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2023-06-07 15:21

インスタグラム=正方形だった頃。美学が敗北したときに起こること

今夜の勝手に貸出カードは、『インスタグラム:野望の果ての真実』サラ・フライヤー  (著)、井口耕二  (翻訳)です。

そのほか紹介している本とドラマ

・『Netflixの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』パティ・マッコード

・『多様性の科学ー画一的で凋落する組織 複数の視点で問題を解決する組織』マシュー・サイド

・『パワハラ上司を科学する

・ドラマ『ドロップアウト ~シリコンバレーを騙した女

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真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる、をテーマに
おすすめの本やマンガ、紙フレーズをご紹介します。
第136夜を迎えました。今夜のお便りご紹介します。
ペンネームるみるみさんからいただきました。
バタやんさんこんばんは。
少し前にビジネス書も好きだとおっしゃってましたよね。
最近読んだビジネス系の本で面白かったもの、
役に立ったなと思うものがあれば教えてくださいといただきました。
ありがとうございます。
最近読んだビジネス書で面白かったのは、
ネットフリックスの最強人事戦略っていう本と、
多様性の科学、
各一的で調楽する組織、
複数の視点で問題を解決する組織っていう本が面白かったですね。
この2冊はそれぞれ会社の先輩と同期から、
これよかったら川端も読んでみなってお勧めされて読んだ本でして、
ネットフリックスはどうしてネットフリックスが強いのかということと、
多様性の科学は組織が各一的じゃない方が力を発揮するっていうことを科学的に書いた本なんですけど、
すごく勉強になりました。
あとはツノー・カナミさんのパワハラ上司を科学するっていう本を最近買って、
今まだ読んでいる途中なんですけど、
これすごい面白いですね。
読み終わったらどこかでご紹介しようと思ってるんですけど、
アラスメントとか組織論とか人事に関する本はやっぱり社内でこれ読んだ方がいいよって言われて、
お勧めされたりして読むことが多いですかね。
そういう人事・人材マネジメント系の本は一回まとめて特集会をやりたいなと思っています。
さて今日の勝手に貸し出しカードはそういった人材系の本ではなくて、
最近夢中になって読んだビジネスショーNo.1です。
今夜の勝手に貸し出しカードはサラフライヤーさん著の井口浩二さん役の
インスタグラム野望の果ての真実という本にしました。
どんな本かご紹介していきたいと思います。
まず突然ですけれども、インスタグラムは皆さんお使いですか?お好きですか?
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いつぐらいから使い始めてどの頃が好きでしたか?
どの頃が好きっていう言い方はちょっと変かもしれないんですけど、
インスタグラムってかなり初期から比べると機能というか使われ方がすごく変化しているアプリですよね。
インスタグラム野望の果ての真実というこの本は、
インスタグラムのアイデアを創業者が思いついてからアプリを完成させ、
そしてセレブの力を使って一挙に広まって、
そしてフェイスブック社に買収をされまして、
広告を導入したりストーリーの機能がついたりとかっていう、
いろんなサービスの変遷を追ったドキュメンタリー実録的な本なんですね。
インスタ好きの方の中には初期の頃が好きだったなっていう人も多いと思うんですよ。
私も結構初期の本当にシンプルなフィルター加工をつけて、
正方形の写真を投稿できるっていうだけの機能だった頃が好きでしたけどね。
もっとすごいアーティスティックなアプリっていう印象がありましたね。
選ばれし人が写真を投稿している、あるいは投稿するときはすごくこう、
アーティーな写真を撮らねばならないっていう感じが初期はありましたけど、
でもどんどん商業的に使われるようになって、
インスタグラマー、インフルエンサーの登場とともにですが、
フォロワー数や投稿内容はお金で買われるようなものになっていったわけですよね。
この辺はフェイスブック社のザ・カバーグの影響が大きかったんだなってこの本を読んで思いました。
インスタグラムの共同創設者、最初にこのアイデアを思いついた人がシストロムという人なんですけど、
この人のことを私はほとんど知らなかったですが、この本を読んで初めて人柄というか、
もともとどういう人だったのかを知って、すごく魅力を感じたんですけど、
もともとは図書館好きな子供で、写真が好きでカメラにはまって、
美意識というか美学がすごくある人なんでしょうね。
とにかくユーザー数とリーチ数を増やして広告収入を中心とした収入を上げろというザ・カバーグと、
広く広く使ってほしいわけじゃなくて、一定の美意識の下、それが分かる人たちのコミュニティを作りたいというシストロムの思想は相反するわけですよね。
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これって多分インスタグラムとかスタートアップのIT企業とかに限らず、
あらゆる商売で起こり得るこのジレンマなんじゃないかなと思って、
とにかく数を稼ぐのか、それとも洒落たものにして分かる人には分かるっていう戦略でいくのかっていう、
お店、レストランとかお洋服とかもそうかもしれないですし、ホテル、旅館とか。
客商売みたいなものはあるし、そのジレンマはどこにもありそうですよね。
こういうシストロムさんの苦悩は、最初の美意識をなかなかキープし続けることが難しいという苦悩なんですけど、
会社も最初10人ちょいくらいの小さい会社だったのがどんどん大きくなっていくと、
経営人も初期メンバーではなくなっていって、
インスタグラムに広告を入れるとか、正方形じゃなくて長方形も投稿できるようになるとか、
ストーリー機能をつけるとか、
IGTVって動画配信、ライブ配信とかどんどん機能が追加されていくわけですけど、
インスタの大きな機能追加転換機はことごとくシストロムは反対派だったんですよ。
そんなの美学に反するカッコ悪いじゃないかって思うんだけど、
でもカッコ悪いじゃんだけでは意見が通らなくなっていくんですよね。
会社が大きくなってしまって、経営人も初期メンバーじゃなくなっているし、
ユーザー数もものすごい数になっているから、
初期のような美意識に共鳴して使っているユーザーばかりではなくなってきてますし、
もっとこうしてほしい、ああしてほしいっていう声に答えていくのがいいのかなっていうジレンマがずっとあるんですよね。
そんな感じで、この本、初期の頃はオープンしてローンチしたての頃の高揚感と、
それからジャスティン・ビーバーとかセレブたちが使ってくれて、
それによって爆発的に人数が増えていく、ティーンたちに人気になっていくところがすごく面白くて、
グイグイ読んじゃうんですけど、ザッカーワーグに買われてから、フェイスブックに買われてからが結構辛くて、
モタモタしちゃって読むのが、最初の美意識を貫くって大変なんだなっていうのに共感もするし、
でもこういうものになるはずじゃなかったのにっていうのは、その投稿がね、悪質な投稿、自動ポルノ的なものだったり、
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詐欺、間買いのものだったり、自殺を推奨するようなものとか、そういう投稿も増えていくし、
そこで犯罪が起こったりっていう風になっていっちゃうんですよね。
なかなかそれをこう、もぐらたたきというか、抑えよう抑えようとしてもうまくいかないっていう風になっていてから、
なかなか辛い感じなんですけど、まあドキュメンタリー本としてはかなり面白く読みました。
今日はこの本から紙フレーズをご紹介したいと思います。
思い切ってチャンスをつかみ、世の中にとって価値ある何かを作り、
さらにそれを使って社会的な意味で恩返しをするのが大事なのだと思います。
成長することができて大きな価値を持つ何かです。
我々はそうしたいと思って頑張りました。
善の力になりたいと。
この本はですね、シストロムがインスタグラムを去る、代任するっていうところで終わるんですね。
この今引用したところはシストロムの言葉なんですけど、
善の力になりたい、良いことに力になりたいっていう風な志でやったものが、
結果的には大きくなっていった末に、
違法行為の写真とか詐欺とかの恩賞にもなってしまったっていう気持ちがあったんですかね。
ちょっとそこはわからないですけれども、
そういうものを作りたかったわけじゃないのにっていうところがあるわけなんですが、
とはいえインスタグラムは今もとっても魅力的なアプリ、ツールの一つではあり、
ものすごくやっぱりいろんな人の生活を変えたんじゃないかなと思いますね。
インスタ映えっていう言葉はちょっともう古くなってはしまいましたけれども、
これは写真に撮ったらいいな、いい感じだなっていう風に感じるってことは、
こんなに生活の中に入り込んでくる日々になるとは想像してなかったですね。
すごいことです。面白かったです。
最近ね、ちょっとまた話がそれますけど、
ディズニープラスでドロップアウト、シリコンバレーを騙した女っていうドラマを見たんですよ。
これもすっごい面白かったのでぜひ見ていただきたいんですけれども、
女性版スティーブ・ジョブスと呼ばれていた医療系のベンチャー企業セラノスっていう会社があって、
そこを創業したエリザベス・ホームズという女性を描いた実録ドラマなんですけど、
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このセラノスという会社を起業して、
エリザベス・ホームズという女性は血液検査が簡単にできるキットというかツールみたいなのを開発して、
それを一気に広めたいっていう風に思うんですよね。
そのアイデア自体は素晴らしいんですけど、
その素晴らしいアイデアに自分自身が虜になってしまったために、
すごい若い女の子、大学生なんですけど、
それを実現に走って、
試作品があんまりちょっとうまくいってないんだけど、
もうそれを高く買ってくれるっていう人が現れ出したから、
焦っちゃって、本当はうまくいってないんだけど、
うまくいってるかのように見せて、
小さな嘘を最初についちゃうとこがあって、
そこからもう嘘の嘘に嘘を重ねてっていう風になっていってしまい、
結果としてはバレて詐欺師と呼ばれて、
転落、重落していく姿を描いたジェットコースタードラマなんですけどね。
アマンダ・セイフライトさんが、
アマンダ・セイフライトさんがこのホームズ役をやってるんですけど、
彼女の理想が高く、高い理想を掲げながらも思うように結果が出せずにいるんだけど、
でももう時代の長寿となっちゃって、
若い女子の画期的な発明ってことで、
いろいろタイムシとかいろんな雑誌に出たりして、
スターになっちゃったので、引くに引けなくなっちゃうんですよね。
どっかでやり直しっていうか、
ごめんなさいができればよかったのになっていう苦しさはですね、
ちょっとこのインスタグラムの話とは逆なんですけど、
インスタグラムはどんどん成功して大きくなっていって、
でも初期の初期の本当にやりたかったことからはちょっと外れていってしまうという悲しみだし、
アマンダ・セイフライトが演じているホームズは、
最初の発想はよかったんですけど、
途中からちょっと虚栄心とかにまみれてしまって、
最初の純粋なそれこそ善を広めたいっていう、
誰かを助けたりしたいっていう気持ちから、
どんどん外れていってしまうというお話でした。
ご興味がある方は是非両方見ていただければと思います。
さて、今夜もお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は、
15:00
リスナーの方からのお便りをもとに、
おすすめの本や漫画をご紹介しています。
インスタグラムバタヨムからメッセージをお寄せください。
それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。
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