連携型機能強化型在宅療養支援診療所(以下「連携型機能強化型在支診」)は、複数の医療機関の連携によって地域の24時間医療提供体制を支えてきました。しかし、現行の施設基準では、自院で実際に24時間体制を確保している施設と、連携先に依存して体制を確保している施設が同一の評価となっています。本メルマガでは、令和8年度診療報酬改定における連携型機能強化型在支診の見直し内容と、その実務上のポイントを解説します。
連携型機能強化型在支診の見直しは、自院で24時間医療提供体制を確保する施設をより高く評価する内容です。具体的には、施設基準を区分イと区分ロの2つに分けます。区分イは、自院の医師による月4回以上の連続24時間往診体制を新たな要件とします。区分ロは、連携体制による24時間往診体制を要件とし、自院単独の24時間往診体制までは求めません。
改定の背景|自院で24時間体制を確保する施設の評価強化
改定の趣旨は、地域の24時間医療提供体制を自ら支える医療機関を更に評価することです。連携型機能強化型在支診は、複数の医療機関で連携体制を構築し、24時間往診体制を確保しています。この連携体制において、自院で実際に医療提供体制を確保している時間は施設ごとに大きく異なります。そこで今回の改定では、自ら実際に医療提供体制を確保している時間に応じて評価を見直すこととなりました。
改定の全体像|施設基準を区分イと区分ロに分割
改定の全体像は、現行の施設基準を区分イと区分ロの2区分に分割するものです。区分イは、平時から訪問診療等を行う自院の医師により時間外往診体制を確保している施設を対象とします。区分ロは、それ以外の施設、すなわち連携先との協力で24時間往診体制を確保している施設を対象とします。両区分とも、患家の求めに応じた24時間往診体制の確保と、往診担当医の氏名・担当日等の文書提供は共通要件です。
区分イの要件|自院医師による月4回以上の24時間往診体制
区分イの新要件は、自院の医師による連続する24時間の往診体制等を月に4回以上確保することです。ここでいう「自院の医師」とは、平時から訪問診療等を行う医師を指します。この医師には、往診担当日の前日またはそれ以前に診療録を閲覧でき、必要に応じて診療方針を訪問診療医と共有し、当該保険医療機関からの往診経験を10回以上有する往診担当医師も含まれます。なお、別表第6の2に掲げる地域(医療資源の少ない地域)の診療所では、看護師等といる患者に対する情報通信機器を用いた24時間診療体制で代替できます。
区分ロの要件|連携体制による24時間往診体制を確保
区分ロの要件は、在宅支援連携体制による24時間往診体制を確保することです。具体的には、在宅支援連携体制を構成する他の保険医療機関と協力し、患家の求めに応じて24時間往診が可能な体制を確保します。あわせて、往診担当医の氏名および担当日等を文書により患家に提供します。区分イとの違いは、自院単独での月4回以上の連続24時間往診体制が要件とならない点です。なお、医療資源の少ない地域における情報通信機器による代替規定は、区分ロにも適用されます。
実務への影響|自院の体制確認と区分選択の検討
実務上の対応として、まず自院の24時間往診体制の実態を確認することが重要です。具体的には、平時から訪問診療を行う自院の医師が、月4回以上の連続24時間往診体制を確保できるかを点検します。次に、確保可能であれば区分イの取得を、困難であれば区分ロでの届出を検討します。なお、往診担当医師に「往診経験10回以上の医師」を含める場合は、診療録閲覧体制と訪問診療医との情報共有体制の整備も必要です。
まとめ|自院体制の評価強化に向けた制度設計
令和8年度改定における連携型機能強化型在支診の見直しは、自院で24時間医療提供体制を確保する施設をより高く評価する制度設計です。施設基準は区分イと区分ロの2区分に分割されます。区分イは、自院医師による月4回以上の連続24時間往診体制を要件とする新区分です。区分ロは、連携体制による24時間往診体制を要件とする区分です。各医療機関は、自院の体制を点検したうえで、適切な区分の選択と届出準備を進めることが求められます。
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サマリー
令和8年度の診療報酬改定により、24時間体制の在宅療養支援診療所の評価基準が大きく見直されます。これまで一律だった評価が、自院で24時間体制を確保する「区分イ」と、連携体制に依存する「区分ロ」の2つに分割され、より公平な評価を目指します。これにより、各医療機関は自院の体制を厳しく見極め、適切な区分を選択し、地域医療の提供体制が根本から変化する可能性が示唆されています。
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