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2024-04-15 39:29

朗読会12:やまとことばを味わいました。

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筒井康隆ワールドを楽しめる『幻想の未来』、氣の向け方で注射が痛くなくなる話などもあります。 今回朗読した本は、こちらです。 ■『やまとことば: 美しい日本語を究める』 河出書房新社編集部(著)/河出文庫 https://amzn.asia/d/bVIJXQM ■『幻想の未来』 筒井康隆(著)/角川文庫 https://amzn.asia/d/cTmG8CO ※聖子さんがお持ちの本の表紙は、Amazonでは古本だけのようです。 ※幻想の未来(表紙別バージョン)はこちら https://amzn.asia/d/hkEqUcF ■『氣の威力』 藤平光一(著)/講談社プラスα文庫 https://amzn.asia/d/aMTcnne


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サマリー

剣術の用語は大抵和語であるが、野球用語は圧倒的に漢語、字音語が多いことが非常に面白い指摘であり、また、合気道を通じて相手の心を導き、抵抗する気を起こさせないという合気道の技が心身統一によるものであることがわかる。小説『幻想の未来』の朗読会では、話の前半で、主人公が子供の頃に出会った謎の美女について語られる。後半では、言語の形式について論じられ、漢語と和語の使い分けについて言及される。山戸言葉が普通の言葉より知性を感じるという話や、山戸言葉を使った文章の美しさについて語られる。

剣術と野球用語の比較
スピーカー 2
剣術の用語は大抵和語である。例えば、かまえ、あしさばき、すぶり、はらいわざ、かつぎわざ、かえしわざ、すりあげわざ、しない、つき、なんて調子だ。
もちろん中には、めんとかどうとか漢語もあるけれど、これは至って少ない。ところが、野球用語は圧倒的に漢語、字音語が多い。
なんや、がいや、とうしゅ、だしゃ、さんしん、しきゅう、あんだ、とうるい、そうるいぼうがい、ぼうとうという調子で、まいきょうにいとまがない。
和語の野球用語は、せいぜい、すべりこみ、からぶり、おしだし、さよならがちくらいのものではないか。
という非常に面白い指摘を、日本の漢字、これは中央討論社館の中で、中田岩尾さんがしている、これは今まで知らなかったこと、気づかなかったことがたくさん書いてあるなかなかの名著なのですが、
この剣術用語と野球用語の比較のところは、とりわけ興味津々で、私はすっかり感心したものだった。
言うまでもなく中田さんは、この対比によって漢語の多用は、実は明治期以降の現象で、明治維新以前は和語で用を済ませていたことを、実にわかりやすく示してくれたのである。
こういうふうに上手に例を引くのは、いわば学者の芸ですね。
水着は立つ、鮮やかさである。しかし私は感心のあまり、これ以外に和語の野球用語はないかしらと探してみた。すると当然のことながら、まだいくつかありますね。
たちまちのうちに、打ち込み、横手投げ、下手投げ、決め玉、振り逃げ、隠し玉などと心に浮かんだ。
このうち前の4つはともかく、振り逃げと隠し玉は、なかなか意味深調です。
どちらもあまりパッとしない、見てくれの良くないものだから、漢語で言うとぴったりしないのである。
漢語に言い換えようとしても、どうもうまくいかない。三心失慮や隠急では漢字が出ない。
あの狡猾な愛嬌のある趣が出ない。
そういえば中田さんの挙げた中の空振りや押し出しにしても、空心や応出ではなんとなく変でしょう。
そのなんとなくそぐわない漢字を分析すれば、マイナスイメージのものには和語が合う。
その手のものに対しては次音語による造語は無理というふうになるのではないか、という本なんですよ。
今日持ってきたのは。
漢語というのは漢字ね、大陸から入ってきた漢字を交えた、だから内野外野とかね。
和語というのはもともと大和言葉と言われている日本語、古来の日本語。
これが構え、足さばき。
野球の用語は漢語が多くてね。
でもなんかかっこ悪い振り逃げとか隠し玉みたいなちょっと陰失なやつは、なんか未だに和語が使われている。
ここには漢語が合わないんですっていう考察をしているんですね。
これが前半なんですが、ここからちょっと後半もね、面白くなるので後で読みますね。
これはですね、大和言葉美しい日本語を極めるというね、最近買った河井出書房新社というところの文庫本なんですが、
これはもう絶版になっていてね、ちょっと内容的に難しい感じはあるんですよ。
なるべく今日は簡単なやつを持ってきたんだけど、ただ僕がね、
執筆教室の書き上げ塾で皆さんにお伝えしていることが、
実はこの漢語よりも大和言葉を大事にしようということだったということに最近気づきましてね。
自分ではそんな意識は全くなかったんですが、それでちょっとこういう本を最近読み始めているということで持ってきました。
ありがとうございます。
スピーカー 3
人はそんなに割れてない。
スピーカー 2
ほっこりするつながりを思い出そう。
スピーカー 3
人間関係、知恵と、その、と、成功。
それでは今日のお話、始まります。
知恵と、その。
だってこれアニメみたいな声があるんだもん。
スピーカー 1
アニメみたいな声が聞こえましたけど。
スピーカー 2
アニメみたいな声ね。
可愛らしい声だ。
どんだけ猫被った声で。
アニメみたいな可愛らしい声が。
スピーカー 3
忘れないでください。
スピーカー 1
クラソンさんが怒られた。
スピーカー 3
面白い二人のやり方。
ということで最初はクラソンさんの朗読から始まりました。
スピーカー 1
次はどなた行きましょうか。
スピーカー 3
どちらか。
スピーカー 2
私行きましょうか、じゃあ。
スピーカー 3
はいはい、どうぞどうぞ。
私はちょっと今日先に題名を見せる。
いつもと違うパターンで。
木の威力という、東平光一さんという、
合気道の中の、いろいろある合気道の中の、
スピーカー 2
心身統一合気道というのを創立された方。
合気道の実用書みたいなやつですね。
スピーカー 3
はい、行きます。
合気道の木とは何か。
木というのは、気候の木ではなく、木の中が米になってるやつです。
はい、木とは何か。
私は合気道の重大意を持っている。
合気道では私のような小さな人間でも、
力を入れずにスモートリのような大男を投げ飛ばすことができる。
スピーカー 1
これは相手の心を導いて、抵抗する気を起こさせないからである。
スピーカー 3
心が体を動かしているのだから、
相手の心を動かせばいかなる大男でも、
心を導かれた方に体がついていくのである。
合気道と心身統一
スピーカー 3
しかし、こうした合気道の技を行うには、
まず自分の心をコントロールしなければならない。
自分のこと、自分の心をコントロールできずに、
人の心をコントロールすることなどできるわけがない。
つまり、合気道でも大切なのは心身統一なのである。
合気道とは、木に合する道と書く。
合でいいんですかね、木に合いする道を書く。
これを人の木に合わせる道などと解釈するから誤解されるのである。
合気道とは天地の木に合する道でなければならない。
天地の木に合するためには、
まず何よりも天地から与えられた心と体を統一することである。
この心身の統一を土台にしてこそ本当の合気道をたり得るのだ。
したがって合気道の目的とは、
その技を通じて天地の木を大得し、
人間が本来持っている素晴らしい力を磨いて、
輝かしい健康な人生を歩むことである。
もう一つだけ読ませてください。
木を用いた技術と痛みの制御
スピーカー 3
木を応用して痛くない注射をする。
子供に限らず大人も嫌がるのが歯医者である。
歯が痛いけど我慢します。
歯医者へ行くともっと痛い治療をされるので、
などという人がたくさんいる。
歯の治療は痛いという先入観があるのだ。
痛くさせてやろうという歯医者さんはいないと思うが、
こう思われているのも事実である。
しかし、心の使い方によってはこのイメージも変えることができる。
九州小倉に松本司さんという歯医者さんがいる。
この方は長年合気道の稽古をしていたが、
たまたま私が九州で行った講演を聞いて、
すっかり木に夢中になり、合気道を修行し直し、
自宅の裏に道場まで作ってしまった。
そして道場に九神館という名前を付け、
仕事の合間に人々に木の指導をするようになった。
この歯医者さんは治療中、私が先の坂本氏を教えたように、
患者さんの心の中で成果の一点を唱えさせる。
すると不思議に痛くないし、歯を抜いた後もあまり痛まず、
回復が非常に早いと患者さんの評判がいいそうである。
中を飛ばしますね。
今回読んでいるところに出てこない言葉が出てきた。
何を読みたかったかというと、
私が講習会を開いた時に、あるお医者さんから質問を受けた。
私は患者さんから注射が痛いと言われて、評判が悪いのですが、
どこがいけないのでしょうか。
そこで私は逆に聞いた。
あなたはどういうふうに注射しますか。
患者さんが注射をする場所を見ていると、
余計に痛く感じるといけないので、
よそを向かせてから注射をします。
よくそうやって注射をしている医者がたくさんいるし、
私たちもその方がいいと思っている。
だが本当にそうだろうか。
あなたの注射の仕方は一見理屈にあっているようですが、
実際にはあっていません。
人間は誰しも見るなと言われると、
余計に見たくなるものです。
顔だけよそを向かせても、
心が腕に残っているので、
注射も余計に痛く感じてしまいます。
これからは次のようにやってごらんなさい。
まず、注射をする箇所をじっと見させる。
次に、1、2、3と数え、
3の声と同時にそっぽを向かせる。
それから注射するのです。
この方法だと、
全神経がそっぽを向いた方に行ってしまいますから、
注射が少しも痛くありません。
以来、そのお医者さんの注射は痛くないということで有名になった。
以上です。
スピーカー 2
面白いね。
スピーカー 3
すごい面白い。
合気道を道場まで行かずとも、
気軽に試したい方向けの実践だったり、
イラストなんかを交えて書かれている本なんですけど、
木という目に見えないものを扱っている方の話がすごく面白くて、
それでちょっとご紹介します。
意識が全神経がそっぽを向いたら体の痛みが感じなくなる。
まさにその心で思っていることが違う方に集中していると、
時と場合にもよるんでしょうけど、
でも注射の痛みが感じなくなるのはすごい面白いなと思います。
スピーカー 2
そうですね。
私も2人の先生に習っていたことがあります。
合気道はね。
1人は当時住んでいた久本仏という大井町線かな?の駅沿いにあった道場。
もう1つは本郷山頂目あたりでね、よくやられてた。
その時もやっぱりいろんな流派があるんですけどもね、
僕がその教えてもらったやり方の1つに、
愛で倒すっていうのがありましたね。
さっきの相手の心を、コントロールとはその人は言ってなかったんだけど、
抵抗できないようにするっていう意味で、
投げようとすると投げられないとするじゃないですか。
そこにこの愛を送るとですね、投げてって感じになる。
でもその人は、実は名前はちょっとあえて出さないんですけども、
とても有名な方でね、
文化祭に、それこそ空手の遊弾者とか、総合格闘技の人とかね、
そういう結構ごっつい人たちがいっぱいいて、
そういう人たちが僕らの相手をしてくれてね。
だから身長190くらいの、めっちゃ120キロくらいの人を
僕が倒すみたいな練習をさせられるんだけど、
本当にバーンって倒れるんですよね。
だから今の話はとても面白かったですね。
スピーカー 1
明日歯医者行くんだよね。
痛い無理だけど、歯医者死んじゃう話にしたもんね。
スピーカー 2
僕はね、歯医者本当に苦手で、歯医者恐怖症ぐらいだったんですよ。
もう子供の頃に本当に痛い目にあってね。
時代が違うから、昭和40年代なんでね。
もう今は随分と良くなったんで、もう克服しましたね。
前回行ったあたりで、その怖さは本当に取れた。
これは自分のやってるグッドバイブスのおかげなんですけどもね。
余計な幻想を抱かずにね、
いろんな自分が本に書いたり喋ったりしてることを駆使すると、
怖くなく歯医者に行けるんだけど、
明日も行きたくないなーって気持ちは消えないね。
スピーカー 3
歯医者本当に臭いですよね、私も今言ってますけど。
スピーカー 2
僕はほら、煙草吸ってるんでね。
喫煙者なんで、それをね、すごく酷く怒られる時があるんですよ。
煙草吸ってるからこんなボロボロになるんだよ、歯が。
それはすごい嫌みたいですね、僕の中ではね。
スピーカー 3
私も行ったら何個か注意されることがあるんで、いつも。
それが嫌なんだよね。
スピーカー 2
言わないでって言ってる。
何か知らんけど、歯医者さんに謝ったら、
スピーカー 3
いや、僕に謝られても、とか言われても、もっともみたいな。
すいませんって言っちゃうんだよね。
幻想の未来
スピーカー 3
今日はですね、津杖康隆さんの幻想の未来っていう短編集の中から、
スピーカー 1
たぶん津杖作品の中で私一番好きな短編があるので、
そんな長くないんで、これはちょっと全部読みたいと思います。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
時の女神。
彼は子供のころ、一度彼女に会ったことがある。
数人の友達と一緒に、学校から戻ろうとしている彼を、
道端に立ち、にこやかに眺めていた彼女の記憶があるのだ。
彼女は若く、髪が長く、
そして白いスーツを着ていた 子供心に彼女美しいなぁと思ったそして彼は
その時彼女が自分だけを見つめているのだと信じた 彼女の美しさがただごとでなかった証拠に
彼女の微笑みはその後も彼の心に長く残った 彼女は誰だったのか
なぜ自分を眺めていたのか その記憶と疑問は彼が思春期になるまで続いた
思春期 彼には恋人ができた
学校の帰り彼はいつも彼女とあった 相手の女性はさして美しくない女子高学生だった
なが彼は熱病のように彼女を愛し続けていた こんなある日いつものように彼は恋人との待ち合わせ場所へ行こうと急ぎ足で
スピーカー 2
肛門を出た その時彼の目には眩しいほどの鮮やかでスーツの白が飛び込んできた
スピーカー 1
再び彼は彼女にあった 彼女は以前と同じ若さで長い髪を肩に垂らし彼に微笑みかけていた
瞬間彼は恋人のことを忘れた 彼女のあまりの美しさに他の何事も忘れた
思春期の彼は子供の頃にあった時よりもさらに彼女の美しさに打たれた
彼女とすれ違ってからも彼の胸の高鳴りは止まなかった もう恋人に会いに行く気はしなくなっている
彼はそのまま家に帰り考え込んだ 子供の頃に見た彼女と今日あった彼女が同一人物であるはずがない
妹だろうか それとも娘だろうか
なぜ彼女は僕に微笑みかけたのだろう 彼女は僕を知っているのか
彼はそれきり恋人を忘れた さらに10年近く経った
スピーカー 2
彼は平凡なサラリーマン そしてまだ独身だった
スピーカー 1
白いスーツの女性のことが頭から消えない限り彼は誰とも結婚しないつもりだった そして彼女の記憶がいつか自分の心から消えるだろうとは彼には思えなかった
もう一度彼女に会いたい 彼はずっとそう思い続けていた
そしてある日見た日彼は彼女に会った 退社時間夕立雲を見て慌てて駅へ駆けつける途中
とうとう土砂降りになった 彼は片腹のビルの軒下へ飛び込んだ
そこには船客がいた それが彼女だった
白いスーツ長い髪そして相変わらずの若さだった 彼女は目を丸くした彼ににっこりと微笑みかけた
彼はおぞおぞと彼女に話しかけた
彼女は答えた 美しい声だった
そして そして
彼は彼女と結婚した 小さな家を持った
そうなってしまえば彼にはそうなったことが当然としか思えなかった 彼女と幸福な家庭を持つことには意外なほど何の障害もなかったのである
10年前にあった彼女 子供の頃にあった彼女
それが今の彼女と同一人物とは思えなかったが彼はある晩彼女に話した 僕は今まで2度君に会っている
一度は子供の頃 学校の前で
もう一度は10年前やはり学校の前で その時も君は白いスーツを着ていて肩に長い髪を垂らしていた
今と同じように若々しく微笑んで それはどちらも私よ
と妻は彼に答えた 二度ともかい
と彼は驚いて妻に尋ねた じゃあ君は年を取らないのか
もちろん年は取るわ 彼女は微笑した
ではあの時の君は そう今の私よ
私は時を自由自在に行ったり来たりできるの 過去へも未来へもよ
君は時の女神かい 妻は笑って答えなかった
君はそれじゃあ子供の頃から僕をずっと見守っていたわけかい そうよ
なぜそんなことを あなたと結婚するつもりだったから
過去だけでなく未来へも行ったことがあるのかい ええ
スピーカー 2
一度だけあるわ あなたの将来を見るために
スピーカー 1
僕の未来はどんな それは言っちゃいけないことになっているの
さらに数年 妻は女の子を産んだ
可愛い女の子だった 女の子を産んでも妻の美しさは変わらなかった
言語の形式
スピーカー 1
女の子が5歳になった時も妻は相変わらず若く美しかった だがその年
妻は重い病気になった 医者からも見放された
死なないでくれお願いだ 彼は泣きながら病床の妻にそう叫んだ
娘を頼むわ 妻はそう言った
その時彼はふと思いついて彼女に叫んだ そうだ君は僕の将来を見るため一度だけ未来に行ったことがあるって言ったな
それはいつだいつなんだ だが
妻は答えなかった 彼女はすでに生き耐えていた
スピーカー 3
さらに10年近い歳月が流れた 若かった彼の黒かった髪にもいつか白いものが混じり始めていた
スピーカー 1
だが彼はずっと満員の電車に揺られて毎日会社へ通った 今では娘が日1日と成長していくのを見るのが彼のただ一つの楽しみだった
ある朝駅の人混みの中に彼は妻の姿を見かけた 若く美しくそして白いスーツを着た髪の長い妻の姿を
慌てて会おうとする彼に妻遠くから遠くから振り返って微笑みかけ 首をかしげた
お幸せ 妻がそう尋ねたように思えた
彼は立ち止まり強くうなずいた 次の瞬間妻の姿は人混みに消えていた
その夜娘と2人きりの食事の時娘が彼に言った いやーねお父様どうしてそんなに私の顔をじろじろ見るの
妻そっくりに成長した娘の姿を眺め彼はため息をついた そろそろお前も年頃だなぁ
私の結婚する人はもう決まってるわ 娘はそう言った
今日もその人と会ってきたのよその人の子供時代まで時間を遡って その子が学校から帰るところを
以上です
スピーカー 2
大作やったね
スピーカー 3
長かった?
スピーカー 1
そうかでもこれ途中で切れないなと思って 切れないよね
スピーカー 2
あと全編読んでいいのかっていうのがあるよね まあいいと思うけど
スピーカー 1
これはちょっと途中で切ってこれを探さずに終わる人がいたら残念だなと
本当に好きでなんでこれを好きかというと最初にタモリさんの世にも奇妙な物語でこれがドラマ化されたんですよ
それでタモリのあの番組の中でも一番この話が好きで25年くらい前多分
どのあたりが好きなんですかこの話の
それを聞く?
スピーカー 2
いやいやいや聞きたい聞きたいどういう別に詳しく説明しなくてもいいんだけど
スピーカー 1
だから未来に一度だけ行ったっていうところですね
スピーカー 2
なるほどね
スピーカー 1
それでちょっと原作を読みたいと思ってこの本を買って読んだらやっぱり文字で読む方がいいんですよね
スピーカー 3
そうなんですね
スピーカー 1
つついさんのね文字の使い方とあと認証が変わるところ彼はっていうところと僕はになるところとか
あと子供心にのね心を小平柄で書いてあったりするんですよ
そういうのとかがねとってもよかったんで全部読んでしまいました
スピーカー 2
いいんじゃないですか
スピーカー 3
私はもうセイコさんのセリフが一個だけすごいオーってなったところがある
スピーカー 2
それが一番わかる
スピーカー 3
はいでは最後倉澤さんお願いします
スピーカー 2
はいじゃあ大和言葉続きね
つまり我々は明治期以降プラスイメージのものには漢語を使い
マイナスイメージには和語を用いがちな
そういう言語風土に生きているのである
漢語はそれぐらい立派で和語はそれぐらい格が低いと
みんなが心の底で感じながら日本語を操っているわけだ
もちろん例えばさよならがちや打ち込みはマイナスの方では決してありませんが
ここでは話の都合上例外の方には目をつぶることにしましょう
こういう問題を論ずるときさじにはこだわっていられない
さらにその後西洋語が生で入ってきて一番格の高いのがカタカナの西洋語
例えばスライディングスタジアムその下が漢語
例えば前者はちょっとわからない校舎は球場一番下が和語
例えば前者は滑り込み校舎は不明という具合になり
スライディングスタジアムというなんとなく洒落ているし
ものそれ自体も立派そうな感じになりました
だから隠し玉だってカタカナでヒドンボールプレーといえば
ずっと小粋になるに違いない
ちなみに和泳辞典を引いてみるとこの隠し玉は出ていますが
振り逃げに当たる英語は出てませんね
まさか本場の野球であれがないはずはないんだが
知ったかぶりができなくて残念
この3種類の言葉による3段階の格式は
現代日本語の大問題である
いつぞや国語学の大野真さんがカタカナでアイディアといえば
いかにも内容のあることをきちんと考えたようだし
漢語で着想といえばそれに次ぐくらいの貫禄なのに
和語で思いつきというとひどくつまらないつまらぬことを
軽薄に思っただけのように聞こえると指摘していたが
まさしくその通り我々は大抵対象を軽蔑するときに
和語を使う傾向があるようだ
しかし話をそこまで広げると厄介なことになりますから
ここでは3段階の問題には立ち入らず
もっぱら漢語と和語について論じましょう
と言ってまたいろいろ続くんですけどもね
言葉の使い方と心理
スピーカー 2
このアイディア着想思いつきってね
アイディアが一番すごそうでしょ
その次に着想で
知恵さんそれが知恵さんの思いつきだよみたいな感じで
思いつきで物を言うなとか言われるじゃないですか
このねやっぱカタカナが一番偉くて
その次が漢字の2文字3文字のね
熟語っぽい漢語っぽいやつで
日本語はなんかダサいっていう感じが
やっぱちょっとこうあるんですよ
文章を書く側もね
でもなんかよく読むときに
僕はあんまりこんなことは考えてない感じがしてて
実はこの山戸言葉と言われる思いつきという言葉は
とてもいい響きを実は持ってるんだよね
アイディアが大事だ着想だみたいなね
ちょっとこの固めな感じ
この後この人は漢語の着想とかね
こういうやつはねなんか厳しい感じがすると
なんか怒ったりするときによく使われる
注意するときにね
そういう雰囲気もあるとかって言って
僕はなんかそのなるべくこの2文字漢字する
例えばそうだな観察するとかね
そういうものを眺めるとかさ
そういうふうにこの開けないかなっていうのを
結構出筆教室は言ってるんですね
スピーカー 3
あれですねひらがなにする
スピーカー 2
ひらがなというか
普通の動詞にするってことね
要は何とかするって付けると
出来上がる動詞っていうのは大体漢字2文字なんですよ
失敗する成功するね
でも日本語で言うとしくじるとかさ
それが開く
動詞にするとかねそういうこと
でこの話を誰かにしたらね
なんか同じようなことを自分も議論したことがあると
その人は教えてる立場の人なんですけども
研修みたいな感じね
これを僕が生徒に言ったら
同業者の人が
なんか同僚がね
ただあまりそれやると
拙いっていうか幼く見られるんで
気をつけた方がいいですよって
言われて腹が立ったみたいなことを言ってたんだけど
このね僕らの中にあるんだよね
この不安がね
簡単に言うとバカだと思われたくないとかね
幼く思われたくないっていうんで
わざわざこの難しい言葉
特にもっと四文字とかね
なんとか性とかさ
なんとか敵なんとか勘とかよく使うじゃん
僕はなんか別にその
余談をしようするつもりとか全くないんだけど
山戸言葉の魅力
スピーカー 2
こういう言葉が実は別にその格式が高いわけでもね
賢いわけでもなく
もっとこの普通の言葉で表せるものにする方が
僕はある意味知性を感じるっていう
そういう話をよくするんだけどね
それがなんか山戸言葉なんだな
これはということに最近気づいたという
そんな感じですね
スピーカー 3
日本語の中で日本語の種類っていうと
もっと漢字平仮名
カタカナっていうのがあるけれども
そういう分類というかそういう見方じゃなく
スピーカー 2
山戸とか漢語という
格式みたいなことを勝手につけてね
この言葉を使うと賢そうだみたいな風に
ずっと学んできたんだねきっとねどっかでね
だから普通にしゃべるときもそれを使ってしまうとか
文章になるとそこをいっぱい使って固くしてしまう
もう一つはああいうように
るをつけると五十音に
だいたい動詞になるんですよ
あるいるうるえるおるみたいにね
いくつかセルとかはないのがあるんだけど
セルはある
セルって
スピーカー 1
セリのセル
スピーカー 2
動詞で
セル
そっかそっかセルはあるか
そうだねあったねセルはね
もう一個なんかねこれねえなっていうのが
一個あったんだけどね
スピーカー 1
むる
スピーカー 2
でもなんか俺が知らないだけで
むるという動詞はあるかもしれないね
でも聞いたことないでしょ
何か造語で使ってる
ちえさんちょっとあんまりむらないでみたいな
むるとむるみたいな
セルはあるねセルはセリのセルだからね
そっかきそううもセルだもんね
で面白いことにがぎぐえごとか
濁音がついたやつはこれにならないんですよ
がるぎるぐるげるごるって
だから日本語のやっぱり
一つのねあの動詞の
音のなめらかさきれいさみたいなのも
濁音が少ないっていうね
特徴があるんですよ
この辺の言葉を僕は
なんか別にこの開古主義とかじゃなくて
自分が使いたい言葉としてね
柔らかくやっぱり
日本語の言葉の特徴
スピーカー 2
言葉が伝わるってのはいいじゃない
そういう風に文章を書いていきたいなと思ってる
スピーカー 3
ちえと
スピーカー 1
そうなの?
スピーカー 3
なんかあの細かあるか全然わかんない
ただのまた劇なんですけれども
日本の人の耳
日本人の耳は
虫の音が音楽に聞こえる
スピーカー 2
メロディーに聞こえる
あーりんってね
スピーカー 3
そうですねもう他のまた劇なんで
また劇というかその細かどうかとか
全然わかんないですけど
日本人じゃない国の方々は
虫のメロディーが
ミュージックに聞こえないところが多いんだよみたいな話を
スピーカー 2
聞いたことがあるんです
へー面白いね
スピーカー 3
へーってほんまなことか知らないけど
へーって思いました
スピーカー 2
それでさあさっきの
えー
筒井康隆さんの
聖子ちゃんが読んだやつでしょ
あれあれあれなんか柔らかい雰囲気しなかった聞いてて
スピーカー 3
めちゃめちゃしました
それに合わさって聖子さんの声が
スピーカー 2
彼女は以前と同じ若さで長い髪を肩に垂らし
彼に微笑みかけていた
かけていた
瞬間彼は恋人のことを忘れた
ここを忘却したとか言ってないわけね
彼女のあまりの美しさに他のことも忘れた
一瞬きの彼は子供の頃に
会った時よりも
ここも出会ったじゃなくて会った時よりも
さらに彼女の美しさに打たれた
っていう風にちゃんとこの山と言葉同士を
いっぱい使ってるんだよね
彼の胸の高鳴りは止まなかった
もう恋人に会いに行く気はしなくなっている
彼はそのまま家に帰り考え込んだ
っていうこの複合同士も考え込んだなんですよ
耳障りがすごいですね
だからこういう風にやっぱりなってるんですね
これが熟慮したとかっていう風になってると
そうそうそうそう考察した
なんか思考が走り出してしまう
その方が賢そうなんだけど
この書き方で文章が成立するってのは
やっぱりすごく上手いってことなんだよね
だからこういう書き方をする方が
僕は上手くなるだろうなという風に思っています
スピーカー 1
あの俳句や山
スピーカー 2
もちろんもちろん
スピーカー 1
日本人の心の中にそういう美しい
スピーカー 2
恩があるんですね
和歌とかもね
恩があるんですよね
柔らかい恩があるんですよ
スピーカー 3
すごい面白い
なんかその国々でありそうですね
言葉に由来する何かが
このポッドキャストでは
あなたからのお便りをお持ちしております
こんな本読んで欲しい
こんなテーマ取り上げて欲しい
だったり遠慮なく
お送りいただければと思います
概要欄のお便りからどうぞ
では今後にも
ほっこりした夜をお過ごしください
また来週
スピーカー 1
さよなら
スピーカー 2
さよなら
39:29

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