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2021-08-25 20:34

#16 SCP-527-JP - 運命の出会い

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紹介SCP・SPC

Author: hinoken
Title: SCP-527-JP - 運命の出会い
Source: http://scp-jp.wikidot.com/scp-527-jp
Year of creation:2015
CC BY-SA 3.0

SCP財団とは: https://ja.wikipedia.org/wiki/SCP%E8%B2%A1%E5%9B%A3

©︎SCP財団 http://ja.scp-wiki.net/
00:04
スピーカー 1
アイテム番号 SCP-527-JP オブジェクトクラス Euclid 特別収容プロトコル
スピーカー 2
SCP-527-JPは、その性質上、移動させることは不可能なため、 SCP-527-JPを含む地域一帯を封鎖し、周辺に住宅に偽装したサイト8-1-黒州西を建設します。
スピーカー 1
サイト8-1-黒州西に勤める職員は、実験用のDクラスを除いてすべて女性で構成してください。
スピーカー 2
また、近隣住民に定期的に記憶処理を行いつつ、カバーストーリー開発工事を適用してください。
SCP-527-JPに関するインターネット上の情報などは、発見され次第、情報の検閲を行ってください。
スピーカー 1
説明 SCP-527-JPは神奈川県黒州西市に存在する十字路の交差点及びそれを構成する道路です。
スピーカー 2
それぞれの道路は完全に直角に交わっており、それぞれの道路が平均して高さ2メートルを超えるコンクリート塀で覆われているため、一般的な歩行者が左右の道路を視認することは困難です。
SCP-527-JPを構成するいずれかの道路から、16歳から22歳の男性以下被験者と表記がSCP-527-JP交差点に歩行によって侵入した場合、SCP-527-JPの異常な特性が発揮されます。
被験者が交差点に侵入する瞬間、被験者から見て左右いずれかの道路から、被験者とおおよそ同年代の外見をした女性に見える人型実態以下、SCP-527-JP1と表記が出現し、必ずお互いの肉体が衝突します。
スピーカー 1
この時出現するSCP-527-JP1が、被験者によって外見が著しく変化する点、また、被験者へのインタビュー記録から、SCP-527-JPは何らかの手段によって被験者の趣向を読み取っていると推測されています。
また、SCP-527-JP1は、通常の人間と同程度の耐久性を持ち、ほぼ全ての場合、激突した際に被験者と同程度の損傷を負います。
スピーカー 2
SCP-527-JPの出現・消失の瞬間を映像機器によって捉える試みは、不自然なノイズや飛来する遮蔽物の存在によって失敗に終わっています。
被験者は1回目のSCP-527-JP1との衝突を経験した際、SCP-527-JP1のことを運命の人であると認識し、以降、衝突ごとに3分から20分程度の雑談を行った後、SCP-527-JP1はその場を離れ、消失します。
03:20
スピーカー 1
その後、被験者は第4回目の衝突時までSCP-527-JPを通りたいという欲求を示し、でき得る限り毎日SCP-527-JPを通行しようとします。
この状態の被験者は、クラスB記憶処理によって感知が可能です。
スピーカー 2
被験者とSCP-527-JP1の衝突時の衝撃は回数を重ねるごとに強力になります。これについては下記の表を参照してください。
衝突回数1回目
スピーカー 1
衝突時の衝撃
通常の体格の人間が10km毎時で衝突する力とほぼ同等の衝撃力
個人差にもよるが、被験者は転倒時にすり傷、軽い打撲を生じる。
2回目
一般的な家庭用自転車が20km毎時で衝突する力とほぼ同等の衝撃力
スピーカー 2
被験者は多くの場合、打ち身や念座、場合によっては骨折を生じる。
スピーカー 1
3回目
一般的な軽自動車が40km毎時で衝突する力とほぼ同等の衝撃力
ほぼ全ての場合において、被験者は軽度から重度の骨折及び内出血を生じる。
4回目
一般的な平ボディ軽トラックが60km毎時で衝突する力とほぼ同等の衝撃力
被験者は重度の骨折や内臓破裂を生じるが、現在までこの段階での被験者の死亡は確認されていない。
5回目
測定不能
スピーカー 2
この衝撃によって発生する余波が膨大なものと推測されているにもかかわらず、余波は計測されていない。
被験者は4回目の衝突を経験した場合、SCP-527-JP及びSCP-527-JP-1に対して消極的な反応を示し、できる限りSCP-527-JPを通行しないよう試みます。
スピーカー 1
被験者へのインタビューを行ったところ、全員がSCP-527-JP-1と喧嘩別れをしたという胸の供述を行っており、このことが原因であると推測されています。
SCP-527-JPを用いた実験記録は下記を参照してください。
スピーカー 2
実験記録を表示。
スピーカー 1
実験記録 527-1 対象 D-527-01 20歳 衝突1回目
スピーカー 2
実施方法 交差している4つの道路のうち向かい合った2つを厚さ50cmのコンクリート壁によって封鎖し、D-527-01をSCP-527-JP交差点に侵入させる。
06:14
スピーカー 2
これによってSCP-527-JP-1の出現の抑制が可能であるかを実験する。
スピーカー 1
結果、SCP-527-JP-1はコンクリート壁を無傷で粉砕し、D-527-01と衝突した。
スピーカー 2
D-527-01との衝突時の衝撃は通常のものと同等であった。
スピーカー 1
分析 SCP-527-JP-1はコンクリート壁を無傷で破壊したにも関わらず、D-527-01との衝突時には通常通りの衝撃であったことから、
SCP-527-JP-1ではなく、SCP-527-JP自体の影響によってコンクリート壁が破壊されたと考えられる。
いわゆる恋する乙女のパワーというものでしょうか。
実験記録 527-2 対象 D-527-02 21歳 衝突1回目 D-527-03 21歳 衝突1回目
2人の女性に対する手法はかなり異なっている。
実施方法 2人同時にSCP-527-JP交差点に侵入させる。
SCP-527-JP-1が同時に2体以上出現するかを実験する。
結果、SCP-527-JP-1は1体のみ出現し、D-527-03に衝突。
D-527-02には何も起こらなかった。
分析 SCP-527-JP-1は、侵入した男性が2人以上存在する場合でも1体のみしか出現しないことが判明した。
また、確認されたSCP-527-JP-1の用紙が事前に行ったアンケートの回答結果と比較して、
D-527-03の主行に近いことから、D-527-03が被験者として選択されたと考えられる。
スピーカー 2
また、D-527-02には軽度の鬱症状の傾向が見られる。
スピーカー 1
追加で、サイト勤務者への調査を行ったところ、D-527-03の方が客観的に用紙が良いという結果になりました。
この結果と、SCP-527-JP-1がD-527-03を選択したという事実との因果関係は不明です。
実験記録527-03 対象 D-527-04 17歳 衝突1回目
09:01
スピーカー 1
事前のテストにより、同性への強い性的指向・性的指向を持つことが確認されている。
実施方法 異性ではなく同性愛者が侵入した場合、SCP-527-JP-1個体が出現するかを実験する。
結果、男性の見た目をしたSCP-527-JP-1個体が出現。
スピーカー 2
用紙以外のあらゆる点で、他のSCP-527-JP個体との差異は確認されなかった。
スピーカー 1
分析 SCP-527-JP-1は、被験者に応じて、用紙のみでなく、見かけ上の性別をも変えることが可能であることが確認された。
後日、追加で女性Dクラス職員の同性愛者を用いた実験が行われたが、SCP-527-JP-1個体の発生は確認されなかった。
実験記録 5274 対象 D-527-05 19歳 衝突5回目
実施方法 4回目の衝突を行った被験者を、SCP-527-JP交差点に侵入させ反応を記録する。
結果 編集済み 詳細は音声記録5271を参照してください。
音声記録5271を表示 録音開始
研究員 それでは実験を始めます。
D-527-05 交差点内へ侵入してください。
D-527-05
なあ、やっぱ俺嫌だよ。彼女に嫌われたに違いないんだ。もう会いたく…
研究員 D-527-05 これはあなたの慰安旅行ではなく、正式な実験です。指示通りにしてください。
D-527-05
スピーカー 2
わ、わかったや。進む。進むからさ。
スピーカー 1
D-527-05がSCP-527-JP交差点内に侵入。SCP-527-JP-1は出現せず。
研究員 何か異常なことはありませんか?
D-527-05 何もないよ。彼女もいない。やっぱり俺に愛想をつかしたんだ。くそ、俺は彼女になんてことを。
研究員 D-527-05 それ以上実験と関係のない発言をすれば、強制終了を行います。周りの状況を詳しく説明してください。
D-527-05 何もないって。特に何の異常も。
何もない。ただの交差点だ。
研究員 そうですか。
実験を終了します。速やかにその場から離脱してください。
スピーカー 2
D-527-05
スピーカー 1
D-527-05 ああ、こんなところ二度と。
ん?何だありゃ。
研究員 どうしました?
12:01
スピーカー 1
D-527-05
SCP-527-JP-1が被験者から見て右の道路から出現。非常にゆったりとしたスピードで走っている。
SCP-527-05
え?な、なんで?なんでここに?
SCP-527-JP-1
スピーカー 2
先輩、私間違ってました。私やっぱり先輩とじゃなきゃダメなんです。それなのに私あんなひどいことを言って。
スピーカー 1
D-527-05
俺の方こそごめん。そっちの気持ちも考えずにあんなひどいことを言って。もう会えないかと思った。
D-527-05はSCP-527-JP-1に向かって走り出す。
研究員 D-527-05
戻りなさい。D-527-05
SCP-527-JP-1
先輩、先輩も私絶対に離れない。私たちずっと一緒です。ずっとずっと離れません。絶対に。
D-527-05
ああ、ずっと一緒だ。絶対に離れない。俺たちは一つになるんだ。
SCP-527-JP-1
先輩、嬉しいです。私には先輩しか考えられないんです。抱きしめてほしいです。ずっと離さないでほしいです。
D-527-05
ああ、いいぞ。胸に飛び込んできてくれ。俺たちが出会った時みたいに。もうずっと一緒だ。
D-527-05とSCP-527-JP-1が衝突。凄まじい衝撃音が発生し音声機器が破壊される。
録音終了。終了報告書。
D-527-05とSCP-527-JP-1の肉体はミキサーにかけられたようと形容されるほどに粉砕し、
肉体が文字通り一つになっていました。
D-527-05は死亡。
特筆すべき点として、SCP-527-JP-1のものと思われる肉体からはDNAなどの個人の情報が可能な情報物質が検出されませんでした。
今回は被験者の死亡及びSCP-527-JP-1の消失が確認されなかった唯一の例ですが、
SCP-527-JP-1の死体から情報が得られない以上、これ以上の5回目の衝突は行うべきでないと思われます。
また、その後の実験においても、SCP-527-JP-1個体の発生が確認されているため、
今後何らかの要因によって5回目の衝突が発生したとしても、当オブジェクトの無力化は不可能であると考えられています。
スピーカー 2
人間型、瞬間移動、知性、精神、影響、自我のタグがついておりますね。
15:07
スピーカー 1
注釈も4つついております。
例外的に男性個体が出現することが確認されました。
これは男性の同性愛者の被験体ですね。
スピーカー 2
女性の同性愛者の場合、何も出なかったって書いてたっけな。どこだっけな。
スピーカー 1
追加で女性Dクラス職員の同性愛者を用いた実験が行われたが、はいはい、個体の発生は確認されなかった。
女性の同性愛者の場合、何も起きないと。
注釈2、この際骨折や内臓破裂などで会話や歩行が困難な状況においても、
スピーカー 2
被験者とSCP-527-JP-1は通常と同様に一連の会話と歩行を行います。
ぶつかって何か話してっていうとこかな、多分。
2、2、注釈2。
スピーカー 1
え、どこだ。ない。注釈これつけてないのかな。
3、GPS装置等によってSCP-527-JP-1を追跡する試みは失敗に終わっています。
4、被験者が自ら望んで1日に複数回SCP-527-JPを通行することはなく、
スピーカー 2
また同一人物が同日中にSCP-527-JPに侵入してもSCP-527-JP-1は出現しません。
まあ、なんだろう。
ラブコメでよくあるやつですよね、多分ね。
スピーカー 1
交差点曲がったら女性、異性、また恋愛対象とぶつかって出会いになると。
っていうのが繰り返されていく。
4回目で道路に行きたくなくなる。
あ、書いてるわ、注釈。
でき得る限り毎日通行しようとします。
スピーカー 2
同日中には通りたいとは思わない。
運命の人であると認識してしまう。
スピーカー 1
衝突ごとに3分から20分程度の雑談を行った後。
スピーカー 2
どんな怪我をしていようと話は普通にできる。
4回目の衝突時まで通りたいという欲求を示す。
4回目の衝突を経験した場合、消極的な反応を示し、でき得る限り通行しないよう試みます。
18:03
スピーカー 1
被験者へのインタビューを行ったところ、全員が喧嘩別れをしたという胸の供述を行っている。
スピーカー 2
最後の実験、無理やり5回目を通らせたら、先輩ってSGP527GP1がごめんなさいって来て、フュージョンですね。
神奈川県にある中二炉ね。
神奈川県に行きたくなくなっちゃったな。
カバーストーリー開発工事。
スピーカー 1
実験用のDクラスを除いて全て女性で構成してください。
スピーカー 2
女性には効かないということだな。
スピーカー 1
男性の同性愛者には効くのに、女性の同性愛者には効かないんだな。
どういう違いなんだろうそこ。
一般的な歩行者が左右の道路を視認することは困難です。
ミラーを置いたりとかできないのかな。
スピーカー 2
およそ同年代の外見をした女性に見える人型実態が出現し、必ずお互いの肉体が衝突します。
場所系SGPですね。
スピーカー 1
瞬間移動って書いてあるのはなんだろう。
SCP-527-JP-1のことかな。
どこから出てきてどこに消えていっているのかが知覚できない。
スピーカー 2
っていう意味での瞬間移動かな。
スピーカー 1
5回目の実験の時もDクラス職員としては本望な死に方なんじゃない?
スピーカー 2
両思いになって一つになれたんで。
メリバー的なエンドかなって私的には思いますけどね。
スピーカー 1
というわけでSCP-527-JPでした。
次回はSCPの方でお会いしましょう。
スピーカー 2
それではさようなら。
20:34

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