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2022-07-19 42:40

S1 ep21 日本の履き物文化史と革靴 ゲスト:製靴家・野島孝介(前編)

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京都・西陣で日本の風土に合った独自の革靴を作るオーダーメイドの革靴工房「吉靴房」を営む製靴家・野島孝介さんをゲストにお迎えしてお送りする3回シリーズ。初回は日本の履き物の歴史を紐解きながら、野島さんが吉靴房でどんな靴作りをしているのかを聞いていきます。

今回の話題:
革靴が日本に入ってきて150年/日本オリジナルの革靴のデザインがあっても良い/日本の履き物って?足袋?下駄?わらじ?/外履きの扱いが西欧とは異なる/日本の風土と履き物は密接に関係している/公家の浅沓(あさぐつ)/蹴鞠用の鴨沓(かもぐつ)/検非違使の烏皮履(うひり) /馬に乗って矢を射る時の物射沓(ものいぐつ)/服装が職業・位を表す/お客さんが靴を選ぶ理由は見た目と履きごごち/つま先と踵と土踏まずに芯があって足全体を覆う歩行用の道具=靴/靴は履き物の中のジャンルのひとつ/吉靴房の靴作りはフルオーダー寄りのセミオーダー/日本人はフルオーダーにあまり慣れていない/5万円前後で作れる方法から逆算して行く着いた方法/庶民がどんなものを履いていたのかは記録が残りにくい/鎌倉時代の武士の革足袋/昔の人は足の皮の厚みが厚かった?/浅草のボロミュージアム/世界中の文化史に登場する先がとんがって上を向いている靴/レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカの先が超長い靴/オーダーメイドのタイムカプセル使い

野島孝介さんプロフィール
京都西陣で、日本の風土に合った独自の革靴を作るオーダーメイドの革靴工房「吉靴房」を営む製靴家。
1975年愛知県生まれ、静岡県藤枝市育ち。学生時代から剣道に打ち込み、24歳のころに剣道を離れて靴の町・浅草へ。浅草では女性のエレガンス靴を製作するメーカーに勤め、製造企画を担当しながら、手づくり靴の技法を半ば独学で身に付ける。ヨーロッパからの輸入文化としての「靴」ではなく、日本の風土気候や歴史に合わせて独自の靴づくりをしたいという想いから、2006年京都西陣にアトリエ兼ショップ「吉靴房」を開設。以来、伝統的な着物の帯地や、古くからある和のデザインを取り入れながら“吉靴房らしい靴”の製作に励んでいる。

吉靴房
https://kikkabo.info/

ボロミュージアムことアミューズミュージアムは2019年に閉館。同館のBOROコレクションは、海外巡回などで現在も展示されているようです。
https://papersky.jp/boro/

田中忠三郎『物には心がある。』
https://onl.tw/3msar6D

映画『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』
https://filmarks.com/movies/38164

ConCraプロジェクトの詳しいコンセプトは公式サイトへ。
https://concra.jp

そしてここに掲げているコンセプトのもと、実際にモノを作っていこう人が集まるオンラインコミュニティであり実験場 ConCra Collective(コンクラコレクティブ)が2022年3月1日にオープンしました!
興味のある方はぜひお気軽に参加してください。
https://basic.motion-gallery.net/community/concra/

#concra(twitter)で感想、質問、リクエストなどお待ちしています!

パーソナリティ:岩田篤 蔡海 福原志保

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CRA出しRADIOは、使わなくなった大切なものを、さまざまな工芸技術で生まれ変わらせるコレクティブ。
コンクラのメンバーが、分かりたいけど勉強しにくい工芸について、見たり調べたり作り手のお話を聞いて、時に脱線しながら、みんなと一緒に考えていく番組です。
コンクラのしほです。
岩田です。
コンクラのうみです。
よろしくお願いします。
そして今日はですね、待ちに待ったゲスト会。
待ちに待ちましたね。
待ちに待ったゲスト会でございます。
めちゃくちゃちょっといろいろ話聞きたいんですけど、僕ら本当に話し出すと止まらない。
いつも40分基本で考えてるんですけど、全然はみ出してばっかりなんで、こういうオープニングトークはそこそこにして、早速今日のゲストをお招きしているゲストをご紹介したいと思います。
野島浩介さんです。
一泊某の野島と申します。
よろしくお願いします。
まずは私から、野島さんのプロフィールを簡単に紹介させていただきたいと思います。
野島浩介さん
京都西陣で弘の風土にあった独自の革靴を作るオーダーメイドの革靴工房、喫茶房を営む生屈家でいらっしゃいます。
1975年愛知県生まれ、静岡県藤枝市育ち、学生時代から剣道に打ち込み、24歳の頃に剣道を離れて靴の町浅草へ。
浅草では女性のエレガンス靴を製作するメーカーに勤め、製造企画を担当しながら、手作り靴の技法を半ば独学で身につけます。
ヨーロッパからの輸入文化としての靴ではなく、日本の風土気候や歴史に合わせて独自の靴具作りをしたいという思いから、
2006年、京都西陣にアトリエ・ケンショップ・菊花坊を開設。
以来、伝統的な着物の帯地や古くからある輪のデザインを取り入れながら、菊花坊らしい靴の製作に励んでいらっしゃいます。
よろしくお願いします。
イントロだけで聞きたいワードがたくさん出てますけど。
そうなんですよね。ワード一つ一つ拾っていったらどんどんそこから脱線していっちゃいそうなんで。
まずは野島さんのご本人から、菊花坊さんについて、どんなコンセプトでどんな靴をどんな体制で作られているのか、みたいなことをまずはお聞かせいただきたいなと思うんですが。
03:11
はい。菊花坊というのは、日本の革靴というのをテーマに、基本は個人のオーダーメイドを中心に、あとはいろんなブランドさんとのダブルネームというかコラボと言いますか、
ブランドさんのオリジナルの靴を作ったりとか、いろんなちょこちょこ仕事はするんですけど、それこそ学生さんの前で話したりとか、型紙の依頼を受けたりとか、パターンですね、靴の設計の部分の仕事を受けたりとか、そういったこともやりながら、基本はオーダーメイドの革靴を作っていると。
日本の革靴というテーマでやっているので、これはどういったことかというと、まずはスーツに合わせる革靴というか、あまりにも西洋の、例えばイギリスとかフランスとかイタリアの靴をそのまんま作りすぎる傾向にあるような気がするので、
坂本龍馬で有名ですけど、日本に革靴が入ってから150年くらい経っているので、日本のオリジナルのデザインがあっていいんじゃないかというふうに思って、そういったデザインを中心にやっています。
スタートは僕一人でやってましたけど、今はメインのスタッフとアルバイトと、大体3、4人でずっとやっているという感じですね。
今回は音声だけの配信になるので、実際に日本をテーマにした革靴というのが実際にどんなデザインなのかということは、概要欄にもキッカボーさんのホームページのリンクを貼らせていただいて、そちらで皆さんにも見ていただけるようにと思っているんですけど、
日本の履物のイメージっていうのが、個人的にすごく貧困で、旅とか、わらじとか、下駄とかくらい?
何かあります?他思いつくの?
でもそのイメージが正しいというか、そういうものだと思うんですよ。そのくらい外履きに対する扱いが西洋と違うというのがまず大事な視点と言いますか。
06:15
彼らは一日中家の中まで履いてたりするじゃないですか。日本の場合は脱ぎ履きしますよね。上に上がるときは脱いで。
なので重要度の違いがまずあるのと、気候風土の違いによって、わらじとか下駄がメインになっているっていうのは、完全に風土と密接に関係していると言いますか。
なので普通の形をしているようなものを履くっていうのは、主にクゲとか儀式用のものであって、ゾウリやゲタのようなものがメインなのは間違いないですね。
クゲとか、なんかでかい四角い黒いやつ。
アサグツって言います。
スリバグツ?
アサグツ。
サッカー、エアサッカーみたいなやつ。
ケマリやるときに履いているやつ。
そうですね。ケマリのときにも。あれはまたちょっと違うデザインなんですけど。ケマリ用のものとか。
それ専用の靴なんですか?
そうですね。カモグツとかって言ったりしますけど。
あとは、例えばウヒリっていう名前のものとか。
ケビーシとかが履いてたようなものですね。
ケビーシが履いてた。
ケビーシって最初の質問じゃないですか。
ペーラン時代の都の警備とかをやってた警察的な忌み合いと言いますか。役職と言いますかね。
そういう人たちが履いてたものとか。
あとは鎌倉時代のモノイグツって言って。
馬に乗って弓引きを持って馬に乗るときに履くものだったりとか。
結構いろんな個性的なデザインがあるんですよ。
全然知らなかったです。
靴によって職業が分かっちゃう。
昔のと言いますか、遡れば遡るほどそういうのははっきり分かると思います。
着るものすべてに意味があるというか、役職とかがはっきりと出るようになっているので。
09:02
分かりやすいのは、簡易12回の帽子の色が全部違うみたいな。
そういう今の話題に出たような、いろんな日本の古来の靴というか履物のエッセンスを革靴に取り入れているみたいな感じなんですかね。
そうですね。
分かりやすいところで言うとそうです。
靴屋の立場から言うと、お客様に選んでいただく理由というのは見た目と履き心地だけだと思うので、基本的には。
なので、見た目でいいなと思ってもらえるものを作りたいというのはあるんですけど。
特徴としては、昔ながらの日本に昔あったデザインのエッセンスを取り入れたものも作っています。
靴と履き物って言葉を分けているのは何か意味があるんですか。
そうですね。僕は革靴を作る教室を運営していて、初日に必ず話をするんですけど。
靴っていうのは、つま先とかかと、あと土踏まずのところに芯があって、足全体を覆っている、歩行の時に使う道具というふうに僕は定義しているんですよ。
そうすると、サンダルとかミュールとかゾーリとか、そういうのは靴とちょっと違う履き物であるというふうに分かれるので、あくまで靴というものは履き物の中の一つのジャンルであるというのが僕の見解です。
なるほどね。
上位概念ですね。履き物というのが靴というのは。
そうですね。足に履いて歩く時に使うもの、全部を映させるのが履き物というふうに、とりあえず僕は呼んでいます。
いやー、めっちゃ後ますよってされました。
先ほど、ほとんどがオーダーメイドで、ほとんどか分からないんですけど、オーダーメイドがメインというふうにおっしゃっていた中で、僕もキッカボーさんのサイトを見て、自分もいつかオーダーしてみたいなとワクワクしながら見ていたんですけど、
オーダーを最初にする時に、そうは言っても全然今露呈したぐらい、僕、靴の知識がないなって思ったんですけど、最初の一言をどういうようなことにすればいいのかなって、結構みんなどういう会話からスタートするのでしょうかね。
12:14
あの、開くにこの靴が欲しいです。で、いいんじゃないですかね。
この靴が。やっぱだから参照するものがなんか、やっぱりみんなこれっぽいものとかそういう言い方からスタートするものですかね。
まずオーダーメイドの種類がいくつかあって、完全なフルオーダーとなると、お客様の足に合った着型も作るし、デザインも一から作るし、なるべくお客様イメージしているものを完全に再現するっていうのがフルオーダーになるんですけど、
日本の場合はフルオーダーに慣れてないと思うんですよ。慣れてない人の方が圧倒的に多いので、フルオーダーに近いセミオーダーよりフルオーダーに寄っているものというか、セミオーダーとフルオーダーの間みたいな作り方をしています。
理由はいくつかあって、最大の理由は価格ですね。専用の靴型を足型を作って、そこから靴用の靴型を作る、専用のものを作ると、いとも簡単に10万、20万って年がどんどん上がっていっちゃうので。
靴屋としては、個人レベルでやっている靴屋としてはデザインが多いと思うんですよ。50以上あるので。
例えば、男性用の靴で一番最高級のものだと50万とか30万とかとんでもない価格の靴ってあるんですけど、それってどれだけ靴が好きな人でもかなり勇気がいるというか。
2足、3足、4足、5足なんていう風になかなか考えにくい価格のような気がするんですよね。
オーダーでお客さんの足に合わせたもので、5万前後でなんとかできないかなという風に考えて、もちろん5万前後でも安いものではないですけど、
15:01
5万前後であれば、気に入っていただいた時に2足目、3足目っていう風に、例えば1年、2年に1足みたいな。そういった形でリピーターになっていただけるんじゃないかなということで、価格から逆算して作り方を決めたという感じなんですよ。
それでオーダーに慣れてないというか、デザインまで提示してくださいってお客様に言うと、悩んで結局決まらないっていう人が圧倒的に多いので、それでデザインをずらっと50種類ぐらい用意して、この中から選んでいただいて、ここをこういう風にすることができますよとか、色変えられますよとか。
サイズももちろん合わせますし、ここにこういう飾り付けますよとか。そういう風にした方がイメージがしやすいかなと思って今の形でやってます。
実は僕らコンクラっていうプロジェクトをやりだして、このポッドキャストもやってるんですけど、結構このコンクラのアイディアの初期の段階で野島さんには何回かご相談でお話ししたことがあって、やっぱりそういうオーダーメイドの受注を受けられてるお立場の中で、
お客さんがどんな風に物と向き合って、どれだけのデザインの要望を出せるかみたいなところの裸みたいなことはすごく参考にさせてもらったところがあって、やっぱりそれって1ユーザーが1から全部描き出そうとすると相当難易度が高いことだなっていうのは、
僕もやっぱりじゃあ野島さんに今靴をお願いしようと思ったときに海さんと一緒で靴の知識ないなと思ったし、確かにサイトを拝見しながらだとこれとこれを組み合わせたぐらいの感じが欲しいなみたいなことはやっぱりそんな中でもイメージしていけるので。
私はフルデザインをこういうのとかああいうのとか。やりたい側の、そっち側の人。どんどんアイデア出てきてしまうし、多分1個じゃもうまとめられないから3個ぐらいとかなっちゃう人。
毎度あり感がやばいですね。いくらかかんねんっていう。
ほんとそう、いつもそう、ほんとに。
今でも最初の靴のおさらいの、僕日本の歴史の中でもこんなにいろんな靴があるっていうことを知らなかったんですけど、大きくは親指とそれでやるものとすっぽり履いるものの2つに構造的には分かれるのかな。
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親指とって旅。
そうそうそう、通りとか旅とか。
鼻尾がついてるもの。
鼻尾がついてるものか、そうでないものっていうのか。
スリッポン的なものと。
多分知識がないことで、やっぱりすごい正直なところ言うと、どんな身分の人もわらじ履いてるんだろうぐらいの感じに思ってたので、今日のお話聞くまで。
歴史を調べても、一般の一番最大の人数がいる、一般の人々と言いますかね、その人たちの生活ってわからないことが多いんですよね。
文書として残らないから。
そうですね。
そうなんです。なので、一体どれぐらいの人が、いつの時代まで裸足だったのか、誰がわらじみたいなのを編み出して、これが全国にいつどういうふうに広がったのかっていうのがちょっと確定しづらいところがあるので、はっきりと申し上げられないんですけど、
それでも指股のところを使う履物かそうじゃないかっていうのははっきりと分かれていて、それが多分世界一はっきり見える国なのかなと。
造りたびっていうのがメインで、普通の、今で言うところの普通の靴っぽいものっていうのが全然なくて、あるとしても儀式用のものでしかないという。
あの、たびみたいなのってどうしてそうなったんですかね。2つに分けたほうがいいんじゃないかって。
これははっきりとは何が先かちょっとわからないんですけどね。
たびの歴史だけを見ると鎌倉時代の物資は革たびを履いてるんですよ。
革たび。
鹿川のたびを使っていて、今はたびって言ったら白い布のものというイメージがあると思うんですけど、あれは江戸時代の中期ぐらい以降ですかね。
安定して白い布が作られるようになってから、なので。
最初は革のたび。おそらく造り関係、わらじを履いて戦うとか何かの作業をするっていうときに、痛いっていう人がいたんじゃないですかね。
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効率がいい。
革の加工もちょうどされるような時代になってきて、ものすごい器用な人が靴下型のものを作って、これすごくいいねみたいな形になったんじゃないかと僕は想像してるんですけど。
作るときの想像をすると、何て言うんですかね。
もかしん風のより親指をスリットを入れて縫う方がめんどくさいと思うんですよね。
それをこだわった理由は何かあったんでしょうね。親指を独立させたいっていう風度が。
僕の仕事の視点から言うと、造り型っていうのが一番効率のいい履物と言えばいいですかね。
最小限のポイントを抑えて、最大の効力を発揮する履物なんですよ。
なので、お米を納税で使ってたというか、わらがたくさん出る。
それを活用する。それだったら全国でみんな使いますから。
それを編むことで何か道具を作るっていうので、造りっていうのが開発されて広がったっていうのは納得のできる流れだと思うんですね。
その造りをいつでもささっと履ける状態の靴下的な役割となると、指またがあった方がいい。
それはそうだ。確かに。
その順番だとすごく理解できますね。
私、よく昔の物語とか見ててすごい不思議だったのが、足寒くないのかなって思ってたりしてて。
出てるじゃないですか、外に。絶対冬とか寒いんじゃないのって思ったんですよね。
現代時の感覚とは全然違うでしょうね。
足の革の厚さとかも全然違うんでしょうね。
さっきの革の靴下欲しいコーナーが、アイディアが靴じゃなくて靴下としての靴みたいな。
革旅あんまり売ってないですよね。
見てみたいです。
僕作ったことあるんですけど、製品化しようとすると価格的にすごく難しいので、どうしようかなとずっと考えている。
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革の靴下履いて旅を。
二つオーダーがもう。
する前提でショウさん。
今もうビジネスの話ですよ、ここから。
それをセットで売るっていう。
そうですね。
使う素材とかもどういう風にするのがいいのかっていうところがあったりして。
それでなかなか難しいっていうのもあって、作るのも難しいっていうのもあってなかなか進んでないという状況ですが。
ちょっと話戻しちゃっていいですか。
もちろん。
お相撲さんの足って見たこととか触ったことがあります?
ないです。
大きそうなイメージ。
バンバンこうやってるから。
土踏まずなさそう。
現役のお相撲さんの足か、あと柔道家とか剣道家みたいな、素足の競技。
わかります。剣道は私ちょっとやってたんで。
そうですか。
革がベロンベロンに最初向けちゃうんですよね。
最初はそうなんですけど、慣れるとかかとの革とか厚さが1センチくらいになるんですよね。
むちゃくちゃ厚くなるんですよ。
革の厚さが1センチ?
私1センチまでやれなかったな。
すごい厚くなって、ヒレ炙っても全然厚くないみたいな。
ただし時間差で熱がくるので、寝てるとこをいたずらしてみたいな。
昔そんなことか。
昔ありましたけど。
そのくらい素足で鍛え続けると、
もう鎧のような革になるんですよ。
お相撲さん土俵、土の上で足をずっと擦り足なので、
足全体がそういう状態になってて。
昔裸足で生活していた人っていうのはこのぐらいになってたんじゃないかなとか。
確かに。
だからそんなに寒さも今ほどは感じにくかったのかな。
比較はしにくいですよね。
今の人の方はやっぱり寒く、より寒く感じるんじゃないかなと思います。
私は青森の東北の靴であざらしの革にサーモンの革を貼り付けて、
そこが鮭の革なんですよ。
見たんですよ。薄いから。
説明がこの鮭の衣っていうんですか。
27:04
ウロコの革のところですかね。
ウロコが滑り止めになってますっていう説明で、
絶対寒いだろ、ぺろぺろだからと思って。
冬っていう雪をこれで絶対足りないでしょうと思ったんですよ。
ゴールデンカムイで有名になりましたけど、アイヌの靴ですよね。
確かにあったゴールデンカムイ。
実際見たときは浅草のボロミュージアムで、
今ないんですけど、ボロミュージアムは。
あれ、ないのかな。今回っているのかな。
でもそこで初めて展示見ました。
多分移転して他のところで浅草の並んでると思いますよ。
それ確かに聞いたことあるな。
あのミュージアムめちゃめちゃオススメですね、私。
どういうミュージアムなんですか。
コレクターがいてですね、一人で。
ボロっていうことの補足説明がいるんですよね、ボロミュージアムっていうのは。
もともと日本ってコットンとかそういうものの生産が安定してなかったっていうのは本当そうで、
朝とかぐらいしかなかった。やっぱり寒いじゃないですか、朝の服って基本。
でもちょっとでも面が取れたら大事に大事に、
作った布を大事にしたいわけですよ、あんまり出ないから。
あとは身分的にその面を着ちゃダメっていうか。
それもそうなんですけど、贅沢品だからね。
それを大事にしたいからボロボロになったとしても継ぎ接ぎして、
何世代にも引き渡していくんですけど、
それは赤ちゃんが生まれた時の最初の、
赤ちゃんを最初によしょって包み込むおくるみから、
下着から、ちゃんちゃんみたいなのから、結婚式の時にちょっとオシャレするものから、
本当に死ぬ、おくるみみたいなもの、亡くなった方も包む布も、
全部大事に取っておいて、引き継いでいくっていう布のことをボロっていうんですよ。
東北とかの文脈、
普通の暮らしの人々の文脈で登場する話ですよね。
そうなんです。
パッチフォークが過ぎますよね。
そうですね。やっぱり過保みたいなものになっていくので、
残っているものは残っているけど、
でもそれをやっぱりそういった自分の家族の背景、
あんまり知られたくないなという人も一体すると捨てちゃったりとか、
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価値がないと思ってなくしたりとかして、
なかなかワンコレクションで残っているというのも難しいんだけど、
特に女性の下着なんてすごい見つけるの難しくて、
やっぱり女の人で下着を公開されるの嫌だって言って、
そういう形変えちゃったりとかするから、
その下着っていう型でなかなかないんですけど、
そのボロミュージアムはそういう珍しいのもあるし、
おくるみ、赤ちゃんから亡くなった人をこれでくるんだみたいな。
もともとアミューズっていう芸能のプロダクションっていう事務所がやってて、
それもすごい不思議なんですけど、
それはもともとあったコレクションを引き継いで、
田中、今調べました。民族学者の方ですね。
田中、ごめんこれ読めない。チューザブロー。
その人のコレクションを、亡くなった後にすごいたくさん出てあるので、
アミューズの社長さんが多分、もったいないぞこれは。
これは世に引き継がなければならないって言って、
私、この人の本、名前忘れて読み方も漢字の読み方わからないとか言ってるけど、
好きな本が物には心があるっていう本があるんですけど、
これものすごい料金です。
キャンディーズとかのマネジメントのとこですよね、アミューズとか。
そうです。
ちなみに映画の、私ばっかり喋るとしょうがない。
映画のなんだっけ、夢っていう映画が確かあるんですけど、
黒澤明の?
はい。そこに出てくる人たちのお洋服が、
この田中さんのコレクションから使われてたっていうのがありました。
その展示もありました。
私何回もここ来て見ては、ほーっと思って、
しまいにはリーヴァイスの人連れてきました。
本社から、リーヴァイスの本社の人に、
ちょっとすごい展覧会やってるところから見てって言ったら、
一緒に見に行ったら、うわーって思って。
ちょっと野島さんへの質問を何かしてもいいですかね。
先ほど、やっぱり今お伺いしただけでも、
日本のそれこそ履物全般に対してものすごく造形が深い
っていうことを伺ってるんですけど、
野島さんへオーダーの門を叩く人っていうのは、
33:01
例えば日本の方だったら、
日本人のアイデンティティを野島さんとの靴作りで再発見したいみたいな、
そういう気持ちがあられる方って結構いらっしゃるんですかね。
そうですね。
歴史好きな人はやっぱり少しですけどいらっしゃいますよ。
僕としてはデザインで気に入ってもらって、
かわいいなと思ってもらって、
行ってみようぐらいの感覚で見てもらえればありがたいなとは思いますけど。
そうです。
この形は歴史の何とかでどの頃とかすごい細かい。
そういう話は基本的に全然しないですよ。
やっぱりサイトとかを見ると、
親指と別れた特有の形をすごく印象的に見るので、
僕は普通に野島さんにお願いするんだったら、
わらじ式に別れた靴をお願いしたいなって最初から思っちゃう感じなんですけど、
そういう感じの方も結構おられるのかなと。
そうですね。
ここ数年は旅型のやつですね。
旅型のやつ。
ここ数年は突然増えました。
ご注文の量が。
旅型に関しては。
この3、4年ぐらいですかね。
もともとは全く売れなくてもいいやというつもりで作ったものなので、
日本の革靴というのをテーマにやっているブランドってなくないし、
自分でそういうふうにやっているんだから、
これをやっておくべきだろうぐらいな感じで作ったものといえばいいですかね。
あと、つま先がキュルンと上に向いているやつとか、
この形は何という形になるんですか。
僕は点先という名前をつけているんですけど、
天井の点ですね。
上を向いているという意味で。
これは余談ですけど、世界中の履物の歴史といいますか、
文化史みたいなのを見ていると、
どういうわけか必ず世界中に
ヨーロッパも中国もアメリカ大陸もアフリカも
ローマとかそういったところも全部あるんですよね。
36:00
とんがって上を向いている靴。
何だろうね。
何でそうしたくなっちゃうんだろうね。
重力量が逆らってますもんね。
逆らってはいないか。
パンプスとかヒールとか。
これでも何か意味的なものもあるんですかね。
履きやすいとかそういうよりは。
靴作りの視点で言うと理にかなってはいるんですよ。
つま先がちょっと上がっていると引っかかりにくくなるので、
そのローリング作用ですか。
つまづきにくい。
つまづきにくい。
靴を普通に置いたら必ずつま先が上がっているんですよね。
確かに。
なのでそれをやるきっかけが先だったのかどうなのかちょっとわからないんですけど、
でも世界中でそれなりの地位にある人が履いている靴がああいうデザインだったりするので、
何か意味はあるんだろうなと思って、僕の研究課題の一つですね。
レニングラウドカーボーイゴースアメリカっていう映画。
日本語台ってなんていうんだろうね。
そういう映画があるんですけど、バンドがあるんですよ。
レニングラウドカーボーイスっていう。
レニングラウドカーボーイス。
やばいんですよ彼らの靴が。
すごい先っちょがですね。
エミリンギストじゃないくらい長いんですよ。
教室の生徒さんで大ファンの方がいて、
それでその人をイメージしたデザインであの着型を使って撮ってました。
絶対それは先っちょ尖ってなかった気がするんですけど、
めっちゃ長いんですよ。先っちょがビョーンって。
すごい長いやつ。
非常に長いですよね。
非常に長いんですよ。それで旅行するんですよ。
踏まれそう。
いろんなそういうシーンがあった気がします。
普通に作ると遠心力で脱げちゃいますよね。
どうなってんのかなって。
先っちょが上がってたら長くてもスキー履いてるみたいな感じになったら
逆に雪とかの上行けんじゃないって思ったよね。
そのままスキー滑れんじゃねえと。
ステゾンって言ってつま先側の方は必ずちょっと伸ばすんですよ。
足ぴったりに作らないので。
それが何センチかまではあっても全く気にならない、歩いてて。
そこでデザインを加える人はいますよね。
ちょっと私、雪山に住んでたらそれを一個。
また増えた。
39:00
だっていいじゃん。
その靴だけで生活で滑って降りれるんだよ。
しかも衣みたいなやつをシールで貼れば雪山登れるんだよ。
あくまで一つ一つ人が手作りなものですから。
今の注文で結構納期はだいぶあれですよね。
ありがたいことなんです。半年ぐらい。
半年かかる。
夏の前にオーダーしないと冬間に合わないです。
そうですね。今の段階で来年の2月ぐらいに。
間に合わない。ダメだ俺。
そこが一般的なファッションのブランドと違ってシーズンとかは考えずに長く使っていただくという観点でやってます。
それはでもすごい楽しみですよね。
私はよく無茶なオーダーとかしたりするんですけど、半年以上かかったりすると、正直言うと一瞬オーダーしたことを忘れかけるんです。
忘れる方いないですね。
その頃に届くとめっちゃ嬉しいんですよ。
これそうそうオーダーしたやつやっと来たみたいな。
二度おいしいみたいな。
そういうオーナーメイドのタイムカプセル使いは正しい使い方ではないと思うんですけど。
いいですね。タイムカプセル感ありますね。
さてもう1エピソード目お時間というところなんですが、最初に野島さんのプロフィール文をご紹介した中で、
いろいろ気になるキーワードがありますねっていうことも言ってたんですけど、
ここまでの話でやっぱり野島さんの日本の履物文化もそうだし、世界の履物靴とかの歴史についてのすごく深い造形があって、
その中でなぜ日本をテーマにした革靴の広報をご自分で始めようと思ったかっていうところ。
そこに至るまでの野島さんの人生というかのお話をお聞きしたいなと思っていたので、
2エピソード目はそのあたりを中心にお聞きしていきたいなと思います。
楽しみです。
すごい楽しみ。
というわけで次のエピソードに続きます。
この番組の感想は、ハッシュタグCONCRAでお寄せください。
もうそれがないと、その感想とか文句でもなんでもいいんですけど。
42:02
文句嬉しいんですけど。
文句嬉しいんですけど。
ほとんどないですけど。
反応してくれたんだ。
反応してもらえることですごい嬉しいのでお願いします。
あとはCONCRAコレクティブも合わせてよろしくお願いします。
次回もお聞き逃しのないように番組もフォローしてください。
というわけで次回も野島さんをお招きしてお話ししていきます。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
42:40

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