さっき言ったように、俺はふさわしくないっていうふうな言い方をしたんですよね。
本当にそう思ってるのかなって気もしないでもないけどね。
ふさわしくないって、居場所はないって言うけど、でもそこに鬼殺隊にいるし、走って逃げてるわけじゃないし。
簡単に走るには慣れないじゃないですか。
そのためにすごい努力はもちろんしているはずだから、そこら辺の実績は自分は認めてないのかなってすごく不思議には思いますよね。
本当はこの柱としての役割を果たさなきゃっていう責任感みたいなものはがっちり持ってるけど、
どっかで、いや俺はふさわしくないんじゃないかっていう思いがちらつくっていう感じで、
質問とか語りかけてきた人の聞き方とかタイミングとかその対話の流れによっては、
いやー俺はその立場じゃないっていうことが出てくることもあるっていう、そういう感じなのかもしれないですね。
そうですね、その辺はコミュニケーションがあまりめんどくさいと思ってるのかもしれないですね。
そうなんですよね。だから柱稽古そんなもの、俺やりたくねーよって思ってるだけかもしれない。
そうなんですよね。ふさわしくないものというよりも、なんかめんどくさいなと思ってるだけなのかもしれない。
俺はね、基本オフは自宅にいたい人なんで。
確かにね、だってね、稽古するには、鬼殺隊の人たちとコミュニケーション取らなきゃいけないですもんね。
いろいろね、もちろん鬼と違うから、殺すわけにはいかないし。
いろいろ大変じゃないですか。しんどいし、汗かくし、暑いし、夏は暑いし、冬は寒いしで。
周りが思うほどね、深刻なことなんかなっていうのをちょっとちらっと思いました。
そんなこと言ってたら物語にならないので。
そういう見方はね、ちょっとうがった見方はしないことにするとして。
でも、このストーリーの通りに考えると、確かにこういうのはあるよあるよって感じですよ。
ここまで身近な人を自分を守ってくれて亡くしてしまったっていうのは、現実だったらすごいドラマになると思うけど。
ここは物語なのと時代もあるのとシチュエーションもあるので、
ちょっとそこは軽めに言ってるように聞こえてもしょうがないぐらいのトーンで言ってますけど。
何か自分のせいで誰かが困ったとか、つらい思いしたとか。
自分を責める気持ちのさなかにいると、ずっとそれも引きずっていると、
自分のせいでっていう思いから、なかなか逃れられるもんでもないだろうし、逃れる必要もないんだけど。
これってよく最初坊ちゃんが言ってくれたように、よくある人間の悩みの一つのパターンというか形かもねって思いましたよね。
そうですよね。だから、もちろんその人のキャラクターにもよりけりなんだけど、
特に自己肯定感をね、自分なんて自分なんてって思いがちの人にとってみれば、
その一つの事件、ずっとこう、自分の後ろ向きになるための理由でずっとつきまっとってくるっていう気持ちはすごいわかるんですよ。
だから、多分これが理由だから、私ってコミュニケーション下手くそなんだよ、例えばね、とか、
こういう過去があるから、私今後ろ向きでもいいでしょ、みたいな、そういう気持ちになってしまってる。
そういう傾向になる人の気持ち、すごく私はわかる。
ネガティブな坊ちゃん。
ネガティブな坊ちゃん。だから、何だろう、もちろんそれは良いこと、あまり良いことではないのはわかっているんだけれど、
でも、そうやってその逃げ場、ある意味、逃げ場じゃないですか、逃げる理由を作ることによって、
そのネガティブである自分を安心する場所が欲しいんですよ、やっぱり。
うんうん、わかるわかるわかる。
それはね、すごくいいと思う。多分ね、まだそこから、
しんどいけどそこから出て変化するタイミングじゃない時にそうなるんだよね、多分ね。
そうそうそう。
そこ抜けるでしょ、だから。タイミングが来たり、何かシチュエーションがはまったら、
ちょっとこの辺でそろそろ何か考えようかな、みたいにそっちに行くんだと思うんだけど。
あとはその理由が理由じゃなくなってしまう時ね。
うんうん。
例えば、誰かに言われると、そんな理由は、
例えばその理由づけがくるってひっくり返ってしまったりとか。
あー、なるほどね。その理由を理由としてあげられないような流れになる。
なった時に、その逃げ場がなくなっちゃうと、多分変化せざるを得ないということになるかな。
じゃあね、結果良かったねってことになるかもしれないね。
あ、そうそうそう。まあ、もちろん本人にとってはすっごいつらい状況なんですよね。
その逃げ場がなくなっちゃったらどうしよう、どうしよう、どうしようなんだけれど、
肌からとか見てたりとか、あとは改めて見返してみると、
あ、あそこでそういう風になって良かったなって思うことはあると思います。
なるほど、なるほど。このね、ギユ君はどう、ギユさんはどうなんだろうな。