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2022-07-12 42:56

S1 ep20 平家蟹の呪いと作り手たちの孤独 犬王見届けようぜ編(蔵出し編)

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前後編の2回で完結するつもりで話し始めた映画『犬王』を語る回。脱線に次ぐ脱線で、到底配信に収まりきらなかった部分が残されたのですが、ちょっともったいないので、今回は「蔵出し編」としてそのはみ出した話をお届けします。平家蟹の呪いの正体とは?自分語りのためには誰かの助けが必要?など。

今回の話題:
平家の恨みが甲羅に乗り移ったと云われた平家蟹/怖がられて食べられなかったことで繁殖した?/単に小さすぎて食べられないから繁殖した?/カール・セーガン『コスモス』/遺伝で同じ甲羅の模様が色濃く残る/呪いと思う日本人面白い/社会の隅っこで生きる/米津玄師「Flamingo」/名前と戸籍/盲人の扶助組織としての座/コンクラについて(キューザーとナコーダー)/自分語りの手伝いをする友魚/人に語ることで自分に向き合える/孤独と戦うアートや工芸の作り手/買い手や使ってくれる人がいないと作り手は報われない?/親から譲り受けた着物のシミ/バズ・ラーマン監督『エルヴィス』

ConCraプロジェクトの詳しいコンセプトは公式サイトへ。
https://concra.jp

そしてここに掲げているコンセプトのもと、実際にモノを作っていこう人が集まるオンラインコミュニティであり実験場 ConCra Collective(コンクラコレクティブ)が2022年3月1日にオープンしました!
興味のある方はぜひお気軽に参加してください。
https://basic.motion-gallery.net/community/concra/

#concra(twitter)で感想、質問、リクエストなどお待ちしています!

パーソナリティ:岩田篤 蔡海 福原志保

00:01
クラ出しラジオは、使わなくなった大切なものを、様々な工芸技術で生まれ変わらせるコレクティブ、コンクラのメンバーが、分かりたいけど勉強しにくい工芸について、見たり調べたり、作り手のお話を聞いて、時に脱線しながら、皆さんと一緒に考えていく番組です。
コンクラの岩田です。
岩田 今日は僕一人なんですけど、ちょっといろんなパターンを試しながらやっていこうかなと思ってまして、長く番組を続けていこうと思うと、あんまりこう、形式にとらわれずに柔軟にいろんなパターンを試していけた方がいいかなと、などと思ってるんですが、
実は今日は犬王編を2話で終わらせる予定だったんですが、かなりはみ出したエピソードが多くてですね。
犬王編くらだしということで、番組名をこういう時にいいように使いまして、カット部分を再編集して、ちょっと僕のコメンタリーみたいなものを加えつつお伝えしようかなと思ってます。
というわけで、まず一つ目はですね、前半のシャープ18のエピソードで、じゃあ後半いきましょうかみたいなところで締めようと思ったところで、しほさんが投げたお話が面白くて、これは尺的にカットせざるを得ないということでカットしたんですけど、
バイオアーティスト福原しほならではの目線というかで、見た犬王ということで、ヘイケガニの呪いって何だったの?みたいなところのお話をしてますので、まずはこちらのエピソードをお聞きください。どうぞ。
ビア・フォーシーの話とかまだ編集してないので、
この辺も、これはもう完全に。
そこもすごい、だからちょっと私わからなすぎて聞きたい。友奈って誰?みたいな結局。いたのかとかもわかんないし、でも結構なんか気になってるところあるんで、実は。
あの最初の場所が断の裏だし、そこからどうして今日に、みたいな。
03:04
ヘイケが辿ったところを辿りながら、ビア・フォーシーに出会って、盲目の人がやれる職業っていうので、自然にビア・フォーシーになってたみたいな。その行き着くところが京都だったみたいな、そんな描き方。
ちなみに先に言っておくと、友奈は完全に古川秀夫の創作したキャラクターです。
あ、そうなんだ。
あくまで犬王、残ってるのは犬王っていう名前だけですね、本当に。農学士犬王っていう情報しかないところからの創作物なんで、ほぼ99%創作なんじゃないですか、この映画。
そうですよね。
やっぱり、あとなんか、断の裏なんだけど、鳥居があったじゃない?
いつくしまですよね。
広島ですよね、あれは。
そう、だからあれ?とか思って、ちょっと混乱しちゃってた、頭の中で。
ここはロードムービーですよね。
そうですよね。だから瀬戸内海をだんだん東に。
山口の方から広島の方に移動したっていうことなんだよね。
そういうことですよね。だから、いつくしま神社も平らの木おもりが建てたので、平法師が語る平家物語では結構重要ポイントなんで、アイコンとして。
私一応福原なんで名前が。
うち広島の関、関じゃない、呉出身なんですよ、父が。
そうなんですね。
そうなんです。なんで完全に関係性を勝手に感じてて。
で、あれ見たときに、ああって思って、あと平家物語も出てくるじゃないですか、福原に行くとか言って。
今の神戸ですよね。
今の神戸がそうなんだ。全然広島の呉の方かと思ってた、勝手に。
福原っていう名前自体も結構少ないから、あのイエローページとか昔見てたんだけど、子供のとき。
少ないんですね。
少ないと思ってて、福原さんっていうより福島さんとかすごい間違えられるから、少ないと思って自覚してたんだけど、
福原さんっていう友達にもう一人って、ソニーにいるデザイナーさんで福原弘成さんって人がいるんだけど、
あまりにも名前が珍しいねっていう自覚があるから仲良くなっちゃって、兄って呼び出して、
今は福原兄っていうふうに世間では言われていて、妹っていうふうに私を紹介するから、
06:00
福原って言われる平家物語ってちょっと不思議とか思って見てたら、その辺の話がつながってるんだって後から知ったっていう。
で、あの映画もその辺のシーンが出てきたから、やっぱり一応そこはロードムービー的に歩いてるんだって思った。
あとちょっと気になったのが、最初のうちに平家が出てくるじゃない。
あれはちょっとバイオアーティストとしては言いたいこといっぱいある。
いっぱいじゃないけど、うちの父がすごい好きで、その話が。子供のときにそれを聞いて育ったから。
で、なんかちょっと喋りたいなと思ってた。
じゃあちょっと。
次回。
次回にしようかな。
まだいけます?
編集的にどっかに入れられるのかわからないけど。
ちょっと今聞かせてください。それ気になる。
そしたら最初に友男がまず、潜っていろんな宝を探すっていうお仕事をしてたんだよね。
で、何か依頼が来て、3種の神器を探せって言って。
その前に船で出るときにカニがこう登ってくるんですよ。船の方に。
で、依頼をかけた2人の役人なのかな。何ですかね。
びっくりして、うわって言って呪いだみたいな。
その時に友男のお父さんが、こいつらは海の陸に出ると呪いだか悪さをするみたいな言ってたなみたいなシーンがあって。
で、平家ガニってそもそもダンノーラの戦いで、恨みつらみを、平家の恨みつらみの苦しんでいる顔がカニの甲羅の背中に乗り移ったって言われがあって。
やっぱりちょっと見ると確かに人がしかめつらしたようなふうに見えるんですよ。
それでみんな怖がって食べないかったから、すごく繁殖しあって、で、いろんなところで見るっていう状況だったらしいです、昔は。
ただ、このこと自体がコスモスっていう本に書かれてて。
09:02
コスモスの、ごめんなさい、今ちょっと読忘れちゃった。お父さんがすごい好きで、その本が。
コスモスってどういう本なんですか?
カール・セーガーのコスモスっていう本があるんですけど、確か80年代かな、多分80年代の本なんです。
それはもう宇宙とか生物学とか、どういうふうにいろんなものが成り立ってできてきたかっていうのを、割とロードムービーじゃないけど、書いていくっていう話に、
カール・セーガーが日本に来たことあるからなのか知らないけれど、兵器館の話を聞いて、面白いなって思って調べたんですよ、彼。
カール・セーガーさんが。実はこの本、数年前にも第2版が出てて、そのときにも兵器館の話が出てくるのかなみたいなんで読んだんだけど、
端折ると、基本実はですね、兵器の呪いが映って、怖がって取られなかったからすごい繁殖しちゃったっていう話は、実は地元の人に確認したとこ、全然違うぞと。
ただ単に、カニとして小さすぎて美味しくないから、食べるとこないから。
だから収穫されないから繁殖してたくさんいるのが、その状況が怖いみたいな。美味しくない。
しかもやっぱり生物学的に言うと、繁殖するし取られないってことは天敵が少なめってことじゃないですか。人間は天敵じゃなくなるんですよ、カニにとっては。
そうすると、烈性有性遺伝というか、遺伝がずっと色濃く残るから、ずっと同じ見た目が続くから、余計呪いが長く、このカニずっとこういう感じだよね、やっぱ呪いなんじゃねっていうふうに思われがちっていう話。
1980年の時にカール・セイカーさんは、呪いって思う日本人面白って思って書いてるんだけど、後々調べたら、ただ単にまずいからですっていうふうな話だっていうことなんです。
うちの父がなんでそれ好きかっていうと、遺伝の研究者をやってるので、烈性遺伝とか有性遺伝の研究をやっていて、強制死学をやってるから、歯並びの悪さとか顎とかの形状とかそういうのって遺伝していくものだから、
12:10
それで結局なんか昔は呪いって言われてたので、さっきの犬王とかも結局呪いとかで異形になったって言われるけど、もしかしたら昔は異形で生まれたとしても殺されてたり殺されてなかったりとかそういう生まれた瞬間にもうこれダメだっていうのか、
生まれた瞬間にこんな毛むくじゃらの生まれちゃったからちょっとみんなに知られる前にちょっと謝めようみたいなとか、なかったことにしようとかいうふうに昔はやっぱり扱ってたかもしれないし、
でもそうしなかったって話でもあるなと思って、結局その育て上げるわけですよ。
だからなんかある意味、悲しいかわいそうなお話なんだけど、兵犬犬となんかすごいそこが連鎖してるなって思ったっていう。連鎖っていうか繋がってるのかなと思って。
見た目が悪くて意味嫌われて怖がられて呪いって言われてる兵犬犬とその犬王の扱いって似てるなみたいな感じでした。
御念。
そうそう御念っていう。でも御念じゃないし、そもそも御念ってずっと1980年まで信じてる人が本に書かれちゃってるくらいだから。
有生劣性で言うとあれですよね、メンデルの3分の1と3分の2のシワのソラマメとツルツルのソラマメの確率で。
あとマツヨイグサとオオマツヨイグサで、オオマツヨイグサはそれで培養してもでかくなり続けるマツヨイグサだから、オオマツヨイグサっていう種がそこからでかいマツヨイグサとして分化したみたいなことですよね。
だからすげえ怒ったカニがそのままあるときは突然変異だったとして、それが培養したら平家ガニみたいなことが分化したかもしれないってことですね。
そのせいで逆に収穫されたりとかしないから食べられたりしないのでっていうところだったんだけども、ただ単に見た目で怖がられたんじゃなかったっていう。
ただ単に食べるところがあんまりないからっていう理由だった。
15:04
っていうような締めでいいんですかね。
この話はストーリーの最初のうちに出てくるから、さっき異形の話とかもひょうたんの顔の話もあったし、そこが犬王に最初ピンとというか、一応面白いなと思って見て。
だから社会の隅っこの人っていうところにスポットは出てますよね。
足引き打ってるとか。
隅っこなんだけど、昔はそういう人たちも生きる場もあったんだよっていうことを言いたいのか、どっちなんだろうっていうのを考えさせられたし、
そういう人たちはミッションを抱えて生きてるみたいな表現じゃないですか。
だからそういうのを今の現代の我々に伝えたいのかなと思ったりして見てた。
何年か前の米津玄師さんとかのフラミンゴっていう曲のPVとかで、
本人が演じてるけど足を引きずってるような異形の方っていうことを演じながら、
社会の隅っこの人にこういう人はスポットを現代に当てたいのかなみたいな、そんな深読みをちょうどしてた時でしたね、そういう意味で言うと。
やっぱりそういう人たちがやる職業って表現だったりとかが、やっぱり当時もあったんだかなとか思うと、
そもそもやっぱり自分もアーティストだから、そういう表現を職業にする人たちのきっかけとか気になるので、やっぱりそういう視点でどうしても見てしまってたんだけど。
実際犬王さんがどうして本当に脳にはまったのかっていうのは、このお話のストーリーすごい大事なポイントだから。
友奈との出会いだったっていうふうにお話が書いてあるから、友奈ってすごい重要なポジションになってるじゃん。
友達とあるっていう名前も変わるとか、でもやっぱり名がないって人たちは存在しないって言われてたわけだから、
今の現代にも実は名はないではないけれど、戸籍がないって人たちもいるし、そういう人たちはどうしてもやっぱり社会的な恩恵、保険とか受けられない。今もそうじゃない?
今実はそうじゃないんだけど、そう思って保険に入れないと思ってるけど、実は入れるんですけど。
18:05
そういうメッセージ性もあるし、結構社会派、かなり社会派な作品だなと思って見てた。
美話法師とかもね、名が見えない人同士で職業の組み合いみたいなのを持っていて。
あれも面白いよね。
ある種の芸能の底上げというか、ある種のフォーマット化してレベルを基本的には底上げしようみたいな、そんな感じの雰囲気はありますよね。
どうやって職種としてやっていくかっていうのからスタートしてるんだけど、結局は芸術としてのスキルアップみたいなのもあったり、
すごく働いてる人たちのお互いの尊敬の仕合い方が素晴らしいなと、それも結構描かれてて、私結構そこを見てほしいポイントではある。
その中の異端に対して、これは違うっていう人と面白いじゃんっていう人の。
いろんな意見があって、どっちにしてもポジティブなんですよ。
異端で言ってるけど完全に否定してないっていうところも素晴らしいなと思って見てて。
やっぱり違いをこうお互い違うよねってスタンスは持ってるんだけど、絶対こんなのあってはならないっていう意見は出てこないってところがいいなと思って見てて。
なんかめっちゃネタバレしてるんだけど、見てほしいポイントですか言っちゃってて。
しかもこれが公開される時は劇場では東京では見れないかもっていう点で喋ってますけど。
東京は今見たらすっごいいろんなところでやってたので、なんかじゅんぐりで回ってるんだと思います。
あとは、どっかで区切りながら喋るかこのままいくかですけど。
塩さんのさっきのヘイケガニのお話とか、まさにそうだなと思って。
あれが呪いであるっていうふうに考えたり、奇形で生まれたことを穢れであるっていうふうに考えたり。
そういうメンタリティ、それは日本人の文化特有なのか、もう少し人間というものがそういうふうな見方をしてしまうものなのかわからないですけど。
そういうメンタリティがある中で、例えば盲人たちの不助組織としてのあいう美話奉仕の団体であるとか、
21:12
ああいうその奇形の人でも輝ける舞台としての能であるとか、なんかそういうことがテーマ性の中にすごく盛り込まれてると思うんですけど、前半ではその能の話をしたんですけど。
はい。塩さんのヘイケガニの話、面白かったんですよね。
映画では本当に冒頭のシーンでチラッと出てくるだけのヘイケガニなんですけど、そこから話を広げて、人々からヘイケの呪いによって甲羅にシカメツラが描き出されてると言われて恐れられたヘイケガニが、
それだからこそ生き延びて繁殖した、と思いきや単に食べるところがなかったから繁殖したっていう話でしたけど、そこから繋がって人々から疎まれながらもしたたかに生きる犬をっていうテーマに繋げていく、そんなお話でしたけれども、
この塩さんが紹介されたこのカールセーガンって人、僕も全然知らなかったんですけど、天文学者で、このコスモスっていうその本は元がなんかテレビドキュメンタリーだったみたいですね。
1980年代にアメリカで放映されて、日本でも放映されて結構話題になったみたいなんですけど、だそうです。ちょっとこのコスモスもチェックしてみようかなと思っております。
というのが前半で大幅にカットした、ここだけで20分ぐらいありましたからね、っていうエピソードでした。続いて後半もですね、またカットしたところがありまして、というのが、この倉田紫雅雄という番組はコンクラという私たち、このパーソナリティの3人だけじゃないですけど、
他のメンバーとも一緒にやっているプロジェクトのプロモーション的に始めたポッドキャストなんですけど、せっかくこの倉田紫雅雄で話すからには、そのコンクラの話とも紐付けながらお話ししようっていうのはだいたい毎回撮るときに思っていることなんですけど、
うっかりコンクラの話はせずに、そこのテーマの話だけで盛り上がっちゃうみたいなパターンが多いんですけど、犬王会もちゃんとコンクラにつながる話は後半の方でしてて、
ただ、わりとこれ、あの説明なしにこの話に行っちゃうと、初めてこの犬王会から聞いてもらう方からすると、急になんかよくわからんキーワードが出てきて、何の話を始めたいのっていう感じにもなってしまいかねないなと思ってカットしたのがこの後お聞きいただく部分なんですけれども、
24:13
ちょっとそのお話に入る前に改めてそのコンクラのお話をさせていただくとですね、あの倉田氏ラジオとしては、シャープ1,2,3,4、初回の4回で、だいたいそのコンクラっていうプロジェクトのコンセプトとか、これまでに実際やったことの話とかをしています。
一言で言うと、いつも冒頭のオープニングのところでも言ってるんですが、使わなくなった大切なものを様々な工芸技術で生まれ変わらせるっていうことなんですけど、大切なものっていうのは別に必ずしもそうではない。
使わなくなったもの、使えなくなったもの、ただなんかそのまま捨てるには惜しいものみたいなものをいわゆるアップサイクル、別のものに作り変えて別の価値を生むみたいな手法ですけど、いろいろやってみましょうというプロジェクトなんですけど、
それをするにあたって、工業的な大量生産的な技術よりも工芸みたいな一つ一つのものに向き合って物作りをするっていうようなアプローチの方が向いてるんじゃないか。
で、何かその今技術を持っている工芸の作り手の人と、そういった何か作り変えてまだ使い続けたいものを持っている人とをつなぎ合わせるようなプラットフォームみたいなものを作りたいねっていうのがコンクラなんです。
で、それの実験段階としてのコンクラコレクティブっていうのを今、今年の3月からスタートさせた。で、それと合わせてスタートさせたのがこのポッドキャストなんですけど、いくつかその中で登場人物がいて、今お話ししたように作り手の方がいる。
で、そういう使わなくなったものを持っている人がいる。で、この2社が行ったところで、なかなかその2社が出会うっていうのが難しい。
というのも、何かものを持っている人は別にそれを作り変える技術がどういう技術が必要かっていうこともわかってないし、どういうふうに頼んでいいのか。で、しかもそれをどういうふうにアップサイクスすれば最適なのかっていうのはわからない。
それを工芸のこともわかりつつ、作り手とそういった使い手を結ぶ役割の人がいるなというのがコンクラのアイデアの中でありまして、で、その仲介をする人をナコーダーと呼びましょうと。
27:10
語源ナコードですけど、あとそのキュレーター的な役割とか、あとなんだっけ、ファシリテーターとかね、なんかそんな役割をする人をナコーダーと呼び、で、さらに何か使わなくなったものを持っている人もただ何か持っているものをはいどうぞあとお願いしますみたいなことじゃなくて、
やっぱりその人がなぜそれを捨てられないのかみたいなストーリーとかが結構大事だったり、で、それをどうにかしたいっていうような自発性みたいなものも必要だったりっていうことで、そのただのユーザー、ただ使うだけの人っていうのではなくて、何かそのものが生まれ変わるきっかけを生み出す人っていう、
よりその能動的な意味を持たせる意味で、キューザーっていうふうに呼んでます。コンクラでは。というわけで、使わなくなったものを持ち込む人をキューザー。
で、それをこの作り手とマッチングするんじゃないかっていうふうに間に入っておせっかいを焼く人というかつなげる人をナコーダーと呼んで、それをまずはちっちゃいコミュニティの中でちょっと実践していきましょうっていうのがコンクラコレクティブなんですが、ちょっとこのキューザーとナコーダーっていう完全に僕らが作った造語なんですけど、
これがいきなりこの会話の中で登場するので、まずはそんな背景がありますということをご紹介して、この後のお話をお聞きいただきたいと思います。それではどうぞ。
それはね、素晴らしいなと思いました。
コンクラ的な話に無理くり戻すとすると、だから友奈みたいな人はナコーダーでもあり、だから最終的にキューザーでもあるという。
友奈は犬王のことを語ることで犬王にかかってた呪いを解くことを手伝うことができたし。
だから自分語りの手伝いみたいな、最初はそうですよね。
そうだよね。
だからやっぱりあんまり自分の話だけとかしていいのかなってやっぱり人って思うじゃない。
めっちゃ思うね。
でもやっぱりそれをこれってそういうことかとか、聞いてる人にも同じようなことが起きたりすると、そういう意味だったのかとかなって、
30:02
それが紐付けられて、連鎖していくっていうことの大切さを体験するだけで全然違うと思う。
なんか承認されてるわけではないんだけど、
一人じゃないんだ、自分だけがこういうふうに感じてたりとかしてたんじゃないんだっていうのに気づくことですごく孤独から救われるし、
あといろんな人が、それをいろんな話聞いていろんな人がいるなってやっぱり逆になこうだ的に思うし、
でもそもそもその芸術やってやるって、すごい孤独との戦いだなっていつも私思ってて、
制作って一人でやってると本当に孤独でつらいんですよ。
私は出産を一人でやるみたいな悲しい行為だなって思う時があって、
工芸の人たちってやっぱりそういうのすごい、アーティストはまだ発表の場とかもあって、
最近アートを買おうぜみたいな空気があったりとかして、現代アートとかまだ興味持ってもらえるけれど、
工芸ってやっぱり出す場所だったり買って使ってもらえるとかそういうのも減ってきたりしたら、
そんなに鍛錬してさ、孤独とどうやって戦ってるんだろうっていうのが、
私工芸のやってる人たちに対する興味というか、そのモチベはどうやって続けていってるんだろうとか思うんだよね。
そうですね。だから芸術作品のようなことを作ってる工芸家ももちろんいるんですけど、
もっと身近なものとか日常にどうやって存在させるものっていうことを考えてる人らで、
そんなに日常に溶け込んでいったらそのものが主張する必要もないっていう考えの人ももちろんいるわけで、
その中にはすごく鍛錬された技術とかが集まってて、それは結構作り手の内面的な課題をクリアしていくような感じで獲得した技術かもしれないしとか、
そうやって思うとね、アーティストとはまたちょっと違うような孤独というか、そういうものは感じますよね。
もうちょっとパトロンとかいないと、その孤独と戦いながら続けていくっていうのは本当に難しいよなっていう。
絶対会話の相手は、これ工芸家に限らずですけど、増えた方が絶対いいはいい。
33:02
お金とかだけじゃなくてね、本当にモチベーションの話を聞いてあげるとか、
それだけじゃなくて、作った人にこういうふうにどうやって作ったんですかとか、聞くだけでも多分それを説明するだけでもかなり、
彼らのそういった孤独との戦いっていうのはだいぶ違うなって。
音楽ってやっぱり聞く人もいるし、それがなくても自分で弾いて楽しいっていうのも2つできるなと思う表現方法だなと思うんだけど、
工芸って書いてがいないとか使ってもらえる人がいないときにあんな苦労して、
素材も高いし時間もかかんのに、作ってみたいから作るぞっていうノリのレベルじゃないものばっかりじゃん。
結構だから塩さんが受け継いでる着物とかのやつとかで、まあまあちょっとした安い言葉で言うと相当頑張っておられたものとかにだいぶシミがついてたりとかすると結構グッときますよね。
大ショックですよ。うちの母着物の仕事してて、実は京都に年間何回行ってたんだろうこの人ってぐらい。
昔通い詰めてて今はやってないですけどスタイリストやってたんですよ着物とかの。で指が曲がっちゃうぐらい短物をシュッシュって何て言うかな。
筒状じゃないですか。で巻くじゃないですか。それやりすぎて指が曲がっちゃってるぐらいってことをかなりやってるんですよね。
とにかくそういう仕事やってたらうちにいっぱい着物あって、それの本当に一部だけもらったら結構シミがたくさんあった。
大ショックっていう。でもやっぱり今の現代じゃこれ作れるのだいぶむずいだろうなっていう仕事のやつとか、
作家物って言われてその一点物のものとか作家物って言われるのは手書きの着物とかもあって、それでも多分その人がいなくなったら描けないものじゃない?絵を着てるみたいなもんだから絵画を。
だからあったことないだろうけど作り手の顔を想像してそれ作ってる時のことを想像すると、このままちょっとあれしていいのかな。
見つけた時になんかもうどうにかして。でシミ取り屋さん持ってったら何万円ですか?言われて。ひっくり返りそうな金額になって。
36:05
そろそろあれじゃないですか。コンクラに相談じゃないですか。
コンクラに相談ですかね。一応着物の東京の着物専門店、シミ専門店って行ったんですけど、すごい金額でしたね。
新しい着物買えんなみたいな金額になって、絶望を感じて、実は今シミの抜き方を研究しております、自分で。
何とかしようと思って自分で。コンクラでもしもだからシミをどう染め、逆に染めるって手もあるので、暗い色とかで。そういう案件来たらちょっと私対応できるくらいになりたいと思った。
あとコンクラは何かほころびを直すというよりは、どういうような自分のストーリーを重ねていくかっていうようなことなんで、今回の話に戻すと、
自分語りっていうことをそこにやってくれる情熱があってもそれほどなくてもどっちでもいいんですけど、ある分にはできるだけ引き出したいなと思うし、
とにかく自分語りの手伝いをしたいなっていうのは、あんまりまだ相談という相談まではあれですけど、来たらそういう構えでいたいなという、そんな気持ちではありますね。
やっぱり自分語りだけでもなく、聞いてきたおばあちゃんから聞いたんだけど、持っているこの工芸品とか、家で大切に保管されたものの物語っていうのを引き継いでいくっていうことで。
あれですね。僕らは現代のビア・フォーシとして拾えてない物語を拾って語っていくっていうことを、このポッドキャストで続けていけたらいいですね。
やっぱゲスト回欲しいよね、そしたら。
当然それは。
自分語りを始めるために誰かの助けがいるっていう話とか、作る人たちの孤独みたいな話だったんですけど、個人的にホットなトピックを今日勝手にお話をすると、
クラダシラジオ的にはあまり関係ない話かもしれないんですけど、バズ・ラーマン監督のエルビスという映画が7月1日から公開されていて、公開初日に見てきたんですけど、やっぱり自分自身では語れないことを誰かに語ってもらうっていうことの重要性みたいなものを改めて感じた映画だったんですけど、
39:15
前回のエピソードで僕が投げたアメリカの奴隷制とロックンロールみたいな話の中で、黒人の音楽を白人のマーケットが書き換えて自分たちのものにしたみたいな、かなり単純化した構図で説明をしたところがあったんですけど、
今だとそういうのって例えば文化投与みたいな言い方で批判されたりすることが多いのかなと思うんですけど、エルビス・プレスリーってやっぱりロックンロールのオリジネーターの一人だし、一人というかもうキングオブロックンロールみたいなふうにも言われる人なので、
そういう視点で見た時に、批判の対象にもなりやすい人だと思うし、50年代にデビューしてすごく大スターになって、その後70年代にもう一回帰り咲いてみたいな中で結構誤解もあった人なのかなと思うんですけど、
そういう僕も70年代のグリッターなエルビスはちゃんと聴いてないけどなんとなく先入観で、あんまり50年代のエルビスは最高やけど70年代のエルビスはちょっとなみたいなふうに思ってた節が、節がというかめっちゃ思ってたんですけど、
まんまとそういう先入観が覆されるんですけど、すごくバズラーマン監督の描き方として、エルビス・プレスリーがどういう黒人たちの文化にどういう形で影響を受けて、どういうことを考えてアウトプットしていったか、
もう一人の主人公と言っていいと思うんですけどトム・パーカー大佐っていうエルビスをスターダムに押し上げたマネージャーだった人、この人のある種視点で描くことでそのエルビスのスターの顔とはの裏にある孤独みたいなものとかっていうのをすごく丁寧に描いていく。
丁寧に言ってもあのめちゃくちゃあのスピード感のあるもう目まぐるしいスピードで展開する映画でもあるんですけど、ともあの映画の話をするポッドキャストではないのでこんなところにしておきますけれども、今の蔵出し部分のお話とちょっとリンクするなと個人的に思った話題でした。
おすすめです。ぜひエルビスも見てみてください。というわけで蔵出しラジオは毎週火曜日配信しています。ぜひあの番組をフォローして毎週聞いていただければと思います。
42:06
感想はハッシュタグCONCRAでお寄せいただけると嬉しいです。それから概要欄にリンクを貼っているんですが、コンクラコレクティブという僕らそのコンクラのコンセプトで実験をする場所っていうのが誰でも入れるようにオープンしています。
といってもその月額簡易性みたいな形のシステムにしているんですが、それの説明もまたよければ概要欄からご覧いただいて参加していただけると嬉しいです。というわけで次週もお楽しみということでありがとうございました。
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