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2022-01-26 16:38

大好きだった友達が急に怖くなるとき。変わったのはあの人か私なのか【第93夜】

「女友達にしばらくぶりに会って、ある相談をしたら『やめておきなよ』と強い口調で言われて傷つきました。このまま距離をとるべきか、でもその人以外に私には友達がいなくて……」というご相談をいただきました。今夜の勝手に貸出カードは、最果タヒさんの『神様の友達の友達の友達はぼく』です。友達の決断を受け入れられないのは、推しの卒業発表に裏切られたと思う気持ちと同じ……?

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みもれ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるをテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、神グレーズをご紹介します。
さて、第93夜を迎えました。今夜のお便りをご紹介します。ペンネームテルママさんからいただきました。
バタやんさんこんばんは。こんばんは。
子供の習い事を通じて出会ったとてもおしゃれで素敵な人と仲良くなり、コロナ前はあちこち一緒に出かけたりしていました。
最初は一方的にこちらの憧れみたいな感じだったんですけど、どんどん共通点が見つかったりして仲良くなっていきました。
コロナの間しばらく会えていなかったんですが、しばらくぶりに会ってある相談をしたら、相談の詳しい内容は書くと見張れしちゃいそうなので割愛させていただきましたが、ある相談をしたらテルさんには無理だよ、やめておきなよと強い口調で言われてびっくりしてしまいました。
それ以来少し怖くて連絡を取れずにいます。
このまま距離をとっていくべきなのか、でもその人以外に私には友達と呼べるような人もいないしと悶々としている日々が続いています。
何か気持ちが晴れるようなオススメの本があれば教えてくださいといただきました。
ありがとうございます。
わかりますね。ありますよ、私にも。
最初は一方的にこちらの憧れっていう感じでね、おしゃれだったりいろんなことを知ってたり教えてくれたりして、近づきになって、だんだん対等な親友になってきたかなって思ったら、
リエには向いてないと思うとか、その彼はやめといた方がいいとか、強く言われたりしてびっくりしたことありますね。
でも逆の立場もわからんではないっていうか、逆の立場になることもあるかなって思いました。
やめときなよとか強く言ったりするタイプでは私はあまりないんですけど、例えば海外に住もうと思ってるとか、今の仕事を辞めて何々を起業しようと思ってとか急に言われたら、
あーそうなんだーってなるって、なんかショックを受けるというかね、いいじゃんいいじゃん頑張ってってすぐに素直に言えない気持ちがあるかなぁ、なんでしょうねこれってね。
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なんかちょっとまたてるままさんの話からはそれてしまうんですけれども、つい最近私が好きで推してるアイドルグループのある子がね卒業発表したんですよ、ブログで。
まだちょっとそのショックから立ち直れずにいるんですけど、その何とも言えない受け入れがたいこの気持ち、
あのがっかりしたっていうほどでもないんですけどね、何なんだろうって思って、
まあそうやってコロナとかでちょっとライブとかもできないし、どんなことを今活動しているのかもよく、こちらからはね見えない間に大きな決断を考えていたんだなあっていうことにショックを受けたっていう感じでしょうか。
自分だけは止まっていて、その間はその子はその子でいろんなことが動いていたんだなっていうことにショックを受けているのかなぁ。
友達じゃないからね、相談してよっていうわけにもいかないですけれども、
大人友達のその自分の知らないところで何か決断したり進んでいたっていうことにちょっとショックを受けたり、裏切られたような気持ちになる部分はわからんではないなぁと思ったりもしまして、
ちょっと前置きが長くなってしまったんですけど、今日の勝手に貸し出しカードをご紹介します。今日の勝手に貸し出しカードは最果てた日さんの神様の友達の友達の友達、
あれもう一回言いますね、神様の友達の友達の友達は僕にしました。
友達が1,2,3回も出てくるのでこの本にしたんですけど、どんな本かどうしてこれをご紹介しようと思ったのかお話ししていきたいと思います。
最果てた日さんの神様の友達の友達の友達は僕はエッセー集になっています。
数えてみたら48のエッセーと後書きも入れては49のお話がぎっしり詰め込まれているので、すごく読み応えがあって、これで1,600円かお得感があるなぁって思いました。
お気に入りのやつをちょっといくつか読もうかな。笑うのが好きじゃない強くも美しくもならないとか、タイトルだけで結構いいでしょう。
僕の勇気について。いつも物を盗む友達。見ていい涙。勇敢なる頑張れよ。お金の話。文脈なき、文脈なきときめき。
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これがインスタライブだったらね、皆さんがそれ読んでって言ったやつを読んでみるとかいうインタラクティブなことができるんですが、
ポッドキャストだから勝手に読んでいこう。空が青いですねっていうのがあるんですけど、これがすごく好きなので読みたいと思います。
最果てさんは宝塚がお好きなのかな。推し活動っていうとはちょっとチャラいですけど、ファン活動についても結構いろんなところのエッセイで書かれていて、その話もすごく好きなんですけど、空が青いですねはまさにそんなお話です。
ちょっと一箇所読んでみましょう。
その人のすべてが好きだと思っていても、それは実は間違いで、いつまでもその人を最初に好きになった一瞬の何か。表情や声や歌や手元が好きで、それを追い続けている。それだけだと言い切りたい。
というふうにあります。それだけだと言い切りたい。最初に好きになった一瞬の何か。
だと、それを追い続けているんだって言い切れるところがすごいなと思って、またさっきのアイドルの話に戻っちゃうんですけど、卒業とかってすごい大きな決断ですけど、そこまでいかなくても、例えばピアスを開けたとか、
そのグループに入った時以来、長かった髪を結構短く切ったりとか、そういう変化に対して割とネガティブなコメント、反応するファンの人も多いんですよ。
男性が多いかな、そういうのって。でもちょっと裏切られたとか、そういうピアスを開けたり、金髪になったりすることに抵抗を覚える気持ちって何なんだろうと思ってね。
なんか、やっぱり最初に好きになったものから変化していくっていうことへの抵抗なのかなーって思ったりして、売れてきてちょっと変わっちゃうっていうことにもね、寂しさを覚えたりしますしね、その最初に好きになった一瞬の何かがやっぱり強烈なんでしょうね。
さらにちょっと最果てさんの文章を読むと、好きと思った瞬間は必ず去っていくのであり、何もかもが永遠ではなく、遠目はいつか千秋楽を迎えるし、初見だった私はもうどこにもいない。
とありまして、確かに初見っていうのはまあ1回しかないことで、何度も見に行けば行くほど最初の気持ちとはまた変わっていってしまいますからね。
相手も変わるけど、自分もやっぱりちょっとずつ変わっていってしまうっていうことですかね。
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またこの中で好きな一節を読みますが、好きは人生を耕すきっかけであって、そこから喜怒哀楽が無数に実り、苦痛も喜びもどれもが自分には捨てられないものになる。
うーん、好きは人生を耕すきっかけ、これは何か大きな紙に書いて、貼っておきたいくらいですね。
人生の喜怒哀楽がそこから無数に実り、苦痛も喜びもどれもが自分には捨てられないものになるって、いやーすごい表現だなーって思いました。
さすがですよね。
なぜこの本のここを引用したかというと、相手も人であるということに戸惑って、それなのに同じではないことに混乱をする。
そうしてだから好きになるのだと思うのですが、近づく話に好きが添加していくのは不思議ですね。
遠いからこそ好きなのに、っていう風に書いてあって、うーん、なんかそれでまた友達の話に戻るんですけど、
近づいていくのと一方で、好きから離れていっちゃう部分もあるのかなと思ったりして、遠いからこそ好きなのにっていうのはそういう話かなっていうので引用したんですけど、
同じではないっていうことの方が、なんか友達になると際立ってきちゃうっていうね。
最初の頃は違うところが好きで好きになった。憧れたりとか、自分と違ってスラッとしてて素敵だなとか、
あんな色使いの服を着こなせるなんて素敵だなとか、違うところを好きになったのに、仲良くなると同じじゃないことに苛立っちゃうっていうんですかね。
そんなことをこの一節を読みながら考えたりしていました。
今日はこの本から紙フレーズをご紹介したいと思います。
今ではあなたのことを物語のように消費できてしまうのだ。そんな風に言うのはおかしいのかもしれないが、盗みをするくせ幼い頃の記憶。
今自分と同じ30代であるはずのあの子。自分が想像できる範囲で簡単に物語はできて、そうやって私は思いやるふりをしてあなたと距離を置いていくのだ。
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そうやってチューブラリンだった記憶に落とし前をつけていく。そういうことが嫌でたまらず、だからこのエッセイを書いているというふうにあります。
これはいつも物を盗む友達というタイトルの一節の中に出てくるんですけど、タイトル通りいつも物を盗む友達が子供の頃にいたっていう話が書いてあるんですね。
大人になってからの友達の方が純粋で責任があるっていうふうに西畑さんは書いてらっしゃるんですけど、子供の頃はクラスが一緒とか同じ学年とか同じ地域に生まれたとか、
そういう大適応因で、なかば強制的に時間を一緒にするというだけで自動的に友達になる部分はあって、お互い時間つぶし、一人で寂しくするよりは一緒にいた方がいいみたいなことでつながっているところも大きいんじゃないかっていう話も書いてあるんですが、
逆に大人の方が時間とか場所を共有したからといって友達になる必要はないから、もうちょっと純粋で気持ちの上で責任が生じる関係性なんじゃないかっていう話がすごく面白いなと思ったんです。
確かにそうだなと思って、だからこそ仲良くなってしまうと大人の方が純粋にその人のことを好きか嫌いかとかっていうことじゃなくて、どっちかっていうと関係性をキープしていくっていうんですかね、関係性を続けていくっていうことに重きが置かれていくのかなと思って、
誕生日だからご飯に誘おうかなとか、そんな風に2人の友達の関係性を継続していくために何をした方がいいかみたいなことを考えるようになっちゃうなって思ったりして、それはそれで楽しい大事なことではあるんですけど、
こんな風にポッドキャストにお便りを送ってくださったっていうことで、少しだけ落とし前がついている部分もあったりするかなと思ったりもしましたし、私自身も何かちょっとフィクションを交えてどこかに書いたり誰かに送ったりすると過去の友達とのことも落とし前をつけられたり、
するかもしれないなぁなんてことも考えました。
きっとそのテルママさんのお友達は少し寂しかったんですよ。
コロナで会えない間にいろんなことを悩んで、何か前進されていたテルママさんと、自分はどうだろう、勝手な想像ですけど、ちょっと時間が止まっていたみたいなギャップがあったのかもしれないし、
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元々は素敵なその人に憧れていたって書いてらっしゃったので、少し立場が逆転しちゃいそうな怖さを逆に感じられたのかもしれないですね。
また少しこのね、コロナもまた流行りだしちゃったからわかんないですけど、直接会える日が戻ってきたら元のように戻れるか、またちょっと違う関係の中でも続いていくっていうこともあるのかなぁと思ったりしました。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は皆様からのお便りをもとに、いろいろなテーマでお話したり、本を紹介したりしております。
みもれのサイトからお便り募集していますので、ぜひご投稿ください。また水曜日の夜にお会いしましょう。おやすみなさい。おやすみー。
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