00:04
スピーカー 1
アイテム番号 SCP-469-JP
オブジェクトクラス Euclid 特別収容プロトコル
SCP-469-JP-Coreは周辺区域と共に封鎖されます。
SCP-469-JP-CoreによるAR拡張現実の表示は、
実験等での利用時を除き、多目的人工衛星 シクロ号によるロケーションベースAR シロークが妨害し、一般人への漏洩を防ぎます。
実験の結果等で、SCP-469-JP-1の住民が外部、こちら側に出現した場合はすべて殺害し、 SCP-469-JP-1内へ送還してください。
説明 SCP-469-JPは、
SCP-469-JP-1に指定される異次元への行き来を可能にする建造物です。
こちらから SCP-469-JP-1へ行くことのできる建造物は SCP-469-JP-Coreに指定され、
SCP-469-JP-Coreと接続されている SCP-469-JP-1側の建造物は SCP-469-JP-Otsuに指定されています。
SCP-469-JP-Coreは埼玉県内で発見された廃屋です。
通常、SCP-469-JP-Coreの正門は施錠されています。
ARブラウザを持つ携帯端末で SCP-469-JP-Coreを移すと、
端末の画面上部に博士の逆転ホラー缶というロゴと、端末の画面中央からやや下に入場する2000円というタップ可能な文字列が表示されます。
2000円以上の電子マネーが端末にチャージされていた場合に入場する2000円の文字列をタップすると、
2000円分の電子マネーが端末から消費され、画面上にヒュードロモードとデロデロモードの2種類の文字列が現れます。
そのどちらかの文字列をタップすると、端末の最大音量で金属の鍵を開ける音が再生され、
SCP-469-JP-Coreの正門が解除されて、その向こう側がSCP-469-JP-1に変化します。
SCP-469-JP-1は現代日本の市街地のように見え、都市機能は正常に働いていて、住民は異常のない人間のように見えます。
03:04
スピーカー 1
SCP-469-JP-Coreの正門からSCP-469-JP-1に侵入すると、
SCP-469-JP-1の中心部と見られる位置にあるSCP-469-JP-Coreと同様の廃屋、
SCP-469-JP-Otsuの正門から外、SCP-469-JP-1内へ出ることになります。
参考概略図469-1を表示。
あー、SCP-469-JP-Coreがこちら側の世界、SCP-469-JP-1側がオツの世界という図が書かれています。
そのようにして生きた人間がSCP-469-JP-1へ侵入すると、
その人間はSCP-469-JP-2に指定される存在に変化し、
それと共にSCP-469-JP-Core及びオツの正門が閉め切られます。
SCP-469-JP-2は戦術の端末の操作で、
ヒュードロモードとデロデロモードを使い、
いずれにせよ正常な判断力を失い、
衝動的にSCP-469-JP-1の住人を襲おうとします。
今日ちょっとダメだな、噛むな。
SCP-469-JP-2a ヒュードロモード
SCP-469-JP-2aは、
SCP-469-JP-2a ヒュードロモード
SCP-469-JP-1に侵入した人間は、
侵入した瞬間に全身が発火して生命活動が停止します。
やがて侵入者の肉体は消失し、
その一に宙に浮かぶ青い炎、
SCP-469-JP-2aが現れます。
SCP-469-JP-2aは、
人間の上半身のような炎の形を維持しながら、
SCP-469-JP-1内をさまよい、
住人を見つけると接触しようとします。
SCP-469-JP-2aに少しでも触れた住人は全身が炎上し、
同じくSCP-469-JP-2aとなり、
さらなる犠牲者を探します。
SCP-469-JP-2b デロデロモード
SCP-469-JP-1に侵入した人間は、
侵入した瞬間に未知のウイルスに感染し、
生命活動が停止します。
侵入者の肉体
SCP-469-JP-2bはウイルスによって動かされ、
06:01
スピーカー 1
SCP-469-JP-1内をさまよい、
住人を見つけると噛みつきます。
SCP-469-JP-2bに噛みつかれた住人は、
一瞬で未知のウイルスに感染し、
同じくSCP-469-JP-2bとなり、
さらなる犠牲者を探します。
スピーカー 2
参考概略図469-2を表示
スピーカー 1
こちら側の人間がSCP-469-JP-1に入ると、
SCP-469-JP-2
ヒュードロモードかデロデロモードのどちらかになります。
SCP-469-JP-1側の住人を襲い、
その状態、
襲う側の人間、
生き物にしてしまう。
というような、
簡略的な図が。
SCP-469-JP-2の活動開始から15分が経過すると、
SCP-469-JP-1全体に響くサイレンが発信されます。
サイレンが鳴ると、
SCP-469-JP-2群は全員、
SCP-469-JP-0の正門に集合します。
そして、
SCP-469-JP-2群はその正門を開けて、
SCP-469-JP-0の外、
こちら側に出るとともに異常のない人間に戻ります。
参考概略図469-3を表示。
SCP-469-JP-1側の住人が、
感染だったり、
ヒュードロモードで人玉の化け物になったりした、
SCP-469-JP-2となった奴らも、
正門をくぐって、
こちら側の世界に来ると、
人間に戻ると。
すべてのSCP-469-JP-2群が、
SCP-469-JP-0の正門を出て人間に戻ると、
SCP-469-JP-0の正門は閉め切られ、
SCP-469-JP-0はオツとの接続を失います。
これまで、前述の経緯でこちら側にやってきた、
SCP-469-JP-1の住人はすべて身元不明で、
SCP-469-JP-1を東京都に所属するサメ島という、
何の異常もない島の町であると主張する以外には、
何ら有益な情報を持っていませんでした。
SCP-469-JP-1へロボットを侵入させる試みは、
必ずSCP-469-JP-0の正門の先が、
SCP-469-JP-1にならなくなる、
正門の先がSCP-469-JP-0の内部になることで失敗しました。
そのため、2013年までの間は、
09:00
スピーカー 1
SCP-469-JP-2 Aになる前の侵入者に取り付けておいた、
対価性の隠しカメラによる停電観測と、
ランダムに移動するSCP-469-JP-2 Bに取り付けた
隠しカメラからの映像だけが調査の手がかりでした。
しかし、2013年3月、
SCP-469-JP-1と接続されたSCP-469-JP-0の正門を開き、
中へ入る代わりに、
こちら側で死亡した遺体をSCP-469-JP-1へ投げ込む、
という試みが行われ、
投げ込まれた遺体がSCP-469-JP-1内で異常のない人間として蘇生したことで、
スピーカー 2
調査状況に大きな進展がありました。
スピーカー 1
複数回のDクラス職員を用いた実験の後に、
殉職したエージェント・サキエの遺体がSCP-469-JP-1へ送り込まれ、
長期の潜入捜査が開始されました。
通信記録469-29以降、こちら側の人間の死体をSCP-469-JP-1へ送り込むことによる実験や調査は停止されています。
インタビュー記録469-29、通信記録469-29より抜粋。
対象、SCP-469-JP-1、10人S、以下10人S。
インタビュアー、エージェント・サキエ。
録音開始、2014年1月17日。
エージェント・サキエ。
お茶までもらって悪いね。
10人S。
気にしないでいいよ。
エージェント・サキエ。
それで、この街について知っていることを教えてくれるかい?
街の歴史とか昔話とか、例えばお化けが出る話とかさ。
10人S。
ごめん、僕も何も知らないんだ。
エージェント・サキエ。
そうか、君もか。
ため息。
これで29回目だよ。
10人S。
すまないね。本当に何も知らないんだよ。
なんせ僕は君と同じ、外からここに来た人間だからね。
エージェント・サキエ。
なんだって?
10人S。
この部屋も、いつかの犠牲者の家をこっそり借りさせてもらってるだけなんだ。
それで君はあれかい?
もしかして、あの財団の人?
エージェント・サキエ。
そこまで知っているのか?
まさか、君も?
10人S。
いや、僕の所属は違う。
まあ、似たようなところだけどね。
エージェント・サキエ。
そうか。
1、2秒程、1、2秒程度無言。
君の方の調査状況はどうだい?
12:02
スピーカー 1
10人S。
さっきも言った通りさ。
まだ何もわかっていない。
ここの住人は、ここを何の変哲もない島と町だと思い込んでいるよ。
歴史を全然知らないし、公共施設に何の資料もない。
なのにそれを全然不思議に思わない。
エージェント・サキエ。
作り声で。
そんなん知らなくても生きていけるし…ってな。
10人S。
笑い。
そうそう、みんなそういう風に言うんだよね。
あの廃屋や怪物のことさえ、まるで知らないみたいに振る舞うんだ。
エージェント・サキエ。
あのゾンビだか幽霊だかが、出たら出たで。
あんなキャーキャー言って逃げ惑うのにね。
記憶をどうこうされてんのかね。
10人S。
ゾン。
一瞬、怪言な顔をする。
うん、まあ、そうだろうね。
それに、島や町に異常な執着があるとか、そういうよくある話もないようだ。
かといって、島の外に出ようとは一切思わないらしい。
海外旅行どころか、本土にすら一度も行ってみようとしない。
無気力というわけでもないようだけどね。
エージェント・サキエ。
本土ね。
確かに貨物船の出入りはあって、そこで補給される物資で町が成り立っているようだが、
しかし本土なんて本当にあるかどうかもわからんからな。
いずれあの船も調べる必要があるとは思うが。
君は調べてみたかい?
住人S。
え?何?本土が…え?
あの、あのさ、君はどうやってここに来たんだい?
部屋の外、遠くで男性の鷹笑いのような声が小さく聞こえる。
エージェント・サキエ。
え?君もあの廃屋からこの異次元を調べに来たんじゃないのか?
住人S。
あ、あ、あ、異次元。うん、そうだよね。
確かに本土はあるかどうかもわからない…ね。
なるほどね。そうだね。うん。
部屋の外、遠くでガラスの割れる音と女性の叫び声のような声が小さく聞こえる。
エージェント・サキエ。
どうかしたかい?
住人S。
あー、その、えっと、ごめん。嘘ついてたんだ。
僕は本当はどこかのエージェントなんかじゃないんだ。
部屋の外、遠くで男女の鷹笑いのような声が小さく聞こえる。
エージェント・サキエ及び住人Sは外の様子に気づいていないと思われる。
エージェント・サキエ。
スピーカー 2
え?
スピーカー 1
部屋のある建物の近くで群衆のざわめくような声が聞こえてくるようになる。
住人S。
15:00
スピーカー 1
どうせ死ぬなら怪物にでも食い殺されようと思ってさ。
お鞄見て、まゆつ場で船に乗り込んで、あ、潜り込んでみたら
スピーカー 2
まさか本当にこの島があってそこに着くなんてね。
スピーカー 1
部屋の半透明の窓に女性のような影が逃げ、
それをマントをかぶった人間のような影が追いかけて抱きつき、
押し倒すような様子が映る。
住人S。
でもそんなことより、こんなところなんかよりもずっとすごく、
なんていうか、生きてみるもんだねっていうか、すごく嬉しくてさ。
続いて窓にマントをかぶったような2つの人影が下から起き上がる様子が映る。
エージェント先衛はそれらの様子には気づかなかったようで、
住人Sは窓を背にして着席している。
エージェント先衛。
何を言っているんだ?
屋外の喧騒に悲鳴や怒号が入り混じり始める。
ここでエージェント先衛は外の異常に気づき、
時折ヘッドセットカメラが窓をフォーカスするようになるが、
住人Sの方は話に夢中で、まだ事態に気が付いていないように見える。
住人S。
驚いたよ。現実になったんだね。
スピーカー 2
SCP財団。
スピーカー 1
部屋の外で男女複数名による鷹笑いのような声。
1、2名の声はインタビューが行われている部屋のすぐそばで聞こえる。
住人S。
このメンバーでいられて本当に…。
窓ガラスを突き破って黒いマントをかぶり顔を白く塗った女が、
住人Sに後ろから飛びかかろうとする。
データ欠落。
黒いマントをかぶり顔を白く塗った男性らしき人物が、
画面の上方からカメラの前のテーブルの上に大きな音を立てて着地する。
データ欠落。
赤い瞳の両目のアップ。
データ欠落。
大きく開いた口のアップ。
上下の歯は異常に長く発達している。
以後、通信不能。
追加報告。
インタビュー中とその前後におけるSCP-469-JP-Coreの状況は何度も再調査されましたが、
侵入の形跡は発見されませんでした。
また、最後に現れた男女のうちの女性は、
エージェント佐紀英が24番目にインタビューを行ったSCP-469-JP-1の住人Yと妊娑が告示していたことが、
後の調査で確認されています。
スピーカー 1
2011年から2013年頃と見られる期間に、
埼玉県内でSCP-469-JP-Coreについて言及しているスパムメールが出回り、
18:02
スピーカー 1
それが元でSCP-469-JP-Coreは財団に発見されました。
下記はそのスパムメールの内容です。
SCP-469-JP-Coreの情報以外は原文まま。
from なし。
県名 学校にゾンビが攻めてきたら。
本文。
そんな妄想したことない。
でも、どうせ妄想するなら、
想像の翼をもっと広げてみよう。
発想を逆転してみよう。
君が平凡に暮らす人々を襲う空想世界の怪物になったなら、
そんなことが現実にできたとしたら、
スピーカー 2
君がマジで100%リアルな人間たちに牙を突き立てることができたとしたら、
スピーカー 1
逆転の発想が君にお届けするスーパーフィクションエクスペリエンス。
超次元超現実体験。
死の世界の住人たちよ、
お化け屋敷から想像世界へと反逆せよ。
まさしく現実と虚構の逆転。
送り手と受け手の逆転。
破壊と再生の逆転。
逆転。逆転。逆転。
ほらー、
かん。
SCP-469-JP-Coreの位置情報が記載。
スピーカー 2
楽しもうね。
スピーカー 1
ポータル・伝染性・博士・建造物・強制力・異次元・蘇生のタグが付いてます。注釈はなし。
はい。
これは幼虫異断体出てくるのかな、今後。
スピーカー 2
埼玉県で言及しているスパムメール。
スピーカー 1
あ、なんかある。
なんかあるけど読めない。ちょっと待って。
これはどうすりゃいいんだ。
えーっと。
スピーカー 2
スパムメールの下に黄色い字で
注釈というかコメ印が。
スピーカー 1
よかった、気づいて。
メールマガジン等で予告しておりました。
スピーカー 2
中中モードの実装は開発スケジュールの都合上延期になりました。
ペストかな。
か、普通にネズミの災害?
スピーカー 1
ネズミが人を襲う系のモードがあったのかな。
ヒュードロモードは
あれですね。延々の消防隊のホムラ人みたいな感じですね。
21:05
スピーカー 1
宙に浮かぶ青い炎。
あー違うな。
シンプルに人玉だな。
人間の上半身のような炎の形を維持しながら
あーまあまあまあまあ。
炎の形をした人型の何かが彷徨い
触れられると全身が炎上し
同じようになってさらなる犠牲者を増やす。
デロデロモードはバイオハザードですね。ゾンビもの。
スピーカー 2
で?
スピーカー 1
行き来ができる。
現実の逆転。
スピーカー 2
オカルト掲示板にいた住人S。
スピーカー 1
驚いたよ。現実になったんだね。SCP財団。
ウィキのメンバーでいられて本当に。
どうせ死ぬなら怪物にでも食い殺されよう。
マユツバで船に潜り込んでみたら本当にこの島があった。
スピーカー 2
船に潜り込んだってことはもともとあっち側の世界の人間だな。
スピーカー 1
こっちの現実。え?
こっちの空想物語があっちの現実で
あっちの空想物語がこっちの現実ってことかな?
スピーカー 2
あっちではだから
スピーカー 1
あっちというかこのSCPの
え?なんて言ったらいいの?
SCP財団が本当に存在するこの世界線が
住人Sがいる世界では
今私たちがこうやって記事を読んでいるように
SCPというフィクションのオカルト掲示板のような
サイトとして存在していたのが
現実になったんだねと。
スピーカー 2
本当にSCP財団の人ができたんだね
スピーカー 1
っていう認識かな。
逆転の発想が君にお届けする。
なので送り手と受け手の逆転。
現実と虚構の逆転。
で、破壊と再生の逆転って言ってるので
その行き来をしたら死が生になってってことですね。
スピーカー 2
たぶん。
スピーカー 1
生きてる人間は来ないのか。
生きてる人間って通ったことには情報がない。
出ようとしないとかだったっけ。
向こう側の生きている人間は
中に入る代わりにこちら側で死亡した。
違うなこれ。
ないなたぶん。
スピーカー 2
ないか見落としてるか忘れてるかですね。
24:03
スピーカー 1
こちらから生きた人間が入ることはできるけど
入った瞬間お化けとかゾンビとかになっちゃう。
向こう側の生きた人間がこっち側に通ったケースは
報告されてなさげなので
スピーカー 2
そういうことですねたぶん。
スピーカー 1
あべこべになるSCPでした。
ではまた次回お疲れ様です。