00:04
スピーカー 2
アイテム番号 SCP-323-JP オブジェクトクラス セーフ
特別収容プロトコル
スピーカー 1
SCP-323-JPは、破損を避けるために対衝撃ケースに入れられ、
スピーカー 2
サイト8181の提供移動収容庫に収容されています。
実験を行う際は、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員から許可を得た上で行ってください。
説明
SCP-323-JPは、ダゲレオタイプのカメラです。
スピーカー 1
本体は、カシ、ヒノキなどの一般的な木材、および真鍮で構成されています。
スピーカー 2
製作者を特定できるような情報は記載されておらず、
スピーカー 1
木製パーツの炭素年代測定により1890年頃に製造されていたことが明らかになっています。
スピーカー 2
撮影手順および現像方法は、通常のダゲレオタイプのカメラと同じく、
よく磨いた銀板に要素の蒸気を当てて、溶化銀の膜を生じさせ、
光を当てないようにSCP-323-JPに取り付け撮影します。
撮影に必要な録音時間は約5秒で、録音の開始と終了はレンズに付いている蓋の開閉で行います。
現像は撮影した銀板に水銀蒸気を当て、像を浮かび上がらせた上で定着剤を使い現像します。
SCP-323-JPの特異性は、人物、以下、被写体を撮影した場合に発現します。
被写体は録音時間終了後意識を失い、目覚めることはありません。
これは被写体が複数であっても生じますが、被写体が録音時間中に移動していた、ピントが合っていなかった、
スピーカー 1
などの原因により像が鮮明でない、または銀板が入っていない場合には発生しません。
撮影した写真は全てSCP-323-JP-1と分類され、被写体の身体の半分以上が鮮明に写っていた場合にその特異性を発現します。
スピーカー 2
SCP-323-JP-1に106以上の光を当てた場合、写真に写った被写体が動き始めます。
活動は5秒ごとに画像が切り替わる形で描写され、活動は照度を106以下にする、写真を物理的に破壊するまで続きます。
SCP-323-JP-1は1900年2月に大学の教授が入手し、自らを撮影した際に意識不明となったことから財団の目に留まりました。
スピーカー 1
教授がSCP-323-JPを入手した経緯は不明です。
スピーカー 2
教授が写っていたと推測されるSCP-323-JP-1は撮影時の混乱からレンズが開いたままの状態で放置されたため、
03:08
スピーカー 2
録音時間が非常に長時間となり、現像は不可能な状態でした。
実験記録323-JP-1、1900年。
対象Dクラス1名。目的、SCP-323-JP-1内の稼働部位調査。
実施方法、SCP-323-JP-1には扉、窓などを写り込ませ、被験者にはただ出ることを考えるようにと通達し撮影。
結果、SCP-323-JP-1内の扉、窓は開閉可能であり、扉から外に出ることは可能であった。
しかし、SCP-323-JP-1の端からは出ることができず、脱出不可能であった。
考察。どうやらSCP-323-JP-1の端が世界の終わりらしい。
ところで内部からの主観的な時間などはどうなっているんだ?
島博士。
実験記録323-JP-2、1900年。
スピーカー 1
対象、実験記録323-JP-1で作成したSCP-323-JP-1。
スピーカー 2
目的、SCP-323-JP-1の活動停止時の主観的な時間経過の確認。
実施方法、SCP-323-JP-1の活動を24時間停止させ、その後再活動させた。
結果、停止前の被験者は部屋の中央で暴れていた。停止後もほぼ同じ位置で暴れていた。
考察。
24時間同一の地点で暴れ続けるとは考えづらい。
おそらく非活動時の内部での時間経過は存在しないのだろう。
島博士。
スピーカー 1
実験記録323-JP-3、1900年。
対象、実験記録323-JP-1で作成したSCP-323-JP-1。
目的、SCP-323-JP-1の破壊時の反応確認。
スピーカー 2
実施方法、SCP-323-JP-1を裁断、被験者の反応を観察する。
観察のため裁断は時間をかけ、被験者を通るように行われる。
結果、裁断開始から刃先が被験者に到達するまで反応はなかった。
被験者が裁断され始めると、被験者は混乱を見せ、その場で暴れ始めた。
裁断後は活動を停止した。
考察、裁断時の反応から考えて、裁断により生じたSCP-323-JP-1の端が被験者を固定したと考えられる。
06:05
スピーカー 2
また、裁断されるとその得意性を失うようだ。
川中博士。
スピーカー 1
実験記録323-JP-4、1900年。
スピーカー 2
対象、Dクラス1名。
スピーカー 1
目的、SCP-323-JP-1の端の固定についての検証。
スピーカー 2
実施方法、被験者の足から上を撮影し、撮影したSCP-323-JP-1を観察。
結果、被験者は足を固定された状態で活動を開始。
足を固定された状態で活動を開始、端の固定から抜け出すことはなかった。
考察、身体のすべてが映る必要はないということは、身体の一部でも映れば捕らわれる可能性があるということだ。
島博士。
実験記録323-JP-5、1900年。
対象、Dクラス1名。
スピーカー 1
犬、猿、金魚、各1匹。
スピーカー 2
目的、SCP-323-JP-1の効果範囲の検証。
スピーカー 1
実施方法、全被験者を同一のSCP-323-JP-1に撮影し、観察。
スピーカー 2
結果、Dクラスのみ活動開始。
他の動物は撮影時、SCP-323-JP-1内でも異常が発生しませんでした。
考察、どうやら人間にのみ作用するようです。
永谷博士。
スピーカー 1
実験記録323-JP-6、1900年。
スピーカー 2
対象、Dクラス1名、研究員1名。
目的、長時間観察による被験者の変化観察。
実施方法、活動が活発になると思われる反抗的なDクラスを撮影。
1週間連続で活動させ、経過を観察。
スピーカー 1
結果、撮影時にDクラスが暴れ出し、撮影時にDクラスの他3名がSCP-323-JP-1に移りました。
しかし、上半身がすべて移った、研究員助手だけがSCP-323-JP-1内で活動を開始、
スピーカー 2
腕だけ移ったエージェント、胸から上だけ移ったエージェントは活動せず停止したままでした。
エージェント2名に異常はありませんでした。
考察、暴れ出した時に中止すべきだった。強行した私のミスだ。
しかし、どうやら身体の半分以上が移り込む必要があるようだ。
川中博士、
ほい、川中博士は異動となりました。
スピーカー 1
実験記録323-JP-7、1900年。
スピーカー 2
対象、Dクラス1名。目的、内部との更新手段の模索。
実施方法、通信機、スケッチブックと筆記具を持たせた被験者を撮影、
09:05
スピーカー 2
現像後に更新手段の確認及び観察を行う。
結果、通信機は更新不能でした。
スケッチブックでの情報提供により、
スピーカー 1
内部でSCP-323-JPを確認できないこと、
スピーカー 2
端から向こうを見ることはできるが、見えない壁があり移動できないこと、
こちらから呼びかけようともSCP-323-JP-1を動かしても、
内部では何も起きないことが確認されました。
考察、SCP-323-JP-1内をこれ以上調査する必要性は限りなく低くなりました。
長谷博士
スピーカー 1
実験記録、323-JP-8、1900…
スピーカー 2
対象、SCP-323-JP-1、2枚。
スピーカー 1
目的、長時間観察による被験者の変化を観察。
実施方法、実験記録323-JP-4、7で撮影したSCP-323-JP-1を
72時間連続活動させ経過を観察。
スピーカー 2
結果、双方、空腹、排泄、睡眠などを必要としている様子は観察できませんでした。
行動は疲労、混乱などにより変化を確認しました。
考察、
肉体に依存する行動は無視されるのでしょう。
スピーカー 1
ある意味では静止した時を過ごしていますね。
スピーカー 2
長谷博士
実験記録323-JP-9、1900、年。
対象、Dクラス2名。目的、二重撮影時の反応の観察。
実施方法、
Dクラスを撮影した後、
現像せずに別室でもう一人のDクラスを撮影、現像する。
結果、削除済み。
考察、
このような実験はもう二度と申請しないでください。
長谷博士
スピーカー 1
ほい。
スピーカー 2
教授が入手した時点では、
スピーカー 1
SCP-323-JPにレンズ部分のパーツが存在していなかったことが判明しました。
スピーカー 2
また、レンズ部分のパーツは本体との接着が確認できないにも関わらず、
本体から外すことができませんでした。
機械、記憶媒体のタグが付いています。
アトムハートファーザーみたいなものが、
ジョジョの四部のキラー吉影のお父さんのスタンド能力、
写真世界に閉じ込めるみたいな能力だったはず。
ダゲレオタイプのカメラってなんだ?
ダゲレオタイプ銀版写真、
それを聞いてるんだよな。
昔のあれかな?
昔のあれかな?って言ってもわかんないな。
ダゲレオタイプ調べよう。
ダゲレオタイプ。
12:02
スピーカー 2
へー、世界初の写真技法。
ダゲレオタイプのカメラの画像が見たいんだけどな。
写真じゃなくて。
銀メッキされた銅板上に溶化銀を塗布することで、
乾燥性を持たせ、水金蒸気で原造する技法。
複製不可能な1枚限りの写真となる。
へー。
また、観光面から鑑賞するために左右反転した像になるだけではなく、
見る角度によってはポジ像になったりネガ像になったりする。
またわからん言葉出してきたな。
昔のカメラってことですね。
で、人物を撮影した場合に異常性が発現します。
異常性は、
体の半分以上が鮮明に写っていた場合に発動します。
106水上の光を当てた場合、写真の中の被写体が動き始めます。
活動は5秒ごとに画像が切り替わる形で描写されます。
これ、実験記録の写真を裁断している最中の被験者の様子っていうのは、
写真の中のDクラス職員なのか、
写真とは異常性が発生しているのか、
写真の中のDクラス職員なのか、
写真撮られたこっちの世界にいるDクラス職員なのかわからないんですよね。
どっちなんだろう。
目的。
SCP-323-JP-1の破壊時の反応確認。
被験者。
スピーカー 1
対象が実験記録323-JP-1で作成したSCP-323-JP-1だから写真だな。
スピーカー 2
写真の中のDクラス職員。
裁断開始からハサキが被験者に到達するまで反応はなかった。
被験者が裁断され始めると混乱を見せ、その場で暴れ始めた。
裁断後は活動を停止。
裁断により写真の中に橋、見えない壁のようなものが増えたと。
切り口がそのまま壁となって被験者を固定してしまった。
故に動けなくなった。動かなくなった。
かつ、完全に裁断されるとその得意性を失うという認識かな。
少しずつ切る運にはまだ動くけど、完全に壁が貫通というか開通したら、
その写真は写真じゃなくなる異常性を失うということですかね。
15:01
スピーカー 2
最後が気になるのはDクラス2名。
二重撮影時の反応の観察。
Dクラス職員を撮影した後、現像せずに別室でもう一人のDクラスを撮影・現像する。
2枚出るわけじゃないんだな、この撮影方法だと。
一つのフィルムというか銀板に2人Dクラスが重なって映るようになる。
キメラみたいになるってことなのかな。
このような実験はもう二度と申請しないでください。
写真の中の人が繋がってぐちゃぐちゃというかキメラみたいになるっていうだけなら、
別にSCP財団なら記録しそうな気するけどな。
もっとやばい結果が起きたのかな。
というSCPでした。
ではまた次回お疲れ様です。