コロタイプ印刷編最終話。複製技術であるコロタイプ印刷で刷られたものであるにも関わらず、クリムトのレプリカにオリジナルが持つ唯一性=アウラを感じたという前回のお話から、アウラってそもそも何のこと?私たちは何にアウラを感じてるんだろう?など、印刷、映画、音楽、工芸など様々な例を挙げながら考察しました。
今回の話題:
ヴァルター・ベンヤミンがアウラ論を発表したのは多くの印刷技術が発明された時代/写真が発明され時間を複製できるようになったことで世界の見え方が変わった?/アウラの凋落=アート作品の神性が剥ぎ取られて民主化する/ゼロ年代のフェス文化の勃興は聴衆が録音物にはないアウラを求めたから?/NFTの登場はデジタルにも唯一性を求める動き?/アウラ=オーラ=息、風、時間とともに過ぎ去るもの/映像のサブスクリプションサービスが充実する中でも映画館に行きたいという感情/映画館の中で複数の人と時間を共有することが重要?/『風の谷のナウシカ』フィルム老朽化による最後の上映会/複製技術の精度が高まり劣化しにくくなると、ひとつ前の時代の複製技術にアウラを感じるようになる?/伸び続けるアナログレコードの売上/可聴領域外の音も再生するアナログレコード/トレーニングすることで細かな差異を知覚する能力が上がる?/AppleMusicのロスレスの音の良さがよく分からない/生々しいものへの渇望=工芸に注目が集まるのも必然?/「手作りの良さ」を謳わずに工芸の魅力を伝えるには?/金属をテキスタイルのような質感に見せる金属工芸の魚子は手でやるからこと出来る?/Big Thiefの新ALとRCサクセション / シングル・マンのジャケが似てる/Big Thiefのジャケイラストの解像度が足りてない/アナログレコードのジャケはブロックノイズでがち/ブロックノイズが後の時代から見るとアウラを感じるものになるかも?/RadioheadのThe Bends〜Kid A時代のデジタルノイズをあえて表現に取り入れたアートワーク/描いた絵をコピー機でコピーして写真を撮って映画にする/その工程で起こるコントロールできない質の変化を求めている?/ConCraでやっていくプロジェクトではモノへの感覚がどう変化したかを語り合っていきたい/その日の湿度などを感じ取って機械の調整を行う職人のすごさ/
参考図書:
ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読|多木 浩二 (著)
https://onl.bz/DDYmPza
Big Thief / Dragon New Warm Mountain I Believe in You
https://onl.bz/rAd7CGg
RCサクセション / シングル・マン
https://onl.bz/gXQWuqq
Radiohead / The Bends
https://onl.bz/LskYiez
ConCraプロジェクトの詳しいコンセプトは公式サイトへ。
https://concra.jp
そしてここに掲げているコンセプトのもと、実際にモノを作っていこう人が集まるオンラインコミュニティであり実験場 ConCra Collective(コンクラコレクティブ)が2022年3月1日にオープンしました!
興味のある方はぜひお気軽に参加してください。
https://basic.motion-gallery.net/community/concra/
#concra(twitter)で感想、質問、リクエストなどお待ちしています!
パーソナリティ:岩田篤 蔡海 福原志保