00:05
スピーカー 1
アイテム番号 SCP-635-JP オブジェクトクラス ユークリッド 特別収容プロトコル
SCP-635-JPは、西経土・北緯土の地点にある 半径2kmの範囲に隔離されます。
対象は閉設された管理施設にて管理され、 施設周辺及び管理施設は財団所有の電力会社の編伝署に偽装されます。
周辺警戒中のセキュリティ担当者は一般人の接近を阻止してください。
説明 SCP-635-JPは年齢57歳、身長176cm、体重50kgの日本人男性です。
対象は本名を、なんだこれ、ほうがのほうに義理人情の義、国良し、国良しと言い戸籍調査を実施した結果、身元が判明しました。
SCP-635-JPは24年前の東京都品川区近辺での目撃情報を最後に失踪しており、しかし失踪届や捜索願いなどが提出されていなかったことから、財団に発見されるまで全国を放浪していたと思われます。
対象自体にはある一点を除いて何ら体質的な異常性は見られず、通常の人間と大差ありません。
しかしその異常性から屋外での収容が必須であり、現在SCP-635-JPが発見された区画を封鎖して収容体制を維持しています。
SCP-635-JPの異常性は1日に1回観測され、対象の半径5メートル範囲内の上空から成人女性の遺体が落下してきます。
遺体の身元は1900年11月7日に自宅マンションから飛び降り自殺をした梁越本人であることが判明しており、遺体は着地後も消失することなく存在し続けます。
そのため、SCP-635-JPがそれらを消費しない場合は同様の用紙やDNAを保有した遺体が増加し続け、SCP-635-JPが消費すること以外で対象を処分することはできません。
SCP-635-JPのもう一つの異常性として、常に空腹状態であり、かつ落下してきた遺体以外の接触が制限されるという異常を有しています。
03:10
スピーカー 1
もし、SCP-635-JPが遺体以外のものを接触しようとした場合、それらの物品はすべて口内でおでえへと変化し、対象は即座に変化した接触物を吐き出します。
結果、SCP-635-JPは常に落下してきた遺体のみでしか栄養補給ができず、偏った栄養摂取のため外見は大変痩せています。
また、それらを接触したとしても空腹状態は継続され、そのためかSCP-635-JPは遺体の骨以外の部位すべてを消費します。
現在、これらのメカニズムの解明及び死体出現の瞬間などを捉える試みは失敗しています。
しかし着地時の遺体の状態、着地時の遺体の状況などからおよそ12メートルの高さからの落下であることが判明しており、これらは涼子市の飛び降りたマンションの高さと完全に一致しています。
SCP-635-JPは2016年3月18日に山を散策していた一般人によって発見されました。
当時、その付近ではエンジンが出現するという噂が広まっており、当初は財団もそれに該当する実態の調査を行っていました。
その後、財団エージェントと研究員が対象を発見、捕獲した際に調査を進めた結果、前述の異常性が発覚し、即座に収容体制が確立されました。
現在、SCP-635-JPには人体接触、特に脳の接触に伴い発症する空流病と類似している症状が見られます。
それらの症状は主に手足の震え、発音障害やどもり、歩行不可能なほどの運動失調等が該当し、また眼球の不自然な挙動や盲言、突如笑い出すなどの症状から脳への障害も伺えます。
これらの症状は空流病における第二段階目に該当しており、本来であるならば既に死亡している段階であるにも関わらず、SCP-635-JPの症例はそれらとは異なり、第二段階の状態を常に維持し、なおかつ重度の症状を抱えながらも生存し続けています。
現在、これらの病例に関しては、空流病も含め治療法が確立しておらず、これらの治療を行うための研究も並行して行われています。
06:03
スピーカー 1
以下は、SCP-635-JPとの間で行われたインタビューの映像記録です。
SCP-635-JP インタビュー記録001
対象 SCP-635-JP インタビューは沼に間で
沼に間で…沼間…かな?絶対違うな。
何だろう?沼に間…博士
不期 場所は管理施設内部にある取り調べ室。インタビューは異常発生の3時間前に行われました。
録音開始 インタビューは
どうも 3
SCP-635-JP 驚いたような動き
スピーカー 2
だ…誰だ?
インタビューは
スピーカー 1
私は沼間と言います。
今日はあなたに聞きたいことがあって参りました。
SCP-635-JP
き…聞く?
手足が震え、路列が回らない。
スピーカー 2
こ…この…お…俺に…は…話…
スピーカー 1
インタビューは
はい、あなたとお話がしたいんです。
SCP-635-JP 挙動不審な動き
インタビューは
私はなぜあなたがそういった状況に陥ったのか、その原因を知りたいんです。
お願いします。教えてください。
SCP-635-JP
そ…それを…き…聞いて…な…何に…なる?
スピーカー 2
インタビューは
スピーカー 1
インタビューは
もしかしたら、あなたのその症状や状態を解決する糸口になるやもしれません。
現に、私たちはあなた以外にも、多くのあなたのような状況で苦しんでいる人々を囲まっています。
ですから、あなたの過去を私たちに教えてください。
SCP-635-JP
スピーカー 2
お…お…俺の…か…過去を…お…お前らに…お…俺…の?
インタビューは
スピーカー 1
そうです。お願いします。協力してください。
6秒間の沈黙
SCP-635-JP
眼球が左右に動く。
スピーカー 2
お…俺は…こ…こんな…こんな…み…みじめな…生活…を…送る…べき…に…人間じゃない…そ…そうなる…べきじゃ…なかったんだ…
スピーカー 1
インタビューは
はい。
SCP-635-JP
お…俺は…む…昔は…しょ…消費者マンだった…か…金も持ってた…バ…バブルの波に…乗って…か…稼いで…稼ぎまくった…い…家も…金も…お…俺は…ぜ…全部…持ってた…
スピーカー 1
インタビューは
はい。勤めていた会社についても調べてあります。
09:01
スピーカー 2
SCP-635-JP
お…女に…だって…こ…困った…ことは…なかった…
インタビューは
はい。
スピーカー 1
SCP-635-JP
スピーカー 2
い…言い寄ってくる…お…女は…あ…後は…た…立たなかった…さ…ぜ…全員…お…俺の金が…め…目当て…だったんだろう…よ…
そ…そ…その中でも…よ…よく…尽くす奴は…いたが…しょ…所詮は…あ…遊びだ…
お…俺だって…ほ…本気じゃ…なかった…
スピーカー 1
インタビューは
スピーカー 2
それがどういうわけで…このような事態に…
スピーカー 1
SCP-635-JP
スピーカー 2
あ…ある日…お…俺に…え…円談が…来たんだ…
スピーカー 1
インタビューは
つまり…お見合い…ですか?
SCP-635-JP
スピーカー 2
と…取引先の…しゃ…社長礼状…だった…な…何せ…と…当時の…俺は…や…や…やり手の…しょ…勝者マン…だったんだ…
し…仕事も…できて…か…金にも…め…恵まれて…た…の…能力…だって…お…俺は…い…一流…大学を出て…よ…世の中…から…え…え…選ばれた…え…エリート…なんだ…
スピーカー 1
インタビューは
スピーカー 2
で…その方と…結婚を…
スピーカー 1
SCP-635-JP
突然机を叩く
インタビューは
できなかった…と
SCP-635-JP
スピーカー 2
ぜ…ぜ…ぜんぶ…ぜんぶ…え…よしこのせいだ…あ…あの…あの女のせいで…ぜ…ぜんぶ…お…俺の人生…ぜ…ぜんぶ…とちくるった…お…俺が…あ…あいつを捨てて…け…結婚するはずだった…女の…な…名前はもう…忘れた…が…
と…とにかく…その…お…女の…とこに…行くとい…言ったら…あ…あ…あいつ…な…泣き…わめきながら…お…俺に…す…すがりついてきて…あ…あんな…か…顔も…たいしたこと…なくて…か…か…からだしか…と…取り柄のない…女が…お…俺と…つ…釣り合う…わ…わけが…ないのに…わずらわしい…
スピーカー 1
インタビューは
では、よしこさんが自殺した原因というのは、あなたが彼女を振ったから…ということですか?
スピーカー 2
SCP-635…JP…あ…あいつが…か…か…勝手に…そう…勝手に…し…死んだんだ…お…俺…俺は…何も…しちゃいない…な…なのに…あ…あいつ…あ…くそ…なんで…なんで…あいつの…ま…ま…マンションが…お…俺の…つ…通勤ルートの…と…途中…なんかに…あったんだ…あ…あいつ…お…俺が通りか…かかるのを…見計らって…
12:16
スピーカー 2
お…俺の…目の前で…と…飛び降り上がった…い…今でも…よ…よしこの姿が…脳裏に…あ…あ…くそが…そ…それからだ…そ…それから…なにも…なにもかもが…お…おかしくなった…な…な…なに…なにも…く…食えなくなった…く…食い物…が…く…く…口の中で…ど…泥になって…
そして…あ…ある時…あいつが…また…お…俺の…目…目の前に現れやがって…あ…あ…あいつが…し…死んだ…あの…あの…あの時…みたく…いや…ま…まったく…同じに…あ…く…くそ…くそが…
スピーカー 1
インタビューは、それは普通の物が食べられなくなってから何時の出来事ですか?
普通の物が食べられなくなってから何時の出来事ですか?
いつかな?普通の物が食べられなくなってからいつの出来事ですか?
スピーカー 2
SCP-635-JP…し…知るか…し…知ったこっちゃない…お…俺…俺は…よし…よしこのせいで…じ…人生を…ぼ…ぼ…棒に…ふ…振ったんだ…く…くそたれの…あ…あばずれが…て…て…所得の…く…くそ女…な…なんで…なんで俺が…あ…あんな女ごときに…
くそが…く…くそが…くそたれが…
スピーカー 1
SCP-635-JPが錯乱状態に陥ったため鎮静剤が投与された
スピーカー 2
SCP-635-JP…く…くそ…お…俺の…人生…人生が…
スピーカー 1
インタビューは、今日はここまでにしましょう
録音終了
本位2
2017年現在、SCP-635-JPのホルモンバランスの変化が伺えます
現在、対象の男性ホルモンは減少傾向にあり、それに反比例して女性ホルモンの分泌が増加しています
そのため、対象の男性器の縮小や少なからずの乳房の膨らみ、頭髪の成長などの外見的変化が見られます
また、それに伴い若返りも見られます
SCP-635-JP担当研究員は、これらの変化を記録し、経過を観察することが担当委員会により決定しています
これらの記録を閲覧する場合は、主任研究員の沼間博士の許可を得た上で閲覧してください
追記、以下の記録は担当職員で、かつクリアランスレベル3以上の職員のみが閲覧可能です
15:03
スピーカー 1
セキュリティクリアランスの承認が必要です
承認しました
あ、名前なんだったっけ
ヨシ、ヨシハル、ハルヨシ、クニヨシ
SCP-635-JPには、クニヨシ氏以外の別人格が存在しています
以下、SCP-635-JP-2とする
なお、これらの情報は、SCP-635-JPに対して精神的な障害を発生させる可能性が極めて高いと予想されたため
SCP-635-JP本人にはもちろんのこと、情報漏洩防止の観点から限られた職員のみ閲覧が可能となります
SCP-635-JP-2は、自殺したヨシ子氏と同様の記憶を有しています
現在、SCP-635-JP-2は不定期に出現していますが
SCP-635-JPの女性化が進むにつれて、出現頻度の増加が確認されています
以下は、SCP-635-JPの女性化が進むにつれて、出現頻度の増加が確認されています
SCP-635-JPの女性化が進むにつれて、出現頻度の増加が確認されています
SCP-635-JPの女性化が進むにつれて、出現頻度の増加が確認されています
以下は、SCP-635-JPの別人格へと行ったインタビューの映像記録です
SCP-635-JP-2インタビュー記録
対象、SCP-635-JP-2
インタビューは、沼間博士
不期、このインタビューは第5回目のインタビュー記録になります
なお、この人格が出現した場合のみ、SCP-635-JPの症状が完全になくなります
録音開始
インタビューは、どうも、お久しぶりです、ヨシコさん
SCP-635-JP-2、声が女性のものへと変わっている
はい、沼間博士、お久しぶりです
インタビューは、それで、最近の調子はどうですか
SCP-635-JP-2、まあまあ、ですかね
こんな状況でこんなことを言うのもおかしな話ですが
インタビューは、いえいえ、そんなことは
それでは、いつも通り、いくつかの質問に答えてもらいます、よろしいですね
SCP-635-JP-2、はい
インタビューは、では
SCP-635-JP-2、たぶん、あの人が私を食べ始めてからだと思います
スピーカー 2
インタビューは、そもそも、あなたにはもともとそういった能力があったのですか
SCP-635-JP-2、いえ、違います、自分でも驚いているぐらいです
スピーカー 1
SCP-635-JP-2、はい
SCP-635-JP-2、いえ、違います、自分でも驚いているぐらいです
18:00
スピーカー 1
それに、最初からこんな特別な力があったのなら
たぶん、あの人を引き止めることぐらいできていたはずです
インタビューは、なるほど、お言葉ですが、あなたは今でも国吉さんのことを
SCP-635-JP-2、はい、愛しています
インタビューは、私が言うのもあれですが、彼はあまり人格者であるとは言えません
今までの言動から推察するに、あなたと一緒になる前も彼はああいう口ぶりだったのではないですか
SCP-635-JP-2、ええ、そうです
インタビューは、そして、あなたが自殺に至った原因自体も
彼の自分勝手な行動であることに間違いありません
それに関しても、以前のインタビューでもあなたはそうおっしゃっています
SCP-635-JP-2、それでも彼を愛しているんです
インタビューは、それはなぜです
沈黙、答えてください
SCP-635-JP-2、たとえそれが遊びだったとしても
彼は私を求めてくれた最初で最後の人です
スピーカー 2
そんな人と永遠に一緒になる
スピーカー 1
それ以外の喜び、それ以上の喜びを私は知りません
確かに彼はあまり褒められた人間ではありません
簡単に人を蹴落とすし、誰かを傷つけることもたくさんしてきました
ですが、それでも私は彼のことを愛し続けたいんです
それは彼の前で死んだあの時も同じです
彼の心の中に居続けたい
だからあの時彼の前で死のうと思ったんです
そう思える人と出会えたことが私にとってかけがえのないことだったんです
インタビューは、彼は今もなおあなたのことを拒否し続けている
ん?否定だ
彼は今もなおあなたのことを否定し続けています
SCP-635-JP-2、知っています
インタビューは、それでもあなたは続けるおつもりですか
SCP-635-JP-2、それが死んだ私に残された唯一の愛情表現ですから
それに
インタビューは、それに
SCP-635-JP-2、彼、私の名前だけは未だに覚えてくれてるんです
かすかに微笑む
録音終了
終了報告書
終了報告書
SCP-635-JP-2の出現は不定期に行われます
再度、SCP-635-JP-2が出現した場合は、沼間博士によるインタビューが行われます
21:03
スピーカー 1
人間型死体画像刺し留め植物のタグがついてます
画像刺し留めはシンプルにあれですね
著作権とかの関係で一旦止まってるっていうやつですね
注釈が3つ
発生時間はおよそ午後6時35分
これあれかな、吉子さんが落ちてくる時間かな
注釈1
異常性は1日に1回観測されのとこですね
発生時間はおよそ午後6時35分
注釈2つ目
注釈3
薬液が体内で汚泥へと変化したため、急遽治療が行われました
吉子さんの遺体以外の栄養補給の手段ってことかな
3番
それらの物品はすべて口内で汚泥へと変化し
対象は即座に変化した接触物を吐き出します
これが点滴とかのやつ
でも点滴が汚泥になってしまうと
結果
リョウコじゃなくて吉子さんでしたね
えーっと
国吉さんだっけ
57歳
消費者マンでした
金も持ってた
バブルの波に乗ってて稼いでた
家も金も全部持ってた
女にも困ったことはなかった
金目当てで言い寄ってくる人が多かったけど
円談が来たと
社長礼状
やり手の消費者マンだった
仕事もできて金にも恵まれてた
能力も良かった
一流大学を出てた
プライド高尾ですね
世の中から選ばれたエリートなんだと
で円談が来てその方と結婚できなかった
全部吉子のせいだ
円談が来る前に付き合っていた女性かな
結婚するはずだった女性の名前
円談相手は名前は忘れたが
とにかくその女のとこに行くと
円談を受け取る
スピーカー 2
受け取る?円談を受ける
スピーカー 1
と言ったら吉子さんは泣き喚きながらすがりついてきたと
スピーカー 2
煩わしいと
24:01
スピーカー 1
通勤ルートの途中を見計らって目の前で飛び降りてきた
通勤ルートの途中を見計らって飛び降りてきた
午後6時35分
帰宅途中だったのかな
そこから吉子の姿が脳裏に映り
何も食えなくなった
吉子以外は食えなくなった
吉子さんの遺体を食べていくと
徐々にホロモンバランスが変化していき
完全に乗っ取るまでいくのかな
樹肉というか
人格の
なんだっけあれ
優先権じゃなくて所有権みたいな
が移り変わりそうな気はしますけどね
このままいったら
それは吉子さんも
よしとしないところなんじゃないんだろうか
スピーカー 2
いいんだろうか
スピーカー 1
結構なんか日本のホラー漫画とかにありそうな展開ですね
ということで一旦ここまでにしておきましょう
ではまた次回お疲れ様です