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2024-05-02 25:43

読書ラジオ『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』後半

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こんばんは、ゆうこです。 このチャンネルでは、私の読書録や日々の学びを音声配信しています。
今日は村上春樹さんの、世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドの後半について、
後半というか続きを話していきたいと思います。 前回はですね、あらすじと登場人物についてね、お話ししただけで20分も過ぎてしまった
ということで、
今回は何を話そうかなと思っていますが、とりあえず下巻の方のあらすじも、ちょっと読んでみようかなと思います。
私はね、あの単行本を買ったんですが、 文庫本のあらすじを読んでみたいと思います。
私の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した私は、 回路の秘密を聞いて愕然とする。
私の知らないうちに世界は始まり、知らないうちに終わろうとしているのだ。 残された時間はわずか、私の行く先は永遠のせいか、それともしか。
そしてまた、世界の終わりの街から僕は脱出できるのか。 同時進行する2つの物語を結ぶ意外な結末。
村上春樹のメッセージが君に届くか。 ということで、
なんか下巻のあらすじはぐっと物語が進んでいる感じがありますね。
じゃあちょっとそのあたりをつないでいくお話をまずしてみたいなと思いますが、 私は計算師という職業だという話をしたかなと思いますが、計算師というのは暗号化をする人なんですね。
今であればコンピューター技術でコンピューターが暗号化をするんですけれども、 このハードボールドワンダーランドの世界ではそれを人がやると。
どうやってやるかというと、選ばれしその計算師の脳みそを使うんですね。
で、脳には右脳と左脳があって、まず暗号化したい生データっていうのを右脳で読み込みます。 そしてその人にしかないその転換コードみたいなもので転換したものを右脳から左脳に移します。
左脳からデータをアウトプットすると、インプットしたデータが暗号化されたものがアウトプットに出てくるということで、このその人が持つ右脳と左脳の繋ぎ目というかですね、
パズルのようにピタッと合うものがないとデータを複合化することはできないわけです。 こうやって人の脳みそを使って暗号化をする。
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これが計算師が持っている能力であり、この作業をブレインウォッシュ、洗い出しというふうに言っています。
これをやっているのがハードボールドワンダーランド側の私なんですね。 博士が依頼したのもそのまさに
洗い出し、暗号化を依頼したわけです。 私が所属する組織と言っているですね、組織と書いてシステムと読むんですけれども、
システムには対抗する集団がいます。 それが工場と書いてファクトリーなんですけれども、
組織と書いてシステムの方が暗号化をする専門の計算師を抱える集団なんですね。 一方工場ファクトリーっていうのは、その暗号化されるデータを盗んで複合化して、
闇マーケットに売りさばくというような集団なんですよ。 だからシステム側は
このファクトリーに 複合化されないように暗号化の技術っていうのをどんどん開発していくし、
ファクトリー側はそれを破ろうとしてさらに解読の技術をどんどん磨いていくということで、 そんな対抗集団なんですね。
クライアントはシステム側にこのデータ暗号化してほしいっていうことを依頼するし、 ファクトリー側に依頼するクライアントとしては、こういうデータが欲しいんだけどってことを依頼するわけです。
対抗組織ということで、それぞれにもクライアントがあって、結構マーケットが循環しているというふうに思いますが、
ファクトリーが抱える、そのデータを盗んで解読する人たちのことをですね、記号誌と言うんですね。
記号に弁護士の死と書いて記号誌なんですけれども、僕を襲ったのはどうやらこのファクトリーの記号誌なのかもしれない。
博士を襲った者も記号誌なのかもしれないということが、この物語の中でだいぶわかってきます。
じゃあなんで記号誌が、ファクトリーが僕や博士を狙うのか。
というかまさに博士が依頼しようとしたその暗号化の元データだったり、僕が狙い目なのかもしれない。
そういうところが読んでいくうちにわかっていく、それが一つ面白い部分だなと思います。
この流れで、この世界の終わりとハードボイルドワンダーランド、私がここ面白いなぁと唸ったポイントがまさに今話したようなことが一つで、
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村上春樹さんは1980年代に、今で言う暗号化の技術だったり、最新のテクノロジーがやろうとしていることを人の脳みそになったらできるんじゃないか、みたいなことを考えてこの小説を書いてるんですね。
そこがすごいなぁと思いました。さっきのあのブレインウォッシュ、洗い出しなんかも、人の脳みそを使って右脳から左脳に転換して解読できないようにしている。その人の脳じゃないと複合ができないわけですね。
そんなことよく考えるなぁと思いますし、僕はですね、私はですね、このブレインウォッシュだけじゃなくて、
もう一つね、禁じてとされているシャッフリングか、シャッフリングっていうのもできるんですね。シャッフリングっていうのは、システム側から危険な作業だからもうやらないようにって言い渡されてるんですけれども、
博士はなぜかシステム側の許諾を得たという契約書を私に見せるんですよ。シャッフリングまでやってくれということで、私は博士の研究所でさっきの洗い出し、ブレインウォッシュをやって、ブレインウォッシュして暗号化したデータを持ち帰って、自宅でシャッフリングするという、二重化するってことですね。
またすごいこと考えるなぁと思ったんですけど、このシャッフリングっていうのも面白くてですね、これが本当によく考えたなぁと思うんですけれども、このシャッフリングも暗号化の一つなんですけれども、ブレインウォッシュは人の脳みそを使ったんですね。
脳から左脳に変換して、その右脳と左脳が合わさることで複合化できるっていうことなんですけど、シャッフリングっていうのはですね、人間の真相心理を使います。
で、人間の真相心理っていうのはブラックボックスだと、本人でもその自分の真相心理を探ることはできない。そして誰一人同じ人間はいないわけなので、人間の真相心理っていうのはもうその人そのもの、アイデンティティであり、最強のブラックボックスなんですと。
要するにもうこのように一つしかない鍵の一つなんだということで、博士はですね、研究によってこの計算子の脳みその真相心理を凍結するっていう技術を開発したわけです。
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その凍結された思考システムっていうのは、このように一つしかない。この瞬間、この時間、この1分1秒の中に1個しかない。それを凍結してそれを鍵として使うことで、ほぼ永久に解読できない唯一無二の鍵、暗号化の鍵を手に入れることができるみたいなことをやるわけですね。
人間の思考っていうのは、見たもの、聞いたもの、考えたもの、時間が経つにそれて、いろんなインプットとアウトプットになって思考回路っていうのが変わっていくので、二度と同じ思考システムっていうのはないわけですね。
その時の思考システムで人間は判断をしている。ある時の思考システムを凍結したら、その人でもわからない最強のブラックボックスになるみたいなことで、それを鍵として使うのがシャッフリングなんですね。
これ禁じてとされているんですが、私はさっきも言ったように自分のアパートでシャッフリングをする。こんなことを考える博士もすごいけど、それを生み出して村上春樹めっちゃすごいなと思って、そこがですね、私この本を読んでてもう震えるぐらい感動した部分でしたね。
さらにですね、この凍結、瞬間冷凍された、固定化されたある一瞬のその人の思考システムっていうのを博士はですね、さらにいろんな要素をつなぎ合わせて映像化してストーリーにするっていうところまで踏み込んでしまうわけです。
これがまさに、もう一つの世界の終わりの街の元になるものだったりするんですけれども、僕の真相真理の中にある壁に囲まれた世界の終わりというイメージを映像化して、博士が僕にその映像化した核を意識の中に戻してしまったがために、
また第三世界、三つ目の思考回路というものが僕の中にできてしまい、それが世界の終わりという街ができてしまった瞬間だったっていうことですね。
すごいこと考えるなぁと思いましたね。
これ多分、私は読んだから話しててわかるんですけど、初めて聞いた人は何のこっちゃわかんないと思うんで。
これね、小説でもね、もう一回読んでね、この凄さを味わってほしいですね。
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今でもこういった技術というか、取り組んでいることをやりたい方向性っていうのは、AIとかデータプラットフォームとか言ってますけど、テクノロジーの界隈ではそういうキーワードありますが、
技術としては、1980年代にはどうやらこういうことをやればできそうだっていう段階にはあったんですよね、今のAIとかですね。
でもそれをこの時代に森上春樹が本質を理解して、それを小説の中で人間を土台として実証実験してみたみたいなことだと思うんですよね。
それがすごいなと思います。この小説の面白さの一つは、この暗号化の話がめちゃくちゃ面白いなと思いました。
他にも面白さは話していけたらいいなと思うんですけれども。
もう一つ面白さっていうのは、ハードボイルドワンダーランド側にいる私と世界の終わり側にいる僕が、話が進んでいくうちに共鳴していくっていうところなんですね。
ある地点にくると、今までずっと私という一人称だったのが、僕もというふうに言い始めます。
なのでこの二つの世界の境界がなくなりかけていて、どちらか一つ、私と僕が一人の僕になろうとしているっていうのがどんどんわかってくるんです。
世界の終わり側にいる僕っていうのは、記憶がないんですけれども、なぜかないはずの記憶だったりイメージが僕に湧いてきたり、知らないはずの私の方に僕のいる場所のイメージが鮮明に見えたりする。
その辺がオーバーアップして共鳴していく部分がまた面白いんですね。
登場人物も、鏡戸までは言わないんですけど、ハードボールのワンダーランド側と世界の終わり側の登場人物も、なんとなく似てるような気がするんですよね。
だからね、小説の中でも、私のセリフとして何度生まれ変わっても、私はきっと私のような生き方になるだろうみたいなことを言ってましたけれども、
ハードボールのワンダーランド側にいる私も、世界の終わりの街にいる僕も、結局ね、同一人物であるとするならば、行き着く先は一つなんだと思うんですよね。
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それを繰り返しているという人生なのかもしれないというふうに思えてくると、これってもしかしたらやっぱり村上春樹が自分のことを書いてるんじゃないかなっていうふうに思えてきますね。
そう思えてくると、一つ一つのセリフが、あ、なんかこれ村上春樹が自分のこと言ってるっぽいな、みたいなことがどんどん見えてきて、それも面白さの一つだったりします。
結構ね、特徴的な言葉っていうのがいくつかあって、これどっかの羊を巡る冒険でもね、そんなことを言った僕がいたなと思ったんですけど、
話題の中心にいるのにも関わらず、私だけが何も知らないということ、怒りを覚えるんですね、私がですね。
これはですね、羊を巡る冒険でもね、同じようなことで怒ってた僕がいたなと思って。
これはやっぱり、ハードボイルド側にいる私も結局は僕であり、村上春樹なんだなぁなんてちょっとニヤニヤしましたね。
そして、私が壁について思いを巡らせるところっていうのも、なんかね、僕らしさが出てるなというふうに思います。
ある時ね、家でアパートで小説を読んでいる時に、スタンダードの赤と黒を読むんですよね。
そこで出てくるジュリアン・ソレムに同情すると、きっとソレムも壁に囲まれたまま破滅へと進み続けるという人物なんだろうと思った時に、何かが私の心を打つ。
何が心を打つのかというと、壁だ。世界は壁に囲まれている。
そうすると、壁や門の姿っていうのを簡単に思い浮かべることができた。
それは、すなわち僕がいる世界の終わりの街のことなんですね。
ここで、僕と私のイメージが一つになりつつある一場面だったりするんですけれども、
ここで私はこんなふうに言うんですね。
その壁は私の限定された人生を暗示しているっていうふうに言うんですね。
かなり後半になって、もう一度さらにそれに対して、公平さというものはその限定された中でしか通用しない概念であるみたいなことを言うんです。
終盤になるにつれて、私も僕も究極の選択を迫られるわけですけれども、
私の方は公平さを保とうとして、その選択に対してですね、公平である方法を選択しようとするわけですね。
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なんかね、それはね、ずっとこれまでの小説で村上春樹が僕のいる世界を、
なんというか、どう捉えているのかちょっとはっきりは言えないんですけれども、
自分の人生だったり置かれている場所で自分がやるべきこと、やるべきことよりもおそらくできないことであろうことみたいなことをずっと考えているおじさんなんじゃないかなと思っていて、
そういったことがここに出てるんじゃないかなと思ってますね。
要するに、自分は公平でありたいという、そういった概念、責任感をすごく強く感じているという自我を持っていて、
ただその公平さっていうのは、広い世界では通用するものではなく、限定された中でしか何が公平だということが定義できない。
であるならば、その公平さを大事にしようとする私の人生っていうのは、世界っていうのはひどく限定された世界人生なんじゃないかというふうに、
このおじさんが思っているんだろうなというふうに思ったりしましたね。
それがもしかしたら、この壁に囲まれた街を引き合いに出して小説にするっていうことにつながったのかもしれないななんて、
まさにね、村上春樹さんの真相真理を覗いていったら、世界の終わりの街が見えてくるっていうことなのかななんて、
それも私にとっては面白さの一つだったなと思いますね。
これ何言ってるか伝わるのかな?
もう20分も話しちゃってますが、
そうですね、あともっともっと話したいことがあるんですけれども、きっと竹庵さんとね、早浮きの読みっぱなしで世界の終わり話してくれるんじゃないかななんて思っているので、
残りはそっちの読書会でね、話せたらいいなと思いますが、考えたいことは2つあるなと思っているので、
その2つをね、最後にお話しして、私の感想配信は終わりにしようかなと思います。
一つはですね、世界が終わる日、あと24時間でこの世界が終わるとなったら、何をするのかなっていうのが、この小説が読者に対して考えさせるテーマの一つだろうなと思うんですね。
で、私が、あと24時間で世界が終わるとなった時にどういう行動したのかっていうのは、なんか村上春樹っぽいなぁと思うんですけれども、
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みんな最終的にはこういうことをするのかもしれないっていうのが描かれていてですね、答えの一つだなぁと思って私は結構納得しました。
皆さんはどうですかね?世界が終わる、あと24時間ですって言われたら何をするか。
もう一つはですね、これが最後まで残された謎、大きな謎なんだろうなと思うんですけれども、
最後ですね、ハードボイルドワンダーランド側にいる私がですね、こんなことを言います。
私はこれで私の失ったものを取り戻すことができるのだと思った。それは一度失われたにせよ決して損なわれてはいないのだ。
私は目を閉じてその深い眠りに身を任せた。ボブニランは激しい雨を歌い続けていた。
これもう本当に最後の最後のハードボイルドワンダーランド側の私の一文なんですけれども、
私は何を失ったのかですね。私が失ったものは何だったのかっていうのはこれ大きな謎で、
これが本当に村上春樹の人生観の核の部分なのかもしれないなと思ったりします。
前後の小説にも多分こういったことが書かれているんだろうし、これから読みたいと思っている
壁とその不確かな街かな?街とその不確かな壁だったかな?にもその辺が書いてあるんじゃないかなと思うんですけれども、
ぜひね、この小説を読んだことがある人は一緒に考えてみてほしいんです。私には答えが見つからない。
私が失ったものは何なのかっていうことですね。この辺もケアンさんと話せたらいいなぁなんて思ってます。
ということで、まだまだ話したいことはたくさんあるんですけれども、もう本当に終わらないんじゃないかと思いますので、
この辺にしとこうかなと思いました。結局4枚メモを書きましたと言いましたが、3枚分ぐらいしか話してないですね。
もっとね、いろんな面白さがあるんですけどね。街の話とかもね、どういうシステムなのかとかもね、全然話せてないので、その辺は読書会で話せたらいいなぁと思ってます。
ということで、いやぁ次を読みたいなぁ。街とその不確かな壁。ちょっとタイトルが、街と?そうですね、街とその不確かな壁ですね。
24:04
この小説はね、たぶんこの世界の終わりとハードボールドワンダーランドに繋がる話だと思うんですよ。だから今これが読みたくて読みたくてしょうがないですね。
はい、ということで、一旦ここまで話はつきませんが、いやぁ本当に面白かった。
わらかみはるきの今まで読んだ本の中でも一番最高ですね。一番面白いと言ってもいい。よくこんなこと考えるなぁと思ったし、着想をね、しっかりこう、作品にされたっていう構想力とかテクニカルな部分も、私にはわかんないですが、やっぱり技術力もあるんでしょうね。
いやぁ面白い。なんで今まで読んでなかったんだろうっていう感じ。
本当にあの、読んでほしいですね。ただ分厚いのでね、どうかなぁ。なかなかハードル高い本かもしれないですが、ぜひ気が向かえた方は読んでみてください。
ということで、今日は世界の終わりとハードポイルドワンダーランドについて、後編ということでね、話してみました。
はい、この配信が気に入っていただけたら、いいねやコメント、フォローお願いします。励みになります。
今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。ではでは。
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