それでどんどん掘り進めていって、裏側の穴がめちゃくちゃなところに出ちゃうとバランスが悪くなっちゃうんで、
ちょうどいい感じのところに穴が裏側に貫通するように、ちょっとその場所を調整しながら。
裏側も同時に掘っていくっていう感じだったんですか?
そうですね。最後に裏側から穴を開けて貫通させたんですよね。
いや、全然違う。前回の彫刻とまたこの彫刻と。
この彫刻は寄せ木の葉の集まりというよりは、まるまる一つの材料なので、
もうちょっと大胆に振る舞えるって言ったらいいのかな。
全体の形を統合させて取り扱うことができるので。
うん、今これ動画ですね。
あ、掘り進めてますね。
かなりこの厚みも薄くなりましたよね?
そうですね。側面がカクカク厚みを削っているので、全体の厚み自体は変わってないんですけど、
あ、そうなんですか。
木の厚み自体はそのままなんですけど、側面をちょっと薄く見せているので、薄く見えているだけですね。
あ、そうなんですね。すごい薄く感じるけど、これそう見えているだけなんですね。
はい、元の厚みは真ん中あたりに残ってます。
あ、そうなんだ。
それを薄くしちゃうと、全体の厚みを薄くしちゃうと、元々あった木の材料の意味がなくなっちゃうんで、
元々存在していたものは尊重したいなという気持ちですね。
自分の中では削るのは最低限にしたいなという思いでやってはいるんですけど。
ほんと表情を探しながら表情をつけていくけども、なるべく削る量は少なめにっていう感じなんですね。
そうですね。自分の中ではそういうふうに思っています。
いや、かなり慎重になりますね。やっぱり。
そうですね。やっちゃったっていうことは避けたい。
こんな感じでだいぶ表情が出てきて、結構動画が多いかな。
でも動画の度に道具が違うから面白いですけどね。見ている方は。
そうですね。
道具がみんな違うのが出てくる。
あと彫刻刀とかね。削り込んでいく。
彫刻刀だ。なんか初めて知っている道具が出てきた。
彫刻刀入ったらだいぶ違いますね。
そうですね。彫刻刀でざっくり削ってから、
ヤスリがけして滑らかにしてっていうのを交互に。一気にはできないんですよね。
これ今やっているのはルーターっていう機械で。
前回出てきたルーター。
刃を削るような機械の先端工具を取り替えて、金属で削ったりとか、
あとは先端にヤスリをつけて、ヤスリを回転させて削ったりとか。
いろいろな削り方ができるんですよね。
今は鉛筆でちょっと細寸をとって、どういう角度で彫り込んでいこうかなっていうのをバランスを見て、
それで万力みたいなので、固定して、連動の彫刻刀で削っているところですね。
ここにこの刃を入れようっていうか、ここに表情を入れようっていう判断ってどのあたりでするんですか?
やっぱり前の部分が削り終わって、彫刻を立ててバランスを見ている間に、
こんな風になったらいいのかなっていうのがだんだん思い浮かんでくるので、
それが果たして削っちゃっていいものなのかどうなのかっていうのをずっと検証して、
最後はよし、やっちゃえって感じですかね。
結構今ザクザクといっているように見えますよね。
そうですね、かなり。
これはもう1回ザクッといった時にも、ここはこういう感じの表情だなって、
ある程度頭の中にある状態で切っている感じですか?
そうですね。ただそれがやり終わった時に、何か違うなっていう場合もあるんですよね。
そしたらまたちょっと考え直してやり直したりしますね。
右と左で同じように連動彫刻刀を入れているけれども、
やっぱり曲面と角々っていう、気化学的なのを意識しながらやっている感じですか?
そうですね。ここは直線がいいかなとか。
でもやっぱり右半身と左半身のバランスを考えて、
右半身は曲線にしようとかいうことは考えているんですけど、
必ずしも右左に分かれたらいいかって言ったら、そんなことがない場合もあるんですよね、バランス見てて。
そういう時はやり直して、ちょっと気化学的なものを右半身に侵入させたりとか、
そういう調節もバランス見ながらしているかな。
この素材を扱う時、何かここら辺が難しかったなっていうのって何かあります?
ちょうど今動画でやっている、最初にベルトサンダーで斜面を作る動画を見たじゃないですか。
あれは外側を斜面つけて削るだけなんで、すごく簡単なんですね。
木材をベルトサンダーに押し付ければ斜面ができるので。
でも今削っているように、木材の内側にへこみながら斜面が出会うという場合があるんですね。
谷になっている状態ですよね。
はい、谷の状態です。
斜面同士が山の状態で、正12面体とか正8面体とかみたいに、
斜面と斜面が山で出会う場合は、削るの簡単なんです。
外からベルトサンダーみたいなものに木材を押し付ければ、自然にそういう形にはなっていくんですよね。
でもその斜面が今おっしゃったように、谷で出会う時にベルトサンダーが使えないんですよね。
だからちょっとずつ斜面がどこに出会うのかっていうのを線を引いて、そこをめがけて、降りるようにして斜面を作っていくっていうのはすごく難しかったです。
局面に関しては簡単なんですよ。
ただ単に滑らかにつなげていけば、局面というのは作りやすいんですよね。
斜面が谷で出会うというのは、すごく技術的に難しかったですね。
へー、そうなんですね。
動画で見ちゃうと早送りだし、簡単にやっているように見えちゃうけど、これ結構大変だね。
そこがすごく、どうやって実現したらいいのかなっていうのが難しくて、
削っている谷間の斜面が、やっぱりピチッと、真っ直ぐじゃないとかっこよく見えないっていうのかな、あんまりシャキッとしないんですよ。
斜面が丸まっちゃったりとか、膨らんじゃったりとか、へこんじゃったりとか、微妙な差でピシッとしないんですよね。
立ち姿に結構関わる大事なところっていう感じですかね。
そうですね。
ちょうど立ち上がる足のような場所ですもんね。
はい。今ご覧いただいているように、ペンサンダーっていうサンダーで細かいところを削ったり、彫刻刀でまた削り直したりっていうのを繰り返して、だんだん調節しながら、その斜面がピシッと出会うように削っていくのが、すごくびっくりするぐらい難しかったな。