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2025-08-29 19:24

miiboマルチエージェントで実現する社内問い合わせ革命|人事・経理・法務を一括サポート

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AIエージェント構築セミナー第22弾のYouTube動画が公開されました。本セミナーでは、株式会社miiboの功刀氏と株式会社こころみの森山氏が、複数のAIエージェントを協働させて社内問い合わせに対応する革新的な仕組みを実演しています。従来の単一エージェントでは困難だった部門横断的な問い合わせ対応を、miibo Agent Hubを活用することで効率的に実現する方法を詳しく解説しています。

セミナーの核心は、人事・経理・法務・情報システムなど各部門を代表するAIエージェントを作成し、それらをチームとして機能させることにあります。育休復帰の手続きから退職時の対応まで、従業員からの複雑な問い合わせに対して、関連する全部門から必要な情報を一度に提供できるシステムの実装方法と、その導入による業務効率化の可能性を具体的なデモを通じて示しています。

miiboプラットフォームの基本機能とAgent Hubの革新性

miiboは3万人以上のユーザーが利用するノーコード会話型AI開発プラットフォームです。プログラミング不要で会話型AIを構築し、PDCAサイクルを回して実用的なシステムに育てることができます。Backend as a Service(BaaS)として位置づけられるmiiboは、LLMのプロンプトカスタマイズ、ナレッジ管理、UI連携(Slack、Teams、LINE)、ログ分析機能など、AI運用に必要な要素技術を包括的に提供しています。

miibo Agent Hubは2024年4月14日にαローンチされた機能で、複数のAIエージェントを集約してコラボレーションさせる仕組みです。オーケストレーションAIが裏で各エージェントをコントロールし、タスクを自動的に振り分けて実行させます。単体のエージェントでも、オーケストレーションAIが自律的にクエリを投げて複雑なタスクを遂行させることが可能です。

作成したグループはテンプレート化でき、API経由での呼び出しにも対応しています。SlackボットやZapierとの連携により、特定のイベント発生時に自動実行させることも可能で、業務プロセスの自動化を柔軟に実現できます。

マルチエージェント導入の必要性と設計思想

複雑な業務や複数の情報源を扱う場合、単一のエージェントでは限界があります。一体のエージェントに全ての機能を持たせようとすると、プロンプトが複雑化し、参照するナレッジも膨大になるため、応答の正確性が低下する傾向があります。森山氏の説明によれば、部門ごとに専門特化したエージェントを作成し、それぞれの立場から回答させる方が、回答の質が向上します。

マルチエージェント構築の考え方は、まず必要となる情報ソースを特定し、どのような判断軸で考えるべきかを検討することから始まります。社内問い合わせの例では、人事規定、経理規定、法務規定などを一体のエージェントに入れると情報量が肥大化するため、部門ごとに別々のエージェントを作成する方が効果的です。

各エージェントには「あなたは社内従業員からの問い合わせに対応する〇〇エージェントです」という明確な役割を与え、それぞれの専門分野に特化させます。これにより、メンテナンスが容易になり、各部門が独立して知識をアップデートできる体制を構築できます。

実装デモで見る部門横断的な問い合わせ対応

セミナーでは4つの具体的なケースで実装デモが行われました。育休復帰のケースでは、経理部から給与調整や保育費補助(上限3万円)の手続き、人事部から復職届や時短勤務申請、法務部から労働条件変更確認、情報システム部から社内PCの再有効化やアカウント再設定など、各部門から必要な手続きが網羅的に提示されました。

展示会出展のケースでは、営業部からの問い合わせに対して、人事部が出張申請と勤務体系調整、情報システム部が備品リストと端末持ち出し申請、経理部が経費精算手続き、法務部が顧客情報管理や社外非公開資料の持ち出し承認について、それぞれの観点から必要事項を回答しました。

副業に関する問い合わせでは、法務部が利益相反の観点から注意事項を説明し、人事部が副業申請書の提出と承認プロセス、経理部が税務処理と確定申告の必要性、情報システム部が業務PCの使用制限について、各部門の規定に基づいた回答を提供しました。

導入時間と精度向上のためのアプローチ

Q&Aセッションでは、実装に関する具体的な質問が寄せられました。社内向けAIの導入時間について、森山氏は既存のマニュアルや規定がテキストやPDF形式で準備されていれば、プロトタイプ作成は約1ヶ月、実用レベル(80-90点)までは約3ヶ月程度と回答しています。100%の精度を求めるよりも、不確実な場合は人間にエスカレーションする仕組みを組み込み、まずは80点のシステムから社内展開することを推奨しています。

AIの判断ミスを防ぐ方法として、プロンプトで「参照したナレッジに記載のないことは回答しない」よう制御する、回答をチェックする別のAIを設けてダブルチェック機能を実装する、正確なナレッジが見つからない場合は人間にエスカレーションする仕組みを導入するなどの工夫が紹介されました。

マルチエージェントの利点として、第三者のチェック機能を組み込みやすい、角度を変えて複数回検索させることができる、同じ質問に対して複数のエージェントで確認できるなど、単体のエージェントでは実現困難な精度向上施策が可能になることが強調されました。

今後の展望とマルチエージェント活用の可能性

将来的には、AIが判断して自動的に申請まで行う仕組みの実現も視野に入っています。Function CallingやSlack連携、Zapier連携などの技術を活用することで、情報収集から申請処理まで一貫した自動化が可能です。功刀氏は、経営リスクの洗い出しやプロダクト改善提案、イベント企画などを毎朝自動レポーティングする「AIドリブン経営」の実例も紹介しており、マルチエージェントの応用範囲の広さを示しています。

セミナーの結論として、マルチエージェント構築には情報ソースの特定、判断軸の検討、必要なエージェントの作成とチーム組成、そして継続的なPDCAサイクルによる精度向上が重要であることが示されました。単体のエージェントでは対応困難な複雑な業務も、専門特化した複数のエージェントを組み合わせることで、効率的かつ正確に処理できる可能性が実証されています。

まとめ

本セミナーで紹介されたmiiboのマルチエージェント機能は、社内問い合わせ対応の新たな可能性を示しています。人事・経理・法務・情報システムなど、各部門の専門知識を持つAIエージェントをチームとして機能させることで、従業員の複雑な問い合わせに対して包括的かつ正確な回答を提供できます。ノーコードで構築可能なmiiboプラットフォームとAgent Hubの組み合わせにより、プロトタイプから実用レベルまで短期間で実装でき、継続的な改善によって精度を高められる点が大きな魅力です。複数部門にまたがる業務の効率化を検討している企業にとって、本セミナーの内容は実践的な導入指針となるでしょう。



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サマリー

今回のエピソードでは、株式会社miboが提供するmiboエージェントハブを通じて、複数のAIエージェントがチームとして協力し、社内問い合わせの効率化を図る新しいアプローチが解説されています。特に人事、経理、法務などの分野における具体的な活用事例を交え、専門知識を持つAIエージェントがどのように連携し、情報を整理して回答を生成するかに焦点が当てられています。miboのマルチエージェント機能により、社内問い合わせの効率化と精度向上が実現されています。また、人事、経理、法務などの専門知識を持つAIエージェントが連携し、複雑な問い合わせに迅速に対応できる仕組みが導入されています。

社内問い合わせの課題と新たなアプローチ
社内で何か手続き、例えば育休から復帰するぞとか、あれば副業を申請したい、みたいなときですね。
これって人事部に聞けばいいのかな?あ、でも経理にも関係ある。いや、法務の確認もいるかもみたいに。
いくつかの部署にまたがる質問で、どこから手をつければいいかちょっと困っちゃった経験ってありませんか?
担当部署がはっきりしないと、情報を集めるだけで結構時間も手間もかかっちゃいますよね。
今回はですね、まさにそういったちょっと複雑になりがちな社内の問い合わせに対して、一つのAIだけで頑張るんじゃなくて、
複数の専門AIエージェントがまるでチームみたいに連携して解決策を示してくれるという新しいアプローチについて掘り下げていきたいなと思ってます。
情報源としては株式会社miboさんが提供しているmiboエージェントハブという技術がありまして、それに関するセミナーの内容を元にしています。
この技術が実際にどういうふうに使われているのか、具体的な事例なんかも見ながら探っていきます。
この複数のAIが連携するっていう仕組み、これが具体的にどう動くのか、
今までみたいに一つの大きなAIを使うやり方と比べて、何がそんなに画期的で、私たちの働き方にどんな変化をもたらす可能性があるのか、
提供された情報をもとに、その革新部分を一緒に紐解いていきたいなと。
専門家の方にもお越しいただいていますので、具体的なデモ事例なんかも見つつ、その可能性を探っていきましょう。
ではまず、この仕組みの土台になっているMevoというプラットフォームについて少し教えていただけますか。
セミナーのお話だと、これもうすでに3万人以上が利用されていて、プログラミングの知識がなくても、いわゆるノーコードで対話型のAIを開発できるものだそうですね。
はい、おっしゃる通りです。
Mevo自体は対話AIを誰でも比較的簡単に作れて運用できる、そういう基盤ですね。
AIを作るだけじゃなくて、その後の運用、例えばAIへの指示、プロンプトの調整ですとか、知識、ナレッジの管理、
あとスラックとかTeamsといったビジネスチャットとの連携、利用状況の分析、ログ分析ですね。
そういった必要な機能が一通り揃っているのが特徴です。
なるほど、作るだけじゃなく運用まで見据えていると。
そして今回の本題であるMevoエージェントハブですが、これはですね、2024年の4月に出たばかりアルファ版ですけど、比較的新しい機能になります。
ここがポイントなんですけど、これは単体のAIが全部をこなすんじゃなくて、複数のそれぞれ専門分野を持つAIエージェント、
例えば人事手続き担当AIとか経費生産担当AI、ホーム相談AIみたいな、そういう専門家たちをあたかも一つのチームのように連携させるためのハブ、中継点となる仕組みなんですね。
へー、チームで連携するAIですか?それはどういうふうに動くんですか?
裏側にはオーケストレーションAIという、言ってみればチームの司令塔とか交通経理役のようなAIがいまして。
司令塔、はい。
ユーザーさんから問い合わせが来ると、このオーケストレーションAIがまず内容を判断して、これは人事と経理の知識が必要だなとか、そういう形で最適な専門AIエージェントにタスクを自動で振り分けて実行させるという流れになります。
なるほど。さらに面白いのが、個々の専門AIエージェントもこのオーケストレーションAIを通じて、他のエージェントに必要な情報を自律的に問い合わせたりとか、情報を組み合わせたりして、より複雑な問い合わせに対応できるという点なんです。
あー、なるほど。司令塔がいて、その指示で専門家たちが協力し合うみたいなイメージですね。
まさに。API連携とかスラックボット連携もできるということは、例えば社内システムで何か申請が承認されたら、それをきっかけ、トリガーにして関連部署のAIが自動で次の手続き案内を送るみたいな、そういうことも可能になるってことですね。
おっしゃる通りです。業務プロセス自体の自動化にもつながっていく可能性はありますね。
でもここでちょっと素朴な疑問というか、それなら一層のこと、全部署の知識を全部詰め込んだ超高機能なスーパーAIを一体だけ作っちゃえばそれでいいんじゃないのって普通考えちゃいますよね。
あー、はいはい。
でもセミナーでは、いやいやそう単純な話じゃないんですよという説明があったんですよね。
そこがまさにこのマルチエージェント、つまり複数のAIを連携させる方式の非常に重要なポイントになります。
セミナーで森山さんが強調されていた点ですが、仮にですね、一つのAIに全ての情報、例えば人事規定、経理規定、法務規定、あと常識のルールとか、そういうのを全部無理やり詰め込もうとするとですね。
うんうん。
まず、AIに対する指示、プロンプトがものすごく長くて複雑になってしまう。
あー、なるほど。
それに参照すべき知識、ナレッジベースも膨大になりますよね。
確かに。
その結果、AIが情報をうまく処理できなくなったり、混乱しやすくなってしまって、かえって回答の精度とか一貫性が落ちてしまう、そういう傾向が見られるということなんです。
なるほど。何でもやを目指すと、かえって急と半端になっちゃうみたいな、これ人間の組織でも言えることかもしれないですね。
ええ。
AIもやっぱり専門分野に特化させた方が、結果的にチーム全体としてのパフォーマンスが上がる、そういうことでしょうか。
まさにその通りだと思います。
このアプローチの設計思想としては、まず解決したい課題、例えば社内問い合わせに必要な情報源、各部署の規定集とかマニュアルとか、そういうものを特定します。
はい。
次に、じゃあどういう判断基準で情報を整理して回答を生成すべきか、そのロジックを定義する。
その上で、各部門の専門家として機能するAIエージェントを個別に作って、あなたは社内従業員からの問い合わせに対応する人事部担当エージェントです、みたいな形で明確な役割と専門知識を与えるわけです。
役割分担をきっちりさせるんですね。
ええ、そうです。これによって、各エージェントはその専門分野において非常に高い精度を発揮できるようになります。
なるほど。
さらに、運用面でのメリットも結構大きいんですよ。
運用面ですか?
はい。例えば、経理規定が改定されたとなった場合、経理部担当AIの知識だけを更新すれば済むわけです。他のAIに影響を与える心配が少ない。
それは確かに楽ですね。
ですよね。つまり、各部門が自分たちの担当エージェントの知識を他の部門を気にすることなく独立して更新管理できる。これにより常に情報を最新に保ちやすいですし、メンテナンス性も格段に向上するという利点があります。
なるほど。役割分担とそのメンテナンスのしやすさ、そこが鍵なんですね。よくわかりました。
では、実際にどんなふうに連携するのか、セミナーで紹介されたという具体的なデモ事例についてもぜひ教えていただけますか?
具体的なデモ事例と導入の流れ
例えば、育休からの復帰・手続き、これまさに複数の部署が絡んできますもんね。
はい。このデモはマルチエージェントの利点が非常にわかりやすかったですね。
例えば、従業員の方が来月、育児休業から復帰する予定なのですが、どのような手続きが必要ですか?と、AIに質問したとしますよね。
これに対して、まずオーケストレーションAIが関連部署のエージェントを呼び出して、連携して一つの回答を生成しました。
具体的には、まず経理部AIが復帰後の給与調整についてはこちら。
あと、保育費補助制度、上限月額3万円ですね。これの申請方法はこちらです、と説明。
ふむふむ。
次に、人事部AIが復職届の提出と、もし必要であれば、時短勤務の申請手続きについてご案内します、と続ける。
はい。
さらに、法務部AIが復帰に伴って労働条件が変わる可能性がありますので、こちらの事項をご確認ください、と注意喚起して。
最後に、情報システム部AIが給食中に泊まっていた社内PCとかアカウントの最有効化手続きについて、こちらで説明します、と。
こんな感じで、各専門分野からの情報を一つの回答にきれいにまとめて提示していました。
おお、これは本当に便利ですね。ユーザーとしては、一回質問するだけで、関係しそうな部署をそれぞれにいちいち確認して回る手間が省けるわけですね。
最初に話した、「どこに聞けばいいんだっけ?」問題が、このAIチームによって解決される。まさにそんな感じですね。
そうなんです。
いや、これは多くの人が実際に助かる場面だと思いますよ。
他にもですね、例えば営業部の担当者さんが、来月開催される展示会に出展する際の順目について教えてほしい、と問い合わせたケースもありました。
展示会、それもいろいろ絡みそうですね。
そうなんです。これに対しては、まず人事部AIが、出張申請の手続きと期間中の勤務体系の確認についてですね。
それから情報システム部AIが、展示会で使うPCとかデモ機とか、そういう備品の持ち出し申請について、経理部AIが出張経費とか交際費の生産ルールについて、そしてホーム部AIが顧客情報の取り扱いとか、配布する資料の社外費レベルの確認、あと持ち出し承認についてと。
これもやっぱり、複数の視点からの情報をうまく連携させて回答していましたね。
なるほどな。展示会出展も確かに準備段階でいろいろな部署が関わってきますもんね。
あと、副業に関する問い合わせもあったとか、これもなんか法律的な観点とか、人事の手続きとか、税金の話、それに会社のPCをどこまで使っていいのかとか、かなり話が滝に渡りますよね。
そのデモも非常に興味深かったですね。従業員の方からの、副業を始めたいのですが、何か注意点とか手続きはありますか?という質問に対してですね、まずホーム部AIが、兵庫他社での就業とか利益相反に当たらないか、その確認が必要ですよと注意を促して、人事部AIが社内規定に基づく副業申請のプロセスはこちらですと案内する。
経理部AIは、副業収入に関わる税務処理、確定申告の必要性とか、そのあたり確認してくださいねと言及して。
最後に、情報システム部AIが、業務で使っている会社のPCとかソフトウェアを私的に利用する際の制限事項はこちらですと、それぞれの専門知識に基づいて必要な情報を統合して回答していました。
このように、一つの問題に対して多角的な視点からの情報を漏れなく提供できるっていうのが、マルチエージェントアーキテクチャーの大きな強みと言えるんじゃないでしょうか。
これだけ便利なシステムだとすると、やっぱり気になるのは導入するのにすごく時間がかかったり、何か特別な専門的なスキルが必要だったりするんじゃないかっていう心配も出てくるわけですけど、
そのあたり、セミナーのQ&Aセッションで導入期間について何かお話はありましたか。
はい、そこはやはり皆さん一番気になるところですよね。
森山さんの説明によれば、前提として、元になるマニュアルとか社内規定がある程度テキストとかPDFみたいなデジタル形式で整理されているという必要はあるみたいですが、
まあそうですよね。
それが備っていれば、まずプロトタイプ、つまり基本的な試作品を作るのには約1ヶ月くらい。
1ヶ月。
そこから実用レベル、つまり現場で十分使えるかなというレベル、精度でいうと80点から90点くらいを目指すイメージだそうです。
引き上げるまでにはさらに2ヶ月程度。なので合計で約3ヶ月というのが一つの目安とのことでした。
3ヶ月ですか。思ったより早い印象ですね。
ここで森山さんが強調されていたのは、最初から100%完璧なシステムを目指さないということの重要性ですね。
なるほど。
まずは80点の精度のシステムでもいいから、社内で実際に使ってもらうと。
そしてAIが回答にちょっと自信を持てないとか、情報が不明確な場合は無理に不確実な回答をさせようとするんじゃなくて、
速やかに人間の担当者にエスカレーションする、つまり人に聞くという流れをちゃんと組み込んでおく。
社内問い合わせの効率化
この人間との連携を前提にすることで早期に導入して、実際の利用フィードバックをもらいながら改善していく。
そういうアプローチを推奨していましたね。
なるほど。完璧主義にならずにまずは始めてみて、使いながら育てていくと。そういう考え方ですね。
それはすごく実践的で良いですね。
では、その精度を80点からさらに上げていくための具体的な工夫についても何か紹介はありましたか?
はい。いくつか具体的なテクニックが挙げられていましたね。
まず一つは、AIへの指示、プロンプトの工夫です。
プロンプト、はい。
参照したナレージ、つまり与えられた知識データですね。
そこに記載されていないことについては、勝手に推測して回答しないようにと明確に制限をかける。
これによって、AIが不確実な情報を、さもほんとかのように答えてしまう、
あのハルシネーションと呼ばれる現象を抑制する効果が期待できます。
ハルシネーション対策ですね。
二つ目は、回答の正しさをチェックするための別のAIエージェントを設けるという方法です。
いわば、AIによるダブルチェックですね。
ええ、AIがAIをチェックする。
ええ、これも精度向上に貢献すると。
そして三つ目が、先ほども少し触れましたけど、不確実な場合は無理せず人間に引き継ぐ、エスカレーションするというルールを徹底することです。
はい。
ここでまたマルチエージェントならではの利点というのが生きてくるんです。
ほう、というと?
単体の巨大なAIだと実装がちょっと複雑になりがちな、その精度向上のための施策というのがですね、複数のAIが連携するマルチエージェントの仕組みだと構造的により実現しやすくなるんです。
なるほど。
例えば、回答内容を客観的に評価したり検証したりする役割の監査役AIみたいなものをチームに組み込むとか。
監査役AIですか?
面白いですね。
あるいは、同じ質問に対して検索の方法とか、参照する知識ソースを少し変えながら複数回問い合わせを実行させて結果の一貫性を確認するとか。
さらに関連する複数の専門営業と感で回答内容を相互に検証し合うといったより高度な連携も可能になります。
なるほど。
単に役割分担するだけじゃなくて、精度を高めるためのそういう連携方法にも工夫の余地が生まれるというわけですね。
そういうことです。
そして、将来的には単に情報を提供するだけに留まらず、AI自身が判断して申請処理まで自動で行うといったことも考えられているとか、これはかなり進んだ話に聞こえますけども。
はい。セミナーではその先の方向性も示唆されていましたね。
ファンクションコーリングというAIが外部のアプリケーションとかデータベースを呼び出して特定の操作を実行できる技術。
ファンクションコーリング。
はい。それとか、スラックあるいは様々なウェブサービスを連携させる、Zapier、Zapierみたいなツールとの連携を活用することで、ユーザーからの問い合わせを受けて関連情報を提示するだけじゃなくて、そのまま必要な申請処理までをAIが一気通貫で自動実行するといったことも技術的には可能になってくるでしょう。
情報収集からアクションまでシームレスにつながる可能性があるんですね。
ええ。さらにですね、江藤さんからはもっと戦略的な活用事例みたいなものも紹介されていました。
戦略的活用?
フィードバックをもとにして新しいプロダクトの改善点を提案するとか、市場トレンドを分析して次のイベント企画を立案するとか、そういう業務ですね。
複数の専門AIエージェントがチームとなって分析して、その結果を毎朝経営層に自動でレポーティングするみたいな。
毎朝レポーティングですか?
ええ。そういうAIドリブン経営の実践イメージです。単なる社内ヘルプデスクの効率化というレベルに留まらず、企業の意思決定そのものを支援するような非常に広範な応用可能性を示唆していましたね。
やはや単なる業務効率化ツールというレベルを完全に超えてきてますね。もがや経営判断をサポートする戦略的なパートナーにもなり得るということですか。
これはかなり大きな可能性を感じさせるお話ですね。
というわけで今回は、MIBOのマルチエージェント機能、エージェントハブを活用した社内問い合わせの革新について深く掘り下げてきました。
AIエージェントの連携
人事、経理、法務、上司室といったそれぞれの専門知識を持つAIエージェントたちがチームとして連携することで、部門をまたがるような複雑な問い合わせに対しても網羅的かつスピーディーに対応できるようになる、そういう仕組みでしたね。
ええ、そうですね。しかもプログラミング不要で構築できて、最初から完璧を目指さずに段階的に精度を高めていけるという導入の手軽さもこれは大きなポイントでした。
はい。
結局のところこれは何を意味するのか。
それは私たちが日々直面しがちな社内の情報探しとか手続きの煩雑さ、そういったものから解放されて、もっと本来やるべき創造的な業務とか、あるいは人間的な対話が必要な業務に集中できる環境を整えるための非常に具体的でかつ強力なアプローチの一つと言えるのではないでしょうか。
そうですね。今回見てきたように複数の部門にまたがる問い合わせ対応とか、あるいは定型的なレポーティングといったある種の共同的な知識労働をAIチームが担えるようになるのであればですね、次に私たちが考えるべきはこういうことかもしれません。
現在私たち人間のチームが行っている他の様々な部門横断的な知識作業、例えば新しいプロジェクトの企画立案であるとか詳細な市場動向の分析、あるいは結構複雑な社内コンプライアンスのチェックとかいろいろありますよね。
そういった作業の中で将来今日ご紹介したようなマルチエージェントAIシステムによってどのように支援されていくのか、あるいはそのプロセス自体が大きく変革されていく可能性があるのか。この技術がもたらすより広範な仕事や組織への影響について、これを聞いているあなたもぜひ一度思いをめぐらせてみていかがでしょうか。
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