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2025-08-28 18:58

AIが変える教育現場:教育者の7割がカリキュラム開発に活用する実態と日本での応用

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教育現場でのAI活用が急速に進展しています。Anthropicが2025年8月に発表したレポート「Anthropic Education Report: How educators use Claude」によると、高等教育機関の教育者によるAI活用は、単なる事務作業の効率化を超えて、教育の本質的な変革をもたらしつつあります。週平均5.9時間の時間削減という数値以上に重要なのは、教育者がAIを創造的パートナーとして活用し始めている実態です。

本稿では、世界74,000件のClaude利用データから明らかになった教育者のAI活用パターンを詳細に分析します。カリキュラム開発での57%という高い利用率、拡張型利用と自動化型利用の使い分け、そしてClaude Artifactsを活用した革新的な教材作成まで、教育現場でのAI活用の全貌を明らかにします。さらに、これらの知見が日本の教育現場、特に会話型AI構築プラットフォーム「miibo」の活用にどのような示唆を与えるかについても考察します。

教育者のAI活用実態:3つの主要用途と驚きの利用率

教育者のAI活用は、想像以上に多様で実践的です。Anthropicの分析によると、高等教育機関の教育者による74,000件のClaude利用データから、3つの主要な用途が明らかになりました。最も顕著なのは「カリキュラム開発」で全体の57%を占め、次いで「学術研究」が13%、「学生の成績評価」が7%となっています。

カリキュラム開発における具体的な活用例は多岐にわたります。教育ゲームのデザイン、評価機能を備えたインタラクティブな教育ツールの作成、多肢選択式評価問題の作成などが含まれます。興味深いのは、教育者の29%が自身の学習にもAIを活用していることです。これは、教育者自身が継続的な学習者であることを示しており、AIが教える側と学ぶ側の境界を曖昧にしつつあることを示唆しています。

特筆すべきは、法的シナリオのシミュレーション作成や職業教育コンテンツの開発など、専門分野特有のニーズに対応した活用事例も確認されたことです。また、推薦状の作成や会議アジェンダの作成など、教育に付随する管理業務でもAIが活用されています。これらの実態は、AIが教育現場の様々な場面で不可欠なツールになりつつあることを示しています。

拡張と自動化の絶妙なバランス:教育者が選ぶAI活用戦略

教育者のAI活用において最も興味深いのは、タスクの性質によって「拡張型」と「自動化型」を使い分けている点です。拡張型とは人間とAIが協働してタスクを遂行する方法であり、自動化型はタスクを完全にAIに委譲する方法です。データ分析の結果、この使い分けには明確なパターンが存在することが明らかになりました。

拡張型利用が優勢なタスクには特徴的な傾向があります。大学での授業や教室指導では77.4%が拡張型、研究費獲得のための助成金申請書作成では70.0%、学生への学術的助言では67.5%が拡張型を選択しています。これらのタスクに共通するのは、高度な文脈理解、創造性、そして学生との直接的な相互作用が求められる点です。ある教授は「AIとの対話そのものに価値がある。思考の代替ではなく、思考のパートナーとして使うことを学生にも教えている」と述べています。

一方、自動化型利用が相対的に高いタスクも存在します。教育機関の財務管理では65.0%、学生記録の管理では48.9%、入学・登録管理では44.7%が自動化型を採用しています。これらは定型的で繰り返しの多い管理業務という共通点があります。ただし、採点業務における48.9%という自動化率は議論を呼んでいます。調査対象の教授陣が採点をAIの最も不得意な分野と評価しているにも関わらず、実際には半数近くが自動化を選択しているこのギャップは、教育現場が直面する倫理的ジレンマを浮き彫りにしています。

Claude Artifactsが実現する創造的教材開発の革新

教育者によるClaude Artifactsの活用は、AIを単なる対話ツールから創造的パートナーへと進化させています。この機能により、教育者は技術的専門知識がなくても、完全に機能する教育リソースを作成し、即座に教室で展開できるようになりました。ある教授は「従来は時間的に困難だったカスタムシミュレーション、イラスト、インタラクティブな実験が可能になった。学生にとってはるかに魅力的だ」と評価しています。

作成される教材の種類は驚くほど多様です。エスケープルームやプラットフォームゲーム、各教科のシミュレーションなどのゲーミフィケーション教材が作られています。評価ツールでは、自動フィードバック機能を備えたHTMLベースのクイズや、学生のパフォーマンス分析用CSVプロセッサー、包括的な採点ルーブリックなどが開発されています。データ可視化では、歴史年表から科学的概念まで、学生の理解を助けるインタラクティブディスプレイが作成されています。

特に注目すべきは、教科固有の専門的学習ツールの開発です。化学の量論計算ゲーム、自動フィードバック付き遺伝学クイズ、計算物理学モデルなど、従来は専門的なプログラミング知識や多大なリソースが必要だった教材が、教育者自身の手で作成可能になりました。さらに、学術カレンダーや予算計画ツール、各種学術文書のテンプレートなど、教育活動を支える周辺ツールも充実しています。これらの創作物は、AIが教育者の創造性を解放し、パーソナライズされた教育体験の実現を可能にしていることを示しています。

教育の本質を問い直す:AIがもたらす教授法の根本的変化

AIの普及は、教育者に「何を」「どのように」教えるかという根本的な問いを投げかけています。多くの教育者が認識しているように、AI活用は学生の学習方法を変化させており、それに応じて教授法も進化を迫られています。ある教授は「AIは私に教え方を完全に変えることを強いている。認知的負荷の外部委託問題にどう対処するか、多大な努力を払っている」と述べ、この変化の深刻さを表現しています。

教育内容の変化は特にプログラミング教育で顕著です。「AIベースのコーディングは分析教育の経験を完全に革新した。カンマやセミコロンのデバッグではなく、ビジネスにおける分析の応用に関する概念について議論する時間が持てるようになった」という証言が示すように、技術的な詳細から概念的理解へと教育の焦点がシフトしています。また、AI生成コンテンツの精度を評価する能力が、新たな重要スキルとして浮上しています。

評価方法の再考も避けられません。学生の不正行為や認知的負荷の外部委託への懸念は依然として存在しますが、一部の教育者は発想を転換しています。「Claudeがこなせるような課題なら、学生の不正を心配するのではなく、我々が教育者としての仕事を果たしていないことを懸念すべきだ」という指摘は示唆的です。伝統的な研究レポートを廃止し、AIでは対応困難な課題を設計する教育者も現れています。学生から「毎週の宿題が難しく、ClaudeもChatGPTも役に立たなかった」という苦情を受けた教授は、それを賛辞として受け取り、今後もそのような声を聞きたいと述べています。

日本の教育現場への示唆:miiboが実現する会話型AI教育の可能性

Anthropicのレポートが示す教育AIの活用パターンは、日本の教育現場、特に会話型AI構築プラットフォーム「miibo」の活用に重要な示唆を与えています。miiboは、プログラミング不要で会話型AIを構築できる国産プラットフォームとして、教育者が独自の教育AIを開発する道を開いています。Claude Artifactsが実現している創造的教材開発と同様に、miiboも教育者のアイデアを即座に実装可能な教育ツールへと変換できます。

miiboの特徴的な機能は、教育現場のニーズに直接応えるものです。ナレッジデータストアによる専門知識の管理機能は、教科固有の情報を効率的に管理し、学生の質問に正確に応答するAIの構築を可能にします。ステート機能を活用すれば、個々の学生の学習進度や理解度を追跡し、パーソナライズされた学習体験を提供できます。また、シナリオ対話機能により、段階的な学習フローを設計し、学生の理解度に応じた適応的な教育が実現可能です。

日本の教育機関がmiiboを活用する際の具体的な応用例は多岐にわたります。カスタマーサポート型の学習支援システムは、24時間365日学生の質問に対応できます。プロンプトエンジニアリングを活用した個別指導AIは、学生一人ひとりの特性に合わせた指導を提供します。さらに、外部API連携により既存の学習管理システムとの統合も可能で、包括的な教育DXの実現に貢献できます。Anthropicのレポートが示す拡張型利用の重要性を踏まえれば、miiboは教育者の創造性を支援し、教育の質を向上させる強力なツールとなる可能性を秘めています。

AIと教育の未来:協働による新たな学びの創造

教育におけるAI活用は、効率化を超えた本質的な変革をもたらしています。Anthropicのレポートが明らかにした教育者の実態は、AIが教育の補助ツールから創造的パートナーへと進化していることを示しています。57%がカリキュラム開発に活用し、週平均5.9時間を削減しながら、より豊かな教育体験を創出している現実は、教育の未来を示唆しています。

拡張型利用と自動化型利用の適切な使い分けは、教育の質を保ちながら効率化を実現する鍵となります。創造性や文脈理解が必要な教育活動では人間とAIが協働し、定型的な管理業務では自動化を進めるというバランスが重要です。日本においても、miiboのような会話型AI構築プラットフォームを活用することで、教育者自身がAIツールを設計し、教育現場のニーズに即した革新的な学習環境を構築できます。教育とAIの協働は、学生により良い学習体験を提供し、教育者がより本質的な教育活動に集中できる未来を約束しています。



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サマリー

AIの導入により、日本の教育現場は大きな変革を迎えており、教育者の約7割がカリキュラム開発にAIを活用しています。AIは教育者の創造的なパートナーとして機能し、教育の質と効率が問われる新たな課題を生み出しています。AIの活用が広がっており、特に国産の会話型AIプラットフォーム「ミーボー」は教育者のニーズに合った機能を提供しています。これにより、教師は自ら対話AIを作成し、個別最適化された学習サポートを実現する可能性が高まっています。

教育現場とAIの関係
さて、今回はですね、教育とAIの関係、これに深く迫っていきたいなと。特に大学の先生たちがAIとどう向き合っているのか、その最前線を探っていきます。
実はですね、ちょっと衝撃的なデータがありまして、高等教育機関の先生たちの約7割がカリキュラム作りにAIを活用しているそうなんですよ。
へー、7割ですか。
そうなんです。しかも、それによって週に平均で5.9時間。
5.9時間?
ええ、これだけの時間を年出していると。
それは大きいですね、かなり。
大きいですよね。で、今回の主な情報源、これがアンスロピック社。
彼らがですね、74,000件ものクロード利用データを分析した2025年8月発表の最新レポートなんです。
74,000件ですか?すごい数ですね。
ただ、これ時間が浮いた、やったーっていう単純な話じゃなくてですね、どうももっと深いところで変化が起きているようなんです。
AIが単なる作業代行じゃなくて、教育者の創造的なパートナーとしてどう機能質あるのか。
そして、それが教えること、学ぶことの本質にどんな影響を与えているのか。
今日は日本のMEVOっていうプラットフォームの話なんか交えながら、あなたと一緒にこの変化の革新にすまっていければなと。
AIの活用と戦略
はい、よろしくお願いします。
さあ、この興味深い変化、一緒に紐解いていきましょう。
じゃあ早速ですけど、教育現場でのAIの使われ方、トップ3見てみましょうか。
ええ。
これが実に興味深い結果でして、まずダントツ1位、これはさっきもちょっと触れましたけど、カリキュラム開発。
ああ、やはり。
なんと57%です。教材のアイデア出しから具体的な授業計画、さらには小テストの作成までかなり幅広く使われているみたいですね。
なるほど、授業準備の中核ですもんね。
3位が学生の成績評価、7%と続きます。
ふむふむ、研究と評価ですか?
ええ。ここ的にへえって思ったのが、29%の教育者が自分自身の学習にもAIを使っているって点なんです。
なるほど、教える側が学ぶために。
そうなんです。新しい分野を学んだり、知識をアップデートしたり、教える側もAIと一緒に学び続けていると。
これって、教える学ぶの境界が少しずつ避け合っているようなそんな感じしませんか?
確かにそれは面白い視点ですね。
他にもですね、専門分野、例えば法律の模擬シナリオ作りとか、あと専門学校向けの職業訓練コンテンツ開発とか、
さらには推薦上の下書きとか、会議の議題作成といった管理業務まで、
AIが教育現場のほんとあらゆる場面に浸透し始めている、その様子が伺えますよね。
もうなくてはならないツールになりつつあるという感じでしょうか。
まるでもう欠かせない文房具の一つみたいになっているのかもしれないですね。
ええ。ここで非常に面白いのがですね、教育者の人たちがAIを使う際に、
意識かもしれないですけど、タスクによって使い方を戦略的に変えているという点なんですよ。
ほう、戦略的に。
ええ。大きく2つの使い方があって、1つは拡張型。
拡張型。
これはAIと人間が一緒に考える、いわば2人3脚共同するスタイルですね。
なるほど、パートナーみたいな。
そうです。もう1つが自動化型。
自動化型?
これはもうAIにこれお願いと丸っと任せてしまう、委任するスタイルです。
ふむふむ。
データを見るとですね、圧倒的に拡張型で使われるタスクが多いんですよ。
へえ。
例えば、大学の授業とか指導、これだと77.4%が拡張型。
8割近くか。
ええ。あと、研究費を獲得するための助成金の申請書作りは70.0%。
ああ、これも大事な作業ですね。
そうです。それから学生へのアカデミックなアドバイスも67.5%が拡張型を選んでいると。
なるほど。これらのタスクに共通する点って何なんでしょう?
そうですね、やっぱり人間の判断とか想像性、それから学生との直接的なコミュニケーション、そういうものが重要だっていう点でしょうね。
ふむふむ。
大学の教授は、レポートの中で、AIとの対話それ自体に価値があるんだと。
思考を型変わりさせるんじゃなくて、思考のパートナーとして使うことを学生にも教えているって語ってるんです。
ああ、なるほど。AIに答えを出させるんじゃなくて、AIとのやり取りを通じて自分の考えをブラッシュアップしていくみたいな。
まさに。
それ自体が学びになってる感じですね。
その通りです。AIを自分の考えを深めるための壁打ち相手とか、新しいアイディアを生む諸子梅として捉えているわけですね。
深いですね。
教育の革新と課題
一方で、自動化型の割合が高いタスクもあるんです。
例えば、学校の財務管理、これで65.0%。
これは定型的な作業が多そうですしね。
あと、学生の記録管理で48.9%。
入学手続き関連で44.7%。
ふむ。
これらは比較的定型的で繰り返しの作業が多い、管理系の業務ですよね。
効率化が優先される領域と言えるでしょう。
ただですね、ここで一つちょっと考えさせられるデータがあるんです。
何でしょう?
それは採点業務なんです。
採点ですか?
自動化率は48.9%と、半数近くに達しているんですね。
結構高いですね。
ところが、同じ調査で教授たちに、AIが苦手なことは何だと思いますかって聞くと、この採点を挙げる人が結構多いんですよ。
それって矛盾していませんか?
苦手だって分かっているのに、半数近くが自動化したっているって。
そうなんですよ。
ここに、現場の苦悩が透けて見える気がするんです。
本来なら、やっぱり人間の目で丁寧に評価したい。でも、とにかく時間がないと。
だから、AIの能力に限界を感じつつも、効率化のために頼らざるを得ない、そういう状況があるのかもしれないですね。
なるほどな。
これは、教育の質と効率のバランスをどう取るかっていう、なかなか難しい問題提起を含んでいるなと感じますね。
そのジレンマは大きいですね。
さて、AIが単なる便利ツールを超えて、先生たちの想像性を刺激するパートナーになっているっていうことを示す面白い例があるんですよね。
それが、クロードアーティファクツっていう機能の活用です。
ああ、アーティファクツ。
これすごいのが、専門的なプログラミング知識とかがなくても、AIと対話するだけで、実際に動く教育用のツールとかコンテンツを作れちゃう機能なんですよ。
それは画期的ですね。
レポートにも、以前なら時間的に絶対無理だった学生一人一人に合わせたシミュレーションとか、分かりやすいイラスト、インタラクティブな実験教材が作れるようになったと。
ふむふむ。
学生の食いつきが全然違うっていう声も紹介されていました。
なるほど。
まさにAIが先生たちのこんな教材あったらいいな、を形にする手助けをしてるんですね。
具体的にはどんなものが作られてるんですか?
作られてるものも本当に多彩で、例えばゲーム感覚で学べる脱出ゲーム風の教材とか。
へえ、面白そう。
物理シュミレーションとか、化学反応を可視化するツールとか、評価方法も進化していて、回答すると自動でフィードバックが返ってくるオンラインクイズとか。
それは便利ですね。
学生の理解度をグラフ化するツールとか、さらには細かな評価基準、リーブリックって言いますけど、それまでAIと相談しながら作れるそうです。
ルーブリックまで。
歴史の年表をインタラクティブに表示したり、複雑な科学的概念を図解したりする、そういう可視化ツールも人気みたいですね。
特に注目したいのは、従来なら専門家とか、あるいは多額の予算が必要だったような、例えば遺伝学の法則を学ぶクイズとか、計算物理学のモデル構築みたいなかなり高度な専門ツールまで、研磨の先生が作れるようになったということなんです。
それはすごい変化ですね。専門知識の民主化みたいな。
そうですね。これは教育の個別化を一気に押し進める可能性を感じますよね。
本当にそう思います。
こうしたAIの浸透というのは、教育者に対してもっと根本的な問いを突きつけてるんですね。
根本的な問いですか?
これから何を教えるべきなのか、そしてそれをどうやって教えるべきなのかという、もう教育の革新に関わる問いです。
レポートを読むと、多くの先生が、AIのせいで学生の学び方がもう明らかに変わってきていると感じていて、自分たちの教え方も変えなきゃいけないっていう強い危機感を持ってる。それがわかるんです。
やはり危機感が。
ある教授の言葉が印象的で、AIは私に教え方を根本から変えることを強制していると。
認知的負荷の外部委託、つまり考えることの一部をAIに任せてしまう学生にどう向き合うか、必死で考えてるんだという言葉はその重みを物語っていますよね。
認知的負荷の外部委託。
これは単に新しいツールを導入するっていう話じゃなくて、もう教育のゴール設定から見直さなきゃいけないっていうレベルの変化なんだと思います。
認知的負荷の外部委託ですか。つまり昔なら自分で調べて考えてやらなきゃいけなかった部分を、AIにこれやっといてって任せちゃう、そういうことですよね。
おっしゃる通りです。
それは楽ですけど、本当に力がつくのかなってちょっと心配になりますね。
まさに外が課題なんです。例えば、プログラミング教育の現場なんかでは、こういう声があるんですね。
AIがコードを書いてくれるおかげで、昔みたいに細かい文法エラー、例えばコンマが抜けてるとか、そういう修正に時間を取られなくなったと。
その分、そのプログラムを実際のビジネスでどう活かすかといった、より本質的な議論に時間を使えるようになったというんです。
なるほど。それはポジティブな変化ですね。
ええ。これは教育の焦点が、基礎的な知識とかスキルの習得から、それをどう応用するか、どう批判的に使うかといった、より高次の能力育成へとシフトしているその現れでしょうね。
だからこそ、これからはAIリテラシー。
AIリテラシー。
AIが出してきた情報の真偽を見極めたり、その限界を理解したりする力、これが先生にも生徒にも不可欠なスキルになってくるわけです。
確かに。使いこなす側にも相応な能力が求められると。
そういうことです。
となると評価の方法も、これはもう変えざるを得ないでしょうね。
そうですね。
AIに聞けばすぐ答えが出ちゃうような課題を出しても、あまり意味がないですもんね。
レポートにあった言葉で、これも印象的だったんですが、苦労度が一瞬で解けるような課題を出しているなら、学生の不正を心配するより、我々教育者が仕事をしていないことを恥じるネキだ。
うわぁ、耳が痛いというか、鋭い指摘ですね。
ええ。頼めに、もう伝統的なレポート課題みたいなものはやめて、AIでは簡単に立ち打ちできないような、例えば複数の情報を統合したり、倫理的なジレンマについて考えさせたりするような、そういう複雑な課題設計にシフトする動きが加速しているようです。
なるほど。AI対策でもあるし、本質的な思考力を問うことにも繋がると。
そうなんです。ある先生は、学生から今週の課題難しすぎて、苦労度もチャットGPTも全然役に立ちませんでしたって言われたそうなんですが、それを聞いて最高の褒め言葉だと喜んでいたとか。
日本の教育現場におけるAIの活用
それはすごい話ですね。AIに頼れない課題こそ人間の思考力を鍛えると。
ええ。評価方法を変えることが、結果的に教育目標そのものを見直すことに繋がっているんですね。
奥が深いですね。ここまで世界的な動向を見てきたわけですけど、こうした流れを日本の教育現場、特にミーボーのような国産の会話型AIプラットフォームでどう活かせるのか、少し考えてみませんか。
はい、ぜひ。
ミーボーは、プログラミング不要で先生自身が対話AIを作れるサービスでしたよね。
まさにアンスロピックのレポートで見たクロードアーティファクツのように、教育者の自分のアイデアを直接AIの形にできるツールです。
日本版アーティファクツみたいな感じですかね。
そういうイメージですね。
ミーボーの機能を見ていくと、今回のレポートで明らかになった教育現場のニーズと驚くほど合致する点が多いんですよ。
個体的には。
例えば、ナレッジデータストアっていう機能があります。
ナレッジデータストア。
ここに教科書の内容とか専門知識を登録しておけば、その範囲内で正確に答えるAIを作れるんです。
なるほど。
例えば、歴史の人物について質問すると、その登録された知識ベースの中から答えてくれるAIとか、数学の公式の使い方を解説してくれるAIとか、特定の範囲に限定することで、AIが不確な情報を答えてしまうリスクも減らせますよね。
ああ、それは安心ですね。先生がちゃんと管理できる知識ベースがあるというのは。
ええ。さらに、ステート機能というのもあります。
ステート機能。
これは、AIが対話相手、つまり学生一人一人の状況、例えばどこまで理解してるかとか、何につまずいてるかとか、そういうのを記憶してくれる機能なんです。
ええ、それはすごい。
これを使えば、前回ここまで理解したから、今日はこの応用問題をやってみようとか、あ、この概念が苦手みたいだから別の角度から説明してみようといった、まさに個別最適化された学習サポートが可能になるんです。
それは、アダプティブラーニング、適応学習に近いことが先生の手で実現できるということですね。
そうです、そうです。
そして、シナリオ対話機能。
シナリオ対話。
これを使うと、学習の手順をステップバイステップで導いたり、特定のゴールに向けた対話の流れを設計したりできるんです。
ふむふむ。
例えば、実験の手順を安全にガイドするAIとか、複雑な問題解決の手法プロセスを対話を通して体験させるAIとか、単なる質疑応答を超えた能動的な学びを促せる可能性があるんですね。
ミーボーを使えば、24時間対応の質問応答システムはもちろんのこと、アンソロピックリポートにあった拡張型の利用、つまりAIを思考のパートナーにするような使い方を日本の先生方がもっと手軽に試せるようになりそうですね。
ええ、そう思います。
例えば、プロンプトエンジニアリング、AIへの上手な質問の仕方を学ぶための練習相手AIみたいなのも作れそうですし。
ああ、いいですね。それ、既存のLMS、学習管理システムと組み合わせれば、かなり強力な教育環境が作れるかもしれませんね。
まさにその通りだと思います。アンソロブリックのレポートが示唆していたのは、AIは単に仕事を自動化するだけじゃなくて、人間の能力を拡張するパートナーになり得るということでしたよね。
日本の教育現場で開花させるための非常に有望なツールと言えるでしょうね。先生方の創造性を解き放って、教育の質をもう一段階引き上げる、そういう起爆剤になるかもしれません。
人間の価値とAIとの共存
いやあ、今回の話本当に刺激的でした。ちょっと頭の中を整理してみましょうか。
まず、教育現場のAI活用は単なる効率化を超えていると、AIが創造的なパートナーとなって、教育の在り方そのものを変え始めていること。
特に、キャリキュラム開発。これが57%で活用が進んでいて、そこで得られた時間を、より人間的な関わりとか質の高い指導に振り向ける、そういう動きが見られること。
次に、先生たちはタスクに応じて、AIとの共同、つまり拡張型と移認、つまり自動化型を戦略的に使い分けている。特に創造性とか対話が重要な場面では、AIをパートナーとして活用する傾向が強いということ。
そして、クロードアーティファクツとか、日本のニーボーのようなツールによって、専門知識がなくても、先生が革新的な教材とか学習体験を、自ら生み出せるようになりつつあること。
ええ、これも大きな変化ですね。
同時に、AIの普及は、何を、どう教え、どう評価するのか、という教育の根幹を問い延ばしていて、AIリテラシー教育とか、AIには解けないような課題設計の重要性、これが浮き彫りになっていること。
最後に、ニーボーのような国産プラットフォームは、こうした世界の潮流を日本で実現して、先生主導の教育DXを加速させる可能性を秘めている、ということでしたね。
そうですね、まとめるとそうなりますね。
さて、こうした変化を踏まえて、あなたにとって、教育、そして学びは、これからどう変わっていく、あるいはどう変わってほしいと思いますか?ちょっと考えてみていただけると嬉しいです。
そして最後に、もう一つだけ、さらに深く考えてみるための問いを投げかけさせてください。
はい、何でしょう?
これだけAIが教育に入り込んでくると、じゃあ、私たち人間、特に先生とか学ぶ側にとって、本当に大切にし続けるべき、人間ならではの価値って一体何なんだろうと、そういう問いが浮かび上がってくると思うんです。
人間ならではの価値。
はい、AIには真似できない、あるいはAIとは違う形で貢献できる力、例えば相手の気持ちを深く理解する共感力、複雑な状況で倫理的な判断を下す力、あるいは人と人が深く協力し合う力、そういった人間特有の能力について改めて考えてみるのはどうでしょうか?
AIと共に生きる時代の私たちの役割を見つめ直す良いきっかけになるかもしれませんね。
深い問いですね。AIという強力なツールとどう向き合って、私たち人間としての学びとか成長をどうデザインしていくか、これは私たち一人一人がこれから考えていくべき大きなテーマですね。
今回の探究はここまでとしましょう。お付き合いいただきありがとうございました。
ありがとうございました。
また次回、新たな発見を求めてお会いしましょう。
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