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2023-10-28 16:41

読書ラジオ『お探し物は図書室まで』青山美智子

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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、青山美智子さんの『お探し物は図書館まで』という本について話してみようと思います。
お探し物は本ですか?仕事ですか?人生ですか?
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた町の小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど、激上手な司書さんが思いもよらない本のセレクトと、可愛い付録で後押しします。
自分が本当に探しているものに気がつき、明日への活力と希望が満ちていく物語。
ということで、お探し物は図書室まで。
青山美智子さんの本をちゃんと読むのは初めてですね。
レッターをいただいた方が青山美智子さんが大好きだということでお話されていたので、
お話というか、レッターに書いてあったので、それで読んでみようと思って買った青山美智子さんの本第1号になります。
お探し物は図書室まで。
この本の表紙はですね、木のテーブルかなと思われるようなすごい味のある木の板の上に本が4冊並んでいて、
そこには地球とカニと飛行機とゴローンと横になった猫ちゃんがその本の周りに置いてあります。
で、どうやらこれはですね、羊毛フェルトで作られたこういうの何て言うんだろう。
先ほどのあと書きで紹介されていれば、いわゆる可愛い付録なんですね。
街の小さな図書室にいる不愛想だけど聞き上手な師匠さんが本のおすすめとともに可愛い付録としてつけてくれるのは、
その師匠さんが作った羊毛フェルトのマスコットですね。
人生だったり、自分は何を探しているのかよくわからない。
そんな人が師匠の小町さんに紹介された本とともにこの小さな羊毛フェルトを受け取って、
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そこから何かを見つけていく、そんな短編の連作になった本になります。
最初に出てくるのは21歳、富士服販売店のトモカ。
次は35歳、家具メーカー経理部のリョウ。
次は40歳、元雑誌編集者の夏美。
そして30歳ニートのヒロヤ。
65歳、定年退職をしたマサオ。
この5人ですね。
私がこの本すごくいいなと思ったのはいくつかあるんですけれども、
まずこの5人のお探し物を図書室に探しに来る人たちの中で、
これは私の物語だなって、
ほとんどの人がそういうのを見つけられると思うんですよね。
自分の境遇と似た人を探せるというか、
共感できる境遇だったり、その感情が必ず出てくると思うんですよ。
とても読んでいて身近に感じるし、入り込みやすい、
そんなお話だなと思いました。
そしてですね、さらにいいなと思ったのがですね、
この本の中にちょっと嫌な人、感じ悪い人が一人も出てこない。
これはすごく読んでて気持ちがいいですね。
うまく歯車が噛み合わないとか、
人と人との気持ちが疑いがあからさまに分かるわけじゃないので、
違っていたりするだけで、一人一人はすごくいい人ばっかりなんですね。
嫌な人が一人もいないんです。
だからこそ読んでいて、なんか応援したくなるし、
嫌な気持ちにならない。
とても微笑ましい温かい気持ちで読み進めることができます。
最大の魅力っていうのは何と言っても、
この図書室の師匠さんである小町さんだと思います。
その小町さんの風貌っていうのはですね、
この5人がそれぞれで表現してたりするんですけど、
ベイマックスかなみたいな、かなりふっくらした風貌の小町さんで、
キュッと丸めた髪の毛にかんざしのようなものをキュッと刺されている。
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黙々と図書室のレファレンスのスペースで羊毛フェルトをグサグサやってるわけですね。
羊毛フェルトを手に取ったことがある方、もしくは作ったことがある方は分かるかもしれないんですけど、
私も一時期やってたことがあるんですが、
これやり始めると止まらなくてですね、
針、ニードルっていうもので、羊毛、本当にカラフルな毛を、綿をグサグサ刺していくと、
その刺し方でどんどん形が作っていったり、その硬さを調整できていくんですよね。
色を重ねることで何かの模様を作ったり、
それこそ猫の形にしたり、カニの形にしたり、飛行機の形にしたりっていうのができていくわけです。
やり始めると止まらなくてですね、そんな不思議な師匠さんがいる図書室なんです。
ここに人生に迷っていたりする人が、それでも一歩を踏み出そうとして、
その手がかりになるような本を探しに、この図書室に訪れるんですね。
そんな人に、師匠の小町さんは、必ずこんなことを言います。
今日は何を探し?
それを、私これ、小町さんみたいに上手く言えたのかすごい心配ですけれども、
それを言われた方は、ふわーっと肩の力がふーっと軽くなったような、
そんなふんわりした空気に包まれて、何かこの人に話してみようっていう気になってしまう。
小町さんって何かそういう不思議な力を持つ師匠さんですね。
話していくうちに、小町さんがその人に一番必要そうな本のリストをつけてくれる。
最後の4冊目は、これは何のためにご紹介してくれたのかよくわからないような本を1個紹介してくれるわけです。
それとプラスで、ごそごそっと自分が作った羊毛フェルトの中から、
カニだったり飛行機だったりをポンとフロックって言って渡してくれるんですね。
この小町さんが、その人に対して何か直接的な人生のアドバイスだったり、
決定的な何か一言っていうのを言うわけではないんですよ。
小町さんがやってることっていうのは、本を探しに来た人の話を聞く。
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それに対してただ繰り返すだったり、簡単な質問を返すんですよね。
でもなぜかそれを受けた人、小町さんに問い返された人っていうのは、どこかハッとしてしまう。
それって私が勉強したキャリアコンサルタントのカウセリング、コーチングでも習ったんですけど、
敬長っていうことなんだろうなぁと思うんですよね。
そんな状態で紹介された本と羊毛フェルトを手に持って真元の生活に戻っていく人たちは、
その本やマスコットをきっかけに何かを見つけていくという物語なんです。
そこから停滞していたその人の人生や生活が動き出していく。
そんなお話になるんですよね。
私がすごくいいなぁと思ったのは、
40歳夏美、元雑誌編集者の話の中で、
夏美と小町さんがこんなやりとりをするところがすごくいいなと思いました。
夏美は、先日ありがとうございました。月の扉すごくいい本でした。
小町さんは表情を変えないままうんと短く答える。
でも急いでざっと読んでしまったところもあるから買います。この本は欲しいと思って。
嬉しいね。読むだけじゃなくて手元に置いておきたいと思えるような本との架け橋になれたら。
ええ、私も変容しようと思いました。この本のおかげで。
そこで小町さんはこんな風に言います。
どんな本もそうだけど、書物そのものに力があるというよりは、
あなたがそういう読み方をしたっていう、そこに価値があるんだよ。
これはすごくこの本の真理を表現している言葉なんじゃないかなと思いますし、
人に対して何かサービスをするとか支援をするっていうことの本質がこの言葉にあるんじゃないかなと思っていて、
何かその人の人生を変えるっていうことは、本来は第三者にはできないわけですね。
その人自身しか自分を変えることはできないと思うんですけれども、
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何か手助けになれたら、きっかけになるようなことができたら、そんなことを思います。
小町さんもそんな風に思っているのかもしれない。
そのやり方が、ちょっとドヤ顔でいいことを言ってみるとか、
ためになるような本を渡すとかそうじゃなくて、その人の変容する力っていうのを信じて、
そこに何かきっかけになるようなさりげない一言や本やものをポンと置く。
これを受け取ってどういう意味付けをするかとか、どういう解釈を加えるか。
それでどういう行動をしていくかっていうのは、あなたが決めることですよと。
決して投げやりではなく、その人が変わっていくっていうことを全力で信じてですね、
そんな風に優しい一歩踏み出せるようなきっかけをポンと軽く渡すっていう、
その行為はもうすごい素晴らしいことだなと。
そんなことができる人になれたらいいなと。
私がキャリアコンサルタントとかコーチングを学んでいる中で目標とした行為だったり、
それがこの師匠の小松さんなんじゃないかなと。
そんな風に読みながらとても感動しました。
そんな小松さんに関わる、小松さんが関わることで、この5人の人たちは変わっていくわけですけれども、
それだけではなく、この5人の物語っていうのは、どこかしらでそれぞれが繋がっていて、
ここに出てくる5人の主人公以外にも、登場人物はそれぞれで関わり合っていく。
そんな緩く優しい繋がりっていうところも見えてですね、
この本を読んだら、あんまりパッとしない自分の生活とか人生も悪いもんじゃないんじゃないかなっていうような、
どこかで誰かの関節的にでも支えになっていたり、何かを変える、
その歯車のきっかけの一つになっているのかもしれないなっていう、
そういう関わりが実感できるような、そんな温かい勇気がもらえるような本だったなと思います。
どんな本でもそうですけれども、その本を書いた作家さんの思いや意図っていうのは、
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100%読者が受け取れるわけではなく、むしろそこから何を考えて、
自分の中にどんな感情が芽生えて、それをどういう行動に繋げていったのか、
そんなことに目を向けたくなる、それが読書の醍醐味でもあるなと、
そんなふうに改めて思わせてくれるような本でした。
青山美智子さん、とっても素敵な作家さんなんだなと改めて思いまして、
あと2冊、青山美智子さんの本を買っているんですけれども、
それも早く読んでみたいなと、そんなふうに思わせてくれるお話でした。
ということで今日は、青山美智子さんのお探しものは図書室までという本について話してみました。
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今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ではでは。
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