令和8年度診療報酬改定では、入退院時における介護支援専門員等との連携を強化するため、介護支援等連携指導料の要件が見直されます。この見直しは、居宅介護支援事業所等の介護支援専門員等との連携や、地域の入退院支援に係る情報共有等の規定に基づいた入院前からの支援を強化する目的で行われます。
見直しの内容は、従来の介護支援等連携指導料(400点)を「介護支援等連携指導料1」として位置づけたうえで、新たに「介護支援等連携指導料2」(500点)を新設するものです。介護支援等連携指導料2は、入退院支援加算1の届出病棟に入院中の患者が対象となります。この新区分では、入退院支援部門の担当者が、平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して説明・指導を行った場合に算定できます。なお、同一入院中に指導料1と指導料2を併算定することはできません。
見直しの背景:入院前からの連携強化が求められている
介護支援等連携指導料の見直しは、入退院時における医療と介護の連携をより実効性のあるものにするために行われます。
現行の介護支援等連携指導料は、入院中の患者に対して、医師等が介護支援専門員等と共同して退院後の介護サービス等について説明・指導を行った場合に算定できます。しかし、入退院支援の現場では、入院してから介護支援専門員と連携を開始するのでは遅いケースが少なくありません。
こうした課題に対応するため、今回の改定では、入退院支援部門が平時から介護支援専門員等と連携体制を構築し、その連携に基づいて指導を行う取り組みを新たに評価します。この方向性は、市町村が策定する「入退院支援ルール」の活用推進とも連動しています。
改定内容:従来の400点を「指導料1」、新設の500点を「指導料2」に区分
今回の見直しでは、介護支援等連携指導料が以下の2区分に再編されます。
介護支援等連携指導料1(400点) は、従来の介護支援等連携指導料と同じ内容です。入院中の患者の同意を得て、医師または医師の指示を受けた看護師・社会福祉士等が、介護支援専門員または相談支援専門員と共同して指導を行った場合に算定します。算定回数は入院中2回までです。
介護支援等連携指導料2(500点) は、今回新設される上位区分です。入退院支援加算1の届出を行っている病棟に入院中の患者が対象となります。患者の同意を得て、入退院支援及び地域連携業務を担う部門の担当者が、平時から連携体制を構築している介護支援専門員または相談支援専門員と共同して指導を行った場合に算定します。こちらも算定回数は入院中2回までです。
指導料1と指導料2の違い:3つの要件が異なる
介護支援等連携指導料1と指導料2には、主に3つの違いがあります。
1つ目の違いは、対象病棟の限定の有無です。 指導料1には対象病棟の限定がありません。一方、指導料2は入退院支援加算1の届出を行っている病棟に入院中の患者に限定されます。
2つ目の違いは、指導を行う担当者の範囲です。 指導料1では、医師または医師の指示を受けた看護師・社会福祉士等が指導を行います。一方、指導料2では、入退院支援及び地域連携業務を担う部門の担当者が指導を行います。
3つ目の違いは、連携する介護支援専門員等との関係性です。 指導料1には、連携相手との事前の関係性に関する要件がありません。一方、指導料2では、平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して指導を行うことが求められます。
算定上の注意点:併算定の制限がある
介護支援等連携指導料の算定にあたっては、いくつかの制限があります。
同一入院中に指導料1を算定した場合、指導料2は算定できません。つまり、1回の入院で指導料1と指導料2を併算定することはできず、いずれか一方のみの算定となります。
また、指導料1・指導料2のいずれも、退院時共同指導料2(B005)の注3に掲げる加算(介護支援専門員等と共同して指導を行った場合の加算)と同一日に算定することはできません。この制限は従来と同様です。
まとめ
令和8年度診療報酬改定では、介護支援等連携指導料が2区分に再編されます。従来の内容は「指導料1」(400点)として継続し、新たに「指導料2」(500点)が新設されます。指導料2は、入退院支援加算1の届出病棟において、入退院支援部門の担当者が平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して指導を行った場合に算定できます。入退院支援加算1を届出している医療機関では、介護支援専門員等との平時からの連携体制を整備し、上位区分の算定を検討する価値があるといえます。
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サマリー
令和8年度診療報酬改定により、病院と介護支援専門員等の連携を強化するため、「介護支援等連携指導料」が2区分に再編されます。従来の400点に加え、入院前から連携体制を構築している場合に算定できる500点の「指導料2」が新設。これは、入院後の急な連携では遅すぎるという現場の課題に対応し、病院の組織構造や地域との平時からのネットワーク構築を促すことを目的としています。