いろいろ考えるところが、また違った方面で考えることもたくさんあって
勉強になりました。ありがとうございます。
今後もですね、やっぱりこう 選手の言い分という、主張というところと
その根拠となるような部分っていうのは、やっぱちょっとね ズレがちなんで
私たち専門家としては冷静に選手の主張、感情、そういった思いみたいなところは、やっぱり受け止めつつも
冷静に。じゃあ本当にこれって じゃあ視覚低処分の短縮が妥当だったのかっていうところだったり
短すぎないかっていうところだったり、そういったところはしっかり切り離してみた方がいいかなっていうのは、私今回ですねこの
2人の 違反事例を改めて振り返ってみたときに
私自身勉強になったところですね SNSの選手の主張っていうのはわかる
けれどもそこと違反のところは切り離し考えないと まあ
なんていうかな、乱されるというか バイアスになってしまうなみたいなところもあったので
はい、なので逆に冷静に今回振り返れて 整理できた方も多いんじゃないかなとは思います
そうですね本当に はいということで
ゼロラジではですね引き続きこうやって まあねなかなか難しいなっていうテーマ多くなるとは思うんですけど
でも一方ですごい重要なテーマだと私たち考えて取り上げさせていただいておりますので 引き続きですね
ゼロラジ聞いていただいたり あの周りの方にですね
ゼロラジあるよっていうふうに言っていただいたりですね応援していただけると 非常に嬉しいです
はいということで本日はこんな感じですかね はい
はいということで本日の放送はこちらまででございます ありがとうございましたまた次回の放送でお会いしましょう
ありがとうございました ありがとうございました