1. ART×ROOM ー作品のある部屋の裏側ー
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2025-03-07 18:31

#04【制作過程】理屈より閃きを優先

【内容】

木の戦略/作品を立ち上がらせるために/展示場所に合わせて足に変化を/油彩の悩みは抱えていたい/ 彫刻は現在進行形で伝えられる/後戻りに関わりが/理屈より閃きを優先/瞬間瞬間を創造的に/


【紹介作家】

朝比奈賢

⁠https://de-art-de-art.com/artistken-asahina-japan/⁠

展覧会動画(2024年)

⁠https://www.youtube.com/watch?v=UfKxdzzx2LM&t=10s

制作過程動画 木との対話 vol 3

https://youtu.be/NsRdAnGFssg


【関連リンク】

露木木工所

https://www.yosegi-g.com/

露木清高(箱根寄木細工技能師)

https://www.yosegi-g.com/index.php?burl=concept/

小田原もあ(展覧会動画)

https://www.youtube.com/watch?v=KJN8uj_yEQc


【BGM】

⁠しゃろう:10℃⁠

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【制作】

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サマリー

このエピソードでは、彫刻制作の過程を通じて、立ち姿に込められた生きる力やバランスの重要性が考察されています。特に、立つことへのこだわりや素材選びの工夫、展示場所に配慮したアイデアが紹介され、作品の進化の過程が描かれています。制作過程においては、理屈よりもひらめきを重視する重要性が語られています。また、創造的な瞬間が訪れることや自己模倣を避けることが創作において鍵となることが強調されています。

彫刻の立ち姿へのこだわり
ART×ROOMへようこそ。 前回からの続きをお送りします。
横たわる彫刻も作ることはあるんだけど、 なるべく立ってて欲しいという気持ちがあるんですよね。
それは何だろう?どこから来るんだろう? 立ってて欲しいという気持ちはどこから来るんですか?
木も生きている限りは、太陽に向かって目指して伸びていくわけですよね。
少しでも上に伸びていって、葉っぱを広げてということの行為が、
太陽を目指して栄養を得るために枝葉を広げて生きていくための戦略なわけじゃないですか。
それはある程度、重力に従って、写真に写ってるような草むらみたいに横に広がっていくよりは、
太陽の光を浴びる確率は増えるわけですよね。
上に上にの方が。
それは生きていくための戦略として、重力に逆らって伸び上がっていくわけじゃないですか。
そういう生きる力みたいなものを立ち姿には感じるんですよね。
今のこの写真の状態はかなり立っているという感じですよね。
そうですね。
なるべく最初はベンチとして作られたわけだから、この塊が横立っていたわけなんだけど、
僕が彫刻として作るにあたっては、重力に従って横たわっていたものを立ち上げてあげたいなという気持ちはあったんです。
そうなんだ。
ただ、この塊を立たせようと思っても、下のゴツゴツしている部分を残しているから、転んじゃうんですよね。
バランスがちょっと崩れちゃうなと思って、どうやったら立ち姿になるのかなってずっと考えていたら、
ちょっと足がついていて、空中に浮いているような表情にすれば、このゴツゴツした部分も残しつつ立ち上がらせることができるのかなというのが閃いたんですよね。
どのくらいの期間、一回ストップして、また離れて、考えて立ち上がるっていうのが、この写真のようになるまでにどのくらいの期間を考えているんですかね。
素材とバランスの探求
この時はどうなんだろう。やっぱり2、3時間は経っちゃうかな、眺めてて。
足がついていない状態で立ち上がらせるには、下に物をかませたりして、立つような状況にして眺めてみて、遠くから眺めたり近くから眺めたり、
360度というか、ぐるっと周りをめぐって、あっちから見たりこっちから見たりみたいな感じで、やっぱりとにかく距離を変えて、角度を変えて、見続けるってことですよね。
そうすると何か浮かんでくるのかな。
結構地面から立体物が見えるところっていうか、足の長さですよね。足の長さが結構立体の長さよりもちょっと長いぐらいに見えるんですけど。
そうですね。
結構上の方に、何て言うんだろうな、下は足だけだから空洞っていうか、重力があんまり感じないような細い、細い針金、何て言えばいいんだろうな、これ。
立たせるには結構細め。
これはね、物としては長ネジなんですね。
長ネジなんですか?こんなに長くて?
90センチから1メートルぐらいある長ネジの鉄の棒なんです。
それがうちにちょっとあったんで、ここで木使っちゃうとポッキリ折れちゃうから、ある程度強度のある素材でうちにあるもので、くっつけてみたらちょっと良さそうだぞっていう風にバランスで見えたんで。
またこれバランス悪かったら別の素材に取り替える必要があるんだけど、ちょっとなんか面白いなって思ったんで、これで進めることにしました。
そうなんだ。今ここからまた少し進んでるんですか?
ここから少し進んで、足をこの六角ボルトっていうのにねじ込んで高さ調節できるようにしたっていうことと、
これボコボコした状態、ちょうど見えてますよね。
これを残しつつ、下側のね、下面。
周囲に浮かせていかせないかということで、それでさっきは土に差し込んで安定させてたんですけど、今今度展示する場所が和風建築、元山形有朋別邸の開春荘っていう古い別荘ですね。
の和風建築に展示するんで、畳とかを傷つけないようにちょっと可愛い卵型の木の球体みたいなちょっと卵型のやつをソックスみたいに履かせて畳を守る形にして。
中ネジのところですね、中ネジの下にその木のソックス咲かせて可愛らしくなってる。
それで畳を傷つけないようにしたっていうことと、さっきは土に差してたんで直立させて安定してたんですけど、今は足で立ってるんで少しその足をねじ曲げて、4本足を外に開かせて、自立した状態でも倒れないように少しバランスをとっているところですね。
こうなると、下をこの状態で残しておいたってことに、今意味が出てくるんですよね。
要は六角ボルトとこの足のバランスとここの残っている部分のバランスを表情を作っていけば、上でやってたことと全然違う表情がこの下半身のところにこれから出てくるんで、その表情作りをこれからやっていくってところです。
じゃあこの下半分はこれから少し何かが進んでいくっていう。
はい、そうですね。この長い足が六角ボルトで接続されてて、この足の表情をどういうふうにここの角の部分に投影していくかってことをこれからやっていけば、下半身は別のアイデアで掘り進めていけるので、
じゃあ下半身とこの頭部の部分が上半身でどうやって出会うかをあと考えていけば、足と頭が真ん中で出会うわけですよね。
制作のプロセスと心境
そっか、楽しみ。
それをこれから考えながら掘っていくってことです。
今回はこの作品についていろいろ聞きながら進めたんですけど、今この時点で完成してないじゃないですか。
ここからまたいろいろ変わっていって、またその時にその時の心境とかどうやって進めたのかをまたお聞きして、
はい。
で、提案会の時にはどうなっているかっていうのが楽しみですね。
そうですね。ちょっと自分でもわかんないな。
まだちょっと最終形態は思い描けてない。
ないですね。
またどんな発想がそこに投影されるか。
このポッドキャストも今収録したのを来週あたりに出すじゃないですか。
はい。
その時はまだ完成してなくて。
はい、そうですね。
家庭を聞いている方たちがどのくらいいるかわかんないけど、聞いていく中で完成に近づいていく作品が。
そうですね。
それすごい面白いですね。
で、最終的に提案会の前には、出来上がっているかもう一声なのか、その時の気持ちも聞けたらいいなと思って。
このポッドキャストを聞くたびに作品が進んでるっていう。
そうですね。
はい。それはすごい楽しみですね。
はい。なんだろう。僕はね、なんか彫刻の場合はこうやってプロセス見るのになんか抵抗ないんですけど、絵はね、なんか途中経過見せたくないんですよね。
あ、そうなんだ。なんだろう。
うーん、なんだろう。やっぱり生き生きできちゃうってことに関係があるのかもしれないけど。
完成形を見てほしいのかな。その途中経過をあんまり出すのがなんとなく。
途中でね、なんかああだこうだ言われて、多分影響を受けちゃうのが嫌なんだと思うんですよ。
へー。
でも彫刻って一回彫っちゃうと戻れないじゃないですか。
うーん。
ああだこうだ言われても、もう戻せませんって感じになっちゃうんで。
そうなんだ。
まあ、潔いのかもしれないな。
あんま抵抗ないですよね、これ。
じゃあ、なんでだろう。
野菜だと自分で影響を受けたくないと思って向けちゃうってことなんですかね。
なんか受けないようにはしてるんだけど、ちょっとそのなんだろう、生き生きできるってことを自分で抱えてたいっていうのはあるんですよね。
その悩みを。
完成するまでその悩みを抱えていたい。
そこはね、人に相談したり、途中で様子伺ったりするような内容じゃないって僕は考えてるんで。
うーん。
なんでだろう。
じゃあ、こうやって話を聞きながら作品が出来上がってくる過程っていうのは、絵画だとちょっと難しいっていう感じですかね。
はい。完成した後だったらいいです。
ああ、そうねそうね。そっか。
うん。自分が納得してOKってなったら、一応動画は撮ってるんですよ、今。早回しでね。制作過程。
完成してない時はちょっと見せられないかな。
ああ、そうか。完成した後でこの時はこうだった、あの時はこうだったっていうのは大丈夫?
はい。過去形で大丈夫です。
過去形で。
うん。彫刻はなんかね、現在進行形でも大丈夫。
大丈夫なんだ。それなんか進行の何か違いがあるな、なんか。
うーん、なんかあるんですよね。
自分ではそれはちょっとその進行の違いっていうのは分かんない。あるっていうことだけは分かってる?
あるってことだけは分かるのと、その後戻りできるかできないかみたいなとこと関わりがあるのかどうか。
ひらめきの重要性
ああ、そっかそっか。そこに関わりがあるんだ。
うーん。ちょっと、うーん。自分でもよく分かってないとこですね、そこに。
でもそれすごい結構大事なとこかもしれないですね、なんか制作する上で。
うん。なんだろう。ちょっと分かんないな、そこ。
そうですね。これで話聞いていく中でなんかもう最終回ぐらいの時になんか出てくるかもしれない。まだ出てくんないかもしれないけどね。
ははは。
なんかそう、探り探り聞くの楽しいんですよね。
ああ。
だから何が出てくるかなって思いながらいく方が面白いので。
なんか全部こうやって決まってますっていうよりは何かなとか言いながら。
そうですね。ちょっと自分でも分かんないことはたくさんあるかな。
うんうんうん。
僕はどっちかというと頭優先なタイプなんです。
うんうん。
頭が先行しちゃってそれに従ってなんかやるみたいなことなんだけど、なるべくなるべく理屈よりもひらめきを今は優先するようにしてるので、
ちょっと説明がつかない部分も結構あるかな。
うーん。
ひらめくんですよね。なんかね。理屈より先に。
でもそれはなかなかキャッチできないな。難しい。僕にとっては。
そうか。論理的な方が優先しちゃうから。
うん。いつもね、理屈屋さんが巡回してます。
でもそれ言葉にできないっていうことは、理屈屋さんが今お休みしてちゃんとひらめきの方に傾いてるっていうことなんじゃないですかね。
うん。そうあってほしいですね。
そうなんだ。面白い。
でもなんかね、理屈は分かんないけど、こうなんだよなみたいなのは探っていくのはすごくスリルがあって楽しいですね。
そっかー。
微妙なとこなんですよそれは。なんだろう。
キャッチがね。
キャッチが本当に逃しちゃう。それは。
でも通り過ぎるうちのいくつかの一つでもキャッチしたら、やっぱりキャッチできたってなります。
なりますね。よしよしって。この言葉にならない思いつきを大事にしようってね。すごく思いますね。
それはでもすごく幸せなことかもしれないですね。そこがキャッチできたらね。
作っていく中で何度かそのキャッチの場面はあるんですかね。
いっぱいあります。すごく。むしろ常にそうであってほしいって思ってますね。
自己更新の追求
そんなにでもキャッチできます?
いや、瞬間瞬間にありますよ。
そうなんだ。そんなに訪れるんだ。
やっぱり創作っていうのはそういうことなのかなって最近思うんですけどね。
なるべく単純作業で作業にならないように創造的でありたいんですよ。瞬間瞬間ね。
例えばちょっと話しそれちゃうけど、最近去年ぐらいからベートーベンの音楽を聞くようになったんですけど、
なんかテーマはあるんだけどその同じダダダダーンが繰り返さずに
ちょっとずつ楽器変えたりテンポ変えたり裏返したり表にしたりとか
一つのテーマなのにどんだけ展開できるんだみたいなことに
ベートーベンって常に繰り返し作業にならないように自分を警戒して
創造的に一音一音生み出してたのかななんていうのをちょっと参考にしてるというか
そうありたいなって思いますよね。
なるべく単純でだけど変化があるんだ。
それの集大成みたいな感じで全体像があって
でも部分どこ切っても同じテーマが出てくるんだけど
絶対飽きないように二度と同じ繰り返しはしないっていう
構造的な強さと機体を裏切る変化とっていうことが有機的に繋がりあって
一つの曲ができてるような感じがしてるんですね。
今聞くベートーベンの解説、この作品の解説聞いてるときと結構似てますね。
なるべくそこを目指したいなとは思うんですよ。
自分ができるかどうかは別ですけどね。
瞬間瞬間の閃きっていうことが繰り返しではないということにしていきたいんですよね。
自己模倣っていう言葉があるんですけど
自分を模倣するようになっちゃうとやっぱり停滞しちゃうんで
どういうふうに自分を更新していくかっていうことですよね。
その自分を更新していくっていうのは絵画でも彫刻でも
感覚としては持ってるものは同じ感じですかね。
そうですね。それは一緒ですね。
そうなんだ。
常に自分を警戒してないと単純作業の方に流れてってしまいます。
気づかないうちに。
技術的なことが高まっていくのとまた別の領域の話ですね。
そうなんですよね。
技術的に高まるのも警戒してそう。
熟練とはまた違う世界かもしれないですね。
いつまで経っても初心者でいたいっていうのはあるかな。
次回は朝日菜さんの制作が進んだ状態で
その時の様子や考えを聞いていきます。
制作過程はYouTubeで見ることができます。
写真はブログに掲載していますのでぜひご覧ください。
ではアートルーム第4回はこれで終わります。
最後まで聞いていただきありがとうございました。
作品とのいい出会いを。
18:31

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