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おはようございます。英語の歴史を研究しています。 慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、 受賞も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしてきます。
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今回取り上げる話題は、tenth「10分の1」とtithe「10分の1税」という関連語の話題です。
関連語というよりは、一種の二重語、ダブレットと言ってもいいですね。 ほとんど作りが同じ、構成が一緒ということなんですが、意味ももちろん似ています。
tenthというのは10番目のということで、 普通ですね、助数詞、何番目のという表現は、そのままで何分の1という分数の意味になりますね。
tenth、10分の1という意味があります。 ここからこのtenthの、いわば異形と言ってもいいと思うんですが、
同じ10にthをつけて助数しかしたものなんですけれども、少し形が異なる。 titheという、こうした語形の単語があります。
titheという発音ですね。 これがヨーロッパで中世から、そして近代に至るまでずっと続いてきた10分の1税という税金の名前になっているんですね。
この由来について、今日はお話したいと思います。 数詞、数を表す単語というのは、いろいろと語源的に面白い話題が多いんですね。
非常によく使う語類ですよね、数字、数詞というのはですね。 ここから様々な意味、使い方に派生していくということがあります。
なので語源ネタとしては、非常に豊富な話題を提供してくれるわけなんですが、このtenthについてもそうなんですね。
10という、これは奇数詞ですね。 普通の数です。これにthをつけることで助数詞10番目の10分の1という意味になるということなんですけれども、
実はですね、古英語では、この10という単語はですね、tnという形なんですね。
これにthをつけた形ですと、このnが落ちてですね、てーおーざという形になるんです。
つまり、10のこのnの部分がもともと10番目のという助数詞にあっては、古英語ではないんですね。
てーおーざ、てーおーざということです。 奇数詞ではtn、10ですね。
にもかかわらず、助数詞になるとてーおーざというふうに、nが消えてしまうというのが、古英語での語形だったんですね。
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ですので、このてーおーざをどういじってもですね、今の普通に用いられている10番目の10分の1という意味のtenthは出てこないはずです。
nは古英語の段階でないわけですから。
ですが、中英語記以降にこのtenthという形が現れます。
これはもちろん、奇数詞が10なんであるから、これにそのままthをつけるのが筋だろうという発想ですね。
他の数字がそうなわけです。
6th、7th、8th、9th、11thというふうに続くわけで、そのままの形、奇数詞の形にそのままthをつけるのが最もわかりやすいだろうということで、
本来的には、古英語ではてーおーざというふうにnがなかったんですが、
10にそのままthをつけるということで、いわば作り直した形ですね。
規則にのっとってわかりやすい方法で作り直したということですね。
こういったものを他の数字がそのような作りであるから、つまり奇数詞にそのままthをつけるという単純な形であるから、それに習ったということで、
このような改めて作り直した形ですね。
こういうのをアナロジー、類推作用というふうに言いますね。
他の数字の作り方に習ってということです。
10に対して10thというストレートの形が出来上がり、そして後に定着したということなんですね。
これが現代までに続く10番目のとか10分の1っていう通常の10に対して10thという規則的な形なわけですね。
大抵ですね、そうすると古い形の、つまり規則的じゃなく見える、定を座という形。
これはですね、消えていくはずなんですね。
新しい10というわかりやすい形に押されて、だんだんと消えていくというはずなんですけれども、これが定を座が意味を変えて生き残ったんですね。
意味を変えてと言いますか、いわゆる一般的な意味である10分の1という意味ではなく、
特別な中世ヨーロッパで化されていた10分の1勢という意味に限定することで、この古い、そして不規則に見える形、定を座が生き残ったんですね。
これが多少発音と通り字は変わりましたが、nのない形、10thという10分の1勢として今に残っているということなんですね。
さあ、この形は当然、古英語からその元となる形ですね、定を座はあったわけなんですけれども、実際に英語において、この中世ヨーロッパで化されていた10分の1勢という意味で、このタイズですね、定を座に相当するものが出るようになったのは1200年頃のことです。
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これはイギリスだけではなくてですね、広く中世ヨーロッパではですね、5世紀以降にこの課税方式というのができました。
キリスト教会が神徒に収入の10分の1の納税を要求するようになったというのが起源です。
そして、8世紀からはフランク王国で全キリスト教徒に課される税となりました。
そして、教会が京区の農民から収穫物の10分の1を強制的に徴収するようになったわけですね。
9世紀以降、その徴収権は教会からしばしば世俗漁師へと渡り、これがですね、18世紀、19世紀に完全に廃止されるまで続いたという非常に息の長い歴史の長い税金なんですね。
これが10分の1税ということで、ペオザに由来するタイブ、ポイントはNがないという形ですね。
この形で生き残ったということです。
歴史用語ということですね。
今、普通に使われる用語ではないかもしれませんが、この10、10番目の10分の1のという単語と、いわば双子の兄弟と言いますかね。
25ダブレットを形成すると言ってもいいかもしれません。
そして、最も正当なのはですね、このNのないタイズの方であるということです。
そして現在、普通の点数のように、点足すTHという分かりやすい作りをするものは、分かりやすいと言っても、これは後からできた、後付けでできた、類推作用、アナロジーによってできた新しい単語ということになりますね。
我が国の消費税も10%ですね。2019年の10月から消費税が10%になっていますが、これもいわばタイズということになりますかね。
それではまた。