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2024-07-31 10:00

heldio#11. なぜか second 「2番目の」は借用語!


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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
連日、数詞に注目しています。数字を表す英単語ですね。
これには、基数詞、基本の数字ということで、1,2,3,4,5 というのがある一方で、助数詞、順序の助ですが、1番目、2番目という順序を表すですね。
1st, 2nd, 3rd, 4th, 5th という系列、これがあります。
この2つの系列は、4以上は非常に規則的ですね。4に対して4th。5に対して5th。
多少の変形はありますけれども、基本的にはストレートな関係なんですけれども、よく使う1,2,3に関しては、規則的な関係にはないということを、これまでも話してきました。
1に対して1stですね。これなんか全くかすらないわけですよね。語源が全く違う単語ということになります。
そして、3に対して3rdという話題も扱いました。これについては、実は語源的には、究極的には一緒で、少し変形した形で似ていない感じになっていますが、
ただ、語頭のthなんかを考えれば、関係はあるのかなということを言われてみればわかるということですね。
さあ、カバーしていないのは、2についてです。2に対して2nd。これは全くかすりませんよね。語源がやはり全く違うということなんですね。
なぜ、素直に2にthをつけて2thとしないのかということです。例えば、ドイツ語なんかでは、これ素直なんですね。
つばいっていうのが2ですが、2番目のはつばいてというように、英語で言うとthに当たるようなものをそのままつけるので、2thと言っているようなものです。
非常に素直なんですけれども、英語では全くかすらない2に対して2ndというような単語が使われます。これは何でなのかということが問題になってきますね。
さて、現代でも2、2nd、かすらないわけなんですが、小英語からこのかすらない関係があったかというと、つまり2ndという単語があったかというと、実は小英語にはなかったんです。
これは13世紀以降に究極的にラテン語から、そしてそれがフランス語を経由して英語に入ってきたという釈用語なんですね。
このような重要な単語に、外からの単語が釈用されたものが使われるというのは、なかなかないことなんですけれども、どういうわけか、外から入ってきた2番目のという単語が、現代の英語では使われていると。
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じゃあ、それ以前、13世紀以前、小英語などではどういう単語が使われていたのかというと、じゃあ2thだったのかというと、それも違うんですね。
2は、2、2aとか2ainという発音だったんですが、基本的には2の形ですね。
ところが小英語でも、全く関係のないかすらない単語が2番目のという意味で使われていたんです。
これはオーゼルという単語です。オーゼル。
これはなんとなく聞き覚えがありますね。
そう、アザーです。アザー。
確かにこのアザーというのは、普通は他のとか別のというふうに、現代では意味していますが、1つあるものが与えられて、違うやつ、別のものというと、第2番目という発音になるのも、わからないではないですよね。
面白いことに、ファーストの話はすでにしましたが、ファーストのstというのは最上級のstだと言いましたが、このアザーは実はあまり知られていませんが、これ比較級なんです。
少し説明が難しいんですが、実はerのところではなくてtherを合わせて、この部分が比較級語尾なんですね。
あるものに対してそうじゃない、もう1個別のもの、そうでない、それよりも別のものという感じで、比較級的な意味合いが入るんですね。
1番目が最上級であれば、2番目が比較級というのも、なんとなく揃っていて、面白いなと思うわけなんですが、このアザーというのは実は1個目が与えられて、それよりも違うやつぐらいの意味ですね。
2番目のという意味で、アザーが使われていたということです。つまり、別の、他のという意味も当時からあったんですが、この2番目のという意味でも普通に用いられていた。
これ不思議な感じがしますが、実は現代にもこのアザーの原義とも言うべき、この別のから発生した2番目の、この意味は現代のあるイディオムに残っています。
皆さん、Every Other Dayという表現は知っていると思うんですね。これ2日に1回という、つまり1日おきにという時に、なんでEvery Other Dayでこの意味になるんだろうと思ったことはありませんか。
これは、Every Second Day、つまり、アザーのもともとの意味であるセカンドと理解すると急にわかってきます。
つまり、毎2日目ということですね。つまり、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目というような、いわゆる偶数日が浮き立ってくるんですね。これが、Every Other Day、つまり、Every Second Dayの意味です。
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毎2日ごとに、偶数日にということで、この原義が残っているのが、Every Other Dayというイディオムです。
これ、今まで暗記していたと思うんですが、これをもともとの意味はセカンドだと捉えると、これ急にわかるようになるかと思うんですね。
このように、古英語では、Otherがセカンドの意味で普通に用いられていた。
そのままでいいはずなのに、おそらくOtherが他のとか別のとか、いろんな意味を持ち出して、荷が重くなったと言わんばかりに、13世紀末以降、外から入ってきたセカンドという、いわゆる外来語、釈用語が、
このOtherの2つ目という、2番目というスロットに入り込んで、その座を奪ってしまったというのが実態なんですね。
じゃあ、このフランス語を経由して、最終的にはラテン語の単語であるセカンドというのは何なのかと言いますと、
これはラテン語のセクイという動詞がありまして、これはFollow、後についていくとか、従うとか、後を追うという、フォローぐらいの意味ですね。
この単語のセクイという単語の過去分詞形なんですね。
次に続くとか、後に続くということなんで、やはりこれも1つ目が与えられたら、その次のやつぐらいの意味で、Nextぐらいの漢字で、セカンドと使っていたものを英語は釈用したということなんですね。
この大元のラテン語セクイ、後に続く、フォローぐらいの意味ですね。
から派生した単語はこのセカンドだけではなくて、たくさん実は英語にも入ってきています。
これ挙げると、まさかそれがこのセクイから来ているとはと思うのばっかりで、
少し列挙してみますと、英単語として列挙しますと、
皆さんも知っている単語がたくさんあると思うんですね。
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このように、ついていく、後を追うという意味で、基本的な意味の単語なので応用が広くて、実はいろんな形で英語の中にも入ってくるということですね。
日本語にも入ってきていて、ボクシングのセコンドってありますよね。セカンドと言わずにセコンドと言っていますが、
これある意味、ボクサーを支持する人ですよね。後から追いかけてと言いますか、後ろから援助をする人、支持者ということですよね。
それから英語では会議などで意義なしという叫びとして、セカンディッドと言うんですね。
あなたの意見はフォローされてますよ、しっかりと支持されてますよという言い方で、セカンディッド、意義なしという表現があったりします。
実はこの第2のという意味だけでなく、セカンド、セコンド、いろいろな意味があるということになります。
今日は語源の話題になります。
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