1. ART×ROOM ー作品のある部屋の裏側ー
  2. #02【制作過程】作品との対話
2025-02-21 19:51

#02【制作過程】作品との対話

【内容】

朝比奈賢さんプロフィール/寄木細工の端材で作品を作る/彫刻と絵画制作の気持ちの違い/個展に向けての制作バランス/木との対話、キャンバスとの対話/原材料が職人さんの作品!?


【紹介作家】

朝比奈賢

⁠https://de-art-de-art.com/artistken-asahina-japan/⁠

展覧会動画(2024年)

⁠https://www.youtube.com/watch?v=UfKxdzzx2LM&t=10s

制作動画 

https://youtu.be/xEiqysjfC_k


【関連リンク】

露木木工所

https://www.yosegi-g.com/

露木清高(箱根寄木細工技能師)

https://www.yosegi-g.com/index.php?burl=concept/

小田原もあ(展覧会動画)

https://www.youtube.com/watch?v=KJN8uj_yEQc


【BGM】

⁠しゃろう:10℃⁠

⁠https://commons.nicovideo.jp/material/nc218877⁠


【制作】

DEアート

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【Podcast】

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サマリー

アートや制作に関する様々なテーマが探求され、朝比奈賢さんの個展や彫刻の制作過程が深く掘り下げられています。特に、絵画と彫刻の両方に焦点を当てた展覧会の構想や、作品に対する独自の向き合い方が紹介されています。制作過程では、彫刻と油絵の手法の違いや心境の変化について語られています。また、寄せ木を使用した大きな彫刻作品の制作過程についても詳しく紹介されています。

朝比奈賢のアートへの向き合い
ART×ROOMへようこそ。この番組は、アートが好きで、作家さんを応援したいという気持ちから、
YouTube、ブログ、インスタグラムから展覧会情報や作家情報、作品の情報などをお届けしている
DE アートの活動の一つとして始めました。 2025年4月30日から5月12日に小田原ダイナシティウエスト4階にある
ギャラリーNEW新九郎で開催される個展に向けて制作している作家の朝比奈賢さんにお話を聞きました。
私と朝比奈さんが知り合ったのは、20年以上前で、すどう美術館の活動をサポートするメンバーとして、今は関わっています。
朝比奈さんの書斎には、辞書がずらーっと並んでいて、白川静さんの辞書なんですが、それをすごい読み込んでるんですよね。
あとは、アトリエには絵の具が綺麗にずらーっと並んでいて、大切に使われている印象がありますね。
外の作業場には様々な工具がずらーっと並んでるんですけど、一つ一つ大事に並べていて、使いやすいように、手に馴染んでるんだろうなぁというふうに見えますね。
朝比奈さんを一言で表すと、向き合う人。私から見ると、常に何かと向き合っている印象があります。
自分と向き合うのはもちろんですが、言葉と向き合って、生活と向き合っていて、
何かものと企画と、あとは事象とか、とにかくね、なんか向き合ってるなーって思っちゃう人ですね。
では本編へどうぞ。 朝比奈賢さんのプロフィールです。
絵描き 1997年バージニア工科大学に交換留学
1999年横浜国立大学建築学科卒業後独学で絵画を学ぶ 2005年すどう美術館の海外研修生としてマドリッドに留学
初個展 その後欧米のアートフェアを中心に作品発表 近年は国内外で国際交流企画を主催しております
2018年星野リゾート界 仙石谷において アーティストインレジデンスを主催しております
展覧会のテーマは今までの個展は絵が中心だったんですよね ずっと絵を描いてきて
絵ばっかり展示してきたような感じで たまに彫刻も展示してたんですけどそれはなんだろうな
添え物というかメインではなかったんですよね でも今回の個展では絵と彫刻を両方同等に扱って
彫刻も結構点数を出したいなというふうに思ってます
なので今考えている展覧会のタイトルは
発表しちゃっていいのかわからないんですけど 絵画と彫刻の声
というようなタイトルを考えています
絵画と彫刻の声
今これは仮のタイトルなんですか そうですね考え中なので仮なんですけど
まあその方向性で今ちょっと組み立てている感じですね
彫刻と絵を同等の量を作って展示しようと思ったのは何か きっかけとかなんかあるんですか
15年くらい前から
僕大磯にずっと住んでるんですけど 15年くらい前から小田原の
伝統工芸の職人さんたちと コラボ展を毎年やってまして
そこで寄木職人さんたちが何人も所属してるんですけど
工場とかに遊びに行っていろいろ見学しているときに 寄木って端材がものすごいたくさん出るんですよね
端っこの切れ端 それが大量にあって
商品としてはもちろん使えないし あと寄木同士を
ボンドでくっつけてるんですよね だからその木屑が
再利用できなくなっちゃってて 産業廃棄物になるらしいんですよ だから業者に持って行ってもらって処分するみたいなことだったんですよね
だけど商品としてはそれすごく使い物にならないものなのかもしれないけれど
アーティスト側から見るとっていうんですかね 創作側から見るとその切れ端の方が
興味が湧いちゃうっていうか これ使ったらなんかいろいろ作れるなっていうふうに思いついて
端材をたくさんいただいてきて 手のひらサイズぐらいの
乗るぐらいのサイズのちっちゃな端材をルーターっていう機械使って そのルーターっていうのは皆さん歯医者さん行くと
ちょっと怖い機械がウィーンって回って 歯が削られちゃうみたいな
そういう削る機械あるじゃないですか あれの工作用のものがあって
それで先端の刃をいろんな形に取り替えると ちょっと削り方がいろいろ変わって木が削れるっていう機械があるんですね
それをホームセンターで購入してきて 削り始めたのが僕が彫刻をやるきっかけになったんですね
毎年「小田原もあ」っていうグループ展なんですけど その展覧会にはそれ以降
最初は平面の油絵とか出してたんだけど やっぱりコラボしている意味がそれだとあんまりないから
ちょっと新しいことを実験的なことを その会ではやろうっていうふうに思っていて
それ以降その会では彫刻を作るようになったんですね
だんだんそれがたまってきてて ちょっとまとまりが出てきたんで
それを一同に介して展示するのがいいんじゃないかなっていうふうに思い始めたのと
僕は絵が描きたいと思って芸術活動を始めたんですけど 妻が僕の制作する姿を見てて
彫刻を作っている時の方が生き生きしてるって言うんですよ
なんかすごく楽しそうみたいな
本人の意識的にはどうなんですか
僕もなんかね彫刻の方が楽しくなっちゃって
それでなんか僕の中での比重が彫刻に傾いてるんですよ今
そうなんだ 絵画と彫刻を作る時のモチベーションの違いみたいなのってあるんですか
なんかねさっきルーターっていう話したじゃないですか
彫刻の制作プロセス
先端のね器具を取り替えたりとか あとはのみっていうので木槌でね
刃物をトントンして削ったりとか彫刻刀とか あとヤスリとか
とにかくその工具を使わないと削っていけないんですね
なので僕工具が好きなのかな
いろんな工具を取り替えると削り方が全然変わってくるんで
なんかいろいろ集めたくなっちゃうし
やっぱりなんか機械使ってる時って何でしょうね
工作じゃないんだけど 工作の楽しさじゃないんだけど
そういう喜びがあるのかな
絵画だとどんな感じの喜びとか苦悩の方が多いのかな
どっちだろう絵画だと
絵画 水彩画はそうでもないんだけど
油絵は本当はそうじゃないんだけど
やり直しが効くような要素が強いんですよ
油絵の場合重ね塗りするとある程度後戻りができちゃうって言ったらいいのかな
そうするとうじうじやれるんですよ
何度も行って戻ってうじうじうじうじ
こねくり回せるっていうのかな
だからある意味自由なんだけど
自由すぎちゃって決断が下せない苦しさっていうのはあるんですよね
だけど例えば木を削るって言ったら
トントンってやって木屑が出て戻せないんですよ
じゃあもうしょうがないって言って前に進んでいくしかないんですね
削りすぎちゃった直そうっていうのができないんですよ
そうなんだ
だからある意味すごく緊張感を持ってるんだけど戻れないんで
だけど削った後の決断したっていうことから戻れないことが逆に
何ていうか潔く後を振り返らないで前に進んでいけるっていう
爽快感って言ったらいいのかな
そういう気持ち良さはあるんですよ
これ聞いてみないと分かんなかったな
まだ爽快感があったとは
多分音楽家も一回弾いちゃった音って
バイオリンでキーって弾いたら
もう取り戻せないじゃないですか
時間が戻らないから
ちょっと似てるのか似てないのかは分かんないけど
とにかくやったことが取り戻せないっていう緊張感があるんですよね
でもなんだろうなちょっとすごい難しいんだけど
削るまでの覚悟
これ本当にこここういう風にイメージはいたけど
後々考えてここ削っていいんだろうかっていうことの
すごい苦悶みたいなのがあるんですよね
決断する苦しさって言ったらいいのかな
ここ削ったらもう戻ってこないんだって思うと
どうしようっていう
やっちゃおうかうん待てよみたいな
苦悶って言うんですかね
そういうしんどさはあるんだけど
やっちゃった後はもうそっから考えてこうって
切り替えられるんですよね
さっきおっしゃってたように前に進むしかないっていうことなんですね
そうなんですよ
どんどんどんどん前に削った分はもうどんどんなくなっていっちゃうって感じ
でも油絵はちょっとはみ出ても
上塗りちょっとしちゃって戻っちゃったりとか
削り落としてもうちょっとやり直したりとか
できなくはないんですよね
ただ厳密に言うとそういう跡も残っているから
制作手法の違い
完全な意味では戻れないんだけど
見た目ちょっとカバーしやすい要素が強いんですよね
その辺の違いっていうのは
朝比奈さんの気持ちの上ではかなり影響があるんですか
両方に対して彫刻に対しての
もう後戻りできないっていうものと
絵画のちょっと直したり行ったり戻ったりするっていうのは
制作する上で心境的な違いっていうのが
かなり大きくあるっていうことですかね
ありますね
なんか最近この個展に向けて
早起きして朝ある程度の時間油絵を描いて
午前の遅めからお昼過ぎにかけては彫刻みたいな感じで
制作してるんですけど
初めてそういう形で一日の中で両方やるっていう
制作の仕方を今回の個展に向けてやってるんですけど
なんかバランスがいいなって思うんですよね
両方やれるから
なんだろうその午前中の気持ちと午後の気持ちとが
時間的には途切れないっていうのもあるかもしれないけど
午前で一回食事を挟んで午後に向かうっていうことは
気持ちがとりあえずずっと休憩するまで
時間は途切れないっていうのがメリットなのかな
でも午前と午後で分けたのには何か意味があるのかな
結構油絵の作業が細密というか
細かいところを今やってるんで
ある程度の集中力が長くて3時間かな
そうすると集中力が落ちてくるんで
入り替えたほうがいいんですけど
今やってる彫刻っていうのはそんなに細密っていうよりは
やっぱり工具使って楽しんでる感じあるんで
そこまで神経研ぎ澄まさなくても進んでいける感じはあるんでね
だからその細密な作業をした後に
気晴らし的な要素もあるのかな
彫刻で彫って発散するみたいなところはあるのかもしれないですね
影響する何かっていうのはあるんですか
午前描いてたものに午後の彫刻に影響を受けてる
彫刻が午前の影響を受けてるなっていう時あります
それはないかな
じゃあ切り替わってるんだ
なんでかっていうと
例えば木を彫ってるとすると
その木に対しての対話なので
木の形とか癖とか
木の皮がくっついてるところを残そうか削ろうかとか
その穴を開けようかどうしようかとか
曲線にしようか直線にしようかみたいなのは
もとある木の形から連想して彫り方を考えていくんで
木との対話なんですよね
でも例えば午前描いてるキャンバスの絵は
キャンバスとの対話になるんで
キャンバスの上にどういう風に色を置いていったらいいのかとか
そういうキャンバスとの対話
なので対話する相手が違うから
キャンバスと対話してることが木にはやっぱり通用しないっていうところがあって
全然違う対話なので
あんまり午前やってる形が午後出てくるとかそういうことはないんですよね
寄せ木の彫刻制作
面白いな
この端材って言っても
今ね写真を見ながらお話しさせていただいてるんですけど
割と大きさありますよね
私から見ると結構大きさがあって
バラバラだから端材なんだろうけれども
一つ一つ組み合わせると結構な大きさじゃないですか
これはでかいです
端材は本当に細かいものを昔いただいてやってたんですけど
今コラボしてから15年以上経つんですけど
だんだんいただくものが巨大化してて
それ巨大化するっていうことは巨大なものも余るっていうことなのかしら
これは実は今回彫ってるのは
寄せ木職人さんが商品としてではなくて
「小田原もあ」っていう展覧会のためにチャレンジして作った作品なんですね
それを提供してもらって
そっか
これはこの塊は2018年だったかな
和風建築の中で展覧会をやった時に
縁側に腰掛けるベンチとして
この寄せ木の塊を作ったんですよ
その時の作品がずっと倉庫に眠っていて
じゃあ今回どんなコラボをしましょうかっていう話し合いした時に
ちょっとうちに前作った作品のこういうのあるから
どなたかどういうふうな使い方してもいいですから
使ってくださいっていうふうにおっしゃってくださったんで
そうなんだ
今回は幅が50センチぐらい
縦横30センチずつぐらいかな
僕にとっては手のひらサイズから彫刻を始めたんで
今までで最も大きいサイズなんですよね
巨大なサイズって言ったらいいのかな
ベンチになるぐらいの大きさですもんね
座れるぐらいということですもんね
それをチャレンジしてみようということで
始めたはいいものの、、、
次回は続きをお送りします
スタートした彫刻制作
次の段階に進んだ時と立ち止まる
そこにはどんな考えがあるのかお聞きしました
制作過程はYouTubeの動画で見ることができます
写真はブログに掲載していますのでぜひご覧ください
では ART×ROOM 第2回はこれで終わります
最後まで聞いていただきありがとうございました
作品とのいい出会いを
19:51

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