はい。
ということでね、今回の生き物、動物界接続動物文、昆虫孔、蝶木、カイコガカ、カイコガアカ、カイコガ族のカイコガでした。
はい。
で、学名はボンビクスモリ。
で、ラテン語でボンビクスは絹を出す虫、モリはクワを意味してて、つまりクワを食べる絹の虫って感じの意味になります。
そのまんまですね。
で、和名としては主に糸を吐き出す幼虫をカイコって呼んでて、青虫をカイコガって呼ぶような漢字になってるみたい。
だけどまあ、一応主名としてはね、カイコガっていうような、和名としてはカイコガって感じかな。
生態で言うもんね、割とね。
そうだね。
で、カイコはね、漢字で、天国の天が上に来て、その下に虫が来るっていうような、めちゃくちゃね、神聖な感じの。
確かに天の虫なんだ。
天の虫です。
だからもうめちゃくちゃなんか、日本人っていうか、ありがたさが表現されてるような感じだよね。
やっぱりある業種、やっぱりそういう服を作ったりだとか、糸を紡ぎ出すみたいな、そういうような業種の人たちからしたら、
本当にお給料を支えてくれてるような存在だから、神様ですよね。
そうですよ、はい。
そうですね。
まあでもね、この国の明治産業を支えたのもそれですから。
確かにそうだね。
日本にとっても神的存在ってことだね。
そうですよ、はい。
で、ちなみにね、これ、カイコ、何でカイコって呼ばれるようになったかっていうと、
もともとね、この漢字、天に虫のこのカイコって呼んでるやつは、コっていう風に発音してたんだよね。
コ、コだけなの?
そう、コだけ。
なので、コってつまり飼ってるじゃん、カイコ、今言うカイコなんだけど、
もう飼育してる状態だから、飼うコっていうことなんだよね。
あー、なるほどね。
それがどんどん生まっていって、カイコって呼ばれるようになったらしい、
なるほどね。
諸説あるかも。
カイコはね、今でもコって発音することがあって、
農家で飼われている普通の模様のカイコを、形のカイコっていう漢字で書いてカタコって呼んでたりして、
あとは波紋のない、結構真っ白なカイコを姫のカイコで姫子って呼んでたりもするらしいんだよね。
なんか聞いたことがある気がしなくもない。
ほんとに?見たよ。
カタコと姫子。
なるほどね、そういう意味なんだね。
模様が違うんだ。
そうそうそう。
吐き出す糸は違うの?
いや、吐き出す糸一緒じゃないかな。
なるほどね。
吐き出す糸はクワの葉を食べる量とか質か何かによって変わるみたいなんだよね。
なんか、反紋があるからといって別に眉に黒い部分ができるとかそういうことはないんだ。
それはないね。
反紋ができるような眉を作るのは相当な技術力が必要だと思う。
だって一本ずつ吐き出してるから。
あー確かに確かに、そっか、そうだね。
今黒だからまとめとこうみたいな。
これはね、むずいので。
確かにそっか、そうだね。作り方考えたらそっか。
この原理でいくと、カイコのことを子って言うんだったら、
おカイコ様はお子様ってね、なるわけですよ。
お子様って呼ぶ農家もいるみたいですね。
農家っていうか、飼ってる方々は。
はい、ということで。
起源なんだけど、前回もちょっと話したんだけど、
カイコはね、この絹の生産、養産だよね。
のためにクワコっていう種を家畜化した昆虫なんだよね。
だからそう、言ってくれたように野生動物としては生息しないです、この生き物。
だからこのカイコのことを家のカイコって書いて、
カサンって呼ばれたりもすんだよね。
家畜化されてるから家のカイコ、カサン。
でね、これ、もう野生回帰能力、つまり野生に帰れる能力を完全に失った唯一の家畜化動物として知られてて、
人間による管理なしでは生きることができないんですよ。
すごいよね。
だから牛が、例えば完全家畜化したホルスタインとかは、
あー逃がしちゃったーって言っても、あの人たち草食ったりなんかまあ、やれそうじゃん。
まあそうだね、生きてはいけるけど、あれだよね、その出産とかが難しいみたいな、そういう感じなんだよね、確か。
そう、でも0%ではないでしょ?
うん、まあそうだね。できなくはないと。
そう、でもこのカイコに至ってはたぶん0%なのよ、外に放ったら。
そんなレベルなんだ。
そのレベル。なんでかっていうと、
例えば、カイコを屋外のクワに泊まらせても、その餌のクワの葉を探さないまま餓死しちゃったり。
なんで?
わかんない。もう葉っぱが、枝に葉っぱが付いてるんだけど、その枝をこう、なんていうの?
登ることもできないっていうか、わかんないんだけど。
まあそうなの、もう目の前というか、その葉っぱの上に置いてもらわないと無理ですみたいな、そういう感じなの。
ぐらいな感じなんだと思う。
あとはね、もうめちゃくちゃいろいろあるんだけど、
体色がもう目立つよね、白で。
そうだね。
だから、まあ見つけやすいから、すぐに捕食されたりするのよ、鳥とかから。
ああ、なるほど、なるほど。
あとね、足の力がもうめちゃくちゃ弱いから、普通に落下します。
それは幼虫があっても。
幼虫も青虫も。
だからもうすぐに死んじゃう。ボトッてすぐに死んじゃうよね。
そっか、じゃあもう床に置いてあるみたいな、その感覚でしかないんだ。
そう、その感覚で。
床でこう立ってるぐらいの。
でね、晴れて青虫になりましたってなったとしても、
羽はあるんだけど、
もう体が大きいとか、あとは非常に必要な筋肉が退化してることなんかによって、
羽ばたくことはできるんだけど、飛ぶことはほぼできないんだよね。
悲しい。
だから、オスがメスに。
フェロモンが1キロ先に届いたとしても、1キロ先から来ることはできないんだ。
来れないと思うね。
それはそうだよね。
飛べなければね。
だから、オスがメスに交尾のために向かうときも、なんかもうよちよちと歩いて向かうぐらいしかないんだよね。
飛べないから。
なるほどね。
それは確かにやることないね。
やることないんだ。
生体になってやることができないっていうかね。
そうなんすよ。
だから結構ここまで、もう管理、人に管理されてるから、もう野生には帰れない。
なるほどね。
まあ、ということでね。
それだけ甘やかして、お願いしますっつって意図をね、出し続けてきたわけですよ、人間がね。
そうですね。
そういう進化をとにかくさせてきたってことだよね。
そうなんですよ。ということでね、ここからは、何が重宝されてるのっていうことについて話していこうかと思うんだけど。
当然、意図ですよ、意図。
眉ですよね。
さなぎになるときに作られる眉がね、めちゃくちゃ重宝されてて。
まずこの意図何?っていうと、フィブロインっていうタンパク質があって、
このフィブロインって、口から出されるときに2本出てくるってイメージだと思って。
フィブロインっていう繊維状。
2本あるの?
断面見ると三角形っぽい感じになるんだけど、これが2本出てくるんですよ。
で、この2本のやつをセリシンっていうタンパク質がくっつけて、1本の糸として出してるっていうような、そんなイメージなんだよね。
じゃあ口元のところから2本の糸と、それをくっつけるための接着剤を一緒に出してるってことなの?
口のところなのか、もっと奥の方に2本を1本にするような状態で作られて、くっつけられて出てるのかっていうのはちょっとあれだけども、
何にしてもそう。本当に分子レベルというか細かく見ると、2本のフィブロインっていう繊維状の糸がセリシンにくっつけて、1本の糸として出てくるよっていう。
なるほどね。
で、これをマイオを作るために、なんとね、2日以上出し続けるみたいなんだよね。
うん。
ずーっと出し続けてます。2日も。
そうだよね。あのサイズから1本ずつずーっとやって、あのサイズのマイオを作るってことだから。
そうなんですよ。
そう考えると確かにすごいよね。
めっちゃすごい。
そりゃいくら食べるか。
で、なんとこの糸、0.02ミリで、その長さはなんと1500メートルくらいになるらしいんだよね。
うんうんうん。
1.5キロよ。すごすぎない?
2日も出してるからね。
うん。
すごい。だからめちゃくちゃタンパク質合成が盛んになってるってことなんだよね。
うんうんうん。
だからまあ、いろんな遺伝子組み替えで、そのタンパク質を作る能力があるから、
まあ、何かその、それこそフィブロインを作るようなところに、なんか遺伝子組み替えで何かを作らせるタンパク質のね、遺伝子を組み込んじゃえば、
大量に作れるっていうのはなんとなくわかるような気がする。
そうだね。
だからね、すごい様々なんですよ。
これね。
まあ、これが生糸、木糸になるわけですよ。
で、この時ね、実は結構カラフルなんだよね。
面白いよ。すごい黄色っぽかったりする感じ?
そう、黄色っぽかったり、ちょっと緑がかったり、ちょっとオレンジっぽかったりみたいな。
で、これ、セリシン、くっつける糊としてのセリシンに色がついてるみたいで、
で、これはクワの葉の色素が体液を通って眉の糸についちゃうよみたいな、そういう感じなんだよね、セリシンについちゃうよっていう。
なるほどね。
で、ここから精子っていうか、糸にしていくっていうかね、ちゃんとした糸にしていくわけなんだけど、
ここからセリシンをお床なんかに入れて洗い流すんだよね。
それでフィブロインの繊維だけにしたものがシルク、木糸って呼ばれるわけですよ。
絹糸か。
だからお湯で流すともう全部白くなっちゃいます。
カラクラになるんだけど。
ねー、ということで。
ただね、このセリシン、アルカリ水中で溶けて、実際カイコが出てくる時にも、
そのアルカリ性の分解酵素かなんか出して眉を溶かして出てくるんだけど、そうなるともう繊維がね、ぶつ切りになって細かくなっちゃうよね。
だから、繊維がね、出てくる前にシルクにしたほうがいいねっていうことなんですよ。
ということでね、中には繊維がもう入っているんだけども、お湯の中に入れるわけなんですね。
そうですね。
だからここがポンドさんの言ってる、死骸の処分を考えると悲しくってっていうのは多分そこにあるんだよね。
そうだね。
そうなんです。だから完全にその繁殖をさせる用と、もう糸を作らせる用でもう完全に分けないとダメなんだよね。
なるほどね。
なんかこう、本当に技術的なところでいくと、その眉の状態のまんまお湯に入れて、で、出発点があるはずじゃん。
全部一本の糸だから。
だからそれをうまく見つけなきゃいけないから、もうカッターとかで切ってもダメなんだよね。
中の繊維を取り出すとかはもうできないわけなのよ。
そうだね。
だからもう入った状態のまんまドボンとやるしかないわけなんですね。
そうですね。
ねー、まあということで。
意外とあれだよね、いろんなところで眉って売ってるじゃん。
あー売ってるね、うん。
うん、だからあれカラカラって中に入ってるよね。
あ、そっか、音が鳴ると、あーそっか、確かにそうだね。
原理的にはそういうことか。
うわー。
そうなんですよ。
まあその刃物で切って中取り出すとか、もうなんかすごい早くなんか出てきちゃったっていう時は、なんかこう、綿みたいな感じの工程になるらしいから無駄にはしないらしいんだけど。
うんうん。
まあっていうような感じですよ、はい。
そうだね。
でまあこのシルク、この絹がめちゃくちゃいいんだよね。
コシがあって、もう吸湿性が良くて、染色性も良くて、熱伝えにくくて保温性の良い生地を作れて、光沢も風合いが良くて深みのある艶もあってみたいな。
もう高級品よ、高級品。
そうだね、確かに確かにそうですよ。
高級品です。
でも絹の糸はね、繊維の太さがそもそもデニールっていうやつで単位がついてるんだけど、あのねこれすごいよ、9000mで1gの糸を1デニールっていう風にしてるらしいの。
あ、そういう単位なんだ。
そう、9000mで1gの糸1デニールってやばすぎない?どういうこと?って思うんだけどね。
DNAとかがもっと小さいけどね、1nmぐらいだけど。
アノマユって、伸ばしたら1.5mとかって言ってたっけ?あ、1.5kgって言ってた。
そう、1500m。
アノマユって1gぐらいなんだ。1g、2gないんだ。
だいたいカイコの糸は3デニールぐらい。
なるほどね、そういうことかそういうことか。1デニールの単位がそういうことだもんね。
だから3デニールって言うと、すごい長いってことです。すごいよってことですね。すごい細い糸だね。0.02ミリしかないからね。
すごいな、そんなの吐き出してたの。
そんなの吐き出してたの。本当にすごいんだよ。カイコ様様様様様ですね。
ちなみにフォムさんも言ってるんだけど、野生にいるカイコなんだけど、この野生にいるカイコの仲間を野生のカイコと書いてヤサンって言うんだよね。
確かに。近い種ってこと?
そう、仲間で近い種で、例えば代表的なものだと大山マユとか、あとはクスさんとかっていうのがあげられるね。
なんちゃらマユガっていうもんね。
そうそう。作る糸も少ししか取れないから高級ではあるんだけども、ただシルク、絹に比べるとやや荒めで光沢もカイコほどないものが多いみたいなんだよね。
だから、シルクに対してヤサン子として区別されるみたい。ヤサンの糸って書いてヤサン子っていうみたいよ。
なるほどね。
でもそれはあれだけ白いものってなかなか難しいもんね。自然界にいたらそれは色付くよね。
そうなんですよ。
ということで、人間のためにめっちゃ頑張ってくれてる生き物でした、今回は。
ほんとすごくて、絹織物一単っていうのかな。
大人用の和服一着分に必要な布を作るのが一単ってなってるらしいんだけど。
そういう単位なのね。
一単モメンの一単だよね。
つまりそれがだいたい700gぐらいなんだって、一単ってのが。
ってことはだよ、どれぐらいのカイコが必要なのって話じゃん。
そうだよね。
だからまずね、だいたい700gぐらい作るには、餌になるクワの葉、だいたい98kgぐらい必要です。
で、カイコ2700頭くらい必要なんだよね。
そっから得られる眉、なんかうまくやってても病気か何かで死んじゃうっていうのも想定すると、
2700頭ぐらいで、だいたい2600粒くらいの眉が取れるかなって感じなんだけど、
これでやっと700から900gくらい作れるらしいのよ。
果てしないね。