1. 岡大徳のポッドキャスト
  2. 24時間体制の要件明確化と重症..
24時間体制の要件明確化と重症患者割合の新設|在宅医療の令和8年度改定要点
2026-05-06 05:33

24時間体制の要件明確化と重症患者割合の新設|在宅医療の令和8年度改定要点

spotify apple_podcasts youtube

在宅医療のニーズが高まるなか、訪問診療を行う医療機関には、重症患者への対応力と24時間体制の確保が強く求められています。一方、第三者(株式会社等)を活用した運営形態も広がり、医療提供体制の透明性確保が課題となっています。本稿では、令和8年度診療報酬改定における「在宅時医学総合管理料等及び在宅療養支援診療所等の見直し」について、改定内容と医療機関に求められる対応を解説します。

令和8年度改定では、適切な訪問診療の提供と安心・安全な医療提供体制の確保を目的に、2つの見直しが行われます。第一の見直しは、在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料における重症患者割合要件の新設です。第二の見直しは、在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院における第三者活用時の24時間体制要件の明確化です。これらの見直しに対応するため、医療機関には患者構成の把握と運用体制の整備が求められます。

在宅時医学総合管理料等における重症患者割合要件の新設

在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料に、重症患者割合の要件が新設されます。具体的には、月2回以上の訪問診療を行う患者のうち、別表第8の2又は別表第8の3に該当する患者の割合が一定以上であることが求められます。基準を満たさない場合、医療機関は各区分の(4)又はニ(より低い点数の区分)を算定することになります。

新たな要件の対象は、月2回以上訪問診療を行う場合の高い点数区分です。具体的には、1のイの(2)・(3)、1のロの(2)・(3)、2のロ・ハ、3のロ・ハが対象に含まれます。これらは難病等を除いた区分であり、患者の重症度に応じた評価を担保することが見直しの狙いとなっています。

別表第8の2と別表第8の3は、いずれも重症患者の対象を定めた一覧です。別表第8の2は厚生労働大臣が定める疾病等(末期の悪性腫瘍や神経難病等)を示しています。別表第8の3は重症度や医療依存度の高い状態にある患者群を定めています。これらに該当する患者を一定割合以上受け持つ医療機関が、重症患者を担う医療機関として高い評価を受ける仕組みです。

新設される施設基準は「または条件」で構成されており、2つの選択肢のいずれかを満たせばクリアできます。第一の選択肢は、月2回以上訪問診療を行う患者数が一定数未満であることです。第二の選択肢は、月2回以上訪問診療を行う患者数に占める別表第8の2又は別表第8の3に掲げる患者の割合が一定以上であることです。どちらも満たさない場合に限り、より低い点数区分(各区分の(4)又はニ)を算定することになります。

在宅療養支援診療所等における第三者活用時の体制要件の明確化

在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院について、第三者(株式会社等)を活用した24時間体制確保の要件が明確化されます。具体的には、24時間連絡を受ける担当者の範囲明確化、コールセンター利用時の体制要件、事前面談未実施の往診医の取扱いという3点が新たに整理されます。これらの明確化により、外部資源を活用しつつ安心・安全な医療提供体制を確保する道筋が示されます。

第一の明確化は、24時間連絡を受ける担当者の範囲です。告示(基本診療料の施設基準等)上、従来の「保険医又は看護職員」が「保険医又は看護職員」と改められます。「等」の追加により、看護職員以外の医療従事者を含めた柔軟な体制構築が可能となります。

第二の明確化は、コールセンター等を活用する場合の体制要件です。患家に提供する連絡先をコールセンター等が担う場合、その旨を事前に患者又は家族へ説明することが求められます。あわせて、当該医療機関がコールセンター等からの連絡を24時間受ける体制を確保しなければなりません。連絡経路を外部化しつつも、最終的な医療判断と対応は医療機関が責任を持つ構造が明確化されます。

第三の明確化は、事前に氏名を提供していない往診医に関する要件です。やむを得ない事由により事前に氏名を提供していない往診医が往診を行う場合、当該往診医は往診日以前に当該医療機関の在宅医療担当の常勤医師と面談し、診療方針等を共有していなければなりません。面談を経ていない医師による往診は、往診体制の確保には該当しないと明記されます。これにより、外部医師を活用する場合でも医療の質と継続性が担保される仕組みになります。

医療機関に求められる対応

今回の見直しを受け、在宅医療を担う医療機関には2つの対応が求められます。第一の対応は、訪問診療を行う患者の重症度構成の把握と継続的な確認です。第二の対応は、24時間体制を支える第三者活用の運用見直しです。これら2つの対応を進めることで、改定後の点数算定と施設基準の維持を両立できます。

第一の対応として、月2回以上訪問診療を行う患者の重症度構成を把握する必要があります。別表第8の2と別表第8の3に該当する患者を整理し、その割合を継続的にモニタリングする体制を整えなければなりません。なお、患者数や割合の具体的な基準値は今後の告示等で示される見込みであるため、最新情報の確認が欠かせません。

第二の対応として、24時間体制における第三者活用の運用を見直す必要があります。コールセンターを利用する医療機関は、患家への事前説明手続きと医療機関側の24時間受信体制を整備しなければなりません。外部医師による往診を委託する医療機関は、常勤医師との事前面談記録を整備しておく必要があります。これらの整備を通じて、改定後の施設基準を確実に満たす体制を構築できます。

まとめ

令和8年度改定では、適切な訪問診療の提供と安心・安全な医療提供体制の確保を目的に、在宅医療に関する2つの見直しが行われます。在宅時医学総合管理料等では、月2回以上訪問診療の高い点数区分に重症患者割合要件が新設され、基準未充足時には各区分の(4)又はニを算定することになります。在宅療養支援診療所等では、第三者活用時の24時間体制要件が明確化され、担当者範囲、コールセンター活用、事前面談未実施医師の取扱いが整理されます。各医療機関は、患者の重症度構成の把握と第三者活用の運用見直しを通じて、改定後の対応を進めていきましょう。



Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

在宅医療の現場が直面する24時間体制と医療の質の維持という課題に対し、令和8年度の診療報酬改定では新たなルールが導入されます。重症患者の割合に応じて診療報酬を評価する仕組みが新設され、限られた医療資源を真に必要とする患者に集中させます。また、24時間対応の負担を軽減するため、外部コールセンターや外部医師の活用が促進される一方で、医療機関の最終的な責任と医療の質を担保するための要件が明確化されます。

在宅医療の現状と24時間体制の課題
夜中の3時、あなたの家族の要体が急変しましたと。 震える手で電話をかけて、すぐにお医者さんが駆けつけてくれる、なんか私たちが当たり前だと思っているその安心がですね、実は今、崩壊の危機にあるのをご存知ですか?
A. 今の在宅医療の現場って本当にギリギリなんですよね。 B. そうなんですよね。なので今回の深振りでは、あなたのためにカスタマイズされたテーマとして、需要が爆発的に増えている在宅医療の裏側に潜入します。 A. はい、よろしくお願いします。
A. 限られた医療現場が、24時間体制と医療の質をどうやって両立させようとしているのか、最新のルール変更から読み解いていくミッションです。 B. ニーズが急増していて、医師たちは文字通り休む暇もない状況ですからね。 A. 昼間ずっと診察して、夜の急変対応までしていたら、先生たち倒れちゃいますよね、普通に。 B. はい。
重症患者割合要件の新設とその狙い
A. じゃあ、その限られた現場の時間を、本当に必要な人に回すにはどうするんですか。 B. そこで国が今回メッスム入れたのが、重症患者の割合に関するルールなんです。 A. 重症患者の割合。資料を見てちょっと驚いたんですけど、今までは月に何回訪問したかっていう回数だけで、クリニック側に高い報酬が支払われていたってことですか。
B. 極端な話、実はそうだったんです。 A. そうなんですか。 B. そこまで手厚いケアが必要ない、比較的軽症の患者さんの家にも、頻繁に足を運んで収益を稼ぐという運用も可能ではあったんですね。 A.なるほど。 B. でも今回の改定で、末期がんとか難病のような重症患者を一定以上の割合で見ていないと、高い報酬がもらえない仕組みにガクッと変わったんです。
A. ということは、スーパーの特急レジという乗りは、大型トラック専用の搬入口みたいなものですかね。B. ああ、なるほど。搬入口ですか。
A. 本当に重装備のトラック、つまり重症患者さんをしっかり引き受ける覚悟のあるクリニックだけが高い評価を得られる専用レーンに入れると。
A. うーん、面白い視点ですね。実際その通りで、軽症の方ばかり見ていると報酬の低いランクに落とされてしまいます。かけられた医療資源を本当に命の危機が迫っている重症患者さんへ集中させるための、まあ強引ともいえるテコ入れですね。
24時間対応の負担軽減と外部委託の導入
A. いや、重症な方をしっかり支える体制を作るのは大賛成なんです。でもここで一つ疑問が湧くというか、重症患者さんが増えるってことは、夜中の3時に急変しましたっていう緊急の電話も増えますよね。
B. そうなんですよ。まさにそこが最大の壁でして。
A. 先生たちどうやって24時間やまずに対応するんですか。無理じゃないですか。
B. ですから今回のルール変更では、現場の医師が少しでも休めるようにですね、外部のコールセンターなんかを活用しやすくしたんです。
A. ちょっと待ってください。夜中に家族が苦しんで電話した時に、いつものかかりつけの先生じゃなくて、全く知らないコールセンターに繋がるってことですか。
B. そういうことになりますね。
A. これ、リスナーのあなたもそれってたらい回しにされるんじゃないのって少し不安になりませんか。
B. その不安は最もだと思います。これまでは、夜の電話もクリニックのスタッフが直接取らなければならないという厳しい縛りがありました。
A. でもそれだと誰も眠れないですよね。だから今回は最初の電話番を外部の専門コールセンターに任せてみよいと。
第三者活用時の体制要件の明確化と質の担保
B. なるほど。電話の入り口を外注するわけですね。でも肝心なその後の対応はどうなるんですか。
A. ここが今回のルールの勘なんですが、入り口は外部化しても最終的な医療判断の責任は必ず元のクリニックが持つという構造を明確にしました。
B. 責任は丸投げさせないぞと。
A. はい。公衛センターを使う場合は患者さんへ事前にしっかり説明することが義務付けられますし、
A. クリニック側はセンターからの連絡を24時間いつでも受け取れる体制を作らなきゃいけないんです。
B. なるほど。あと資料には夜間の応診を外部の先生に頼む場合のルールも書かれてましたよね。
A. ええ。夜間の応診だけを専門にする外部の医師に頼む場合ですね。
B. はい。
A. その場合、その外部の医師は事前にクリニックの常勤医と面談して方針をすり合わせておくことが必須になりました。
B. ああ、それは安心ですね。
A. そうですよね。
B. 確かに夜中に家族が苦しんでいるときに、全然知らない先生が突然やってきて、
B. 初めまして。カルテはさっき見ましたって言われたら。
A. パニックになりますよそれは。
B. ですよね。事前面談が義務化されていれば、ちゃんと情報が引き継がれているという安全面になりますね。
A. そうなんです。外部のリソースを使って現場の負担を減らす柔軟性と、決して患者さんを見捨てることなく最後まで責任を持つという質の担保ですね。
A. この2つをどうにか両立させようとしているのが今回のルール変更の狙いなんです。
効率化と安心感の両立への問い
B. 効率化と安心感のハイブリッドを目指しているわけですね。
A. ええ、まさに。
B. 今回の深堀りで、医療現場がギリギリの状況の中で何とか私たちを守ろうとしている裏側が見えてきました。
A. はい。
B. そこで、リスナーのあなたに最後に考えてみてほしいんです。
A. うん。
B. 私たちが普段、医療に対して当たり前のように抱えている、夜でも24時間いつでもすぐに見てほしいという期待。
A. ありますよね。
B. でもその裏側には、限界ギリギリで重症患者さんを支えて走るまわっている人たちがいるわけです。
A. ええ。
B. 現場が外部への委託や効率化を進めざるを得ない今、私たちが求めるいつでもという安心感は、これから現実とどう折り合いをつけていくべきなんでしょうか。
A. そうですね。
B. ぜひご自身でも考えてみてください。
05:33

コメント

スクロール