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放送回:「東京・隅田川 花火のない静かな夏に」(2020年9月18日)

サマリー

2020年のコロナ禍の中で静かな夏を迎えた隅田川の様子を描いた回です。隅田川を下る中、さまざまな人々の生活や幸せの多様性が描かれています。墨田川沿いの人々の生活や変化、そしてコロナの影響がリアルに記録されており、3年後の今見ると当時の風景がより鮮明に浮かび上がります。格差社会から多様性への移り変わりや、抱える闇や苦しさ、そして日常の継続による人生の変化などがテーマとなっています。変わらない日常や沈む夕日を通じて、川の危うさや生命の突然終わりも示されています。コロナ禍で静まり返った東京の隅田川を描き出し、夢と現実、そして現代の生活の中で見落とされがちなものについて考えさせられるエピソードです。

隅田川の静かな夏
真夜中、コンビニの駐車場で。
このポッドキャストは、1つの場所を72時間にわたって定点観測する、
某、公共放送局のドキュメンタリーを大好きな2人が、番組についての感想や愛を語ります。
東京、隅田川、花火のない静かな夏に。
ということで、これはですね、過去回で、最近再放送されたものなんですけれども、
初回放送が2020年の9月ということで、3年前のコロナの真っ田中の中での隅田川というところで、
名前の通り、当然花火大会なんかが中止されて、隅田川の花火大会って、いつも人が集まってくる中で、
花火大会が中止になった静かなこの3日間に、花火がない中で隅田川沿いを練り歩くという、そんなちょっと特殊な会にもなっています。
では、山口さんいかがだったでしょうか。
これまず中身の話に入る前になんですけど、このタイトルがめっちゃいいですよね。
いや、そうなんですよね。
タイトルがやっぱ、近年稀に見るいいタイトルですよね。
近年稀に見る。
そう、東京、隅田川、花火のない静かな夏にっていう。
エモいですよね。
これでなんか全てを物語ってるし、さらにこれがコロナっていう文脈を知ってる人だと、その静かなっていうところがなんかより意味をなすっていうか、
めちゃくちゃいいタイトルだなっていうのがまず、中身の話でもなんでもないんですけどありますよね。
本当そうですよね。この2020年の1年間って結構そういう静かなっていうのはキーワードだったと思っていて、
飛行機が飛ばないとか、花火大会は本当に全国で抽出されて、お祭りも全部抽出されてっていうところなんで、
全体的にひっそりとしてた1年間だったなっていうところは本当そうなんですけれども、
その中でも夏花火といえば隅田川っていうことで、それであっても当時は静かな夏になってましたよねっていう、本当にシンプルなタイトルですよね。
墨田川沿いの生活
今その2023年で、この2020年ってちょうどそのコロナが流行り始め、流行り始めというか2月とか3月ぐらいからあれやこれやみたいな話になって、
9月どうなんみたいな、いつ明けるんだどうだみたいなタイミングでの放送なわけですよね。
やっぱり今見ると全体的に少しこの先がどうなるんだろうっていう感じとか、別に直接コロナについて誰かが言っているわけではないんだけども、
それこそ途中出てきますけど、ワーホリに行く予定だったけど行けなくなったっていう人だったりとか、仕事も決まってたけどそれがダメになったとか、
そういうことを本当に話す人がポロッと言うだけなんですけど、全体的になんとなくあった静かな感じとか、ちょっとどうなるんだろうっていう不安感みたいなのが、
すごい無実に記録されてる回だなっていうのはめちゃくちゃ思いましたね。
本当そうですよね。だからそれが静かな墨田川のその流れと人生を例えてみたいなのって結構ありましたもんね、中で。
そうなんですよね。今回この墨田川を南下して北上するのかなってあったと思うんですけど、いろんなエリアをまたいでいくわけですよ。
墨田川って下町エリアをわりと通っているんですけど、やっぱり区ごとというかエリアごとに明らかに町の風景が違うし、いる人も違うっていうのもやっぱり面白いところかなと思っていて、
でもそういう人たちの中でも共通した静かさみたいなこととか、でもこの人は意外とそうではないなみたいなところとか、その差も面白かったなと思いましたね。
結構この墨田川の街って、いわゆる道を練り歩く街と同じようなスタイルになっていて、前だったら山手線の一周とかもありましたし、そういったので墨田川を起点にして、
だいたい20キロぐらいとかってありましたね。歩いていくってことで、最初は北区から始まっていて、すごい大きい団地の、これが東京の郊外かって思うようなでっかいマンションが立ち並ぶところからスタートしていって、
だんだんタワーマンになっていくみたいな。でもその川のほとりでは、それぞれ生きていく人たちがそれぞれいるよっていうところで、墨田川なんで特に東京の東側っていうのもあって、いわゆる東京の東側を縦に見たときに、
北から南までっていうところの東京の人たちの生活、それは東京に最初から昔から住んでる人もいれば、いろいろ海外の人も含めていろいろなところからやってきてっていう、寄せては返すような人たちもいたりとかっていうところはあるんですけど、これは当然コロナ禍なので、旅行客は本当にいないわけですよね。
なので、そのときにこの墨田川沿いで、本当に普段から暮らしている人たちっていうところが具体的に今何をやっているのかっていうところが鮮明に記録されているっていうのがあって、結構そのドキュメント72時間の中でもこの期間っていうのが、
いろいろなところから行っては帰る人たちみたいなところを、当然定点観測などで見ていたのが、この1年間で選んでた舞台って結構そういう本当に普段からここにいる人たちしか映り込まないっていう、ある意味世の中の特殊な状況も踏まえて、面白いというか、稀有な回になってたよなっていうのがあるんですね。
2020年の9月って、ギリギリみんながコロナってまだすぐ開けるでしょっていうときと、半分は開けないかもしれないってずっとこれかもしれないって思っていて、ワクチンがどうだみたいな話になってきてみたいなタイミングだと思うんですよね。
だから、ある意味で夢というか、コロナが開ける、コロナがなかったっていう世の中に戻るっていうふうな夢を一部抱いているんですよね、誰しもが。
幻想みたいな。
それも今回改めて見ると、やっぱり戻れるんじゃないかとか、これからなんとかなるみたいな理想っていうところ、夢っていうところをまだやっぱり持っている感じもするんですよ、ただ悲しいだけじゃなくて。
それが逆にめちゃくちゃ残酷で、でも実際今2023年でようやく3年経ってみたいな話なわけじゃないですか。
その間に、僕もそれこそ昔この隅田川沢に住んでたんでわかりますけど、ゲストハウスなんてほとんど潰れてるわけですよ。
人来ないですからね。
人来ないんでゲストハウスほとんど潰れたりとか、それこそ途中もダンサーの人がとかっていう話も出てきましたけど、オンライン配信をやってもそれでもやっぱ人は入らず、結局そういう道はやめて別の働き口を見つけるとか、
そういう現実的な方向に舵を切らなくなきゃいけなくなってるんですよね、この数ヶ月後には。その微妙な感じもすごい伝わってきたなと思ってるんです。ある意味でちょっと微妙だからこそ余裕があるみたいな。
そうですよね。思い返すとこの時期ってそういう絶妙なところでしたよね。つまりそういうのも立ち行かなくなって、最終的にはライフライン的な業態に移るというか、例えば建設業だったりとか、物流とかですね。
本当に多分そこの時のライフラインを支えているようなところに、どんどん人も移っていった直前っていう雰囲気もあって、ここで出てきた人たちが具体的に今何をやってるとかっていうのは、なかなかそれぞれの3年間っていうのがあるんだろうなっていう感じはしますよね。
だから改めて見た時の方が僕はいい回だなって思いました。
リアルな記録
そうですよね。ああそうだったなって思うところも結構いろいろあるし、最初に出てきたら1週間分のコロッケ買ってる人いたよね。
はいはいはい。
コロッケ買ってきた人。
いましたいました。
10個ぐらい一気にコロッケ買って毎日冷凍して朝食べてるんですなんて言ってたんですけど、確かにあの時って要はなかなか何度も何度も買い物に行けないとか、ふらっと飲食店に寄れないっていう中で、結構そのライフライン的に食べ物を買い溜めて冷凍しておくみたいなのって結構リアルに生活としてあったじゃないですか。
いろんな形で。それがコロッケかどうかは別としても。
なんかそういういわゆるテイクアウトですよね。いわゆるそのテイクアウト中食文化みたいなところの、ああそういう生活リズムってあったよなっていうのもあるし、そもそもやっぱり今回の墨田川ってなぜあの時墨田川だったかって当然花火大会の中止っていうのもあるんですけど、
やっぱりその、いわゆるその公共の施設なんかがソーシャルディスタンス的なもので、なかなかこう営業が制限されているとか、インタビューとかも多分難しいとかっていう中で、結構その川沿いでウォーキングしてる人とか、走ってる人とかって結構多かったじゃないですか。
だからああいうなんていうか、あの時ってああいう公共施設というよりは川沿いっていう何でもない場所っていうところで日々の運動不足などを解消するような場として結構活躍している。
たぶん日本中が何かそういう感じだったと思うんですよ。なんかその図書館はもう入れないんだけど、その公園ならいくらでも歩いても一応言われないみたいなところで、ある程度そのマスクとかの気をつけつつ、体操とか運動してたみたいなのがあって。
今回もそのインタビューする中でも、走ってますとか、本当にインタビューの後ろの方でおじいちゃんたちが階段を上り下りしている様子とかって出てくるじゃないですか。
なんかああいうのが、本当にこの時期にこの時代にこうやって生きてた人たちがいるっていうのを一番映してるんですよね。そのマスク買い求める、そのドラッグストアの行列なんかよりも、なんかそのよっぽどこの時代を表している感じがしたなと思っていて。
そこが見れたのも、隅田川ならではの今回の会の良さだなっていうのも、3年経ったからこそわかるっていうのもありますよね。
なんか花火のない静かな夏が今回舞台じゃないですか。これがそのね、例えば隅田川の、普通の別にコロナとかがない隅田川の、3月で良かったのかみたいなことじゃないじゃないですか。
それではやっぱり描けない世界がここには収められてるなっていうのはすごい思うんですよね。
最初に本田さんも言ってましたけど、いろんな人がやっぱり隅田川をずいているんですよね。
墨田川沿いの多様性と格差社会の移り変わり
最初に出てきたその団地だと、団地って安いんで割と高齢者が増えてる多いっていうだけじゃなくて、むしろ外国人の人も結構増えてるっていう話があって、家族で引っ越してきた中華料理屋をやっている家族がいたりとか、その家族は日本で就職したいって言ってたりとか。
今度、荒川区に移動すると、昔建築の仕事をしていた、一家で仕事をしていたおばあちゃんと、先月引っ越してきたばかりの若者みたいなのが出会うわけですよね。
これも多分荒川区っていうところが、家賃がそんなに高くないエリアだからなんですよね。でもそれがどんどん南千住に行ってくると、ちょっと高くなってくるわけで家賃が。
そうすると家賃が高くなるにつれて、犬を連れたマダムみたいなのが現れるわけですよね。
セルギー人とかね、建築デザイナーをやってますみたいな。
どんどん所得が高くなるっていうか、わかりやすくなっていくわけですよ、絵を見てても。
都心に向かうにつれてってこと。
その後使い釣りに行くと浅草になってくると、浅草まで来るとわりと観光地でごったりの街なんで、いろんな人がいるっていう感じになって。
そこで裸で酒飲む若者に会うわけですよね。
そうするとそのままずっと南下していくと、次中央区に入っていって、中央区だとタワーマンですよね。
築島とか佃とかのタワーマンのエリアになって。
そうすると猛烈会社員みたいな人に出会うわけじゃないですか。
あんな都合よくいるもんなんですね、王立、商社マン、王子みたいな。
そこまでが片道なわけですよね。
その片道の中で、わりと日本の今はパッケージングされてるじゃないですか、それって。
本当そうなんですよね。
この会って本当は十数分だけの片道の話だけで、かなりいろんなことが収められてると思うんですよね。
ほとんどの、多分日本だけじゃない都市社会の、いわゆる郊外から都心までというところの、実際の人々の暮らしのバランスというか、
そういうのが鮮明にこの川に沿っていくだけで、
本当これって多分セーヌでやってもテイムズガードでやっても確かに似たようなところが出ると思うんですよね。
そういう川を下っていくっていうのは、それはそれとして一つかなり都市部を映す鏡として完成されてるなっていうのがあって、
本当それでサイコラ編とか、本当に裸でビール飲んでる若者もいるし、
一番はあとはギターを弾く元ホームレスのお兄ちゃんとか。
あとは地べたに寝そべってるおじいとか。
地べたに寝そべってインタビューなのにずっと寝てるっていう。
ずっと寝そべった状態のままインタビューに出るおじいとか。
あれやばいですよね。逆に強いですよね。
どんどんどんどんキャラクターも濃くなっていく。
いいですよね。夢を追いかけて上京してきたけど、結局夢は離さないっていう。
しくじったやつが底辺で固めてるのが東京なんだよって。
もうこの人にしか言えないなっていう、エッチの効いた東京論を語っていただきましたけど。
これこそ10年20年の話ですけど、
言われてるというか大きな流れとしてあると思うのが、やっぱり格差社会から多様性ってことだと思うんですよね。
これはすごいそれを表していて、最初の墨田川の話って格差社会っていう切り口で言うと、
お金を持っていない人は団地に行って、安い生活をして、
それこそさっきの夢を語りたくないって言った男性とかは、いわゆる大都会の底辺って本人も言ってましたけど、
格差社会みたいなのが流行った時代の言葉で言うと負け犬とか、みたいな感じになっちゃうわけじゃないですか。
それこそ20年とかもっとそれ以降ですよね。10年代後半ぐらいから徐々に多様性って言われてきて、
20年から多様性っていう言葉、格差社会って言う人はほとんどいなくなってるわけですよ。
なぜかっていうと格差が固定化してるから。
それを少しでも肯定的に捉えるっていう形で多様性みたいなこと言われてるわけですよね。
どっちが正しい間違ってるって話でもないと思ってて、
それは日本がそうでなかっただけで、別にこれまではそこまではっきりしてなかっただけで、
別に収入っていうところで区切って言うと、その収入の人が感じる、言葉は難しいんですけど、
幸せというか喜びみたいなところって多分それこそ多様だと思うんですよね。
別に1億円持ってる人が感じる喜びをそうじゃない、例えば年収300万の人が感じる喜びと一緒かって言われると、そうじゃない気がするんですよ。
それはどちらも入れ替えてもどちらもあんまりピンとこない状況だと思うんですよね。
そういう格差社会から多様性みたいなことが、すごいこの墨田川の会って、やっぱり多様性の話なんですよ、この墨田川の会は。
別にその人がすごくかわいそうみたいな感じで、描ききれてないっていうか、描かれてないっていうところがすごいいいところだし、時代を表してるなっていうのはめちゃくちゃ思うんですよね。
やっぱ墨田区で出会う、さっき本田さんも言ってたギターを弾く人、生活保護を今受けてるんですっていう人とかは、結構屋外で弾いてるからボロボロのギターなわけじゃないですか。
チューニングめちゃくちゃひどいわけですよ。ギターの演奏だけで言ったら正直別に聞けたものじゃないレベルなわけですよ。
演奏だけで言ったらチューニングも狂いまくってるし、だけどそこにあの人の歌はただいいと思うんですよね。
だからそれはあの人が持っている哀愁とか世界観で、じゃあギターのチューニングが合ってればあの人の歌はいいのかっていうと、実はずれてる方がいいみたいなのあるわけじゃないですか。
だからその人に合うパーツパーツっていうのは非常にあって、それがその格差社会でみんな均等な生活がいいっていうのじゃない多様性っていうところ。
ずれているものが合う人っていうのもいるんだよっていうことを、あの人も表してるしこの回も表してるなっていうのはめちゃくちゃ見てて改めて思ったんですよね。
本当に何て言うんだろう、そういった多様性といった言葉で括るっていうのも少しちょっと違和感はあるけど、確かにその格差でそういうふうにホームレスになったりとか、
稼げてないという人、夢破れた人は全て負け犬なんですっていうような、本当に競争社会の言語ですよね。
そういうのからは少しこういった幸せがあってもいいんじゃないかとか、それぞれの幸せがある。
もしくはストリートだからこそストリートワイズマンというか、だからこその知恵があるみたいな賢さがあるっていうのは描けているかなっていうところは本当にありますね。
ただ今回の隅田川の回って、それを本当にいい話風には終わらせてないというか、結局そういう人たちも本当に地獄だよみたいな話もしてたりとか、
かなり何ですかね、常にそういう寂しさや苦しさと隣り合わせなんだよ。
それは隅田川を本当に上から下まで下っていっても、それぞれの資本的な格差はあるかもしれないけれども、
幸せも人それぞれだけれども、抱えている闇や苦しさ、きつさっていうところも本当に人それぞれで多分別々にあるんだよっていうところが隅田川の会話。
そこがフラットなのがやっぱり一番肯定できるポイントですかね。
人々の生活と幸せの多様性
出てくる彼ら彼女らが同じ隅田川沿いっていうところで並列に並べられているのがいいですよね。
結局川の流れで緩やかに流れているんですよ。
いわゆる濁流でもないし、広大な中国の大河のような川でもないし、隅田川っていうところが都会をゆるゆると流れているからこそ、
全員の思いが何も解決されないままに流れていくっていうのが今回結構テーマだったようには思っていて、
それもいつかは何かその時代が流れるものなんだよっていう風に、それも自分たちが多分その3年経ったからこそ思えるっていうのもまたあると思うんですね。
多分その当の本人からはなかなか先ほどの元ホームレスでギターを弾いている彼っていうのも今どうなってるかもわからないし、
その当時彼の思いっていうのはほぼ押し測ることはできないんだけれども、
インタビューをされてある程度ちょっと清々しくじゃないですけど、
あけすけに自分の身の上っていうのを話しされてたのも含めて、
そういう風に流していくんだよなっていう、そういう感覚は本当に見てて全体伝わってきましたね。
これが終わらない日常的なずっと繰り返される物語じゃなくて、
最後の最後に出てくる、ずっと川を見ながらちょっと涙ぐんでる初老の男性ですよね。
奥さんが行った町に夕日が沈んでいくんだと。その奥さんは夕日に去年亡くなってしまったと。
その奥さんは隅田川が好きで、その方が言うんですけど、沈む日は戻ってこないんだよねみたいなことを言うわけじゃないですか。
それがやっぱりここまでの話で、いわゆる変わらない日常がずっと続くっていう話ではなくて、
そうやって川ってそもそも割と危ないじゃないですか。人の命を奪うこともあるし、
川の危うさと終わり
川の危うさみたいなところもこの話で噛んでくるんですけど、一定川って緩やかなように見えて、
そうやって凶暴な側面もあるし、同じく生活も変わらないような日常に見えて、
コロナが襲ってきたりとかしていろいろ変わったりはするけれども、やっぱり人々の生活って変わらずにずっと続いていくと。
ただそれが死とかそういう不可否なものによって突然終わってしまったりとかすることもあるっていうのが最後の方に来るわけですよね。
その構成が川とかと対比されていてすごくいいし、さらにその次に出てくる、一番最後に出てくる人が普通に生きてれば幸せっていうので終わるっていうのが、
これはハッピーエンドなのかバッドエンドなのかわからない終わり方なんですよ。
それがいいことで、実はこのままみんな普通に生きてれば幸せっていうのは、どっちなんだろうなっていうふうに僕は改めて見て思ったんですよね。
テロップとかでも理想と現実の間の息遣いみたいなのが最後テロップにも入ってますけど。
あのテロップはすごく意味ありげに流れてきましたね。
ありますけど、あそこまで別に言わなくても、夢と現実っていうよりもうっすら期待を抱いていたコロナの時代、戻るんじゃないか、普通に戻るんじゃないか。
今までうまくいっていた通りにうまくこのまま生活がいくんじゃないか、vsアフターコロナみたいの生きなければならないみたいな葛藤だと思うんですよね。
ただシンプルにそういう話って別にコロナだけじゃなくて他にもあったし、今回は花火大会がない静かな夏だからこそそれが明らかになったけど、別にある夏にもそういう物語はあるわけで、たまたま今回それを切り出せて描けたっていうところなような気もするんですよね。
この回が特別だったってわけじゃなくて、実はたまたまこの回が描いてるけどっていうところがあるような気がするんですよね。
テーマが普遍だってことなんですよね。テーマは普遍なんだけれども、あまりにも現代の激しい、割と濁流の流れのような気がしていた現代の生活の中で、結構見落としてたものっていうところが、
コロナになって初めて隅田川をじっくり眺めるようになった人もいれば、40年間変わらず眺めている人もいるし、
でも川の流れって言って、よくその時の流れと比喩されますけれども、多分そういうところがうまく対比されているのが、このコロナ禍で静まり返った東京の隅田川だからこそ描けた、
みたいなところが浮かび上がってきたのかなって思って、だからやっぱり川の、本当に実は危険でっていうのもありますけど、やっぱり一番流れていて気づかないようだけれども、いつの間にか本当に時は流れてしまうというか、
コロナ禍での気づき
その最後の人の大事な人のお別れにもつながっていくっていうところが、もうそれがハッピーでもバッドでもなくて、もういや往々なく訪れてしまうものっていう感じだと思うんですよね。
だからそれが訪れてしまうものに自分がどう意味を価値をつけていくか、その時に見た夕日にどんな自分の中で意味付けをしていくかでしかないんだよなっていうのが、自分もその最後のところは見て思わされたというか、改めての気づきですよね。
これで典型だっていうような神の気づきかのようなドラマチック性はないんだけれども、見ていてしみじみと思うっていうところがあるので、これもドキュメント72時間だからこそ出せる心のありようっていうか、ここでしか出せないものだなっていうのは非常に感じました。
72時間も定期的にというか、コロナになってから再放送みたいなのをやるようになったじゃないですか。
それによって逆に気づくことも結構今回僕らのポッドキャストでも喋ってますけど、いろいろあるじゃないですか、改めて見るとみたいな。
今回は当事者じゃない、ある意味その時代に生きていてその瞬間だからこそわかったことっていうのもあるんだけど、当事者じゃないからこそ今3年経ってるからこそわかることみたいなのもあって、72時間ってそういう側面もあるからこそ、結構長く続けてきたからそういう側面が出てきたんだと思うんですよね。
まさしく毎回アーカイブだって言ってますけど、アーカイブで留めるだけではなくて定期的にセレクションとして振り返って、今だからこそ振り返るのはこれですみたいに提示されている気がしていて、そのDJ感というか、ディグってる感じがすごいありますよね。
これはコロナがあったから逆に良かったというか、ことの一つな気がしますね。
別にね、毎回必ず新作で新しいもの、新しい時代を映し取り続ける必要は別にないというか、場合によってはこういうセレクションっていうのも非常に大事だよなっていうのもよくわかりましたね。
はい。
ということで今回はこんな感じで終わりたいと思います。
はい。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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