1. ART×ROOM ー作品のある部屋の裏側ー
  2. #06 【制作過程】穴を開けると..
2025-03-21 13:12

#06 【制作過程】穴を開けるとどうなる?

【内容】

織り込むように削る/トンネルを掘る/折り紙みたい/右半身と左半身の対比/木の厚みを残して薄く見せる/作品の表情が出てくる/刃を入れるタイミング/斜面が谷で出会う難しさ


【紹介作家】

朝比奈賢

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展覧会動画(2024年)

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【関連リンク】

露木木工所

https://www.yosegi-g.com/

小田原もあ(展覧会動画)

https://www.youtube.com/watch?v=KJN8uj_yEQc


【カバーアート写真】

撮影:柏木照之

柏木美術鋳物研究所

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サマリー

このエピソードでは、彫刻制作の過程を通じて、木の皮の下にトンネルを掘ることで生まれる新たな空間の奥行きについて語ります。また、彫刻技巧や道具の使い方にも触れ、作品がどのように表現されるのかを探求します。

彫刻の制作過程
ART×ROOMへようこそ。この番組は、アートが好きで作家さんを応援したいという気持ちから、YouTube、ブログ、インスタグラムから展覧会情報や作家情報、作品の情報などをお届けしている、DE アートの活動の一つとして始めました。
前回からの続きをお送りします。
さっきお話しましたけど、左半身が有機的で、右半身がちょっとサイボーグみたいにね、カクカクしたロボット的な表情。だんだん成長させてるって感じですね。
今度はこれなんですけど、木の皮の部分。
この間は裏側を木の厚みを削って、ちょっと飛び出すように見せたんですけど、今度は木の皮の下の部分を折り込んでいったんですよね。
うーん、そうか、これを折り込むっていう発想で掘っていくっていう感じだったんですね。
はい。で、木の皮の部分をやっぱり強調したいって思いで、この木の皮の下の部分にトンネルを掘っていったんですよね。
ちょっと飛び出させて、この皮の表情がより強調されるようにっていうことで、木の皮の下の部分をトンネル掘って、その裏側がこちらですね。
あれ?トンネルって本当だ。突き抜けた。
突き抜けて、表からその木の皮の下をどんどんどんどんトンネルを掘って突き抜けて、裏側に穴が開いて、空間が表と裏が繋がるような感じに掘っていく。
そうなんだ。さっきの完成品から繋がってるっていうのは分かんなかったです。
ああ、そうですね。背景が黒かったんで、穴のところが黒くて見えなかったんですよね。
これがぽっこり穴が開いてる状態。
本当だ。この角度だと空洞がちゃんと見える。
ほんと折り紙みたいに見えますね。この角度だと。
それで、表裏を繋げた感じにしつつ、左が有機的、右が気化学的みたいですね。
だいぶ表情が出ますね。この空洞が開いたら。
そうですね。
曲面と気化学的な方の対比がより分かる。
ああ、なんかね、穴が開くと奥行きが出るって言ったらいいのかな。
そんな感じがするので、
木の皮の下を最初掘り込んだ時に貫通させるまでやろうとは思わなかったんですけれど、
だんだん掘っていったら、裏側に繋がった方が面白いのかなっていう風に気がついて、
削る技術と道具
それでどんどん掘り進めていって、裏側の穴がめちゃくちゃなところに出ちゃうとバランスが悪くなっちゃうんで、
ちょうどいい感じのところに穴が裏側に貫通するように、ちょっとその場所を調整しながら。
裏側も同時に掘っていくっていう感じだったんですか?
そうですね。最後に裏側から穴を開けて貫通させたんですよね。
いや、全然違う。前回の彫刻とまたこの彫刻と。
この彫刻は寄せ木の葉の集まりというよりは、まるまる一つの材料なので、
もうちょっと大胆に振る舞えるって言ったらいいのかな。
全体の形を統合させて取り扱うことができるので。
うん、今これ動画ですね。
あ、掘り進めてますね。
かなりこの厚みも薄くなりましたよね?
そうですね。側面がカクカク厚みを削っているので、全体の厚み自体は変わってないんですけど、
あ、そうなんですか。
木の厚み自体はそのままなんですけど、側面をちょっと薄く見せているので、薄く見えているだけですね。
あ、そうなんですね。すごい薄く感じるけど、これそう見えているだけなんですね。
はい、元の厚みは真ん中あたりに残ってます。
あ、そうなんだ。
それを薄くしちゃうと、全体の厚みを薄くしちゃうと、元々あった木の材料の意味がなくなっちゃうんで、
元々存在していたものは尊重したいなという気持ちですね。
自分の中では削るのは最低限にしたいなという思いでやってはいるんですけど。
ほんと表情を探しながら表情をつけていくけども、なるべく削る量は少なめにっていう感じなんですね。
そうですね。自分の中ではそういうふうに思っています。
いや、かなり慎重になりますね。やっぱり。
そうですね。やっちゃったっていうことは避けたい。
こんな感じでだいぶ表情が出てきて、結構動画が多いかな。
でも動画の度に道具が違うから面白いですけどね。見ている方は。
そうですね。
道具がみんな違うのが出てくる。
あと彫刻刀とかね。削り込んでいく。
彫刻刀だ。なんか初めて知っている道具が出てきた。
彫刻刀入ったらだいぶ違いますね。
そうですね。彫刻刀でざっくり削ってから、
ヤスリがけして滑らかにしてっていうのを交互に。一気にはできないんですよね。
これ今やっているのはルーターっていう機械で。
前回出てきたルーター。
刃を削るような機械の先端工具を取り替えて、金属で削ったりとか、
あとは先端にヤスリをつけて、ヤスリを回転させて削ったりとか。
いろいろな削り方ができるんですよね。
今は鉛筆でちょっと細寸をとって、どういう角度で彫り込んでいこうかなっていうのをバランスを見て、
それで万力みたいなので、固定して、連動の彫刻刀で削っているところですね。
ここにこの刃を入れようっていうか、ここに表情を入れようっていう判断ってどのあたりでするんですか?
やっぱり前の部分が削り終わって、彫刻を立ててバランスを見ている間に、
こんな風になったらいいのかなっていうのがだんだん思い浮かんでくるので、
それが果たして削っちゃっていいものなのかどうなのかっていうのをずっと検証して、
最後はよし、やっちゃえって感じですかね。
結構今ザクザクといっているように見えますよね。
そうですね、かなり。
これはもう1回ザクッといった時にも、ここはこういう感じの表情だなって、
ある程度頭の中にある状態で切っている感じですか?
そうですね。ただそれがやり終わった時に、何か違うなっていう場合もあるんですよね。
そしたらまたちょっと考え直してやり直したりしますね。
右と左で同じように連動彫刻刀を入れているけれども、
やっぱり曲面と角々っていう、気化学的なのを意識しながらやっている感じですか?
そうですね。ここは直線がいいかなとか。
でもやっぱり右半身と左半身のバランスを考えて、
右半身は曲線にしようとかいうことは考えているんですけど、
必ずしも右左に分かれたらいいかって言ったら、そんなことがない場合もあるんですよね、バランス見てて。
そういう時はやり直して、ちょっと気化学的なものを右半身に侵入させたりとか、
そういう調節もバランス見ながらしているかな。
この素材を扱う時、何かここら辺が難しかったなっていうのって何かあります?
ちょうど今動画でやっている、最初にベルトサンダーで斜面を作る動画を見たじゃないですか。
あれは外側を斜面つけて削るだけなんで、すごく簡単なんですね。
木材をベルトサンダーに押し付ければ斜面ができるので。
でも今削っているように、木材の内側にへこみながら斜面が出会うという場合があるんですね。
谷になっている状態ですよね。
はい、谷の状態です。
斜面同士が山の状態で、正12面体とか正8面体とかみたいに、
斜面と斜面が山で出会う場合は、削るの簡単なんです。
外からベルトサンダーみたいなものに木材を押し付ければ、自然にそういう形にはなっていくんですよね。
でもその斜面が今おっしゃったように、谷で出会う時にベルトサンダーが使えないんですよね。
だからちょっとずつ斜面がどこに出会うのかっていうのを線を引いて、そこをめがけて、降りるようにして斜面を作っていくっていうのはすごく難しかったです。
局面に関しては簡単なんですよ。
ただ単に滑らかにつなげていけば、局面というのは作りやすいんですよね。
斜面が谷で出会うというのは、すごく技術的に難しかったですね。
へー、そうなんですね。
動画で見ちゃうと早送りだし、簡単にやっているように見えちゃうけど、これ結構大変だね。
そこがすごく、どうやって実現したらいいのかなっていうのが難しくて、
削っている谷間の斜面が、やっぱりピチッと、真っ直ぐじゃないとかっこよく見えないっていうのかな、あんまりシャキッとしないんですよ。
斜面が丸まっちゃったりとか、膨らんじゃったりとか、へこんじゃったりとか、微妙な差でピシッとしないんですよね。
立ち姿に結構関わる大事なところっていう感じですかね。
そうですね。
ちょうど立ち上がる足のような場所ですもんね。
はい。今ご覧いただいているように、ペンサンダーっていうサンダーで細かいところを削ったり、彫刻刀でまた削り直したりっていうのを繰り返して、だんだん調節しながら、その斜面がピシッと出会うように削っていくのが、すごくびっくりするぐらい難しかったな。
作品の空間的特徴
そうなんだ。
反対に、ここすごい面白かったっていうところはどこなんですか?削ってて面白いっていうか。
削ってて面白いのは、なんかやっぱり貫通したときかな。
へー。
グイグイグイグイやって。
うん。
繋がったときに奥行きがすごく出る感じがしたんで、空間が表と裏と繋がって、周りの空間が流れ出すような感じがしたんで、ここは面白かったですね。
そっか。空間が流れ出すっていうことは、その作品自体じゃなくて作品の周りもなんか繋がった感じがするんですかね。
そうですね。彫刻の周りを一周しないと空間の繋がりが感じられなかったのが、この一周しないでも裏側が感じられるって言ったらいいのかな。
そういうちょっとこう、空間がよじれるようなって言ったらいいのか。裏が表に出てきたり、表が裏に入っていったりみたいな。
そういう奥行きの面白さって言うんですかね。動きが出てくる感じがしましたね。
次回は続きをお送りします。
制作過程はYouTubeの動画で見ることができます。写真はブログに掲載していますので、ぜひご覧ください。
ではこれで終わります。最後まで聞いていただきありがとうございました。
作品とのいい出会いを。
13:12

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