2025-01-06 24:27

AIと情緒

エンジニアとして、お茶をやっているものとして、昨今のAIの発展には色々と思うところがあります。その際にキーワードになるのが「情緒」かなと考えています。その辺りをしゃべってみました。

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ただいま、2025年1月6日、月曜日の夜ですね。
今日、仕事始めだったという方も多いんじゃないかと思います。
僕も例に漏れず、久々にですね、今日から職場で仕事をしてきた晩ということになります。
世間がですね、年末年始から抜けて動き出して、いろいろ情報だったりがまた入ってきたりというのもあるんですが、
今回はですね、AIと情緒っていうテーマでちょっと語ってみようかなと思います。
僕はですね、最初のエピソードでお伝えした通り、20年ほどゲームのエンジニアをやっておりまして、
もう2,3年ぐらいゲームじゃないエンジニアをやってるんですが、いずれにしてもエンジニアとしては20数年やってきております。
僕がエンジニアになった頃以降というのが、ちょうどですね、Googleが創業して、
そこからインターネットがどんどん世界的にも、もちろん日本でも盛り上がってきてというところで、
なんと言いますか、結構エンジニアがもてはやされてきて、そこにまた最近ですね、AIとかもいろいろ出てきて、
例えばプログラミング教育がですね、必修になったりとか、小学校とかからでもみたいな感じで、
これからの時代は情報技術だみたいな、エンジニアって結構花形職業だみたいな言われ方をしたりすることもあるのですが、
僕はですね、2,3年後、自分の身の振り方を考えないとやばいなというふうに思っています。
どういうことかというとですね、端的に言うと、今のエンジニアとかプログラマーと言われる人たちの仕事の大半は、
2,3年後にはAIに奪われているだろうなと思っています。もちろんですね、既存の体制っていうものがあるので、
本当に全部が全部そうはならないと思いますが、確実にその動きは進行してますし、思ったよりも早いなという実感があります。
どういうことかというとですね、例えばAIが、いわゆる生成AIと呼ばれるものが、
例えばテキストですね、文章を作ったりとか、あとは画像を作ったりとか、
最近だと音楽とか動画とかまで作るようになってきているというのは、もう皆さんご承知のことかと思うんですけれども、
すごいよねというところではあるんですが、正直ですね、
じゃあ例えば、AIが画像を生成できるようになって、騒がれるようになったのって、もう3年とか4年前ぐらいからですかね、
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とかなってるわけですが、じゃあ例えば今イラストレーターさんの、人間のイラストを描く方々の仕事がなくなったかというと、そうではないんですね。
むしろ、画像生成AIの、もうめちゃくちゃ進歩はしていて、どんどんすごくはなっているんですが、
それでもなお現状でもですね、やはりプロの絵描きさんが神経を揃え描いた絵には、やっぱりAIはどう描いても及ばないですね。
これはテキストとかの文章についてもそうです。ですので、何と言いますか、意外とというとちょっとあれですけれども、
世間で思われているほど、文章だったり絵を描くという行為は、AIになかなか全部置き換わったりはしないと。
それはですね、結構音楽とかの部分でも、そうかなというところは正直あります。
ですが、プログラムですね、エンジニアが描いているプログラムに関しては、正直AIにとって変わらないスピードがめちゃくちゃ早いなと思っています。
どういうことかというと、さっきのテキストとか、絵がやはり人間が作る、ちゃんと作ったものにAIはまだまだ及ばないというのは、
言ってしまえば、これらはやっぱり人間の情緒っていうものを必要とされるコンテンツだと思っています。
つまり、消費するのが人間なわけですね。その文章を読んだり、絵を見たりというのが。
だから結局、人間に訴えかけるようなものがやはりないというところになると、やはり人間が作ったものでないと人はなかなか感動できないみたいなところがあったりするわけですね。
なんですけれども、プログラムというのはですね、本来機械が消費するコンテンツなんですよ。
つまりですね、僕らエンジニアとかプログラマーと呼ばれる人たちは、人間がこういうことをやりたいなと思ったことをコンピューターにやらせたいというときに、
コンピューターには人間の言葉はわかりませんと、もちろんですけども。
なので、人間がやりたいことをコンピューターにわかってもらえる言葉として、プログラムにいわば翻訳をしてですね、
こういうことをやってくださいねというふうにコンピューターに伝えているというのが現状なわけですね。
つまり、プログラマーとかがいわゆるプログラミングをする、コーディングをする、コードを書くというような作業は、
人間の要望をコンピューターに通訳をしているような感じなわけですね。
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なんですけども、最近はですね、プログラマーがコードを書くサポートとか、あるいはこういうプログラムを書きたいんだけど、
ちょっと書いてくれないっていうと結構正確なものを、例えばChatGPTとかでも出してくれます。
正直そのレベルっていうのは本当に早くて、正直もうちょっと乱暴な言い方でChatGPTとかに出させるプログラムでも、
エンジニア2,3年やってる人ぐらいのコードは書けますし、
あとですね、現状ですと結局その生成AIのプログラミングツールっていうのは、
人間のエンジニアが書いたコードをサポートしますと、
例えば何か不備があれば指摘したり、もっとこうした方がいいですよってしたりみたいなものが多いんですが、
僕はあれは完全にわざと手を抜いてるなと思っています。
もう何でかっていうと、さっき言ったようにプログラムっていうのは元々コンピューターに向けて書かれているものなので、
コンピューターに対して書かれているものをコンピューターが作るのはめちゃくちゃ得意なわけですよ。
人間が書くより。もう基本的にはプログラミングコードに情緒っていうもの、
つまりテキストとか絵で人間に向けるために必要な情緒的なものがプログラムには基本必要なくて、
結局のところやってほしい内容が正しく正確に機械に伝わればいいので、
そんなものであれば機械が書いて機械に分からせるのが一番早いわけですよ。
わざわざ人間っていうものを経由するよりも。
なので、ただいきなりそれをやってしまうと、僕をはじめとした人間のエンジニアとかプログラマーと呼ばれる人たちの仕事が
一気になくなってしまうみたいないろいろ余波が大きいので、今のAIプログラミングツールがあえてサポートに甘んじているというふうに僕は見ています。
なので、もし本当にAIにプログラムを書いてもらおうと思えば、ほぼエンジニアなくてもかなりのレベルのものが現状を書けると思いますし、
実際そのようなツールもあります。サポートではなく、これはAIのエンジニアですと彼にやりたいことを伝えたら、
要は人間のエンジニアから行動を書いてくれますみたいなサービスも一部ですが、出始めたりはしていますし、
今のAIのスピードであれば、それが本当の人間のそこそこのベテランエンジニアの一気に達するのは、本当に2,3年かかからないんじゃないかなというところですね。
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となると、例えば既にたくさんの人間のエンジニアを抱えている開発会社とかが、いきなり雇ってる人たちを君たち全員クビ、これからAIでやるからみたいなふうには、
いろんな雇用契約だったりとか、いろんな社会的な都合とかもあって、すぐにそうとはいかないでしょうけども、
例えばスタートアップとか、これから何かを作りたいけど自分にはプログラミングスキルがないみたいな人が、じゃあAIにプログラム書いてもらえばいいじゃん、
ってなるっていうのは大いに考えられると思うので、だから結局そういう身軽な人たちが、結局そういうAIに行動を書かせるっていうのは初めて、
結局のところその流れがどんどんできていって、いずれは移行していくというのが、ここ数年の急激な流れが発生するだろうなと思っております。
ということなので、僕はいわゆるベテランのエンジニアに属する者として非常に危機感を覚えています。
だから今は花形的に呼ばれることもあるエンジニアとかプログラマーは正直、急速にこれからオアコン化していくなというふうに思っていますね。
なので、単純な仕事上の生き残り戦略としては、結局AIを使いこなして、むしろ自分で行動を書くより、こういう内容を、
結局人間の要望をコンピューターにどうやってやらせるかという判断は相変わらず必要なわけなので、そういうところを噛み砕いて、
むしろいくつかのプログラミングチームを、要するに自分がリーダーあるいはディレクター、プロデューサーみたいな立場で、
いくつかのAIを、AIエージェントって言ったりもしますけど最近は、各AI人の得意不得意を把握した上で分担して、
そのAIを部下として持って、チームとしてアウトプットには僕が責任を持ちますというのが、これからのエンジニアのあり方かなと思っていまして、
僕自身もちょっと自分で勉強したりしながら、そちらへの方向を模索しておりますというのが、ちょっとエンジニア視点でのAIと人の情緒みたいなところですね。
つまりこの視点で言うと、AIが生み出すコンテンツには人が感じられる情緒っていうのは生まれづらいよね、みたいのが今の話です。
で、ここから逆の話をします。どういうことかというとですね、ここからがちょっとお茶の方の話につながるんですが、結構ですね、僕はAIに限らないんですが、
最近の技術の日清月報の具合を見てとてもワクワクしているところがあってですね、だからさっきみたいに危機感を感じるところもあるんですが、
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それと同じかそれ以上にワクワクもしているんですね。楽しいなとも思っています。
例えば今だとXRとかですね、Apple Vision Proとかも空間コンピューティングみたいな感じで、何もない空間に本当にリアルなものを生み出せるみたいな風になってきたりしてますけども、
ああいった技術がどんどんどんどん出てきている中、僕はですね、こういう技術の進歩をようやく技術が人間の情緒に追いついてきたというか、技術が人間の情緒を表現できるようになってきたなっていう意味ですごい楽しく思っています。
どういうことかというとですね、前は機械、あえて機械と言いますけど、っていうのは本当に単なる道具というか、人の言葉を理解するっていう認識能力とか知能的なものがなかった、ないわけですね。
それが特に最近はAIとかになると、ちょっとAIに知能があるのかみたいな議論は非常に深くて広くて、ちょっと哲学的論議とか宗教論争的になっちゃうので深くは触れませんが、
ざっくり言うと人間の知能と呼べる、少なくともアウトプットしてくるものとしては人間の知能とか知性とかと呼べるようなものがもう出てきてしまった。もう特定の分野については下手な人間よりも全然能力があると。
それでいて、もう24時間365日ずっと働けます、みたいなところもあるというものが人間以外に出てきてしまったということで、つまり僕らの知的作業っていうのが完全にアウトソースできるとも言えるし、
人間以外にそういうことをやりとりできる相手ができた、みたいなことも言えますね。だから、例えば人間以外の知的生命体は宇宙人だと思っていたら、実は地球上にAIという存在で生まれてきてしまったっていう感じですね。
でもこれは僕はすごい面白いことだなと思っていて、例えば茶の湯っていうのは、人の情緒っていうのを表現するのに、いろんな道具だったり雰囲気だったり流れだったり、演出だったりっていうのを、
要するに舞台を作り上げて、それで客をもてなすというようなことをやってきたわけですね。そこのステージに、前はコンピューターっていうと非常に機械的で、ちょっと愛入れない感じだったわけですね、茶室の雰囲気とか空間と。
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ただそれが、例えば生成AIにこういうようなイメージの絵を描いてくれって言うと、描いてくれちゃうわけですね。僕はそれを例えば画像として色紙に印刷して掛け軸として描けたりしてるんです、床の間とかに。
それは何でかっていうと、僕がこの茶席で表したいテーマを表してくれる文章だったり絵が既存のものにないみたいな場合ですね。もうそうすると今まではもう諦めるしかなかったんですけど、じゃあそういうのをAIとやり取りして、ああでもない、こうでもないって言って一緒に作り上げれば描けるじゃんみたいな風にもまずできますし。
あとですね、最近思ったのは、最初のエピソードを録音してるとき、僕実は愛島市の海を眺めながら録音してたんですが、めちゃくちゃ綺麗な海のささなみとかがあったわけですね。
で、ああ綺麗だな、海って本当にいつまでも形を変えながら動いているなって。これって例えば茶室で言うと釜の湯がシュンシュン沸く音だったりとか、そこから出る湯気とかですね。目に見える自然の変化っていうのはやっぱり人間って好きなんですよね。
ただそのときにふと思ったんですけど、この海のささなみも結局、海の波で起こってる分もありますけど、ささなみで海面が色々形が変わっていくのって風の影響がめちゃくちゃでかかったりするわけですよね。でも風って目に見えないわけですよ。
だから僕らはどっちかというと、風のいろんな向きで吹いたり強弱とか流れとかを海の水面のささなみという形で見ていると。だから本当は水というより風が生み出したものなんだけど、僕らは目に見える水とかの方に目が行ってしまうっていうところがあるなぁと思っていて。
そこでだが待てよと思ったんですね。ということは、空気の流れを可視化できれば、この海を眺めてみんないいよね、この海のささなみってみたいなふうに思っていることを、普段の風が吹いてる、例えばそれこそ街中だったりとかあるいは部屋の中だったり。
例えば、茶室でもですね、例えば蓋がパッと開いただけで結構風の流れを感じたりとかするんですね。それで湯気が揺らめいたりっていうのもいいんですけど、でもやっぱそういうのは目には見えないわけですよ。
ただ、その流れを、例えばApple Vision Proとかで可視化できたりしたら、部屋の見え方とかが全然変わるんじゃないかみたいなふうに思ったりしたんですね。
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まあ、もちろんお茶席の最中ずっとApple Vision Proをつけとくっていうのは非常にちょっと堅苦しくもあるので、それはちょっとどうかとも思いますけども、ただですね、考えてみたら先ほど言った人間の情緒っていうものって、目に見えるものだけじゃないんですよね。
例えば、小鳥のさえずりだったり、風で木が揺れてハズレの音が聞こえたり、あるいは人が歩く絹のスレの音だったり、それで生まれる空気の流れだったり、あるいは光そのものというより、光が間接的に生み出す部屋の全体的な明るさとか炎暗さみたいな、
どちらかというと、ダイレクトに目に見えるものだけじゃないもので、結構人間が情緒的にいいなって感じるものって構成されてることってすごい多いなって最近感じるんですね。
だから、結構見えないものを見る、あるいは感じようとする心持ちっていうのがあると、茶席ってめちゃくちゃ楽しくなるんですよ。
だから、目の前で本当に見えてるもの、例えばお手前でこの時に手をどっちから持つかみたいなのも大事なんですけど、それだけに目を捉えてるともったいなくって、実は例えば人の心の一体感みたいなものも目には見えないんですよね。
ただ、確実にあるんですよ。それは茶室にいると感じるんですけど。そういうものを見よう感じようって意識するだけで茶室は何倍も楽しくなるんですね。
ただ、これを慣れてない人にいきなり見えないものを見てくださいみたいなことを言っても、いろんな意味で無茶振りなわけで、
ただ、例えばですけど、さっきの普段は目に見えてない空気の流れを、例えばですけど、庭とか部屋の至るところに、例えばデジタルの風力計とかを置いておいて、
簡単な空気のどっち方向に流れてるかみたいなのを、例えばセンサーで感じ取れるようにして、
例えば茶室に入る前に、Apple Vision Proをかぶって、お庭とか待合室の中を見てくださいっていうと、
例えばその時の空気の流れを模した鳥の群れとか、渡り鳥の群れみたいなものが飛び交ってるような様子が見えると、
そうなると、これは今風の動きを鳥の群れで見えるようにしたものなんですみたいなことをやると、
なるほどねっていう風に空気の流れってのが分かるわけですね。
1回そういうのを見せておくと、という風に実際には目には見えてませんが、
例えば空気の流れの例がこういうように確実にあるんですよ、こういうものが僕らの身の回りには、みたいなものを先にお見せしておくと、
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じゃあちょっとVision Proはもう邪魔なんで取っていただいて、という風にですね、結構目には見えなくても、
いろんなものが身の回りにはあるんだというような心持ちで、じゃあちょっとこれからのお茶室入っていただいた後を楽しんでみてくださいみたいな風にすると、
僕はお茶に慣れてない人でも、お茶会が楽しめる確率がすごい上がるなって思うんですね。
これがAIとか最近の情報技術が情緒と接続できるところという風に思っています。
だから僕はお茶っていうとすごい伝統的なもので、新しいものを全く寄せ付けないように考えますけど、結構全然そんなことはなくてですね、
もちろんお茶されてる方にもよりますけど、もちろん最近の、例えば古い道具ばかりじゃなく、
最近の作家さんが作られたかなりきらびやかな野心的なものとかを道具を使われたりする方もあれば、
例えば最近の有名ブランドだったり、海外のマーケットで見つけた何でもないような器だったりを、
お茶の道具の一種として茶室の中で使ってみたりみたいなことをしたりもします。
なので実はお茶室の中っていうのは、いろんなものとの組み合わせとか神話性がめちゃくちゃ自由なんですね。
これはエンジニア的に言うと、とてもよくライブラリー化されてるというか、ゲームエンジンのように何でも作られるプラットフォーム化してるという言い方をよくしたりしてますが、
もうちょっとわかりやすいイメージで言うと、砂場みたいなもんですね。
砂場っていう遊びための区画は用意しておくので、これでどうぞ好きなものを作り上げて遊んでくださいみたいな遊び場が僕はお茶だと思っています。
ただもったいないのは、今そのお茶のフィールド、砂場っていうのを結構みんな限定的な用途でしか使ってないなみたいな印象があります。
例えば砂場行ったら、とりあえず山作るもんだろうとか、トンネル掘るもんだろうみたいな感じで、いやいや、もっと城とか作ったり車とか作ったりできるやん、砂場なんだからっていうふうに僕は思っていて。
そういうところにこそ先ほど言ったようやく人間の情緒を表現できるまでになってきた技術とかAIとかを組み合わせたら、これからのお茶っていうのはもっともっと面白くなるなと思っています。
そういうことをしていくと、例えばさっきの僕の前半のエンジニアとしてAIに感じる危機感みたいな話は、どっちかっていうとネガティブというか、やばいとかなんとかしなきゃとか、AIに負けてらんないみたいな風になってきちゃうわけですけど、
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それとは全く逆の世界が後半のお茶というか、人間の情緒を表現できるようになったAIとか情報技術をうまく組み合わせたらめちゃくちゃ面白いねっていう方にもつながっていくと思っています。
僕はエンジニアでお茶好きなものとして、このあたりのバランスをうまくかじ取りしていくと、これからどんどんもちろん発展していくであろうAI社会っていうのは、実はとてつもなく面白くもなるんじゃないかなみたいなことをちょっと考えたりしています。
すいません。かなり長くベラベラとしゃべってしまいましたが、今回はこのへんにしたいなと思います。ありがとうございました。
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