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2025-05-14 32:04

#13 トンネル・ダム・道路…巨大インフラを支える土木の世界~前田建設工業岩坂さん・林さん:前編~

*Podcastの内容はゲスト並びにパーソナリティの個人の見解であり所属組織を代表するものではございません

■トピック

土木は何を扱うものなのか(建築以外のもの)/土木の市場規模は建設業界70兆円の3-4割前後/土木は公共関連のものが中心/今の土木は価格だけでなく工事の工夫・提案も評価される(総合評価落札方式)/発注者が重視するテーマとしての環境/シールド工事における建築工事との違い(繰り返し作業が多い、現場にいる職員の人数が少ない、施工前準備期間が長い)/データによる改善がしやすい/近隣住民の方に影響がないように土・水の把握が重要/

■本日のゲスト

①岩坂照之さん

前田建設工業株式会社 執行役員 ICI総合センター長

日本大学理工学部交通土木工学科(現交通システム工学科)卒1993年前田建設工業株式会社入社

入社後6年間はシールド工法における自動掘進・組立を実現するシールド統合制御システムMAIOSSの企画実装に従事。いくつかの国内留学を経て、2019年から同社ICI総合センターにおいて異業種共創によるインフラサービスの事業化を担当。現在は上学科の客員教授も務める。

②林幸一さん

前田建設工業株式会社 東京土木支店 作業所長

東京都立大学工学部土木工学科卒1988年前田建設工業株式会社入社

主に電力、上下水道、鉄道など都市部におけるシールド工法を適用したトンネル現場に多数携わる。中でも併設した横二連のトンネルを縦二連へ変化させたり、そこから二本のトンネルに分岐させることが可能なH&Vシールドの貴重な経験者。

■パーソナリティ

平田 拓己(⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠@internet_boy53⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠)

waypoint venture partners 代表取締役 Founding Partner

甲南大学卒業後、独立系VCに新卒入社しファンドレイズやPreSeed~Seedステージを軸に12社のスタートアップに投資。2023年にwaypoint venture partner(独立系VC)を設立し、「新しい街づくり」「産業の持続的成長」「個人のエンパワーメント」を軸にPreSeed~Seedスタートアップへ投資

斎藤寛彰(⁠@HiroakiSait⁠)

戸田建設(株)ビジネスイノベーション部課長 一般社団法人建設テック協会事務局長 / 早稲田大学招聘研究員 東京工業大学大学院修了後、2012年に戸田建設に入社。建築施工管理、エンジニアリング等を経験後、経営企画、ICT戦略部門等を経て、現在は国内外の優れたスタートアップ企業への投資とオープン・イノベーションに取り組む。国内外の建設関連スタートアップ企業4社でEvangelist / Executive Fellow / アドバイザー 等を務める。建設DXや建設×イノベーション領域での研究活動にも取り組む

サマリー

今回のエピソードでは、土木業界の重要性とその構造物について深掘りしています。トンネルやダムなどのインフラの役割や、入札プロセスの変遷が語られ、公共性の高い土木事業の課題と施主の傾向についても触れています。このエピソードでは、土木業界における入札方式や環境への配慮、シールド工事の特徴について話し合われています。特に地域性や環境保護の重要性が強調され、トンネル掘削のプロセスや技術革新についても深堀りされています。このエピソードでは、トンネル工事に関連する新しいセンシング技術や測量技術が取り上げられ、建設業界におけるスタートアップのチャンスについて議論されています。特に複数のセンサーを組み合わせることで、リスクの可視化や安全な施工の実現が期待される点が強調されています。

土木業界の基本理解
皆さん、こんにちは。ウェイポイントベンチャーパートナーズの平田です。
戸田建設の斉藤です。
建設テックAtoZでは、これから企業を目指す方や建設業の建設領域で事業に取り組むスタートアップの方に向けて、
初歩から分かる建設領域の解説と、建設関連のニュースやテクノロジー、スタートアップについて深掘りをしていきます。
今回は、建設業界の中でも土木の領域にフォーカスをして、業界の理解であったりとか、課題の深掘り、
足元で取り組まれている課題解決策について、2本立てでお話をしていければなと思います。
今回、土木領域にフォーカスするというような回になりますので、よろしくお願いします。
私も建築の方は詳しいんですけど、土木の方はですね、現場とかいくつか訪問させていただいたことはあるんですけど、
土木の技術者であった経験はないので、今回どんなお話が聞けるか楽しみです。
ありがとうございます。
ということで、ゲストの方に参加をしていただいておりますので、まず初めにご紹介をさせていただければと思っております。
今回のゲストは前田建設工業株式会社より、岩坂さんと林さんにご参加をいただいております。
ぜひ日頃やられている業務だったりとかも絡めながら、自己紹介をお願いできればと思いますので、岩坂さんからで大丈夫ですかね。
自己紹介をお願いします。
前田建設工業のICI総合センターというところで、新しい技術であるとか差別の開発を担当しております岩坂でございます。
もう30年以上会社にいるような人間です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
早須さんもお願いできますでしょうか。
私の方は主に都市土木でシールド工事の現場を点々と長年やってきております。
前田建設工業の林と申します。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
シールド工事っていうとトンネルとかそういうのになってくるイメージですかね。
そうですね。私の経験でいうと東電さんや下水道のインフラのシールドから道路や鉄道の交通系のシールドもやっております。
なるほど。すごい幅広いですね。ありがとうございます。
トンネルの掘り方ですよね。シールドの。
そうですね。
そのあたりも今回土木の領域のお話になるので、そういったどういうものを対象に工事をされるのかみたいなところもどちどち伺っていきたいなと思うんですけど、
今まででいうとどちらかというと建設業界全体にフォーカスしたような話を中心にポッドキャストで扱ってきたかなと思うんですけれども、
今回に関しては土木についてっていうところでお話をしていきたいなと思ってまして、
土木の領域のベースの部分の理解のところから理解を深めていきたいなというところで、
今回岩坂さんにお声掛けをさせていただいて実現した回というような形になります。
かなり初歩からの業界理解みたいな話になるかなと思いますので、
そこから現状の課題であったりとか、それに対しての対応策みたいなところも含めてお話を伺っていければありがたいなと思っております。
今回一番最初にまず伺いたいなと思っているのは、土木業界をまず全体から理解をしようっていうところでして、
今まで過去の回で建設業界っていうのは建築と土木の2つに分かれるっていうお話をこれまでさせていただいてたんですけど、
その中でも建築のお話はこれまで少し触れてきたんだけれども、土木の方についてあまり触れてこなかったよねというところで、
そもそも土木って先ほどもあったと思うんですけど、具体的にどういう構造物を扱ってるのかみたいなところを、
まずすごく初歩的な質問でよろしくなんですけど、教えていただけたらなと思うんですが、いかがでしょうか。
土木業界の市場動向
実はそういう根源的なというか素朴な質問が一番僕ら難しくてですね。
建築以外みたいな言い方をついしたくなっちゃうんですけど、
構造物的に言うと僕ら頭の悪い言い方しちゃうと、トンネルとかダムとか宅地造成とかというような言い方になるんですけどね。
私も本当に冗談抜きで、建築でいわゆる箱的なものを作る以外の部分というような言い方をするときはあります。
それでいうと、基本的に僕らが接しているところだと、それこそ高速道路とかああいう道路の類も、要は土木に入ってくるようなイメージになるんですよね、きっと。
そうですね。一般的に作ったもののエンドユーザーさんが特定多数の一般の人たちという認識で私はいます。
ですので、鉄道、道路、あるいは皆さん何気なく使ってます、さっき言った下水道とか水道とか、電力のトンネルとかもあるんですけども、そういったものが土木の短中という認識ではあります。
誰か特定の人たちだけが使うものではなくて、みんなが一般的に使う公共財的なものが基本的には対象になるのが土木っていうそんなイメージですよね。
そうですね。そちらが圧倒的に多いというのが土木だと思います。
そうなった時に、今まで実は建設業界ってすごく大きい業界だよねっていうところで、大体2023年度ですかね、で言うと73兆円ぐらい建設投資の規模があるっていうようなところで、市場規模すごく大きいよねっていうお話をこれまでもしてきたんですけれども、
大体70兆円ぐらいあるうち、土木の割合ってどれぐらいの割合になってくるのかであったりとか、あとは今のお話を伺っていると施主の方、要はその建設を依頼する方っていうのが比較的公共寄りの方になっていくのかなと思ったんですけど、なんかそのあたりの市場ってどうなってるかって教えていただいてもいいですか。
はいはい。まずその業界全体の統計なんかをご覧いただくと、もちろん年度によって出っ込み引っ込みあるんですけれども、建築と土木の比率ってどうですかっていうと、大体建築が7割弱です。建築の方が多いです。
土木が4割切ってるかなみたいな感じで、65対35みたいなところでいい線かなというふうに思っています。大体建設だけを見ても若干差はあるけど似た傾向ですね。それから今平田さんからいただいた発注者の比率で言うと、民間も実は65%ぐらいでいいんじゃないかという統計ですね。
で、政府の方が35ぐらいっていうようなところで、大体65対35ぐらいのところから多少前後するなと、前後というか出っ込み引っ込みすればいいなというふうにお考えいただいて、まずあってるかと思いました。
はい。なるほど。わかりました。ありがとうございます。なんか土木の仕事を依頼する方の割合で言うと、どちらかというとその公共の割合がぐっと高くなるっていうようなイメージなんですかね。
そうですね。土木でも民間扱いになるのがさっき言った鉄道の私鉄さんとか、まあ言ってみれば東京メトロさんなんかも民営化したんで民営になって、NTT電力ですね。
はい。とかも民間扱いにはなるんで、そういうわけを官民にすると64とか近づいてくるんですけども、さっき言ったように一応公共的に使う部類にすると、もう本当に圧倒的に官扱いというのが多くなると思います。
だから発注者が公共ですという時に、今林が言いましたけれども、やっぱり皆さんに使っていただくものなんである程度発注に対して透明性であるとか公平性であるとかそういうものが担保されるのでルールが非常に厳格に決まっている部分がありまして、
まあそういうそのルールのなんて言うんでしょうね、柔軟性と言いましょうか決まり具合なんかでどう見るかっていうので、なかなか一般に民間公共って言いにくいところもあるんですが、まとめると土木ってやっぱり皆さんにお使いいただいて皆さんの生活を支えるような構造物が多いものですから、
どうしても見れば民間のお客様といえどもかなり公平性と透明性を保った形になっているというのが一つのポイントになるのかなというふうに思っております。
そうなんですね、なんかすごい素人的な感覚で言うと、その民間の方が施術者になられる場合で言うとなんか建築と同じような感じで決まっていくのかなぐらいに思ってたんですけど、その土木の場合だと結構その公共性が高いものだと結構ルールが比較的統一されているというか、なんかそんなイメージなんですかね。
そうですね、やっぱり汽鉄とか高速道路なんかもそうなんですけれども、若干やっぱり国の金というか、自治体の金とかそういうの入ってくるんで、そうならざるを得ないというふうになります。
入札プロセスの変化
そのお金を使っている以上そっちに対してのレポーティング義務も発生するからみたいな、そんな感じになるんですかね。
なるほど、そういうことか。すごく新鮮な気づきでした。ありがとうございます。
なんかそうなった時に、今まさにルールの話とかが結構厳しめに設定されてたりするよねっていうお話があったと思うんですけど、なんかそういった土木の場合って案件獲得のプロセスって、いわゆるその建築の領域と少し違うのかなと思ったんですけど、
なんかいわゆる素人イメージで言うと、入札とかいろいろあるようなイメージでいたんですけど、なんかそのあたりの土木の案件獲得プロセスって、どんな感じで案件を取ってこられるんですか。
そうですね、やっぱりそれも時代とともに変わってきてまして、ちょっと15年20年前、ちょうど民主党政権ぐらいの時期は、まあ安ければいいみたいなことがあってですね、特に公共事業とか税金を使うものが安ければ安いほどいいじゃんみたいな時期がありまして、
その時はもう本当にゼネコンの体力勝負っていうか、もう他よりも1円でも安ければ入札すれば取れるみたいな時期があって、ちょっとそれが続いたんですけども、そうするとゼネコン全体も彼が出てくるし、発注者さんも今度は品質の問題とか、安かろう悪かろうでは、
さっき言ったようにエンドユーザーはあくまでもファンの人々なんで、そこを下げるわけにはいかないんで、まあそれに気づいたのか業界からお願いしたのか、それはちょっと私はわからないけども、そのうち価格ライン、最低ラインっていうのが決まりだして、それ以下はもう失格ですよっていう風になって、
標準価格の何パーセント以下で入れたらもうあなたのところは取りませんみたいになっていて、さらにそうするとみんな同じような金を入れざるを得ないんで、そうすると選びにくくなっちゃうんで、それもあるし、またいいものを作って世の中の役に立ちたいっていうのも発注者さんもうちもあるんで、
それをじゃあ具体的にどうするかっていうと、これはいくらでやります。これを作るのにこういういい材料を使いますとか、こういう安全な方法で確実にやりますとか、あるいはこういう方法を使って人より早くできますとか、そういった提案をプラスして提案で点数をつけて、
選ぶっていうような入札スタイルに変わってきて、現在はそっちの方が主流かなっていう感じになってますね。
なるほど。なんかその提案っていうのも、今まさに挙げていただいた通り早くできますとか、ちょっと変わった環境にいい素材を使いますとか、多分いろんな提案の仕方があるんだろうなと思ったんですけど、なんかその提案の項目とかっていうのは、なんかこういう観点で見るよみたいなのがそれぞれその工事ごとに開示されているものなんですか?
そうですね。お題は与えられることが多いです。
なるほど。それに合わせて提案をしていくっていう感じなんですね。
そうですね。発注者さんがこの工事はどうしても早く終わらせたいっていう思いがあるなら、工事を早く終わらせる方法を提案してくださいってなるし、
例えばちょっとこれ危ない作業だから不安があるんで、安全なところにやらせたいっていう風になれば、こういう作業を安全にやる方法を提案してくださいっていう風な、一つの例としてはそういうお題が工事ごとに出てきます。
今、林が言いましたけど、そもそも論なんですけどね、公共調達って法律で枠組みがあって、国においては会計法っていう法律があるんで、安ければいいよねっていうところからそもそも始まってるってあるんですね。
超公共団体が発注者の場合は超自治法で規定されてるんですけど、そういうことで安いものいいよねっていう考え方だったものが今林がお話させていただいた通りに、でも工事難しくなってきたよね、環境面もあるよねみたいなことで時代とともにどんどん技術であるとか、提案内容とかそういうものがその発注の中に入ってきてというようなことで、
今のルールがどんどん多様化してるって言い方で多分、入札の方法がいろんな方法に増えてきましたというような理解でよろしいかと思います。
入札方式と情報開示
今おっしゃってた入札方式は総合評価落札方式のことかと推察しますが、スタートアップさんにとっては非常にヒントがあるというか、発注者様が求めているヒントがすべてそこの募集要項に入っている、入札の要項に入っているということだと思うんですけど、そちらの入札の要件に関しては一般に開示されていて入手することが可能なんでしょうかね、スタートアップ様にとっても。
基本的には入札申請をして、あなたのところ入札していいですよという許可をもらったところにしか多分お題は開示されないんじゃないかなと思います。
ありがとうございます。
なので、どういうお題が多いんだろうとか、こういう地域では何が求められるんだろうみたいなことを、僕ら業界としてもうちょっとうまくまとめてベンチャーの皆さんに出していくみたいな活動はすごい意味があるかなというふうに思います。
ありがとうございます。ベンチャーの方からすると、ゼネコンの入札に関連している方にアクセスできるというのが、そういった情報に触れられる一番の近道ということですかね。
そうですね。
ありがとうございます。
ちょっとその延長線上で伺ってみたいなと思ったのが、今地域だったり業界みたいなのでこういうところが期待されているみたいなお話がちらっとあったと思うんですけど、
これって例えばで言うと、今現状どういう地域だとどういうところに比重が置かれているとか、こういう業界の場合こういうテーマがすごく最近重視されているよねみたいな具体例としてあられたりしますか。
そうですね。一人一人とも意見が違うと思いますけど、じゃあ岩坂からいきますが、私は結局長いスパンで見ると、やっぱり一言で言うと環境ってことになるんですけども、環境というものも非常にこの工事の種類とか場所によって違うなと思っています。
環境って言葉広いですけどね。
はい。
いわゆるCO2削減しましょうみたいな王道で、これは本当どこのゼネコンさんにベッチャーさんがご提案してもいろいろ話聞いてくれるんじゃないかなと思うところなんですけど、
やっぱり騒音であるとか振動、あるいは粉塵と言いましょうかね、埃みたいなのを含めて、現場周辺の方にいかに快適にお過ごしいただくかみたいなことも含めて環境という言い方をしたりしています。
で、それがまた工事をする場所によってそうすると、こうだよねっていうことで、ちょっと水に配慮した方がいいかねとかね、そういうのがいろいろ変わってくるところだと思う。
まず一つはそこかなと思う。
今ので補足して地域性で言うと、例えばある地域の自治体の発注だと、その地域にある専門業者とかを使うと点数上げますよみたいなのもありますよね。
なるほどなるほど。地域活性って意味ではそうなりますね。
そうですね。地域活性の意味でですね。
なるほど、へー。
それはちょっと極端な例かもしれませんけど。
あと、岩坂の言った環境の例で言いますと、例えば環境保護で、例えば山岳トンネルで珍しい鳥がいると、それを保護してやりなさいとか、川が近くにあるので、川の生態系に影響しないような方法を提案してくださいとか、そういったものは多分にあります。
環境への配慮と地域性
たまにそういう環境保護団体の方が声を上げられてるみたいなのを見たりするんで、要はそういう絡みのことってことですよね。きっと。
そうですね。やっぱり音だったり、動植物だったりすると、実はモニタリングも結構大変なんですよね。
そうですよね。
そういうのも含めて、実は幅広に求めている技術があったりするということがあるので、この後もそういうお話もしなければ、またそういうのもお話できればなというふうに思っています。
ありがとうございます。
じゃあ一旦、プロセスというか、入札であったり案件を獲得どうするかみたいなところをお話し伺ってきたんですけど、逆にじゃあそこで入札に成功しましたと、じゃあ実際にその現場を施工していきますみたいな話になったときに、
実際にその現場に関わる人たちっていうのがまたちょっと建築と少し違ってくるのかなと思ったんですけど、
これそもそも何を作るかによって全然違うよっていうお話もあると思うので、何かこのテーマの喋りやすいなみたいなところにフォーカスしてお話しいただければと思うんですけど、
実際にどんなプレイヤーが参加をされるのかであったりとか、あとはどんなステップで現場が進んでいくのかみたいなところをお話しいただけたらと思いますし、
そこの中での建築との違いというか、みたいなところを見えてくればありがたいなと思うんですけど、実際現場ってどんな感じで進まれていくんですかね。
じゃあお言葉に甘えて、ここにいる2人はシールドの担当ですので、シールド工事ということでいうと、建築との違いはですね、まず建築以上に繰り返し作業が多いってことかなと思っています。
シールド工法のトンネル現場でも、三角トンネルの工法現場でも同じなんですけど、土を掘って、周りを崩れないように固めて、
土を出して、また次、新しい方向に掘りますという、そういう繰り返しがすごい多いというところがあって、仮にデータを取って改善してみたいなことをDXだと定義したときに、
データ取って異常検知して、それをフィードバックとして自動制御みたいなのは、実はシールド工事なんていうのは建築以上にやりやすいところはあるかなと思います。
それからもう一つは、現場、トンネル工事でいうと、一番掘っている最先端、切り刃ですね。切り刃は案外人いないんですよ。
シールド工事に至っちゃ本当に、下手したら片手くらいですか、最近は。
片手人数ぐらいしかいないので、すごくそういう機械化、自動化、トンネル工場だなんて見学していただくとおっしゃっていただくお客さんいるぐらいですので、
実はそういう繰り返し作業と機械化が一番進んでいるのがシールドだと思いますので、そういった部分では本当はもうちょっとベンチャーさんに、
シールド工事の細かいニーズってこんなですって、開示する機械を業界としてシールド工事マッチングイベントみたいなのがあってもいいのかと思ったりはしています。
私がちょっと建築との違いを感じているのは、土木のほうが準備期間が長いなという感じはします。
シールドで一回入れたり、物を入れたりする場所は一箇所とか多くて二箇所なんですけど、掘っていく路線というのは1キロ、2キロ、長いものだと5キロ超えるものもあるので、
土木の特性上、例えば1キロ、2キロ先の土とか水の状態を把握しておかないと計画ができない。
そうなると何百メートルピッチ下に土の調査を入れたり、あるいはそういった直接的な工事の調査もしっかりなんですけれども、
1キロ、2キロ先ずっと何もないところはあまりなくて、民間の人が住んでいる居住地があったり、
それこそ学校とか駅とか人が多く集まる公共施設があったりするので、そういったところの動線に邪魔にならないとか、あるいは説明自体をしなきゃいけないということで、
そういう準備に建築よりは時間を取られるかなと。逆に言うとそこの時間を短くするのに、
例えばそういう土を調べるのも早くするのに、そういうところで一夫婦があればちょっと短くできるし、
例えば沿道説明とか、沿道にお知らせをする方法は、僕なんかすごい古い人間で、僕は若い頃は一件一件ポストインしてたんです。
もう嫌になっちゃうぐらいやってたんですけど、こういうのって今の時代パッとできるのがあるんじゃないかなと。
それをちょっと沿道が良しとするかどうかはわからないですけれども、こういったところに今の時代にあったものがあるんじゃないかなとは感じてますけどね。
そうですね。やっぱりまずは非常に厄介な土の皆さんと地下水の皆さんをまずどう把握するかっていうのは結構大事で、
これだから変な話、センシングも難しいんで、未だにこうじゃあ掘ってみっかみたいなところがやっぱりチェックポイントなんですね。しかない。
で、またトンネル掘るところ全部ほっくり返すわけにはいかないんでっていう、この土と水っていう厄介な皆さんをどう向かって正確な計画に落とし込むかっていう意味でのセンシングとか、
水路の園地みたいなものとかですね、そういうのは建築以上に確かに大変だと思います。
さらにトンネル掘ってて突発的に変化するんで、そういったときのいかに早い対処とか、そういうのもありますし、あと今林が言ったように、
そういう情報の開示、透明性を持ってかつ効果的に沿道の皆さんにどうだすかみたいなのも、そのあとトンネルだと非GPS空間だっていうのも結構、
シールド工事のプロセス
IT飛ばしにくいですよみたいなところもありますね。まず大きくそこを説明すべきでした。
はい、ありがとうございます。
余談で、私の感想で言うと、土木って土と木って書くじゃないですか、木ってちょっとこう歪むと水に見えちゃうんですよ。
本当は土水で土水なんじゃないかなって前からそう思ってた。
トンネル屋はそうですよ。本当にそれだけです。
余談です。すみません。
ありがとうございます。非常に面白い話で、土と水っていうのは多分、トンネルもそうですし、造成工事においてもやっぱり土地も掘ってみないとわからないっていうか、
掘ってみると下から障害物が出てきたりだとかってことも未だにあるんですね。
私も地中の中を事前に把握したいというニーズは根深く建設業界、建築の中でもありますし、土木の皆さんもお持ちですし、あるんですけど、
未だにそういった技術っていうか、あらかじめ予測できるようなものってないですよね。
ないですね。いろんな試み、いろんな会社さんでやられてると思うんですけど、決定盤っていうのはやっぱないですよね。
せめて地表からちょっと下がった部分ぐらいまでは探査できるものがいくつか見たことはあるんですけど、なかなかそこの課題は難しいですよね。
最近ね、ご存知の通り逆にトンネル掘る位置がどんどん深くなってて、いよいよどうしましょうというような状況に地下30メーターだ40メーターだみたいな話に、
皆さんも地下鉄に乗ると新しい路線ほどいっぱい階段降りないかみたいな経験あるのはまさにあれですね。
本当にそうですね。
僕らもどんどん深くなるんで、どこまで深くなるんだろう、ところがあります。
首都高もすごいですね、最近。環状線とかも。
本当に土と水をいかに制するかっていう言い方になっちゃうかもしれませんけど、どこのセンシングとかっていうのはみんなが困ってるところで、
これを突破されるんじゃないかと。
ありがとうございます。
土と水っていうのは、地下水が出てきちゃうとまずいよねっていうのはなんとなく素人面にも直感的になんとなく理解できるところなんですけど、
土っていうのは、要は想定よりも柔らかい地盤だったりすると、その上に物を作ったりするのはなかなか大変だったりとか、
作ったものの耐久性に影響が出てきちゃうから、そういう土質みたいなものを見てるっていう、そんなイメージなんですか。
はい、じゃあ私のほうから。今平塚さんがおっしゃっていただいたことであってまして、
土の性質をどのように把握するかっていうのは、学会でこういうような数字を取りましょうって決まってます。
例えば土の粒子の一個一個の直径であると、それがどういうような大きさのものがブレンドされているとかですね。
ブレンド具合で土の性質をやれ、知るとか、呼び方が変わったりできたとかあるんです。
そういうものを、僕ら土木屋が分かる形でデータで把握するっていうのも一つ大事です。
ただ、究極の目的は今平塚さんがおっしゃったように、トンネル掘ってるときに、
もう上にお住まいの方たちには全くトンネル掘ってることがわからないように、1ミリもぶらさずに掘れるみたいなのが僕らの理想なので、
そういう意味で、今学会の標準となっているものだけでなく、センシングするような何か、
すみません、この何かがわからないで何かになっちゃうんですけども、そういう技術があれば、
僕らとしては、あとは学会として、あるいは土木の先生方も含めて、あるいは発注者の役者も含めて、
やっぱどんな良い技術あるんで、これは使うべきですよっていうルートに乗せて、それを標準にしていくみたいなのがあるので、
トンネル工事のセンシング技術
そういう土をいかに、こういうトンネルでこういう掘り方をすると、こういう挙動になるよね、みたいなところをどうシミュレートするとか、
正常を把握するそのものと、シミュレートする技術と、実際にそれを成し得る技術みたいな、
計測、シミュレート、実際の施工みたいな、いくつかのフェーズで向き合うことができる。
スタートアップに関連してでいきますと、サー衛星というSAR衛星という、地上にマイクロ波を照射して反射波を受信して、
地表面の変化だとか形状なんかを把握する技術が、最近衛星技術の発達において非常に進化してきているところがあると理解していまして、
そういった技術がもしかしたらシールド工事だとかの、その進化だとか変化量を、あったらダメなんですけど、変化した場合にいち早く把握するというセンシングの機能としては、
新しいものが出てきたなと最近感じているんですけど、その辺りって今後期待される部分なんですかね、シールド工事とか。
はい、当然期待しておりますし、私も現状100%理解しているわけではないので、もちろん可能性を感じています。
ただ一方で、深いところになったりとか、あるいは地下水の状況が変わったりということで、若干まだ改善の余地もあろうかなみたいなこともお聞きしているので、
個人的な感想ですけど、いくつかのセンシングを組み合わせることでずいぶん良くなるのかなと。
既存のトンネルというのもありますしね、そこから何かを探索することで、
こっちの面からいくとこういうデータだけど衛星から見たときに空洞ここにありそうで、組み合わせるとこの中ね、みたいなところの、
センサーの複数化と一体化の処理みたいなところは多分建設会社の皆さん同じようなことを考えていらっしゃるんじゃないかなというふうに思っていますので、
そういう組み合わせとか、その辺はやっぱり建設業の側に来ていただいて、ベンチャーの方とお話ししないとなかなか伝えられないところかもしれませんね。
なるほど、そういうことですね。複数要素が重なるので、複数のセンサーを組み合わせて、
そうなってくると多分普通の単一のセンサーだけだとカバーしきれなかった本当に必要な変化量というのが定量化できて、
リスクをあらかじめ可視化することもできて、より安全にシールド工事なんかが実施できる、そういった世界観になってきますね。
そうですね。シールド工事でもトンネルをどっちに掘るかというときに先端にシールドマシンという機械がおりまして、
これを掘りたいとおりに向きを向けていかなきゃいけないんですけど、このシールドマシンの向き一つとっても、
土の中なのでGPSが使えないというのがありまして、いまだに測量、自動測量ですね、どうやるかというのがある中で、
例えばジャイロをつけて、シールドマシンがX,Y,Zの座標でどこにいるか分からないけど、北からは何度だったのか分かるとかですね、
いくつかのセンサーを使って、あとはレーザーが後ろから飛ばしてみたいな、複合でやることが多いので、
割とそういう意味ではトンネル技術者もそういう複合でうまくバックアップして、あるいは異常を検知して推測してみたいなことが、
今、俗人的なノウハウになっているところもあるので、それをいかにシステムに置き換えていくかというのが大事な視点かなと思っています。
ありがとうございます。
ちょっとここまでどちらかというとその入札から入札後のフローみたいな形で、まずは業界全体を理解しようみたいなところでお話を進めてこさせていただいたんですけど、
ここからもう少しそのスタートアップにとってのチャンスみたいなのを探っていきたいなと思います。
はい、前編はこれにて以上になります。
スタートアップのチャンス
次回はドボクの業界の課題にフォーカスしたお話をお送りしたいと思います。
本日の内容で気になったところがあれば、概要欄のXのアカウントのフォローをお願いします。
それではまたお会いしましょう。
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