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2026-03-05 05:04

【令和8年度改定】特定機能病院入院基本料がA・B・Cの3区分に再編|点数と施設基準を解説

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令和8年度診療報酬改定では、特定機能病院入院基本料の評価区分が見直されます。現行では特定機能病院88病院すべてに同一の入院基本料が適用されていますが、改定後は「特定機能病院A」「特定機能病院B」「特定機能病院C」(いずれも仮称)の3区分に再編されます。この見直しは、特定機能病院の承認基準の変更に連動したものです。

今回の見直しのポイントは3つあります。第一に、特定機能病院が果たす役割や機能の違いに応じて、入院基本料が3区分に分かれます。第二に、3区分すべてで現行より点数が引き上げられますが、区分間で最大130点の差が設けられます。第三に、各区分の施設基準は、医療法施行規則の改正による新たな承認要件と連動します。なお、A・B・Cの名称は仮称であり、正式名称は令和7年度を目途に公布される関係省令で確定する予定です。

見直しの背景:特定機能病院の承認要件が3類型に

今回の入院基本料の見直しは、特定機能病院の承認要件の変更がきっかけです。現行制度では、特定機能病院88病院はすべて同じ承認要件で運用されています。しかし、実際には大学病院本院(79病院)、ナショナルセンター等(4病院)、その他の病院(5病院)の3類型が存在し、果たす役割や機能は病院ごとに異なっています。

この役割の違いを評価するため、承認要件に新たな「基礎的基準」が設けられました。基礎的基準は、大学病院本院を念頭に、現在の承認要件に加えて「地域医療への人的協力」や「政策医療向上の取組」などの要件を求めるものです。ナショナルセンター等は、全国の医師等に対する高度な教育・研修を行っていることから、大学病院本院に準ずる役割を果たしていると評価されます。

こうした承認要件の3類型化に対して、入院基本料の方は従来どおり一律の点数設定のままでした。果たす役割が異なるにもかかわらず同じ入院基本料を算定できる状態は、機能に応じた適切な評価とは言えません。そこで、令和8年度改定では入院基本料の区分も3つに分けることになりました。

改定内容:入院基本料がA・B・Cの3区分に(いずれも仮称)

改定後の特定機能病院入院基本料は、「特定機能病院A入院基本料」「特定機能病院B入院基本料」「特定機能病院C入院基本料」(いずれも仮称)の3区分になります。中医協の審議資料をもとに、各区分の想定される対象病院と一般病棟7対1入院基本料の点数を整理すると、以下のとおりです。

特定機能病院A入院基本料(仮称) は、基礎的基準を満たす大学病院本院が主な対象になると見込まれています。一般病棟7対1の点数は2,146点(現行1,822点、+324点)、10対1は1,771点(現行1,458点、+313点)に設定されます。

特定機能病院B入院基本料(仮称) は、基礎的基準に準ずるナショナルセンター等が主な対象になると見込まれています。一般病棟7対1の点数は2,136点(現行1,822点、+314点)、10対1は1,760点(現行1,458点、+302点)です。A区分との差は7対1で10点です。

特定機能病院C入院基本料(仮称) は、A・Bに該当しないその他の特定機能病院が対象になると見込まれています。一般病棟7対1の点数は2,016点(現行1,822点、+194点)、10対1は1,642点(現行1,458点、+184点)です。A区分との差は7対1で130点になります。

結核病棟と精神病棟についても同様に3区分化され、すべての区分で現行より点数が引き上げられます。結核病棟の7対1は、A区分2,125点、B区分2,115点、C区分1,995点です。精神病棟の7対1は、A区分1,851点、B区分1,841点、C区分1,721点です。

施設基準:承認要件との連動

各区分の施設基準は、医療法施行規則に基づく承認要件と連動します。個別改定項目の施設基準では、特定機能病院A入院基本料(仮称)の算定要件として「医療法施行規則第●条に規定する特定機能病院A(仮称)であること」と記載されています。具体的な省令の条文番号は、関係省令の公布後に確定します。

特定機能病院B入院基本料(仮称)についても同様に、「医療法施行規則第●条に規定する特定機能病院B(仮称)であること」が通則として定められています。看護配置や平均在院日数などの個別の施設基準は、A区分の基準と同じ内容を満たすことが求められます。

特定機能病院C入院基本料(仮称)は、「A及びBに定める特定機能病院以外の特定機能病院であること」が通則です。C区分もA区分と同一の個別施設基準を満たす必要があります。つまり、3区分の違いは個別の施設基準ではなく、承認要件の類型に基づくものです。

まとめ

令和8年度診療報酬改定では、特定機能病院入院基本料が一律の評価からA・B・C(いずれも仮称)の3区分に再編されます。大学病院本院を中心とするA区分が最も高い点数を、その他の病院であるC区分が最も低い点数を算定する仕組みが見込まれています。この見直しは、特定機能病院の承認基準の3類型化に連動し、病院が果たす役割や機能の違いを入院基本料に反映させるものです。各区分の正式名称や具体的な省令の条文番号は、令和7年度を目途に公布される関係省令で確定する予定のため、今後の通知等をあわせて確認する必要があります。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定により、特定機能病院入院基本料がA・B・Cの3区分に再編されます。これは、大学病院本院やナショナルセンターなど、特定機能病院が果たす役割の違いを評価し、地域医療への貢献度を点数に反映させるものです。設備や人員基準が同じでも、病院の社会的役割によって国からの評価額が大きく変わるという、医療制度の方向性を示す強いメッセージが込められています。

特定機能病院入院基本料の3区分化
いつもこの深掘りを聞きいただき、ありがとうございます。 今回はですね、日本の医療システムの裏側に隠された、ある国からの強いメッセージを、資料から読み解いていきたいと思います。
はい、よろしくお願いします。 本日のテーマがですね、令和8年度診療報酬改定における特定機能病院入院基本料の3区分化というものなんですが、
これあなたがお住まいの地域にもあるかもしれない、全国に88あるいわばトップクラスの巨大病院の評価基準がですね、突然A,B,Cの3つに分けられることになったんです。
そうですね。 なぜ今まで一律だったものを急に分けるのか、ちょっとこれを整理していきたいんですが。
はい。これまで全く同じ扱いだったこの88の巨大病院を明確に区分けするというのは、単なるルールの変更じゃないんですよ。
と言いますと。 日本の医療制度がこれからどこに向かおうとしているのかを示すすごく重要なシグナルなんです。
なるほど。じゃあ具体的な資料を見ていくと、これまで88病院全て同じだった入院基本料が、新たに特定機能病院A,B,Cという3区分に再編されるんですよね。
ちなみにこれは仮称ということで、正式名称は令和7年度を元に出される省令で確定する予定とのことなんですが、そもそもどうして分けることになったんですか。
再編の背景と病院の役割の違い
はい。ここから見えてくる全体像なんですけれども、一口に特定機能病院といっても内訳を見てみるとですね、
大学病院の本位が79、国立がん研究センターなどのナショナルセンター等が4つ、そしてその他の病院が5つと、実はそれぞれになっている役割が全く違うんですよ。
なるほど。中身も役割も全然違うのに、これまでは同じ枠組みで評価されていたんですね。
そうなんです。そこが今回の改定の勘でして、大学病院本位を想定したA区分には、新たに地域医療への人的協力といった基礎的な基準が求められるようになります。
地域への協力ですか?
ええ。一個で、ナショナルセンター等を想定したB区分は、全国の医師への高度な教育とか研修を担うため、大学病院に準ずる役割として評価されると、つまり、実際の役割に応じた適切な評価へと見直されたわけです。
そういうことですか。で、資料を見ていて一番驚いたのが、その具体的な点数の差なんです。
各区分の点数差と具体的な影響
面白いですよね、そこ。
はい。例えば、最も手厚い看護体制である一般病棟7対1の場合、全区分でベースの点数は上がるんですが、A区分が2146点で、今までよりプラス324点。これに対してB区分は2136点ですよね。
そうですね。役割が近いAとBの差はわずか10点にとどまっています。
でも、その他の病院を想定したC区分を見ると、2016点になっていて、なんとA区分と一気に130点も差が開くんですよね。
ええ、かなり大きな差がつきました。
血核病棟や精神病棟でも同じように3区分化されて点数は引き上げられますが、この130点の差はかなり大きいと感じました。
施設基準と承認要件の連動のからくり
興味深い数字の開きですよね。さらに着目すべきからくりがあって。
からくりですか。
実は看護配置などの個別の施設基準は、A、B、C全てで全く同じなんです。
え?
つまり、C区分であってもA区分などと同等の厳しい人員基準などを満たす必要があるんです。
ちょっと待ってください。現場の設備やスタッフの基準は全く同じなのに、点数に130点でも差が出るんですか。
そうなんです。
つまり、設備もスタッフの優秀さも全く同じ三ッ星レストランなのに、地域への貢献度という看板が違うだけで、国からの評価額がガラッと変わるようなものですよね。
まさにその表現がしっくりきます。違いはただ一つで、医療法上の承認要件の類型、つまりその病院が社会的にどんな役割を果たすと承認されているか、そこだけなんです。
単に高度な医療を提供するだけじゃなくて、地域医療に人を派遣して支えたり、教育をしたりと、そうした社会的な貢献度が直接病院の利益とか評価につながる時代になったということですね。
まとめ:国からの強いメッセージ
その通りです。全体像と結びつけるなら、これは単なる病院の収益の話ではありません。
はい。
限られた医療資源の中で、日本のトップ層の病院は、社会や地域に対してどういう役割を果たすべきかという、国からの極めて強いメッセージだと読み解くことができます。
病院の利益が地域や社会への貢献度合いで決まる時代ということですね。
ええ。
リスナーのあなたにも最後にお伺いしたいんですが、あなたの街の巨大病院は、私たちの住む地域の医療崩壊を防ぐために、明日から具体的にどう動くでしょうか。
次回お近くの巨大病院を見た時、少し違った視点で見えるかもしれませんね。
それでは今回の深掘りはここまでです。
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