パリのマンガ喫茶の現状
真夜中、コンビニの駐車場で。
このポッドキャストは、1つの場所を72時間にわたって定点観測する、
某公共放送局のドキュメンタリーを大好きな2人が、番組についての感想や愛を語ります。
今回は、フランス・パリ、街角のマンガ喫茶でということで、
特に今回スペシャル版として45分の拡大版でお送りされているんですが、
当然それもそのはず、この2024年のパリオリンピックのタイアップ企画じゃないんでしょうけれども、
そこでパリに72時間として密着した場所ということになります。
舞台はパリの中にあるマンガ喫茶ということで、
なかなか日本と違って珍しい場所として、
フランス語版の日本のマンガがたくさん置いてある場所に密着した3日間になっています。
それでは山口さんいかがだったでしょうか。
今回の回でいうと、全てを物語っているのがハム太郎のタトゥーじゃないですか。
ハム太郎のタトゥーいましたね。
一番最初に出てくるハム太郎のタトゥーが全てを物語っている気がしてて。
クールジャパン的な。
クールジャパン的なこともそうだし、
ハム太郎、日本の感覚で考えてほしいんですけど、
ハム太郎のタトゥーってちょっと恥ずかしいじゃないですか。
分かります?
どう考えてもそうなんですけど。
まずハム太郎のタトゥーを入れてくださいってタトゥー屋さんで言ったら絶対聞き返されると思うんですよ。
でもそれをできるっていうことが、
パリ、日本とはまず違うなってポイントだと思うんですよ。
今回のマンガ喫茶っていうところも、
日本も最近そうでもなくなってきてるけど、
やっぱりマンガ喫茶に足しげく通ってますみたいなのって、
ちょっと一人で基本行くし、暗いしみたいな感じ。
いわゆるオタク的なこと?
推しっていうよりもオタクみたいな感じのイメージで、
友達同士と行くけどみたいな感じだったんですけど、
それが今回のマンガ喫茶って家族と来てるとか多かったじゃないですか。
それがハム太郎のタトゥーじゃないけど、
いわゆる一般化してるというか、
ある意味そういう記号的なタトゥーの悪魔とか天使みたいな近い形で、
記号としてそういう捉えられてるっていうのはすごい感じていて、
だからこういうマンガ喫茶みたいなものがかなりハードルが下がっていて、
マンガが広がっている、日本のように広がっているっていうよりも、
さっきのクールジャパンじゃないけれども、
エンタメの一つとして、カルチャーって言う方がエンタメの方だと思うんですけど、
エンタメの一つとして広がっているっていうか、
そういう認識としてみんな捉えてるんだなっていうのは思いましたかね。
マンガの国際的な影響
特に、よくも悪く日本の〇〇の授業のされ方じゃないと思いますね。
そうなんですよね。
日本文化としてのマンガとかっていうより、
マンガ、アニメ自体が世界の共通言語になってるのが浸透しきっていて、
より日本の外の方が、日本のというカッコ書きが外れてきていることがよくわかるというか。
だってそれこそ別に今映画ですって言われて、
映画はフランスのリュメエル兄弟が作りましたみたいな話で、
フランスのものですみたいに誰もいないじゃないですか。
それと同じ感覚ですよね。
まさにそうだと思いますよ。
それぐらいフランスで言えば、
映画とか友達と見るとか家族で見るとか、
本当に安くて提供されていて文化として定着してるっていうところが、
そのまま日本版がマンガだったとして、
マンガ、アニメだったとして、
それが本当に外に行けば行くほど、
特に固有の文化であるみたいなことでは全くなくて、
これは一つのエンターテインメントですっていう授業のされ方になってるから、
やっぱすごいなと思ったのは、
途中本当に来てる子たちに色々何読んでるのとかってなった時に、
子供二人に好きなマンガがあって聞いたら、
鬼滅の刃とおしのこだってあったじゃないですか。
これ今の小学生と全く一緒なんですよ、博物館って。
それがもう世界の共通言語として機能しているっていうのが、
先に言っちゃいますけど、一つの流れだなとして感じたのは、
ナルトですよ。
今回スペシャル版っていうのもあって、
フランスの好きなコミック、
人気マンガ何ですかのランキングの2位として紹介されてたんです、
ナルトというマンガ。
当然フランスに限らずですけど、
世界でアニメ文化を象徴した時の、
一億を確実に担ったマンガが、
2位なんですよ。
これ意外と驚きで、
言っちゃうと僕は10年ぐらい前にフランスに留学してたことがあるので、
フランス文化っていうのはそれなりに分かっているつもりであるんですけど、
当時は、やっぱナルトこそが最強だと思う。
最高で最強。
その感覚はありましたよ、僕も行った時とか。
やっぱりナルトっていうのは忍者マンガじゃないですか。
それこそさっき言ってた、日本のというコーテーションマンガがやはりちょっとついている影響ではあると思うんですよね。
エキゾチックみたいな。
クールだし日本だし忍者だし侍だしみたいな。
そう。
っていうののナルトが2位になっていて、
今1位をワンピースになってるわけですよ。
このワンピースっていうのは当時から人気だったんだけど、
そこまででもなかった。
当時、日本以外でワンピースっていうのは実はそれほど人気ではないみたいなことが言われてたんですけど、
もうそういうエキゾチックさみたいなの全て廃して、
ワンピースというものが提示している神話っていうのが広まっている、
そしてまだ終わっていない物語というね。
ナルトっていうのはもう終わってしまったので、連載としてね。
連載終了してないものが持ってる神話性みたいなのがやっぱり1位に来てるし、
他に人気なのも鬼滅の刃は若干ナルトっぽさ、侍の感じありますけど、
例えばおしのことか、そういうのも含めて、
あんまり日本感が薄れてるんですよね。
おしのことか、めちゃ日本ローカルの話じゃないですか。
話としてはね。
あんな原作者と出演者がみたいな話とかって、読んで分かるだろうかみたいな話じゃないですか。
最初の方はそういうことなくみたいな、復習がみたいな話はあるんだけども、
そういうのもでも、確かにさっきの映画と一緒で、漫画もやっぱりフォーマットなんですよね、ただのね。
アニメと漫画ってフォーマットの一つだから、小説とか映画とかそういうの、
フォーマットになっているから日本性がどんどん消えてるっていうのは、確かにめっちゃありますよね。
やっぱりその中でもね、ランキングでも5位ぐらいに出てたのが進撃の巨人。
やっぱこういうのは、それこそ別に日本らしさは一切ないわけで、
あれもやっぱり話としては壮大な世界の神話というかね、そういう部分を表している。
戦争ですよね。
戦争であったりとか、物語としてもやっぱりかなり、日本のエクゾチックさみたいなのは別にないわけで、
そういうのがどんどん世界に接近していくっていうのが一通りあった結果、やっぱり漫画っていうのがフォーマットになっていて、
それが供給されている漫画喫茶みたいなところで描かれる光景も、
確かに日本の漫画喫茶自体がいろいろな変化を遂げているので説明は難しいですけど、
やっぱりでもおしなべて漫画を取り出して読んで静かな時を過ごすみたいなものっていうのは共通化されていくなと思って、
日本でいうと若干図書館とかに近いですよね。
図書館の漫画コーナーとかも結構あるんで今。
今回でいうと、やっぱり漫画喫茶日本のものと違うのは、プライベートな、漫画喫茶って基本個室じゃないですか。
日本だとブースになってて、ソファー席があったりフラットシートがカップルでいられますみたいなとか、そういうのが売りというか一般的なスタイルなんだけど、
今本田さんが言うように今回のこの街角の漫画喫茶って普通のカフェというか図書館というか全部オープン席じゃないですか。
それも大きい違いだなと思っていて、
漫画を誰かと一緒に読むとかシェアするとか、こっそり部屋で読むみたいなんじゃない感じというか、読み合う貸し合うみたいなことの延長線上にここに来てるっていうのはすごい感じましたかね。
山口さんって、やっぱあのクラシカル漫画喫茶スタイルって全く影響はなかったですか。
要は今山口さんが言ったのってネットカフェ以降だと思うんですよね。つまりインターネットが使えるパソコンが置いてある仕切られたものとかが漫画喫茶に取り入れられてできたもので、それよりも以前というのはまさに今回のパリであったような漫画喫茶で、本当に喫茶店にやたら漫画が置いてあるっていう。
漫画喫茶っていうか喫茶に漫画がある感じですよね。
そのことを漫画喫茶と呼んでたんですよ。それってでもありました?幼少期とか小学校の頃行ったりもしてないあんまり。
なんかそれこそでね、ラーメン屋になんかが置いてあるみたいな。
あー漫画が置いてあるとか、あれに近いですよね。
床屋になんかやたらカイジが並んでるみたいなそういう話と一緒。
それはありますけど、こういう、今で言うと例えばスーパー銭湯とかってこれに近いかなと思ってて。
スーパー銭湯ってよく4,000冊ありますとか1万冊揃えてるんですみたいな。
ともそれはネットカフェ的な漫画喫茶よりも多い冊数揃えていて、今回の漫画喫茶パリのやつみたいなオープンスペースだったりはするんで。
なんかそういうのは別進化としてあるのかもしれないですね。
まさしく多分現代はスーパー銭湯だと思っていて、今回みたいに結構親子で来てたりしてたじゃないですか。
スーパー銭湯も結構親は銭湯目的で、子供は漫画目的みたいなってよく見られるんですよね。
子供はもうずっと漫画読んでますみたいな。
親はちょっとお風呂入ってゆっくりして、また子供を迎えに行くみたいな。
それに近いものが今回はあるなと思って見ていて。
漫画喫茶自体も結構日本の80年代ぐらいまではあの光景を呈していて、地方から育った自分としては結構あれがデフォルトだったりもするんですよ、漫画喫茶といえば。
当然ネットカフェもありましたよ。
みんなが言ってたここで静かな時間を過ごす感覚とか眉に包まれてる感覚とかってありましたけど、あの感覚は非常にわかっていて、なかなかフランスの中でそういうものを提供する場所ってそんなないと思うんですよね。
だからそういう意味でもなんかやっぱりガッチリハマってるのかなっていうのがあって、途中とか漫画読まずにカップ麺食べてるカップルとか言ったじゃないですか、今日は雨で外が寒いからみたいな。
なんかああいうのを提供してくれるっていうところはフランスの中ではやっぱり結構神業体なのかなと思っていて、今は円安だからちょっと値段計算とかおかしくなってますけど、1時間4ユーロになってましたよね。
パリのマンガ喫茶の魅力
今の値段でいくと670円とか700円ぐらいはいくんですけど、日本の正直相対的経済価値観から見た金額なので、やっぱりフランス人からしたら1ユーロは100円みたいなものなんですよ。
ってことは400円ぐらいの感じでいけるっていうのは、確かにデートで今日ちょっと寒いよね、雨だしここで漫画でも読んでゆっくりしよっかみたいなのとしては非常にちょうどいいかなって思うし、そういう意味でもそういう安さみたいなところも多分天主の人はね、結構こだわりを抜いて値段設計してるかなって思いました。
なんかこう、ああいう集う場所みたいなものを、日本と海外の違いでいう広場みたいな概念で比較されるんですけど、海外とかパリとかもそうですけど、外で別に広場があるから、最近日本だとね、コロナ禍以降増えてきたけど、オープンカフェみたいなものっていうんですか、
外に机とか椅子並べて、そこでお茶するとか、そういうのも含めて別にそれだけじゃなくて、ただ広場で外にいるみたいなことが、日本だとなんとなくそれがストリートキッズみたいなものとか、地べたに座る若者たちみたいな感じで悪いものとして、なんとなく日本だと扱われていて、
それに対して日本は、箱をどうしても部屋の中にそういう場所を作りたがるんですよ。だからさっきのネットカフェ的なところもそうだし、そうじゃなくて図書館、公民館とか、今のスーパーセンターみたいな話もそうですけど、室内に集える場所を作りたがるのが結構日本の特徴としてあって、それが結構海外からすると珍しいから、カラオケとかもそうですよね。
そういう室内に何かそういうコンテンツを詰めたがる性質が、多分パリに逆輸入された結果、さっきの意外と言葉にすると当然なんですけど、意外と屋根の下っていいなみたいなことをみんな思い始めて、UFOチャンネルとか、そういうことの逆輸入だと思うんですよね。
根本的には海外でカラオケとか漫画喫茶とか、こういう日本業態が受けてる理由って。
親も安心って言って、当たり前なんですけど。
屋根があれば親も安心って、それは扉があって囲われてれば痛い、それはそうだよみたいな話なんですけど、でもそういうとこだと思うんですよね。結局一番受けてる理由っていうか、これまで意外となかったじゃんそれって言われる理由はね。
いわゆるオープンカフェとかいわゆる広場とかっていうのは、自由だっていうところがやっぱり素晴らしく、フリーという概念みたいなものがあって。
でもそうするとやっぱり当然だけど、何かがいるかもしれないとかね。変な人がいるかもしれない、スリーがいるかもしれないみたいなものと隣り合わせなんですよね。
日本で結構そういうのを排除したり、格分けすることを結構してきたから、それがいいか悪いかは別として、それが一つパリの中でハマったっていうのはちょっとあると思っていて。
フランスにおける漫画文化の受容
だからこそ思ったより家族連れできてるなっていうのが、いわゆる漫画に憧れてみたいな人だけじゃないのもあるし。
結構子供たちは漫画読んだり本を読んだりするのが好きだからっていうところであるし、特にフランスにおいてはね、やっぱり元々バンドデシネっていう、いわゆるフランス版コミックみたいな文化もあるんで、
大人も新しく入ってきた漫画文化みたいなのにあまり拒否感はないというか、言ったらもうドラゴンボールで一周してるので、
明らかに絶対他のアニメも漫画も知らないだろうみたいなパリジェンヌのおばさんが外でカメハメハってやってたじゃないですか。
やってましたね。
これ私の青春のすべてだって言ってたんですけど、絶対嘘なんですよ。青春のすべてではないし、ドラゴンボールしかあんたは知らないだろうみたいな。
およそね、いわゆるオタクという感じではない人でも、もう一周回って授業されてるから、それこそそういう世代が親になっても子供連れていくし、なんなら子供と一緒に読んだりして、結構大人向けの本、途中でもね、深夜食堂とか読んでたじゃないですか。
そういうのにはまってったりっていう。
そうっすよね。
なんかこう、やっぱバンドシネみたいなことがあるから、絵を重視するというか、だから谷口二郎的な話が途中で出てくるじゃないですか。
絵とパロールね。
そうそう。
セリフね、絵とセリフっていう、このセットって大事ですよね。
だから、それこそジョジョとかも、今回別に出てこなかったですけど、ルーブルで展示やったりとか、今回人気漫画だと6位以下の話って見ました?
6位以下って出てましたっけ?
6位以下ですね、ツイッターの方で出てるんですけど。
ツイッターで出てるんですね、なるほど。
6位はですね、呪術回戦。
呪術回戦。
7位がですね、ベルセルクなんですよね。
これがやっぱめっちゃぽいなと思って。
8位がデスノート。
人気だもんな。
9位がGTOなんですよね。
結構読んでる人いましたよね、GTO。
10位がハンター×ハンターっていうね。
やっぱりパロールで、絵も綺麗なのもあるんですけど、絵が独特っていうのもあるんですけど、セリフとかに独特な表現や言い回しが多いやつも多くないですか、6位、10位って。
単純なバトル漫画じゃないですかね。
絵も本当に独特だし。
フランスっぽいな。
この流れで言うと、ずっといろんな漫画が今回出てくるじゃないですか。
それこそ日本でも流行っているっていうのはあるんですけど、GTOがやたら人気なのは何なんですか?
僕めっちゃ言われた、でも向こうで。
なんで?
GTOは、でもほらヤンキー文化って興味あるから。
なるほどね。
やっぱり一つ面白いんですじゃないですか。教師が元ヤンキーで。
確かに。
で、言いたいことも言えない世の中を切っていくみたいなね。
やっぱりああいうのって痛快だっていうのもあるんで。
それがヤンキー文化と、あとその学園もの。
これも結構人気というか、日本っぽいなと思うんで。ある意味GTOはたぶんすごい日本っぽいと思って見てると思いますね。
じゃあさっきの話で言うと、ナルトっぽい文脈というか。
ナルト文脈確実にあると思います。
なるほどね。
やっぱりその進撃の巨人以前以降みたいなのってエポックは別れるんじゃないですか。詳しくは分かんないですけど。
やっぱり進撃の巨人すっごい流行ったんで。
で、そこからそういう神話的なものへの、本当に漫画が一つのフォーマットになった証みたいなところがあるんだけど。
それ以前ってどうしても学園ものとか、こんなの日本でないよみたいな、日本にしかないよみたいなものにエキゾチックさを感じる文脈が多かった気がしますね。
確かに。
漫画とちょっと違う話で言うと、アニメみたいな話もあるじゃないですか。
ワンピースとかナルトとかドラゴンボール、鬼滅もそうだし、進撃もそうですけど、たぶんアニメ入りな気がするんですよね。
アニメから入って、漫画読もうみたいな感じ。果たしてGTOがどうか分かんないけど、でもGTOって別にアニメがどうのってあんまりないじゃないですか。
しかって言うと日本っぽいドラマっぽい感じですけど、たぶん放送されてたとか、キャプテン翼が異常に南米で人気みたいな人一緒ですよね。
放送の権利上の都合ですよ、たぶんね。
グレンタイザーがフラスエピザですとか、フィリピンではボルテスVが人気ですみたいな。
みたいな話ですよね。
それもあって、アニメと漫画の違いみたいなのもあって、アニメは結構吹き替えじゃないですか、基本がね。
吹き替えっていうのもすごい大事で、それは言語を守ろうとする文化なんですよ。
字幕じゃなくて吹き替えですみたいな。
アニメとかって子供とかって字幕を追ってけなかったりするから、やっぱり吹き替えにするっていうのが大事で、そうするとどんどん子供のところからガッチリ心掴まれていくんですよね。
やっぱりナルトとかもそうで、一方でフランスって出版文化でもあるから、紙のものへの異常なこだわりみたいなのもあって。
それもあって、アニメで放送されてたから人気だけじゃないところにどんどん人気の火が他にもついていくっていうかね。
そういうのがあるから、一方で全く日本人も知らないような漫画っていうのが絶賛されてたり人気になったりするんですよね。
今回それをすごいしみしみ感じたのが、ちっちゃい時にコンゴから移住してきたアフリカ系の子も、今失業中でやっと漫画変えたんですって言ったじゃないですか。
それがブルーピリオドという美術系の漫画の特装版みたいなやつだったじゃないですか。
あれなんか感慨深くなかったじゃないですか。
あれでワンピースの新刊とかじゃなくて、ブルーピリオドの特装版みたいな。
日本文化の影響と受容
彼もすごく若いから、やっぱり青春若いブルーピリオドみたいな、本当に結構最近流行ってる漫画なんで。
最近流行ってる漫画っていうのを追いつつ、でもその特装版が少しでもお金が入ったら欲しいという、あの感覚っていうのか。
やっぱり出版とか紙が好きな文化って育ってる人なんだなと思って、すごいあれを感慨深かったシーンですね、自分の中で。
魂って言ってましたからね。
魂を表現してるんだなって。
ソウルじゃなくてね、魂って言ってましたからね。
魂ですよ。
そうね。
面接行ったのに嫌だからってシャツ脱いで。
シャツ脱いでパーカーに着替えてね。
で、漫画屋さんに来てるんだから。
それは魂ですよ。
確かにね。
受容のされ方もやっぱ面白いですよね。
それが割とこれまでの海外観っていうか、日本の漫画が海外でこう撮られてますみたいな、それこそナルトみたいな。
日本の忍者ですみたいな感じで撮られてるっていうよりも、我々がこうもともと母国語とする日本語でそういう文化としてあるものと同じように受容されてるみたいな。
ブルーピリオドみたいなのはそういう人たちにも勇気を与えるし、もうだって児童養護施設のグループで一番いかつそうな人がバキーが好きですって言ってたのがやっぱもうやばいじゃないですか。
あれは良かったですね。
本当にいい話じゃないですかね。
あれは良かったですね。
元夫と交互で保護してるみたいな人が早々のフリーで読んでるみたいな。
もう日本と一緒だみたいな受容のされ方。
そういう感じがちゃんとその漫画が持っているもともとのターゲット層と同じターゲット層を海外でも獲得しているっていうことがすごい面白いっていうか。
本当にちゃんと伝わってるんだなみたいなのは、その中のメッセージも含めて、伝え方のメディアの出版とかルートも含めて、それはすごい思いましたね。
途中フランスの出版社の方がたまたま来ててっていうのがあって、結構ね要所的に日本は世界で強い影響力がありますよみたいに言ってたんだけど。
それは一昔前でそれを聞くと、いわゆるそれは資本の話だったり、ジャポニズム的カルチャーの話だというふうな捉え方ができたんだけれども。
パリにおけるマンガの影響
この人が言ってるのは、よくも悪くもそういうことではなく、やっぱりさっき山口さんが言ってたような、漫画アニメっていうフォーマットがもう一つ世界的な共通言語として確立されていて、そこにタッチできるのが今日本だけになってるっていうところの影響力の話だと思うんですよね。
そこが影響力っていう話なので、これは結構危ういというか、そのまま持ってかれるかもしれないけど、実際持ってかれてて、例えばフランスとかでもフランス初の少年漫画とかできたりしてるんですよね。
そういうのできて久しいんですよ結構実は。逆輸入されてそれがNHKのアニメで流れるみたいなのまで起きているので実は。
そういう意味では本当にフォーマット化していて、日本で作ったものも全世界の人に刺さるようなものにカルチャーとしてみんな寄せられていってるというか。
韓国の漫画とかもそうですよね。
そうですし。
イテウォンクラスみたいなね。
イテウォンクラスみたいなものとか。
だから世界化していくっていうのが日本の漫画アニメの世界でも起きてるんだなっていうのが、2024年の今ここでオリンピックがやられたパリでもこういうふうに見て取れますっていう事象でしたね。
日本というかとしては大きい話になりますけど、映画イコールフランスみたいなイメージが今ないですよねみたいな最初の話。
映画イコールハリウッドみたいなのあるじゃないですか。
そういうことになっちゃうと結局取られちゃうって言い方はあれだけども、今は大きさ的にやっぱり日本が大きいからまだ漫画イコールとかアニメイコール日本になってるけど、それが徐々にハリウッドみたいなものがどこかで、それこそKポップみたいな話ですよね。
登場したタイミングでそこが塗り替わる可能性も全然あると思うし、別にそれは僕がいい悪いっていうよりもそういう可能性は全然ある話だなとは思いますよね。
最近もはやハリウッドですら別に当時の映画といえばの影響力持ててないですしね。そうやって移り変わっていくものというか、結構分散化してる社会みたいな世界みたいになっていく中で、漫画もどこの一興とかじゃなくなっていく可能性は十分。
もう少し先の話だとは思うんですけど、十分あり得る可能性の一つとしてあるような感じなので、一番言いたいのは出版社の人が強い影響力を持ってるんですよっていう時に、謎の勘違いをした日本人の方々、要注意ということで。
文化のフォーマット化とユーモア
クールジャパンみたいなね。
そう、クールジャパンではないです、あの文脈は確実に。
それがやっぱりありますよね。
今は相対的にフォーマットを牛耳れているという事象です、意味は。
言語が近いからタッチしやすいっていうとか、原点っていうか振りやすいっていうことですよね。
それこそあれじゃないですか、子供の子が漫画読んでて、フランスでは左から読むけど、漫画右読みで最初はちょっとびっくりしたけど、今は呼吸するようにできちゃう。
まさしくあれで、漫画というフォーマットも独特で、日本にしか真似できなくてみたいなことを言ってる人も、こうやって子供が一瞬でそこに慣れていくんだから、フォーマットだけが残って、中身の部分は全部グローバル化されていくんだろうなっていうことですよね。
そういうところはありますよね。だから今回で言うと、あんまりギャグ漫画みたいなのがわかりやすく出てこなかったじゃないですか。
そこって微妙に笑いのツボの違いみたいなのもあると思うんですよ。
ユーモアはちょっと難しいですね。
ユーモアってすっごい国によって違うじゃないですか。
確かに。
ギャグ漫画日和とかフランスでは流行ってないんだなみたいな。
ユートックジャガーとか流行んないかな。
流行んない気もするんですけど、それは海外のアメコミとかのギャグ要素がそんなに面白くないっていうか、すごい芯に刺さるものではないみたいなのと一緒で。
当然フレンチコメディの映画とかも日本で全然流行んないですからね。
そこの漫画気質さって一つ言うと、今回だと割とストーリーものっていうか物語がある系ですよね。
まあまあ本当に神話ですよね。
神話的な、そうそうそうそう。
ドラマ剣があるみたいなものが基本ヒットするというか、わかりやすく刺さるんだなっていうのは、さっきの日本的な影響力みたいな。
だから日本ではもっとギャグ漫画が売れればいいなと思いますけどね。
あと冒頭のハム太郎じゃないですけど、ハム太郎みたいなストーリーがあるんだかないんだかわかんないみたいな。
アイコンの話にもちょっとね、それしだすとちょっとでもキリだいぶないですね。
ああいう話も本当はあるんですけどね。
というところで、今日のパリオリンピックの話はもう一切なく。
ですね、ブレイキンの話もせず。
終わっていきたいと思います。
では今回は以上となります。ありがとうございました。
ありがとうございました。