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2023-05-08 35:16

【怖】#149 SCP-087 - 吹き抜けた階段

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紹介SCP

Author: Zaeyde
Title: SCP-087 - 吹き抜けた階段
Source: http://scp-jp.wikidot.com/scp-087
Year of creation:2013
CC BY-SA 3.0

SCP財団とは: https://ja.wikipedia.org/wiki/SCP%E8%B2%A1%E5%9B%A3

©︎SCP財団 http://ja.scp-wiki.net/

SCP-087の特殊収容プロトコル
スピーカー 2
アイテム番号 SCP-087
オブジェクトクラス ユークリッド
特別収容プロトコル
SCP-087は、編集済みのキャンパスにあります。
SCP-087への入り口は、鋼材で作った扉に電子ロックを取り付けてください。
建物のデザインに合わせた清掃員用のクローゼットに偽装されています。
鍵を左に回しながら、ボルトの電圧をかけない限り、ドアノブが動かないようになっています。
扉の中は、厚さ6センチメートルの工業用スポンジで裏打ちされています。
最後の探査 文書087-4参照 以降、SCP-087の出入りは禁止されています。
説明
SCP-087は踊り場のある明かりのない階段です。
経度38度の下り階段であり、13階段で直径約3メートルの半円形の踊り場につきます。
各踊り場で高架の向きが180度回転します。
スピーカー 1
SCP-087の構造のため、被験者の視界は約1.5階分の範囲に制限されます。
扉や窓がないため、SCP-087を探査する際には、何か明かりになるものを持っていく必要があります。
スピーカー 2
ただし、高度が高すぎるとSCP-087が明かりを吸収するようであるため、75W程度の明かりが適切です。
被験者の報告と音声記録により、
スピーカー 1
サイからサイまでの子供の鳴き声と見られる音声が確認されており、
探査記録とSCP-087-1に関する情報
スピーカー 1
鳴き声が発せられる場所は最初の踊り場から約200メートル下と推定されます。
しかし、どんなに階段を降りても、被験者が音源に近づくことはできませんでした。
探査④これまでで最長の探査で行われた効果は、
スピーカー 2
この建物及び周囲の地形の下で可能な限度を大きく超えた深さに到達したと計算されます。
現在までに、SCP-087が終着点を持つのか否かは不明です。
スピーカー 1
SCP-087はクラスD職員により4回映像記録と共に探査されました。
どの探査においても、被験者はSCP-087-1と遭遇しており、
その顔には瞳、鼻孔、唇がありません。
SCP-087-1の性質は完全に不明ですが、鳴き声の主ではないことは確かです。
被験者はSCP-087-1に遭遇した時に強烈な疑心暗鬼と恐怖心に襲われますが、
その感情が異常なものであるのか、単に正常な反応であるのかははっきりとしていません。
探査④が行われた後の2週間の期間中、編集済、キャンパスにいる数人の職員と学生が、
SCP-087の内部から1から2秒間隔でノック音を聞いたとの報告が記録されています。
SCP-087へと続く扉には厚さ6cmの工業用スポンジが付けられました。
ノック音の報告はなくなりました。
SCP-087の構造の説明
スピーカー 1
許可された者のみ、探査①から④について記した文書、SCP-087-1から④を閲覧することができます。
文書087-1
D-8432は43歳の白人男性で、平均的な体格と要望を有しており、精神面でも特に問題はありません。
Dクラスへの指定措置はSCPの取扱い不手際によるものです。
D-8432は24時間分の電池残量がある75Wの投稿機を身に付けさせられ、
ストリーム通信を行う小型ビデオカメラ及び感性室にいる博士との通信用のマイクヘッドホンが持たせられています。
D-8432はドアを通過し最初の踊り場に踏み出します。
そのワット数にもかかわらず、投稿機は階段をほんの9段分しか照らし出さず、次の踊り場は見えません。
博士、投稿機はきちんと動作するか?
D-8432が投稿機でドアの外にある大学校内の廊下を照らすと、光は非常に遠くまで届きます。
ああ、ちゃんと使える。このずっと続いている階段を一番下までは照らせないな。
博士、ありがとう。続行してくれ。
D-8432は次の踊り場までの13段を降りて行きます。
踊り場は半円形の形状をしており、床も壁も表面はコンクリート製と思われます。
通常のコンクリート製の階段に見られるような埃や泥、摩耗を除いて、特にこれと言って目立つものはありません。
踊り場をぐるりと回り、次の階段を降りようとした時、D-8432が立ち止まります。
博士、なぜ立ち止まる?
D-8432、聞こえるか?ガキが下の方にいるんだ。一人らしい。
スピーカー 2
この時言及された子供の声についてはカメラにもマイクにも拾われていません。
博士、その声について説明してもらえるか?
スピーカー 1
D-8432、若い声だ。女とも幼い男の子とも撮れる。
泣きむせびながら、思案中。
お願い、思案中。
助けて、思案中。
スピーカー 2
お願い、思案中。
スピーカー 1
ああ、そう繰り返しながら泣いているな。
博士、現在地からそこまでの距離を見積もれるか?
D-8432、うーん、わかんねえ。200メートルってとこか。
博士、次の踊り場まで降りてくれ。
被験者は次の13段を降ります。
彼が踊り場に達した時、マイクが説明のあった子供の泣き声を拾います。
泣きむせび、嘆き、お願い、助けて、降りてきてという言葉を繰り返しています。
D-8432の報告の通り、声の大きさからおよそ200メートル下方にいると見積もられます。
博士、依然として泣き声は聞こえているか?
D-8432、ああ。
博士、こちらでもよく聞こえている。降り続けてくれ。
声や周囲の環境について何らかの変化を知らせる場合は止まってくれ。
立ち止まるまで、被験者はさらに3回分の降下を続けました。
D-8432、続けるのか?
博士、うん。
D-8432は次に止まるまで17回分降り続けます。
累計22回分。
スピーカー 2
周囲の環境に何ら変化は見られず、階段は常に次の踊り場まで13段のままです。
D-8432、ガキに近づいたようには思えねえな。
スピーカー 1
ステレオ音声の泣き声の音量は増大することなく、依然として被験者の位置からおよそ200メートル下方のままであることを裏付けていました。
スピーカー 2
博士、記録した。続行してくれ。
スピーカー 1
被験者は次に立ち止まるまでさらに28回分の降下を続けます。
累計50回分。
D-8432は地上から数えて51回目に立っています。
D-8432の実験
スピーカー 1
最初の踊り場から200メートル下方まで来たと見積もられる場所です。
34分が経過していました。
泣き声の音量は大きくならずそのままでした。
D-8432、少ししんどくなってきた。
博士、暗闇の中、正体不明の階段に長時間居続けている。
スピーカー 2
それが自然な反応だ。続けてくれ。
スピーカー 1
被験者は次の段を踏み出すことを躊躇しました。
歩き出した時、投降機が階段の下のあたりにある顔、SCP-087-1を照らし出します。
それは人の顔とほぼ同じ大きさと形をしていますが、口や鼻孔、瞳孔はありません。
その顔色は全く変わりませんが、まっすぐD-8432を見たことから、彼に気づいていることを伺わせます。
D-8432、叫び声。
ちくしょう!なんだあれは!くそ!くそったれ!なんだってんだよ!
博士、何を見たか説明してくれるか?
D-8432、なんかくそったれの顔があって、俺をまっすぐ見てやがる!俺を見て!
博士、それは動いているか?
D-8432、少しの間激しい息遣いのみ。
いや、ただ俺をじっと見てる。ちくしょう!やってらんねえ!
博士、近づいてさらに実態を映してくれ。
あ、照らしてくれ。
D-8432、おい、まじかよ!くそが!俺はそんなのやりたく!
その顔面がグイッとD-8432の真正面、およそ50センチメートルの距離に近づいていました。
D-8432、叫び声。
ああ!
編集済み。
D-8432はパニック状態になり、急いでSCP-087を駆け上がります。
スピーカー 2
D-8432が地上に脱出するまで18分かかり、そこで彼は崩れ落ち、死亡しました。
スピーカー 1
SCP-087、1の兆候はありませんでした。
映像記録は、降下分と上昇分の回数が同数であることを示していました。
泣き、嘆く声の音量は最後の到達回まで一定で、そこで声は止みました。
医療レポートは階段を急速に駆け上がったことによる疲労のため、彼が倒れたのだと診断しました。
D-9035の実験
スピーカー 1
D-9035は屈強な体格を持つ29歳のアフリカ系アメリカ人の男性です。
極度の女性嫌悪を除いて精神面に問題はありません。
被験者は削除済みについての広範な記録を持っています。
D-9035は24時間分の電池残量のある100Wの投稿機を身に付けさせられ、
スピーカー 2
ストリーム通信を行う小型ビデオカメラ及び感性室にいる博士との通信用のマイクヘッドホンが持たせられています。
スピーカー 1
また、D-9035はバックパック内に約3週間分の電池寿命を持つ接着型LEDライト75個を持たせられています。
LEDライトは押し込むことでスイッチのオン・オフを切り替えます。
D-9035は最初の回の階段を投稿機で照らします。
前回よりも余分なワット数にも関わらず、光は階段を9段分しか照らし出せません。
スピーカー 2
投稿機がきちんと動作するか確認するために、SCP-087の外を照らしてみてくれ。
スピーカー 1
D-9035は廊下を照らします。探査1の映像と比較して、実際により明るくなっています。
なあ博士、俺はあんたが何言ったか全部知っててもさ、ここ行きたくねえんだけど。
博士、おい、俺は…
スピーカー 2
博士、さえぎりながら、さっき話した通りだ。最初の階段へ向かってくれ。
スピーカー 1
D-9035は18秒間動きませんでしたが、その後最初の13段を下り立ち止まりました。
スピーカー 2
D-9035、子供か?
スピーカー 1
博士、接着型ライトを1つその踊り場に設置しておいてくれ。
スピーカー 2
D-9035、博士、聞いてるか?下に子供がいるのか?
スピーカー 1
博士、未確認だ。接着型ライトを設置して動作を確認してくれ。
D-9035はしぶりながらもライトを1つバックパックから取り出すと、壁にくっつけました。
スピーカー 2
彼がライトを押すと、それは点灯します。
博士、投稿機を切ってくれ。
スピーカー 1
D-9035は再度しぶりながらも投稿機のスイッチを切ります。
設置したLEDライトの光は、しかし上下ともに階段1段分の範囲しか照らしません。
博士、ありがとう。投稿機のスイッチを入れていい。効果を続けてくれ。
どの踊り場でもLEDライトを壁に貼り付けスイッチを入れるように。
もし何か変わったことがあれば報告してくれ。
D-9035は再び投稿機のスイッチを入れ、次の階へと降り始めます。
彼が床に足をつけようとした時、最初の探査時と同様の短眼し、おえつする声をマイクが拾います。
博士、さっき報告した声はまだ聞こえているか?
D-9035、なあ、女の声はだいたい150mか200m下だな。
あの天のとこに行くのか?
おい博士、子供と仲良くする気はねえぞ。
スピーカー 2
博士、ライトを設置し何か変化があるまで効果を続けてくれ。
スピーカー 1
被験者はライトを壁にくっつけスイッチを入れ、次の階へと降下を続けます。
彼は3個目のLEDライトを壁につけスイッチを入れます。
D-9035はこのようなやり方を立ち止まるまで25回分続けます。
D-9035、子供にちっとも近づいてる気がしないなあ、博士。
博士、声の発声源がどれくらい下か見積もってもらえるか?
D-9035、前と同じだ。150から200m下だよ。
博士、ありがとう。続けてくれ。
壁の切り跡
スピーカー 1
D-9035は同じ行為をさらに24回分続けます。
51回目で立ち止まります。
画面にはコンクリート壁に長さ50cm、幅10cmほどと見られる円弧状の溝が映っています。
スピーカー 2
踊り場から下へ行く最初の段は完全に打ち砕かれ、瓦礫と化しているようです。
スピーカー 1
D-9035、見てるか?
スピーカー 2
博士、何が見えているか説明してもらえるか?
スピーカー 1
D-9035、壁を何かで切り付けたみたいだ。
そんでここの段はコッパみじんっていうか、まあそんな感じだ。
切り跡はすごく滑らかで。
D-9035はえぐった後に触れました。
D-9035、ああ滑らかだな、ガラスみたいだ。
博士、ありがとう、効果を続けてくれ。
D-9035の探査
スピーカー 1
D-9035、なあ博士、もう十分深く行ったと思うんだけど。
博士、契約に従い続けてくれ。
D-9035、契約云々じゃなくてやりたくねえんだよ。
削除済み。
D-9035は破壊された段を越え階段の降下を続けます。
次の階では述べるべきことはありませんでした。
D-9035はLEDライトを壁にくっつけ、また同様の行為をさらに38回分続けます。
おえつし、嘆喚する声は近づかないままでした。
D-9035は89階目に降り立ち、探査開始から74分が経過していました。
被験者は最初の踊り場から350m下方にいるものと推定されます。
D-9035、俺には子供がここを降りてくるように誘ってる風に感じるぜ、博士。
俺が思うに、もう潮時じゃ。
投降機がSCP-087-1を照らし出した時、D-9035は話すこと、移動することをやめました。
その顔はD-9035をまっすぐに見つめており、やはり被験者の存在に気づいていることをうかがわせます。
SCP-087-1は移動しないように見受けられましたが、探査1の時よりも38階下方にて遭遇したことは、それに移動する能力があることを示しています。
博士、何か立ち止まるようなことがあったのか?
D-9035、応答なし。
スピーカー 2
D-9035の呼吸はぎこちないものとなり、さらに13秒間SCP-087-1は動かぬままでした。
スピーカー 1
SCP-087-1が瞬きしました。
スピーカー 2
D-9035、理解不能な叫び声。
スピーカー 1
SCP-087-1がD-9035の前方約90cmの距離にぐいっと近づきました。
被験者は振り向き、階段を逃げ上がります。
博士、落ち着くんだ。振り返れ。あの顔を近距離で見たい。
D-9035は博士を無視し、階段を駆け上がり続けます。
スピーカー 2
彼は理解不能な叫び声を上げ続けています。
スピーカー 1
博士、D-9035、聞こえるか?速度を落としてくれ。
D-9035は応答せず、階段を駆け上がり続けます。
その叫び声の精量は上ごと程度になっていました。
72回分の上昇の後、D-9035は地上から17回目の踊り場で速投します。
博士、D-9035、聞こえるか?
D-9035は応答しませんが、粗い呼吸はマイクを通して聞こえます。
その後14分間、D-9035は動きません。
映像は安定したままで、マイクは被験者の呼吸と下方からの弾丸の声を拾い続けるだけです。
映像、音声ともに変化のないまま14分32秒間が過ぎた後、
人間の心臓の鼓動と一致しない速い心臓の鼓動音及び低い割れノイズが聞こえます。
その7秒後、D-9035はあえぐと共に意識を取り戻し、無言で階段を駆け上がることを再開します。
鼓動と割れる音は闇、画面には何ら異常は観測されません。
彼の応答はないままです。
D-9035はSCP-087から出ると、その入口の外の床にへたり込みます。
D-9884の探査
スピーカー 1
D-9035はその後、緊張病の正体に陥ったまま回復していません。
D-9884は23歳の平均的な体格と要望の女性です。
スピーカー 2
うつ病の罹患歴があります。
スピーカー 1
被験者は過度の労力を必要としたデータ削除についての最低限の記録を持っています。
D-9884は24時間分の電池残量のある75Wの投稿機を身につけさせられ、
ストリーム通信を行う小型ビデオカメラ及び感性室にいる博士との通信用のマイクヘッドホンが持たせられています。
また、D-9884はバックパック内に3.75Lの水と栄養バー15本、サーマルブランケット1枚を持たせられています。
D-9884はSCP-087の地上階に立っています。
投稿機は階段の9段分までしか照らし出しません。
前回の調査で壁につけたLEDライトは視認できません。
スピーカー 2
博士、最初の踊り場まで降りて、そこの壁を調査してくれ。
スピーカー 1
D-9884は13段を降りた踊り場で止まりました。
探査2の映像ではLEDライトがつけられた場所にはその痕跡はありません。
D-9884、
あーうん、ほんと汚いわ、このコンクリートの壁。
それらしいものはないわね。
スピーカー 2
いや、待って、ちょうどここがちょっとベタついてる。
スピーカー 1
D-9884はLEDライトがつけられていたはずのところを示します。
D-9884、
泣いている子供が下にいるわ。
その子は、
思案中。
その子は助けをこいて泣いているわ。
博士、
ありがとう、何か変わったことに気づくまで効果を続けてくれ。
D-9884は降下します。
次の踊り場にたどり着いた時、
以前の2度の探査と一致する子供の泣き声をマイクが拾います。
どの階の壁にもLEDライトは存在していないようです。
D-9884は地下17階に到達するまで事故なく降り続けます。
D-9884、
えー、ここの床に何かあってひどい匂いだわ。
ベタベタしてて靴に張り付くの、
あーもう最悪。
スピーカー 2
最低。
映像には直径約50cmのスペースを占有するその物質が見えます。
スピーカー 1
博士、その香りについて説明してもらえるか。
D-9884、
うーん、古い錆びた金属とおしっこの匂いにちょっと似てるかしら。
博士、ありがとう。他に何か変わったことがあるまで降下を続けてくれ。
D-9884の降下
スピーカー 1
D-9884は51回目まで事故なく降下を続けます。
51回目の踊り場は前回の探査の時と変わらぬままで同様の観測がなされます。
スピーカー 2
D-9884は何か変わったことに気づくまで降下を続けるよう再度指示されます。
スピーカー 1
被験者は降下を続け89回目まで到達します。
映像が乱れ、被験者が叫び声を上げます。
D-9884、
あーくそ、床に穴があってもう少しで落ちるところだったわ。
映像は直径約1mの穴を映します。
被験者は投降機で下を照らしましたが、ただ暗闇が広がっているばかりです。
スピーカー 2
約4秒経過後、どれほど下か半然とせぬ距離で光が約2秒間瞬いた後、すぐに消えます。
スピーカー 1
D-9884、
下に明かりがあったわ。今はもう消えちゃったけど、でも1秒くらいついてたわ。見えた?
博士、
あー、そこの穴の深さを見積もれるか。
D-9884、
ダメ、深すぎる。最低でも1km。1kmより全然深いって感じ。
スピーカー 2
博士、
スピーカー 1
ありがとう。依然として子供の声は聞こえ続けているか?
D-9884、
まあね、遠くで聞こえ続けてるわ。全然近づいたようには思えないわね。
まるでこっちが1段下りたら向こうも1段下がるみたいよ。
博士、
スピーカー 2
何か変わったことに遭遇するまで降下を続けてくれ。
スピーカー 1
D-9884はSCP-087を約1時間降下し続け、164回分をさらに踏破します。
彼女は253回目で休憩のために泊まり、栄養バーを1本平らげ、水をガブ飲みします。
SCP-087-1の出現と追跡
スピーカー 1
D-9884は最初の回から1.1km下方にいると推測されましたが、子供の声の大きさは変わりません。
スピーカー 2
4分間休んだ後にD-9884は降下を再開し、さらに216回分を止まらずに進み、1.5時間が経過しました。
スピーカー 1
D-9884は地下469回目。地上から約1.8km下にいました。
D-9884、どこにもたどり着いてないわ。もう帰る頃合いだと思うの。
スピーカー 2
降りていくということは長く登って戻るということだもの。
スピーカー 1
博士、君には24時間分の食料と水、毛布が与えられている。降り続けてくれ。
D-9884、いえ、もう上がって戻ろうと思うわ。
スピーカー 2
D-9884はこれまで降りてきた階段を振り返りました。
スピーカー 1
D-9884、もう戻る。悲鳴。
スピーカー 2
SCP-087-1、その顔がD-9884の真後ろにあり、彼女の上昇を遮っています。
スピーカー 1
その顔はビデオカメラのレンズから約30cmにあり、その目はレンズの真正面に固定されています。
そしてこの時は被験者ではなく映像先のものを見つめていました。
映像は乱れ、約4秒間フリーズし、音声出力からの静電気のような金切り声のノイズがこれに伴いました。
その後D-9884が階段を駆け降りていく、ガタついた映像に切り替わります。
D-9884、パニックかつヒステリック状態。
ついてきてたんだ。ずっと全部、後ろにじっといたんだ。
神様、後ろにじっと、私はじっと見てたんだ。
博士、お願い、どうにかしてお願い。助けて、神様やめて。
あっちやって、お願いやめて。分かっちゃった。
ついてきてたんだ。助けて、離して。お願い、嫌なの。
私を見てた。狙いつけてた。いるのも分かってた。
ずっと全部見てたんだ。神様お願い助けて、やめて。
これと同様の形式で最後まで続く。
階段を駆け降りる間、D-9884は叫び声を上げ、ヒステリックに弾丸し続けます。
先ほど聞こえた静電気のような金切り声のノイズが音声出力に重なっているようであり、
その下に泣いている子供の声を聞くことができます。
約14回分降りた時、ビデオカメラがD-9884の真後ろを映すように回ります。
SCP-087-1のその顔は今やカメラレンズから約20cmにあります。
それは被験者を睨みつけておらず、むしろカメラレンズに執着しており、
その映像を見ている者と目を合わせているという錯覚をいだかせます。
記録すべき重要なことですが、
SCP-087-1を目撃してから、おえつし弾丸する子供の声の音量が増大しており、
D-9884がその源に近づいていることが示されます。
追い続けているSCP-087-1が映像に3回映り込む約150回分のパニック状態の効果の後、
D-9884はつまづき、倒れ、意識を失ったようです。
音声出力は泣き声の源に近いことを強く示していました。
一定のきしむノイズ音は続いていました。
映像出力はまだ降下階段があることを映し、
D-9884が階段の基底部に到達したわけではないことを示していました。
動きがないまま12秒間が経過した後、
SCP-087-1の顔が画面一杯に映り、
スピーカー 2
映像を見る者とまっすぐに目を合わせました。
スピーカー 1
音声および映像出力は途絶え、再び繋がることはありませんでした。
映像および音声の途絶と文書削除
スピーカー 1
文書087-4はデータ削除済みとなっています。
可視光、場所、建造物、時空間、音波のタグがついています。
ド・ホラーSCPですね。
SCP-087-1の顔の写真が貼ってあるので、
怖い画像苦手な方はページ飛ばないように。
全部読み上げた後に言っても遅いのかな。
スピーカー 2
お気をつけください。
スピーカー 1
これ知ってましたね。
友人が私がホラー系好きっていうのを知っていて、
これ怖いですよってお勧めしてくれたので、
読んだことありますし、
YouTubeでフリーホラーゲームになるのかな?
これをテーマにしたというか、
まんまこれをゲームにしてるやつを実況していらっしゃる方がいて、
階段をひたすら登っていくFPS視点のゲームなんですけど、
降りていくに従ってこういう顔だったり、
ターン3、2の時みたいに階段がボロボロになってて、
降りるの難しかったりみたいな演出があって、
戻ろうとすると出てくるんだっけな、このSCPは多分ね。
戻ろうという意志を持って階段を上がると、
上がるとというか振り返るとっていうことかな?
スピーカー 2
こいつが出てくる。
スピーカー 1
1、2は登るというか駆け上って戻って、
1は一息に駆け上がったせいで心臓への負荷が強くなくなってしまい、
2は意識不明みたいな感じだっけ?
スピーカー 2
3がもう降り続けてしまい回収もできない。
4がどうなったんでしょうね、これね。気になるね。
スピーカー 1
3よりさらに深いとこまで行ったんだもんな。
探査4の結果と2週間後の出来事
スピーカー 1
これまでで最長の探査、探査4で行われた効果は、
スピーカー 2
この建物及び周囲の地形の下で可能な限度を大きく超えた深さに到達したと計算されます。
スピーカー 1
4次元的なってことですよね。
探査4が行われた後の2週間の期間中、キャンパスにいる数人の職員と学生が
スピーカー 2
SCP-087の内部から1、2秒間隔でノック音を聞いたとの報告が記録されています。
スピーカー 1
SCP-087-1がここまで来たのか、
探査4で投入されたクラスD職員が探査記録中にやべぇ状態になって、
そいつが出ようとしているのか、どっちかかな。
たぶんSCP-087-1だと面白いなって感じですね。
子供、なんかでも知ってるSCP出てきてちょっと嬉しいな。
スピーカー 2
当たるもんですね。
スピーカー 1
では、また次回。お疲れ様です。
35:16

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