00:04
スピーカー 1
アイテム番号 SCP-720-JP オブジェクトクラスユークリット 特別収容プロトコル
SCP-720-JP該当区域とその周辺は現在法的に財団私有地です。
加えて標準的カバーストーリー危険海洋生物生息を施行して近隣住民からは一切封鎖されます。
また警察組織他の協力を得てあらゆる航空機は該当区域をはっきり視認できるようなルートを通らないようになっています。
万一、付近半径1000m圏内の上空に航空機が入り込んだ場合、フロント企業並びに警察組織からの打診をもって速やかに退避させてください。
海洋調査事業者の施設に偽装されたサイト8127には常にレベル3以上の職員1名を含む職員4名以上が駐在するようにし、
後退制で24時間監視用停電カメラを観測してください。
封鎖区域への侵入者が確認された場合、異常行動が見られないものは直ちに退去させ、状況に応じて記憶処理を行ってください。
何らかの明らかな異常行動やオブジェクトの特性の発揮と見られる現象が認められた場合、
レベル3以上の職員1名の許可を得て、隠復しつつ侵入者に接近・観察する必要があります。
ただしその際、侵入者を拘束・無力化する必要が生じる状況も想定しなければなりません。
SCP-720、JP-1、1の捜索は依然続けられています。
全世界の不審な漂着物の情報は改められ、
SCP-720、JP-1、1や他のSCP-720、JP-1個体とおぼしきものの発見に際しては、
発見場所直近の軌道部隊と生物学に精通した財団職員が派遣され、財団施設にて精査されます。
また、新たなSCP-720、JP-1個体の出現の際に備え、
海岸沖合100m地点には財団規格の海洋生物捕獲用ネットが張られています。
これは1ヶ月周期で点検してください。
ウェブ上に掲載される当該区域を撮影した写真・映像は、発見され次第、直ちに削除及び編集がなされます。
財団のウェブ検索アルゴリズムを用いた関連獄検索は、最低でも日に一度行ってください。
なお、あえて掲載させ続け、被験者となり得るものを炙り出す案は、過去に一度日本支部理事によって否決されています。
03:04
スピーカー 1
当オブジェクトの収容・研究担当職員には精神鑑定の結果、海や水辺への特別な執着がないと診断されたもののみが割り当てられます。
説明
SCP-720-JPは、県・市・北西部に位置する海岸の大部分の区画です。
現在は岸上・砂浜・浅瀬・海面を含む約編集済、平方メートルがSCP-720-JPとして指定されています。
また、報告書の以下の文章においては、SCP-720-JPに含まれるものとしてしばしば省略されますが、
SCP-720-JP一体から見える海の風景もSCP-720-JPαとして指定されています。
研究の進行によっては、SCP-720-JP該当区域が縮小、SCP-720-JPαの収容対象指定解除などといった定義縮小が想定されています。
これは、特性が発現したとみられる過去の案件の数が非常に少なく、実験も現状困難であるので、特性を持つ核となるものの正確な絞り込みが未だ完了していないためです。
海岸周辺の水質、土壌、空気中の含有物質及び生息生物には、他の水辺や海岸のそれらと比して特筆すべき異常はないとの検査の結果が出ています。
SCP-720-JPに、岸来、海や水辺、液体そのものに対する性的指向を持つ者、以下被験者が暴露すると、被験者はまず、SCP-720-JPに対し強い性的興奮の感情を見せます。
これが特性発現といえる現象か、単にこのオブジェクトが彼らにとってとても戦場的な水辺だということなのかははっきりしていませんが、
後述の事件、720-2及びその事後調査の結果から、おそらく後者ではないかとの推測が立てられています。
以下においては、前述のような性的指向を便宜上、水際性愛と呼称します。
次に、被験者に急激な身体強度の異常上昇が見られます。
質量保存法則を明らかに無視した体格巨大化と筋量増、皮膚の非常な硬化、手足の末端の水かき状の皮膜の生成、耳の後ろからうなじにかけてのエラとして機能するとおぼしい器官の生成などがその現象として報告されていますが、これらについてもまだ十分なデータは得られているとは言えません。
死亡後には濃い磯の匂いを発しながら、溶けたものような液状の物体へと変化するため、捕獲し解剖することも絶望しされています。
06:09
スピーカー 1
なお、肉体に同様の変化が認められた被験者は、SCP-720-JP-1に指定されることになっています。
被験者のSCP-720-JP-1への変化現象が精神に影響することは、少なくとも財団の過去に観測できた限りの変化段階ではほとんどないものと思われます。
これは機動部隊と交戦中のSCP-720-JP-1-2の振る舞いや、言動に明らかに十分な理性を見て取れることから推測されます。
詳しくは、下記の事件720-2の報告、およびライブラリの録画記録を参照のこと。
最後に、SCP-720-JP-1は海に向かって直進し、そのまま海中へと姿を消します。
SCP-720-JP-1は強化された脚力で、水の抵抗もものともせぬようで走り、戦闘能力も映像記録にも見られるように非常に高いと報告されており、
また、海岸の地形上、約50メートル沖から先が急に深くなっていることもあり、捕獲は容易ではないと思われます。
SCP-720-JP-1がその後どこへ向かうのかについては、以前全く不明のままです。
SCP-720-JP-1は、1900年、別のアノマラスアイテム収容任務に当たっていたエージェントの死が偶然、海岸での小休憩を取っている最中に、
突然衣服を脱ぎ出し、上術のような肉体変化を見せつつ海へと直進し姿を消した事件、後に事件720-1とされます。
で、その異常性が財団に知られることとなりました。
同伴していた2名のエージェントらは、彼の生死を試みましたが逃げ切られ、
後日、海岸沖合5km圏内の海中の捜索と日本海に面した諸海岸の調査が行われましたが、現在に至るまでエージェントは見つかっていません。
親族へは、業務中の海難事故により死亡、遺体は捜索されるも不明との説明がなされました。
事件は頂上現象の一つとしてファイリングされ、現場周辺には低重量度の陽警戒区域として監視カメラが設置されました。
しかしその後、2000年に事件720-2が発生したことで財団日本支部上層部により重く見られ、
事件現場とその近辺にアイテム番号とオブジェクトクラスユークリットが与えられました。
同時に失踪したエージェントはSCP-720-JP-1-1、事件720-2にて確認された個体はSCP-720-JP-1-2に指定されました。
09:14
スピーカー 1
後にエージェントや事件720-2の対象の親しかった友人などへの聞き込みや両名の日記、
ウェブ上の個人記録の精査などを行ったところ、両名ともに水際性愛の傾向があったらしいことが発覚、
特性が暫定的ながら解明され、現在の収容プロトコルが確立されました。
事件記録720-2 日付2000年
深夜2時30分頃、停電カメラ監視員より現SCP-720-JP該当区域にて超常現象発現との通報があり、
対亜人型オブジェクト戦闘に特化した機動部隊員10名が派遣されました。
部隊到着時、体長3メートルほどの灰色の人型生物、後のSCP-720-JP-1-2が海の中へゆっくりと前進しているところでした。
部隊は生体のままの捕獲を試みましたが、傾向していた柿類や葉物類の多くが非常に硬い皮膚ゆえに無効であること、
激しい抵抗に遭ったことを理由に断念、1名の死者、3名の重軽傷者を脱しつつ苦闘の末、生物を殺害しました。
生物は死亡後、磯のような異臭を放ちつつ体組織を液状化させ、そのほとんどが海へと流出しました。
僅かに採取された体組織のDNAは、数日前に失踪届が出されていた、当時、東京都、市に在住していた、死の者と一致しました。
事件発生当時の停電カメラの録画には、死とおぼしい女性が現れて、海に含むほどまで浸かった状態でひざまずき、
Gらしき動作を行い、その十数分後に衣服が背から破れ、肉体が膨張する様が映っています。
また、戦闘した舞台による撮影では、SCP-720、JP-1、2が、主に海岸の美しい風景についてや、
なぜ自分と愛しい海と引き離そうとするのか、などといった趣旨の発言を繰り返しながら交戦する映像が映っています。
これら2つの映像は、共に財団のライブラリに保存されており、担当職員の権限があれば閲覧できます。
添付文書720-1
以下は、SCP-720、JP-1、2となった、市のSNSサイトにおける記述から抜粋した文書です。
投稿されたのは、事件720-2の146日前と記録されています。
12:01
スピーカー 1
なお、この文書は、現在当該サービスのサーバー上から完全に削除されています。
全略
ところで、見て欲しいのは、この前の合宿の時に撮ってきた写真なんですよ。
海岸から見える海の様子を写したと思われる画像ファイルが3点添付されている。
内訳は、昼の様子が2点と、夜の様子が1点。
市の撮影技術は、趣味レベルとしてはかなり高い熟練度であることがわかる。
はぁ…はぁ…
なんか、本当にすごくすごい。
いやぁ、完全にボキャブラリーが死んでて申し訳ない。
でも、わかってください。
ここでも何度か言ってる、いやらしい風景ってこういう感じですよ、皆さん。
この写真を撮っている前後でも、波打ち際でしゃがんでぼーっとしたり、ちょっと波に足を浸したりしてました。
ちょっとって言っても、たぶん昼と夜合わせて2時間くらいいたけど、
後でサークルの友達にめちゃくちゃいぶかしがられた。
ほっといてくれ。
川の水辺を見てても時々こういう気分になるけど、やっぱり私の好きなのは海だなぁ。
海を見ていると力が湧いてくるし、このまま使ってどこまでも溶けていけたらいいなと思う。
そしてこの海を見てると本当に溶けていけるよって、溶けてしまえよって言われてるみたいな気分になる。
それは日に日にそういう気持ちが増してきていて。
夜の写真を他にもいくつか撮ったけど、これはどこにも出さないで一人で見るようです。
展示会にも出さないつもり。
バイト代を貯めてまたあの海には一人で行きたい。
この文章を受けて財団は警察組織を偽装し、本人捜索のためと偽り、
死の所持していたデジタルカメラとラップトップ型PCを親族より押収。
海岸の写された画像ファイル26点をすべてコピーして削除し、カメラとPCは親族へ返却されました。
コピーした画像は事件記録映像のファイルと同様、ライブラリに保存されており、担当職員の権限があれば閲覧できます。
①2022年6月現在、事件720-2に続く等オブジェクトに関連する事件は一切発生していません。
また、被験者となり得る水際性愛者が依然現れないために実験も未だ一切行われていません。
②海岸の景観は実際配属された職員のほとんどが美しいと感想を漏らすほどのものです。
ただし現在に至るまでそれが可能的であるとの意見を呈した者はいません。
また、美しいが時折、ふと不思議な恐ろしさを感じる。
沖から何かに見られているかのような感覚に囚われることがあるといった報告も得られていますが、ごく少数である上、漠然としており、
15:04
スピーカー 1
また前述の通り実験自体が困難なため特性として正式なデータには認められていません。
変容・水性・液体観測のタグがついています。
スピーカー 2
海に飼える系のSCPですね。
スピーカー 1
海に対して性欲を抱く人、性癖を持っている人が、
実はそういう海の生物、マーマンとか、そういう存在の素質があって、
この海を見ることによって先祖帰りというか、
俺は本当は海の生き物だったんだってなって覚醒したのか、
たまたまそういう性癖の人を変質させる特性があるのかで言うと、
前者の方が近いかなと私は思ってますね。
もともと海の生物、ユーユーハクショのなんだっけ、
魔人ジャニア、魔族大覚醒みたいな感じで、
先祖の先祖のさらに先祖、数百代前は、
そういった海の生物、ダゴンとかクトゥルフ神話で言うと、
との関わりがあって、それが本来の住処を見ることによって思い出す、
覚醒するといったような印象を受けますが、
かなり少なそうですね。
そういった実験ができないって言ってるってことは、
財団的には監視しているのでいいかなって感じなのかな。
ユークリッドになってるのは、
概要つかめきれてないっていうのと、
スピーカー 2
捕捉しきれてないって感じかな、範囲が。
スピーカー 1
っていう海SCPでしたね。
ではまた次回お疲れ様です。