1. ART×ROOM ー作品のある部屋の裏側ー
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2025-08-09 17:17

#16【アーティスト・イン・レジデンス】自分の役割とは?

【内容】

アーティスト イン レジデンスについて/参加経緯/海外アーティストとの出会い/自分の役割/見方の角度を変えて相手に投げかける/テーマはヴォルフガング/制作に落とし込むための取材/オーストリア湖水地方の美しさ


【作家】

朝比奈賢

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レポートReport 1/13

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レポート Report 2/13

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レポート Report 3/13

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レポート Report 4/13

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レポート Report 5/13

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レポート Report 7/13

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【聴き手】

DEアート:木村由美子


【制作】

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サマリー

今回のエピソードでは、アーティスト・イン・レジデンスについて、朝比谷健さんが自身の経験をお話しされています。オーストリアでの滞在や日本人アーティストとしての立ち位置、さらには文化交流の意義について深く掘り下げています。また、アーティスト・イン・レジデンスに参加した作家が、ウォルフガングというテーマでの制作過程をお話しされており、地域の歴史や文化に触れながら、どのようにそれらを作品に反映させたかについて説明されています。

アーティスト・イン・レジデンスの概要
ART×ROOMへようこそ。この番組では、部屋に描けたいアートを紹介している、DE アートの活動の一つとしてお届けしています。
今回は、作家の朝比谷健さんに、アーティスト・イン・レジデンスについてお聞きしています。
アーティスト・イン・レジデンスをあまり知らない方もいるかもしれないので、今回お気に入り、ぜひ知っていただけたらいいなと思います。
アーティスト・イン・レジデンスとは、アーティストが一定期間、特定の場所に滞在し、その土地の文化や環境に触れながら創作活動を行う事業やプログラムのことです。
単に滞在政策を支援するだけでなく、地域との交流や文化振興、アーティストの育成など様々な目的で行われています。
去年、朝比谷さんはオーストリアのアーティスト・イン・レジデンスに参加しているんですが、そこに参加するに至った経緯や、参加して思ったことなどをお聞きしています。
では本編へどうぞ。
まずは、今回声をかけたのは、アーティスト・イン・レジデンスのスロベニアに行った時のかな。
あれかな、オーストリア。
オーストリアか。そうだそうだ、オーストリアに、あれ去年だった。
そうですね。
去年のいつ頃でした?
去年の4月の終わりから、5月初めにかけてですね、10日間。
10日間、そっか、それをフェイスブックに上げ始めたじゃないですか。
そうですね。
これ話聞こうかなと思って、聞いた方がなんか、私は理解できそうと思って。
それでちょっと声をかけたんですよ。
ありがとうございます。
これ絶対面白い話だから、なんか、もっと面白い話があるはずと思って。
そうですね。
だからこれは、多分声で聞いた方が入ってきそうだなって。
ありがたいですね。
という感じで、アーティスト・イン・レジデンス会にしたいなと思って。
ありがとうございます。
じゃあまずは経緯から行きますか。何で行くことになったのか。
一番の発端っていうのは、やっぱり須藤美術館にありまして、
須藤美術館のスタッフである高橋玉江さんが海外のレジデンスに招待してもらって、
スペインに行ったりスロベニアに行ったりしてたんですね。
それで、須藤さんがすごくそれが刺激になってよかったという話を高橋さんから聞いて、
自分のところのスタッフが招待されてばっかりじゃ、やっぱり悪いよねっていう気になって、
日本でもレジデンスをやりたいってずっと思ってたらしいんですけれど、
当時、須藤美術館が銀座にあったから、なかなかそういう企画をする余裕がなくて、なかなかできないでいたんだけど、
小田原に引っ越して、ちょっと落ち着いてからようやく銀座と違うペースで運営ができるようになったから、
アーティストインレジデンスを実際に実現しようということで、2011年に初めて開催したんですね。
その時に海外の作家さん6人招待して、日本人のアーティストも6人招待してということで、
12人で合同合宿みたいな11日間だったかな。
小田原城の横にある施設と、小田原城のちょっと下にある施設2カ所に分かれて滞在政策をして、
それで最後に作品を作ったものを展覧会をやって発表して、仲良くなって解散みたいな、そんなプロジェクトだったんですけどね。
その時にスロベニアからクレメンっていうアーティストと、それからドイツ在住のアメリカ人のジェシーっていうアーティストがいて、
彼らがそのメンバーに入ってたんです。
僕も日本人アーティストとしてメンバーに入ってたんです。
だからその2人とは2011年に、もっと言えばちょっと2011年の前にドイツのアートフェアとかに彼らが来てくれたりもしてたから、
その時点でね、名識はあったんです。
その彼らが日本に来てくれたんで、仲良くなってということで、ずっとその関係がね、特にクレメンとは関係が深くて、
彼と一緒にその2018年だったかな、18か17にスロベニアのリブレアナっていう首都で、
日本人のアーティストと向こうのアーティストの交流展を行ったりとか、
そういう機器がそれを基点にしてね、交流してたんで、
その彼が今度はスロベニアじゃなくてオーストリアの方でもレジデンスを企画したからって言って、
ジェシーの方がね、メールで声かけしてくれて、
それでまあ一般応募だったんですけど、ちょっと応募してみない?っていう誘いを受けたんで、
それに対してその応募要項を書いて送って、それで審査があって、それが通ったんで参加するっていうことになったんです。
2011年、以前からの付き合いなんで、もう15年、6年、7年ぐらいの長い付き合いではあるんですけれど、
そういう人とのつながり、アーティストとのつながりが今回の機会につながったっていうことです。
日本の立ち位置とテーマ
そうなんですね。
これなんか、ちょうどオーストリアに行く前に聞いたのかな、
レジデンスに行くにあたって聞いたのか、別の機会で聞いたのか忘れちゃったんですけど、
行くにあたって何を期待されているのかとか、
日本っていう国をかなり意識しないと、何か提供するっていうものができないっていうふうにおっしゃってたっていうか、
またちょっと違うニュアンスだったんだけど、しっかり自分のコンセプトなり軸みたいの持ってないと対応はできないよみたいな話を聞いて、
結構事前に下調べもするし、オーストリアの時もそうだったと思うんですけど、
準備が結構ありますよね。
画材を持っていくだけの準備じゃなくて、もっといろんな思想的なとかコンセプト的なっていうか、
そのあたりも私ちょっとわからないから聞いてみたかったんですよ。
そうですね。それに関しては層が2つあるかなっていうふうに思うんですけれど、
まずはユミコさんが今おっしゃった、日本人のアイデンティティをどう持っていくかっていう立ち位置ですよね。
僕以外にアジア人いなかったんで、僕はアジアの他の国のことについてはそんなに深く知らないんですけれど、
一応その気持ちとしてはアジアを代表してっていうような気持ちではいたので、
ヨーロッパやアメリカの人たちがない視点っていうのを持ち込んで、
そういう見方もあるんだよっていうような見方の角度を変えて相手に投げかけるっていうのは役割として大きいかなっていうのはいつも思っていることなんですね。
割とちょっと固い話になっちゃうんだけど、明治以降ね、開国してヨーロッパに追従してみたいな流れが割とまだちょっとね、
そこまででもない、明治ほどではないけれど、ちょっとね続いているようなところも流れが残っているようなところもあるんで、
そういう立ち位置ではなくて、それはそれとして自分の立ち位置なんだろうっていう紙っていうのかな、
現在の日本の立ち位置っていうものをはっきりさせてそれを表明するっていうのかな。
表明っていうのは言葉とかじゃなくて判断とか考え方とかですよね。
そういうのでやっぱり伝えていくっていう役割はすごくある気がいつもしています。
もし明治のままヨーロッパに追従しているような感じだったら、相手もちょっとつまんないと思うんですよ。
価値観としてね。そうじゃない視点っていうことを欲されてるんじゃないかなっていうふうに思うので、そこはちょっと意識を強めていました。
あとはもう一つの層っていうのは、レジデンスの今回テーマがあって、結構ヨーロッパの人にしては結構珍しいケースなんですよ。
っていうのはあちらの人ってあんまりそのテーマを統一したりとかあんまりやりたがらないんですね。
自由がいいっていうようなことが多くて、こっちがテーマとか持ち出すと嫌がられちゃったりとかいうことも過去にちょっと経験しているので、
なかなかそういうことってないんですけれど、今回に関してはオーストリアの湖水地方にある、オーストリアって東西にすごく長い国で、
東の方に、東の上の方かな、ウィーンとか首都があるんですけど、結構西の南の方に下がっていくとアルプスの山脈の中に入っていっちゃうんですよね。
その中に湖水地方って言って、山の谷間に湖がいっぱい溜まっていて、言ってみればサウンド・オブ・ミュージックっていう映画があるんですけど、
ウォルフガングのテーマ制作
その映画のロケ地みたいなところ、まさにザルツブルグっていうのはロケ地なんですけど、ザルツブルグから車で30分くらいのところの小さなウォルフガングっていう村で今回開催されたので、
そこのウォルフガングっていう町の名前がですね、キリスト教の、中世のキリスト教の聖人、聖なる人の名前らしくて、
その由来になった聖人の1100年歳だったのかな、生誕。たまたまそういう年に当たったので、
じゃあみんな全世界から集まってウォルフガングをテーマに制作をしましょうっていう同一テーマがあったんです。
それに自分がどう答えるかっていう、この2つの層の準備、1つの層はね、準備は普段からしてないとあれなんですけど、
もう1つの層はそのテーマをもらった時点からネットでできるだけリサーチして準備するっていうことをやりました。
え、どんな準備したんですか?
ウォルフガングっていう人について、実際どんなことをしたのかとか、どんな伝説が伝わっているかとか、そういうのをネットで検索して、
あとは英語のサイトも引っかかったものは全部今翻訳がAIでできるので、みんな翻訳に落として、一応なるべく情報を集めましたね。
ウォルフガングっていう人についての伝説って言ったらいいのかな。
10世紀ぐらいの人なんで、そんなに詳しい文献は残ってないんですよね。
なので、それをちょっと調べたっていうことですね。
これ調べて、向こうで制作するじゃないですか。
その制作にはどうやって反映させるんですか?
やっぱり知識だけではなかなか本当のところってわからないんで、
やっぱり現場行って街を歩いたりとか、実際に教会の中に入ったりして、
教会の中を取材して、教会で出版されているカタログとかを読んだりとか、
あとは教会に絵がたくさん飾られていて、
ウォルフガングの伝説に関する絵がたくさん描かれていて、
そういうのを一つ一つ模写というかね、スケッチを全部してっていうことはやったりしましたね。
作るにあたって情報を入れて、それから現地では教会に行ったり、書かれている絵を見たり、スケッチしたりっていうので、
何かイメージを固めていくっていう感じなんですか?
そうですね。あとはガイドさんが、現地の地元に何台も住んでいるような方がガイドになって、
一通り説明をして回ってくれたんで、その方のね、住んでいる方の話も結構インスパイアされたっていうか、
住んでいる方の情報ってすごく大きいと思っているんで、そういう方の情報をちょっとメモして、それを作品に取り入れたりしましたね。
他のアーティストとの交流
どんな取っ掛かりからスタートするんですか?制作。
一番最初に思い浮かんだのは、教会の中に入った時のひんやりした空気感みたいなのにハッとしたので、
そういうイメージもやっぱり肌感覚っていうのかな、大事にして、それも作品にしましたし、
すごく朝起きると美しい湖が広がった、いわゆるアルプスの山脈が背景にあって、
本当にリゾート地でね、すごく綺麗な風景が晴れたら広がるんですけど、
そこにやっぱり教会の鐘が鳴ると、ボンボンって鳴るとすごく美しいというか、
その教会の鐘もガイドさんの話によると、鐘が5個、5つあって、それぞれ5個できた年代が違うらしいんですね。
戦争で溶かしちゃったりとか、そういう経緯があったり、あと火事になって燃えちゃったりとかね、
そういう経緯があるから、5つの年代それぞれ違うんだけど、ちょっと音色が違うんですよ、みたいな話とか聞いて、
それもちょっと音をテーマに描いてみたいなとかね、そういうことも大事にしたりとか。
自分のイメージを作っていって作品に落とし込む中で、他の方たちもいろいろ作っているわけじゃないですか。
横でいろんな方の制作を見ている感じってどういう心境ですか?
僕はホテルに泊まったのが、オランダ人のアーティストのペパインさんという方と、そのホテルは僕と2人だったんで、
ペパインさんの制作はずっと見てたんですけど、ペパインさんの作品というのは、
僕は抽象的な絵描いてるんですけど、どっちかっていうと、風刺画っていう感じなのか、
ちょっと適当な表現が見当たらないんですけれど、
現地に伝わっている湖の風景とか、あとは伝説みたいなものとか、
あとは山の形が、ライオンが寝転んでいるように見えるとか、そういう言い伝えみたいなのがいっぱいあって、
そういうのを散りばめて、ものすごい大きな畳2畳分くらいの紙に、
湖と山と伝説の風景を全部散りばめていくみたいな、そんな作品でしたね。
ちょっとうまく説明できているかわかんないですけどね。
偶像的な登場人物がいっぱいいて、それで結構散りばめられているみたい。
他の方の絵も見る機会はあるんですか?制作している。
そうですね。別々のホテルで制作してたんですけど、途中1回ずつそれぞれのホテルで夕食会があるんで、
チラッとその時に制作過程を見せてもらったりお話したりとか、
あとはもう最後完成した絵を一堂に集めて展覧会をやるんで、その時にびっくり見てもらいました。
印象に残っている作品はありますか?
印象に残っている作品は…
次回は続きをお送りします。
最後まで聞いていただきありがとうございました。
作品との良い出会いを。
17:17

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