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2025-09-14 22:11

診療情報指標の最終報告:地域医療圏の実情に応じた急性期評価と高齢者入院指標の新展開

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令和7年9月11日に開催された第11回診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会において、診療情報・指標等作業グループから最終報告が提出されました。この報告では、20万人未満の二次医療圏における急性期医療の評価方法と、高齢者の入院医療における内科系疾患の適切な評価指標について、新たな方向性が示されています。特に注目すべきは、地域シェア率という新しい概念の導入と、地域包括医療病棟における医療資源投入量の詳細な分析です。

本報告の要点は3つあります。第一に、人口規模の小さい医療圏では救急搬送受入件数の絶対数ではなく地域シェア率による評価が必要であることが明らかになりました。第二に、内科系疾患は包括内の出来高点数が高く、現行の評価体系では適切に評価されていない実態が判明しました。第三に、重症度、医療・看護必要度のB項目について、測定負担の軽減と評価の適正化に向けた具体的な提案がなされました。これらの知見は、令和8年度診療報酬改定に向けた重要な検討材料となります。

急性期医療の地域特性を踏まえた新たな評価指標

急性期医療の評価において、二次医療圏の人口規模による格差が大きな課題として浮き彫りになりました。20万人未満の医療圏では、救急搬送受入件数の絶対数は少ないものの、地域医療における役割は極めて重要です。作業グループの分析により、こうした医療圏において地域シェア率が高い病院が、現行の総合入院体制加算等では評価されていない実態が明らかになりました。

地域シェア率は、当該医療機関の年間救急搬送受入件数を所属二次医療圏内の全医療機関の合計受入件数で除した値として定義されます。この指標により、人口規模に関わらず、地域における医療機関の相対的な貢献度を評価することが可能になります。ただし、二次医療圏の再編による影響を受けやすいという課題も指摘されており、慎重な制度設計が求められています。

総合入院体制加算と急性期充実体制加算の整理統合についても議論が進展しました。両加算で異なる実績要件を統一し、人口が少ない地域における要件緩和を検討することで、地域の実情に応じた評価体系の構築を目指しています。特に、圏域設定における人口規模の線引きについては、今後の重要な検討課題として位置づけられています。

地域包括医療病棟における内科系疾患の医療資源投入量分析

地域包括医療病棟の新設に伴い、高齢者の救急入院における医療資源投入量の詳細な分析が実施されました。内科系疾患は、包括される包括内の出来高点数が相対的に高く、請求点数には反映されにくい傾向が明確になりました。特に、救急搬送からの入院や緊急入院の割合が高く、手術を行わない緊急入院では医療資源投入量が他の入院形態と比較して顕著に高いことが判明しています。

疾患別の分析では、誤嚥性肺炎、肺炎、その他の感染症が上位を占めており、これらの疾患では緊急入院率が90%を超えています。85歳以上の高齢者では、内科系症例の約9割が緊急入院であり、外科系症例と比較して救急搬送や緊急入院の割合が著しく高い実態が明らかになりました。この結果は、高齢者医療における内科系疾患の重要性と、現行評価体系の見直しの必要性を示唆しています。

在院日数の分析からは、高齢であること、転院転棟を除く直接入院であること、入院初日のADLが低いこと、入院初日のB項目点数が高いことが、在院日数の長期化と強く関連することが示されました。これらの要因は相互に関連しており、高齢者の入院医療における複雑な患者像を反映しています。アウトカム指標としての在院日数評価には、これらの要因を考慮した多角的な検討が必要です。

重症度、医療・看護必要度の測定負担軽減と評価の適正化

重症度、医療・看護必要度のB項目について、測定負担と評価の適正化に関する具体的な提案がなされました。B項目は、入院や手術から4~7日後には点数の変化が少なくなる傾向が確認されており、この知見に基づいて測定間隔の緩和が検討されています。特に、術後7日目以降や内科系症例の入院4日目以降については、測定頻度を減らすことで現場の負担軽減が可能との見解が示されました。

内科系症例における評価の課題も明確になりました。A・C項目が一定点数以上である割合が外科系疾患と比較して低く、特に抗菌薬がA項目で評価されないため、感染症患者の重症度が適切に反映されていません。この問題に対し、緊急入院の評価日数を5日間に延長する案や、病床あたり緊急入院受入件数を直接評価する案など、複数の改善策が提示されています。

測定の簡略化と評価の質の両立に向けて、B項目の役割の再定義も議論されました。B項目は、急性期看護や高齢者ケアの手間を反映する指標として、人員配置や入退院支援、転倒・転落リスク判断等の病棟マネジメントに活用されている実態があります。今後は、A・B・C項目全体で患者像を表現し、必要なケアを評価するリアルワールドデータとしての活用が期待されています。

今後の診療報酬改定に向けた展望

診療情報・指標等作業グループの最終報告は、令和8年度診療報酬改定に向けた重要な方向性を示しています。地域医療圏の人口規模に応じた評価体系の構築、高齢者の入院医療における内科系疾患の適切な評価、重症度評価の測定負担軽減という3つの柱は、いずれも医療現場の実態を踏まえた実践的な提案です。特に、地域シェア率の導入と内科系疾患の医療資源投入量分析は、これまでの診療報酬体系では十分に評価されてこなかった領域に光を当てるものです。今後は、これらの提案を具体的な制度設計に落とし込み、地域医療の持続可能性と医療の質の向上を両立させる改定が求められます。



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サマリー

診療情報指標の最終報告では、地域医療の急性期評価や高齢者入院医療に関する新しい提案がされています。特に地域シェア率の導入により、急性期医療における地方病院の役割が評価され、高齢者の内科系疾患入院に伴う医療資源について重要な洞察が示されています。このエピソードでは、高齢者の急性期評価の見直しにおける診療情報指標の最終報告が焦点となり、入院状況や看護必要度の測定負担軽減の重要性が強調されます。また、地域医療圏における新たな評価軸としての地域シェア率の導入提案が取り上げられ、これが医療の質向上に寄与する可能性について議論されています。診療情報指標の最終報告では、地域医療圏の実情に応じた急性期評価と高齢者入院指標の新たな展開が議論されています。

地域医療の急性期評価
さて、今回の探究ですけれども、令和7年9月11日、つい先日提出されたばかりの診療情報指標の最終報告に注目します。
これは、2年後に迫る令和8年度の診療報酬改定、 まあ、医療サービスの肯定価格を決める大きなルール変更ですね。
これに向けた重要な議論のベースになるものです。 手元にあるのは、診療報酬調査専門組織、入院外来医療等の調査評価分科会という、
専門家の会議に提出された診療情報指標等作業グループの最終報告書の抜粋になります。 ここから、今後の医療がどうなっていくのか、その方向性を読み解いていきましょう。
今回のミッションですが、この報告書の中から、特に地域の実情に応じた旧世紀医療の評価、 それから高齢者の入院医療、この2つのテーマですね、ここに関しての新しい考え方とか具体的な提案を掘り下げて、
それがこれからの医療提供体制、ひいては皆さんが受ける医療にどう影響するのか、 その辺りを探っていきたいと思います。
では早速、革新に迫っていきましょう。 まず、全体像をつかむために、この報告書が示している大きな論点、これは主に3つに整理できそうですね。
1つ目は、人口が少ない地域で、その地域にとって不可欠な旧世紀の病院、これをどう評価していくのか。
2つ目が、増え続ける高齢者の入院、特に手術を伴わない内科系の疾患ですね。 これに対する評価をどう見直すか。
そして3つ目が、患者さんの状態を示す重症度、医療看護必要度という指標、これの測定方法とか活用の仕方についてです。
ええ、その通りです。これら3つの柱は、それぞれ独立しているように見えて、実は深く関連しあっていますね。
まあ、現代日本の医療が直面している大きな課題、つまり地方における医療資源の確保ですとか、急速な高齢化への対応、それから医療現場の負担軽減と質の維持、これらに対する具体的な解決策の方向性を示唆しているといえます。
データに基づいて現状を冷静に分析して、課題解決に向けた具体的な提案を行うという、そういう姿勢が一貫していますね。
令和8年度改定の方向性を占う上では、極めて重要な文書だと思います。
なるほど。では、最初の柱、地域特性に応じた旧世紀医療の新たな評価から見ていきましょうか。
ここで非常に興味深いのが、地域シェア率という新しい概念、これの導入提案ですね。
人口20万人未満の二次医療圏、つまり比較的小さな医療エリアですよね。
そこにおいて救急車の受け入れ件数そのものは、例えば大都市の病院に比べると少なくても、その地域にとってはもう文字通り最後の砦みたいになっている病院ってありますよね。
ええ、まさにその点が課題でした。
現在の評価軸、例えば年間の救急搬送受け入れ件数のその絶対数だけを見てしまうと、そうした地域の基幹病院の貢献度っていうのが必ずしも適切に評価されないケースがあったわけです。
どうしても人口が多い地域の病院の方が絶対数は多くなりますからね。
ああ、なるほど。そこで出てきたのが地域シェア率。これは具体的にはどういう計算になるんでしょう。
計算式自体はシンプルでして、その病院が年間に受け入れた救急搬送の件数をですね、その病院が属している二次医療権全体の合計受け入れ件数で割るというものです。
つまり、その病院がその地域全体の救急搬送のうちどれくらいのパーセントを分担しているかという割合を示す指標ですね。
なるほど。絶対数じゃなくて地域の中での相対的な貢献度で評価しようということですね。
これなら人口規模の代償に左右されずに、その地域でどれだけ重要な役割を担っているか、それが可視化されそうですね。
その通りです。例えばですね、人口50万人のA病院にあるX病院が年間1000件、それから人口10万人のB病院にあるY病院が年間300件の救急搬送を受け入れていたとしますね。
絶対数だけ見れば当然X病院の方が多いわけです。しかし、もしB病院全体の搬送件数が年間500件だったとしたら、Y病院の地域シェア率は300割る500で60%にもなるわけですよ。
60%?
この60%という高い貢献度をきちんこ評価体系に反映させようじゃないかという意図があるわけです。これは地域医療を守る上で非常に重要な視点の転換と言えるでしょうね。
その考え方はすごくよく理解できます。ただ、この地域シェア率という指標を、良い面ばかりではない可能性もちょっと考えられませんか?
例えば、評価されることを意識しすぎるあまり、病院が受け入れやすい軽症の救急ばかりを優先してしまって、結果的に重症患者さんの受け入れ体制に何かしわ寄せが来るみたいな懸念はないんでしょうか。
あるいは、この指標の根拠となる二次医療権の配り自体が将来的に見直された場合、指標の安定性が損なわれるリスク、これも指摘されてますよね。
はい、鋭いご指摘ですね。まさにそうした潜在的なリスクとか、制度導入に伴う意図すざる結果については、報告書の中でも慎重な検討が必要だと触れられています。
シェア率を上げるために、特定のタイプの患者さんを選別するような、そういうインセンティブが働かないかといった点は注視が必要ですし、二次医療権の区割り変更への対応も確かに課題ですね。
ですから、この指標だけで全てを評価するというよりは、やはり他の要素と組み合わせて総合的に判断していくことが重要になります。
高齢者入院医療の実情
他の要素というと?
例えば、既存の旧正規医療体制を評価する総合入院体制加算とか旧正規充実体制加算といった評価項目がありますね。
これらについても、今回の報告書では整理統合の議論が進められています。評価の要件をより実態に合わせて統一したり、あるいは人口が少ない地域については要件を緩和したりなど、より柔軟な体系を目指す動きですね。
地域シェア率も、こうした既存の評価体系の中にどう位置づけていくかという、そういう議論になるでしょう。
全体としてみると、学位置的な基準を押し付けるのではなくて、多様な地域の実情に応じたオーダーメイドに近いような評価体系を模索している段階と言えるんじゃないでしょうか。
地域ごとのオーダーメイド評価ですか。それは理想的ですけど、実現にはかなり複雑な制度設計が求められそうですね。
では次の柱に移りましょうか。
2つ目は高齢者の入院医療、特に2022年度に新設された地域包括医療病棟、これに関する分析ですね。
ここでの焦点は手術などを伴わない内科系の疾患で入院した場合の評価ということですね。報告書を読み解くとちょっと驚くような実態が浮かび上がってきますね。
後縁性肺炎とか普通の肺炎、尿路感染症といった高齢者の方に多い内科系の病気で入院した場合、外科手術みたいにこう高額な処置が行われるわけではないのに、実際には非常に多くの医療資源、具体的には人的なケアとか細かな処置に多くの手間がかかっているということがデータで示されたと。
これってなんかこれまでの常識を少し覆すような指摘じゃないですか。
まさにそこが今回の報告書のハイライトの一つと言ってもいいかもしれません。地域包括医療病棟というのは包括払いという入院日数に応じて定められた基本的な費用の中に多くの検査とか処置が含まれる、そういう支払い方式が主体なんですね。
しかし、その包括範囲内で行われた個々の診療行為をでき高、つまり一つ一つの行為ごとに点数を計算する方式で積み上げて分析してみたところ、手術を伴う外科系の症例よりも内科系の症例の方がこの隠れたコストとも言えるような医療資源投入量が相対的に高い傾向が明確になったわけです。
つまり請求上の点数では見えにくい部分で、内科系の特に高齢者の緊急入院には相当なケアが集中している可能性があるということですね。
そういうことです。特に救急搬送での入院とか予定外の緊急入院が多いというのも特徴ですね。
データを見ると、地域包括医療病等において、手術を伴わない緊急入院というのは、予定入院とか待機的な入院に比べて、医療資源投入量がもう度質して高いことが示されています。
疾患別に見ても、後縁性肺炎、肺炎、尿路感染症といった内科系の疾患が上位を占めていて、これらの疾患では緊急入院の割合がなんと90%を超えるものも少ないんです。
90%以上が緊急入院。さらに報告書には、85歳以上の高齢者に限ると、内科系疾患の約9割が緊急入院という、これもかなり衝撃的な数字が出ていますね。
これは下科系の疾患と比べても、著しく高い割合です。
この事実はですね、高齢者医療における内科系疾患、特に緊急対応の重要性を改めて浮き彫りにしているといえます。
そして現在の診療報酬体系が、こうした手間のかかる内科系緊急入院の実態を十分に評価しきれていないんじゃないかという、大きな問題提起につながってくるわけですね。
これがひいては病院経営ですとか、現場の疲弊にもつながりかねないと。
入院期間とその要因
うーん、なるほど。このような内科系の緊急入院で、入院期間が長引いてしまう要因についても分析されてますね。
要因としては、やはり高齢であること。それから、他の病院からの転院とかではなくて、自宅などから直接入院してきたケースであること。
入院した時点でのADL、これはActivities of Daily Livingの略で、食事とか入浴、着替え、移動といった基本的な日常生活動作能力のことですね。
このADLが低いこと。そして次に出てくる重症度・医療・看護必要度のB項目、つまり患者さんの手のかかり具合を示す点数が高いこと。これらが複合的に関連していると。
はい。これらの要因はそれぞれ独立しているわけではなくて、相互に影響し合っています。
例えば、ご高齢でかつADLが低い状態で緊急入院された方というのは、やはり身の回りのケアに多くの人手が必要になりますし、合併症のリスクも高まる傾向がありますから、結果として入院期間が長くなると。
ですから、単に入院日数という結果だけを見て長期入院だと評価するんじゃなくて、患者さんがどのような状態でどういったケアを必要としているのか、その背景も含めてもっと多角的に評価する必要があるということをデータが示唆しているわけです。
患者さんの状態を評価する指標、重症度、医療、看護、必要度、これが3つ目の柱になります。これについても見直しの提案がなされていると、特にB項目ですね。これは患者の状態というよりは、寝返りが打てるかとか、異常ができるか、航空ケアが必要かといった解除の必要度を図る職面が強い項目ですが、この測定頻度について見直しが提案されているんですね。
はい。これも非常に興味深い分析結果に基づいています。旧世紀病院に入院した患者さんについて、入院後の日数の経過とともにB項目の点数がどう変化するかを追跡したんですね。そうしたところ、例えば、手術を受けた患者さんでは、術後7日目以降、それから内科系の疾患で入院した患者さんでは、入院後4日目以降になると、B項目の点数が大きく変動するケースが少なくなってくるという傾向が見られたんです。
つまり、ある程度状態が安定してくると、毎日B項目を測定しても、前の日とほとんど同じ点数になることが多いということですか?
そういうことです。この分析結果を受けて、それならば、状態が安定した患者さんについては、毎日測定するんじゃなくて、例えば1日起きとか、数日に1回といった形で測定間隔を空けても、患者さんの状態把握に大きな影響はないんじゃないかという提案がなされたわけです。
これが実現すれば、日々多くの患者さんの記録に追われている看護師の方々の業務負担を軽減できる可能性があるということですね。
現場の負担軽減は本当に重要な課題ですから、それは大きなメリットになりそうですね。
でも一方でちょっと懸念もあります。特に高齢の内科系の患者さんの場合、A項目、点滴とかモニター管理など、C項目、手術などに該当するような派手な変化はなくても、B項目で捉えられるような日常動作の微妙な変化が、実は体調悪化のサインだったりすることもあるんじゃないでしょうか。測定頻度を減らすことで、そういう変化を見逃しちゃうリスクっていうのは考えられないですかね。
評価指標の見直し
それは非常に重要な懸念点ですし、報告書でもその点はもちろん考慮されています。だからこそ単純に測定頻度を減らすだけじゃなくて、他の評価方法との組み合わせですとか、あるいは内科系疾患の評価のあり方そのものを見直す、そういった提案も同時に行われているわけです。
例えばですね、内科系の疾患では現在のA項目やC項目だけでは、患者さんの重さ、つまり医療的な介入の必要度を十分に捉え切れていないんじゃないかという課題が指摘されています。
具体的にはどういう点が。
先ほども少し触れましたが、例えば重症な感染症の治療で非常に重要な抗菌薬の投与。これは生命に関わる重要な治療ですけれども、現在のA項目では評価の対象にはなっていないんですね。
そうなんですね。
つまり集中的な抗菌薬治療を受けている非常に重篤な状態であっても、それが重症度スコアとしてカウントされない可能性があるわけです。
これではやはり内科系の重症度が過小評価されてしまう恐れはあると。
なるほど。抗菌薬治療が評価されないっていうのは確かに大きな問題ですね。そうした課題への対応策としてはどんな案が出ているんでしょうか。
いくつかの改善案が提示されています。
例えば、緊急入院の場合に限っては重症度の評価対象となる期間を現行の3日間から5日間に延長するという案。
これによって入院初期の不安定な状態をより長く評価できるようになります。
また、より直接的に病院の病床数あたり、年間にどれくらいの緊急入院を受け入れているか、その件数自体を評価指標に加えるといった案なども検討されていますね。
B項目自体の意味合いについても見直しが議論されているようですね。単に点数をつけるだけじゃなくて、もっと多様な目的で現場では活用されていると。
そこも非常に重要なポイントです。調査によりますと、B項目の点数というのは単に基準を満たすかどうかを見るだけではなくて、
実際には、救世機関後ですとか高齢者ケアにおいてどれくらい手がかかるかを示す指標として、病棟の人員配置を検討したり、
入隊員支援の計画を立てたり、あるいは転倒転落のリスクを評価したり、と病棟運営のマネジメントツールとして非常に有効に活用されている実態があるようなんです。
なるほど。点数そのものだけじゃなくて、その背景にある患者さんのケアニーズを把握するための重要な情報源になっているというわけですね。
そうなんです。ですから、今後の方向性としては、測定負担の軽減は図りつつも、B項目を安易に廃止したり過度に単純化したりするのではなくて、
地域医療の未来
その多面的な意義を再確認した上で、A項目処置・検査等、B項目解除必要度、C項目手術等をうまく組み合わせて患者さんの全体像を捉え、
必要なケアの内容とか量を評価するための、いわばリアルワールドデータとして、より有効に活用していくことが期待されているということです。
測定の効率化と評価の質の担保、その両立を目指すということですね。
なるほど。よくわかりました。ありがとうございます。
ここまで、報告書の3つの主要な柱を見てきましたね。
地域ごとの救世機医療の評価に、地域シェア率という新規軸を導入する提案。
高齢者、特に手間のかかる内科系入院医療の実態に光を当てた評価の見直し。
そして、日々の患者さんの状態評価である、看護必要度の測定負担軽減と評価の適正化。
かなり具体的で踏み込んだ提案が多かったですね。
まさにそうですね。
全体を通して言えるのは、これまで診療報酬体系の中では、ややもすると学位的な評価になりがちだったり、
あるいは手術などのわかりやすい処置に比べて評価が手薄になりがちだった部分に、
しっかりとデータに基づいてメスを入れて、より実態に即した評価を目指そうという、そういう強い意志が感じられますね。
特に地域シェア率という新たな視点や、高齢者の内科系緊急入院における医療資源投入量への着目。
これは今後の医療提供体制を考える上で、非常に視差に富んでいると思います。
これらの提案が最終的に2年後の令和8年度診療報酬改定で、どのような制度として具体化されていくのか。
これは医療関係者の方々だけでなく、私たち国民にとっても目が離せない動きですね。
地域医療の持続可能性を確保し、同時に医療の質を高めていくという、2つの大きな目標を達成するために、
今回の報告書が投げかけた論点というのは、避けては通れない重要な課題だと思います。
今後の具体的な制度設計のプロセスを、注意深く見守っていく必要があるでしょうね。
はい。今回は診療報酬改定という、少し専門的なテーマの背景にある重要な報告書の中身を、皆さんと一緒に深掘りしてみました。
地域シェア率、高齢者の内科入院、看護必要度。
ちょっと聞き慣れない言葉もあったかもしれませんが、こうした制度の見直しの一つ一つが、
巡り巡って私たち自身や家族が将来受ける医療の質、あるいは医療へのアクセスのしやすさに、少なからず提供を与えていく可能性があるんだなということを感じていただけたでしょうか。
そうですね。最後に一つ、この一連の議論を踏まえて、皆さんに少し考えてみていただきたい問いがあります。
それは、今回見てきたような評価の物差しが変わること、つまり何を測り、何を重視するかという基準が変わることが、医療を提供する側、つまり病院や医師、看護師の方々の意識とか行動に、どのような影響を与えうるかということなんです。
評価が変わると、行動が変わるということですか?
その可能性は大いにあると思います。例えば、地域シェア率が高く評価されるようになれば、先ほど話に出たように、人口の少ない地域でも、救急経営に積極的に取り組む病院が増えるかもしれません。これは地域住民の方にとっては非常に望ましい変化でしょう。
しかし、その一方で、例えば評価指標には直接現れにくいけれども、非常に重要な時間をかけた丁寧な隊員支援ですとか、地域の介護施設との連携強化、あるいは病気の予防活動といった機能への関心が、相対的に薄れてしまうようなことはないだろうかと。
なるほど。どうしても評価される項目、点数化される部分に組織としてのエネルギーとか資源が集中しやすくなるという側面は否定できないかもしれないですね。
そういう懸念ですね。これは非常に難しいバランスの問題です。新しい評価指標を導入することで、これまで光が当たっていなかった人たちにとっては非常に負担が大きいのではないかと思います。
効率化とか適正化の名のもとに、数値化できない大切なものが見過ごされてしまうリスクがあると。
そういう懸念ですね。これは非常に難しいバランスの問題です。新しい評価指標を導入することで、これまで光が当たらなかった部分に光が当たるというメリットがある一方で、光が当たらなくなる部分が出てくる可能性もあるわけです。
この変化が医療の現場で働く人々のモチベーションとかケアの質にどのような影響を与えるのか。単に制度が変わるというだけでなく、その先にいる人への影響まで創造力を働かせることが重要なんじゃないかなと思います。
評価の意義
確かにそうですね。効率とか数字だけでは測れない医療の価値をどう守っていくのか。これは制度を作る側だけじゃなくて、私たち医療を受ける側も考えていくべきテーマなのかもしれないですね。皆さんご自身が、あるいは皆さんの大切なご家族が、これから医療サービスを受ける場面をちょっと想像してみてください。
今回話題になったような評価の仕組みの変化が、もしかしたらその場面での経験に良くも悪くも何らかの影響を与えるかもしれない。そんな視点で今後のニュースなどを見てみるのも良いかもしれませんね。はい、今回の探究はここまでといたします。また次回、新たなテーマで皆さんと深く掘り下げていけることを楽しみにしています。
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