1. ART×ROOM ー作品のある部屋の裏側ー
  2. #07【制作過程】素材に聴く
2025-03-28 14:30

#07【制作過程】素材に聴く

【内容】

貫通/木で折り目を出す/木だけの艶/何が光っているのか?/最後まで磨き上げる理由/神代の魅力を最大限に/素材に聴く/必然性に流れていく


【3月20日〜3月30日 開催】

第27回小田原もあ展「芽吹く」

詳細

https://de-art-de-art.com/odawaramoa-info2025/


【紹介作家】

朝比奈賢

⁠https://de-art-de-art.com/artistken-asahina-japan/⁠

展覧会動画(2024年)

⁠https://www.youtube.com/watch?v=UfKxdzzx2LM&t=10s


【関連リンク】

露木木工所

https://www.yosegi-g.com/

小田原もあ(展覧会動画)

https://www.youtube.com/watch?v=KJN8uj_yEQc


【カバーアート写真】

撮影:柏木照之

柏木美術鋳物研究所

⁠https://k-imono.com/⁠



【BGM】

⁠しゃろう:10℃⁠

⁠https://commons.nicovideo.jp/material/nc218877⁠


【制作】

DEアート

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サマリー

このエピソードでは、アート制作過程の詳細に焦点を当て、木材の特性や仕上げ作業における技術について議論しています。特に仁台の木の魅力や、その加工に伴う対話的なプロセスについて考えています。ポッドキャストの第07話では、彫刻と写真の違いや制作過程について話され、工具を使用する際の感覚や夢中になって作業に取り組む様子が描かれています。さらに、作品の発表に関する計画や、それに伴う疲労感についても触れられています。

作品制作の概要
ART×ROOMへようこそ。この番組は、アートが好きで作家さんを応援したいという気持ちから、YouTube、ブログ、インスタグラムから展覧会情報や作家情報、作品の情報などをお届けしている
DE アートの活動の一つとして始めました。 前回からの続きをお送りします。
これ、穴が開くまで作品と周りの流れる感じっていうか、そういう感じになるかなーっていうのは想像してたんですか?
まあ途中から想像する感じになりましたね。 貫通させようかなって思ったあたりからですかね。
はい。ちょっと面白くなるかもなーっていう感じでしたね。 じゃあちょっと作ってて楽しいなっていうポイントは、その貫通があったんですね。
かなりこれは仕上がっている段階ですか? だいぶ後半のところで、幾何学的にパタパタ折り目をつけた部分の裏側って言ったらいいんですかね。
後ろ側を空洞にした方が強調されるかなと思って、その裏側を今彫っているところですけど、そこに入る工具があんまりなくて、
擦り掛けとかがちょっと届かないような感じだったんで、そういうのがね、ちょっとなかなか時間のかかる作業でしたね。
このペンサンダーっていうのを使って地道に削ってきましたけど。
多分折り紙が折り曲がったような感じに見えたのは、ここのただ直線的に削るんじゃなくて、それを少し指が入り込むような削り方をしてるからっていうことですかね。
そうですそうです。最初お見せした完成形の写真では影になっちゃってて、どういう風になっているのかが分かりづらかったんですけど、
折り紙みたいなパタパタしたのの裏に彫り込んで空間を作っている。指がちょっと入るか入らないかぐらいの狭さなんですけど。
磨きの技術
鋭角に内側に削られている感じが。
そうですね。
一番初めにその完成形を見た時に、すごく綺麗に包装用紙、あれを思い起こしたんですよね。
折りたたんである包装用紙。木だけど包装用紙が畳まれてるみたいと思って。
紙の畳んだように見せる、木でそういう風に見せるっていうのは、ずいぶん難しいことなんだなっていうのをやってみて気が付きましたね。
どのあたりからそれを意識してたんですか?
やっぱり局面が現れた後からそういう意識が現れた。
結構早い段階で。
でもなかなか折り目が丸くなっちゃったりとかしてね、そういうパタッていう綺麗な折り目みたいなものを出すのもちょっと難しかったからですね。
折り目は結構頭にイメージとして割と早い段階からあって、どこでどうやったら折り目みたいになるかっていうのを探りながら削っていたんですね。
そうですね。
ここに来てこの鋭角に内側に削れているあたりからかなりそのイメージに近くなってきている感じなんですかね。
折り目が強調されてきて。
削っていくと木目ってやっぱり生き出てくるっていうか全然変わってきます?
はい。今動画で共有できてますかね。
見えてます。見えてます。
最初60番という目のペーパーで削っていってるんですけど、
だんだん目を上げていって120番、それから240番、それから400番、
600番、1000番っていうのの後でだんだん細かくしていくとすごく目が綺麗に浮き上がってくるんで、
最後に1000番の後にフェルトっていう布にコンパウンドっていう粉みたいなクリームをつけて、
それで磨き上げたんですね。
そうするとワックスとかニスとかつけないのに木だけのツヤでものすごくテカテカに光るんですね。
それは革材とかでもクリームみたいので舐めすと綺麗になるみたいなのがあるような気がするんですけど、木でもそういうのがあるんですか?
木でもありますね。木を磨く用のコンパウンドっていうんですかね。クリームがあります。
今これちょうど磨いてるとこなんですけど、だんだんツヤがこう出てきて。
ツヤってやっぱり木の油なんですか?
あーちょっとわかんないな。この神代の木に関しては油見って抜けちゃってるんじゃないかな。
1000年も水の中眠ってて。何が光ってるのかな?テカテカになるんですよね。黒光り。
ツヤでここ一部違います?
はい、全然違いますね。やっぱり仁台の美しさはこの木目が本当に綺麗に出るところなんで、
この彫刻に関しては途中で磨くのを止めずに最後まで磨き上げた方が神様の時代の感じが出るのかなっていう風に考えて、手を抜かずに隅々までフェルトで磨き上げてきましたね。
素材との対話
磨く作業どのくらいかかるんですか?
これは2日くらい、磨くだけで2日くらいかかっちゃったかな。
2日前の状態と2日後の状態では全然違います?
全く違いますね、仕上がりがね。
完成度を上げるっていうことは僕あんまり好きじゃなくて、なんか結果的に磨き上げようとか、そういうことが好きなんじゃないんですよ。
そうじゃなくて、神代っていう木の性質を考えた時に最大限に魅力を引き出してあげたいなっていうことを考えたら、それが一番最適かなっていう風に思えたので、今回はやりましたけれど、
本来はもう粗削りのままこれでいいやって感じで、粗削りでも大まかな考えが形に現れていれば逆にいいんじゃないかなみたいなね、そういうような普段は考え方をしてるんですけど。
あれなのかな、この神代に限っては普段の考え方の方じゃなくて、神代の性質の方にかなり寄せてるっていう感じですかね。
そうですね。これは磨いて木目出してあげないと悪いなっていう、そんな気持ちでした。
じゃあこれは素材が神代だからやっぱりこういう仕上がりだし、あとこういう皮が出てたからとか、こういう特徴のある素材だからこの形になったっていう感じですかね。
おっしゃる通りだと思います。
本当に素材によって何ができるかっていうのが変わりますね。
そうですね。こないだのとは表情が全く違うので。
それがでも対話してるっていうことなんですかね。
うーん、僕はそう思ってるんですけど、素材が話しかけてくれる感じなのかな。
なんか素材が話しかけてくれるっていうのもあるだろうし、あと素材に効いてるっていう感じが。
あー効いてる。
ここが皮がこれがあるから、ここを残そうかね、みたいな。
そうですね。なんかね神聖な感じがしちゃうんですよ、そこを。
例えば皮の部分とかね。手をつけられないみたいな。
あー、もうその木が持っている個性っていうか、もうそれが立ち現れている場所だからかな。
はい。
そしたらもうこうならざるを得ないみたいな感じで決まっていくのかな。
本当にもうその通りで、やってるプロセスっていうのは必然性に流れてくって言ったらいいのかな。
必然のつながりで自分が動かされてくって言ったらいいのかな。
逆に自分の方がね、僕がこう何か形を作ってやろうっていうんじゃなくて、
もう木材に自分がコントロールされちゃって、使わされて仕上げさせられてくような、逆転しちゃってるって言ったらいいのかな。
木材の方が主人で、私は召使いでみたいなね。
前油絵の時もそんなことをおっしゃってましたよね。
そうですね、結局。
色を置く時に、やっぱり自分がどうとかじゃなくて、キャンバスにどの色を置いたらいいのかとか、
自分が道具かなっていう風にその時もおっしゃってましたよね。
そうですね。自分の方が道具になっちゃうんですよね。
いやでも綺麗になりましたね。すごい磨かれてる。
ね、テッカテカにしてあげて。
これで一番初めの写真の状態になるってことですかね。
かしわぎさんにこの状態で撮影していただいたってことですね。
いやー、あの撮影の写真すごい良かったですね。
そうなんですよ。もう機材とやっぱりフラッシュ取り付けたりとか、
あと背景をすごく反射がしない布を使ったりとか。
木目とかすごい綺麗に見えましたね。
すごくツヤも綺麗に出たんで。
これ実物を見たらまた面白いんだろうな。また写真と違いますもんね、実物って。
やっぱり彫刻の周りをぐるぐるとしゃがんだり、上から見たり、
周りながら見ると空間のつながりっていうのが体で感じられるので、
彫刻と制作過程
図物と写真は全然違うかな。あの彫刻に関してはね、特に。
これも、もあ展で発表されるんですか?
そうですね。もあで発表した後、個展でもこれ発表しようかなって思ってますね。
やっぱ全然違うな、写真も見たら。
写真で見るとこの真ん中の残したところ、これがかなり目立つというか、
さっき作ってる時にはそんなに目立って見えなかったけど、これがすごく見える。
あと下の、目立たないけど、下に残した川の部分。
これやっぱり残した甲斐があるなっていうすごい味が出てますね。
ねえ、よかったな。
これやっぱこの下あるないと全然違いますね。
そうですね。
作ってる動画とか写真とかはついついこのさ、面積が広い断面の川に目が行っちゃってたんですよ。
だけど写真で見るとこの真ん中と右下のちょっと欠けてるところの表情っていうのが際立ちますね。
はい。これが例えば右下が欠けてるのに対応して左下も斜面落としてるんですよね。
右上の川のセットバックのところに対して左上がセットバックしてるっていう形で。
いや面白いな。ここから一番初めの写真行ったら全然わからなかったです。
え、どういうこと?って思って。
色も違うし、厚みもなんか全然。
そうですね。
写真で見るより厚みがあるんですよね、きっと。
ああ、そうですね。意外に元のこの木の厚みは残ってるんで。
この真ん中のところに厚みがありそうですもんね。
そうですね。真ん中が一番厚い。真ん中は元の厚みが残ってる場所ですね。
面白いな。
え、違う彫刻の話になると思わなかったんだけど。
いや、前紹介したお話の続きしたかったんですけど。
いや、こっちでもすごく面白かったですけど。
脇道にそれたらずっと終わらなくて。
本当に毎日何時間だろう、本当に4、5時間ずっと連続でいつになって終わるんだろうみたいな感じで。
全然先が見えなかったですね、始めちゃったら。
元のでかいの作んなきゃと思いながらやってましたけど。
でも何だろう、5時間とか4時間とか作業してても5分ぐらいにしか感じないって言ったらいいのかな。
そうなんだ。
もう何か夢中でやってたらあっという間に時間が飛ぶようにあーって過ぎちゃってて。
えー。疲れるとかはあんまないんですか?5分ぐらいに感じるってことは。
その時点では全然ないんですけど、やっぱり後でちょっと時間経ったりすると結構やっぱり疲れてたんだなーなんて出てきて。
まあそれを1ヶ月続けてると、知らない間に朝、午前中絵描いてたりもするんで、ちょっと疲れが溜まってて、この間オーバーワークでダウンしちゃったんですよね。
うーん、そうなんですね。
でもその疲れ、分かんなくなっちゃうぐらい夢中になっちゃうんですね。
全然分かんなくなっちゃうんですね。
掘ってるとき。
はい、掘ってるときはね。
なんかスイッチが入るのかな。
そうですね。工具でガーって削ってたりとかいうのなんかスイッチあるんでしょうね。
子供たちが作業してる様子見てても、やっぱりちっちゃい3、4歳の子がダンボールカッター持つと、なんかすごいスイッチ入るんですよね。
えー。
ガーって削って。
で、なんか誇らしげにするんですよ。道具は使えたっていう時にね。
うーん。
そういうなんか人間に入れるスイッチっていうのが道具にはあるのかもしれないなぁ。
だから絵を描いて楽しい感じがしてるのかもしれないですね。
なんか形が作られていくのが、筆とか何も持ってない手とか、柔らかいものよりは工具の方が早いのかな。だからかな。グイーって進む感じがするのかな。
僕の感じてる感じでは逆で。
うん。
工具だと、例えば一つの直線的な面を作る時に、そこに丸1日とか丸2日、ちょっと面作るのにかかっちゃうんですね。
うーん。
まず寸法をとって、補助線に沿って、彫り進めていくっていうところから始まって、それを荒削りしたら、今度は磨いて、やすって、平らにして、それを今度磨き上げていくみたいな感じで、
一つの場所作るのに工程がいくつもあって、作業が長いわけですよ。
でもそれはキャンバスの上だと色を置いて、その色に対して暗くしたり明るくしたりみたいなことはあるんだけれども、
うん。
割と思考と筆がダイレクトに繋がっちゃってるんですよね。
うーん。
作業って呼べるものが彫刻よりは少ない。
そうなんだ。
なので、絵を描く方が疲れる感じがするんですよね。
次回は続きをお送りします。
作品の発表
制作過程はYouTubeの動画で見ることができます。
写真はブログに掲載していますので、ぜひご覧ください。
では、これで終わります。
最後まで聞いていただきありがとうございました。
作品とのいい出会いを。
14:30

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