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ミモレ真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンミモレ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるおテーマに、
皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第68夜をお届けします。今夜のお便りをご紹介します。
ペンネームごぼうさんからいただきました。
バタやんさん、こんばんは。
こんばんは。コロナ禍で少し時間にゆとりができたこともあり、
前から興味のあったマインドフルネスやメンタルケアを学びたいという気持ちが高まっています。
バタやんさんは以前から息づらさをテーマにした本や、心理学の本をよくご紹介されているイメージがあります。
そういったことを学ばれていたのでしょうか。
最近のおすすめの本があれば教えてくださいといただきました。
ありがとうございます。
そうですね、私も心理学にはとても興味があって、できればもう一度学びたいなと思っているぐらいなんですけど、
大学の専攻は社会学部だったので、心理学を学んでいたといっても、
社会心理学とか消費者心理学っていうジャンルでした。
ビジネス寄りですかね、そういうメンタルケア的な心理学ではなくて、
どうやって物を売るか、どうやって物が売れるかみたいなことが中心だったんですよ。
社会人になってからメンタルケアの方の心理学に興味を持つようになって、
ちょっときっかけはあったんですけど、それはまた時間があればお話したいと思いますが、
いろいろ本も読んだりして、ここ最近は繊細さんとかね、興味があって、
ミモレのインスタライブなんかでもご紹介したら、とても反響がありました。
私も繊細さんだったかもしれないという方からね。
私自身は自分のことを繊細さんだとか言いづらいとはあまり思っていなくて、
そういう人に繊細に気づいてケア助けになれたらなというふうに思っているんですけど、
そういった意味でいろんな本を読んだりはしています。
メンタルケアやマインドフルネスのおすすめの最近の本ですよね。
今日の勝手に貸し出しカードは、臨床心理師の伊藤恵美さんという方による
つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ両方をやってみたという本にしました。
どんな本かご紹介していきたいと思います。
つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ両方をやってみたという本の帯には、
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人を助ける人はなぜ自分を助けられないのかと書いてあるんですね。
医療従事者の方だったり心理師カウンセラーの方が、
ご自身のマインドフルネスとスキーマ両方によって自分のつらさや息づらさに気づいて、
自分をケアできるようになるまでのケーススタディが書かれた本なんですね。
病従事者や心理師といった他人のケアをお仕事にされている方は、
自分の感情を押し殺してというか、自分の感情にあまり目を向けない癖がついていて、
他の人のケアを優先してしまう。
自分がつらいと言ったり自分の弱さに気づいたりすることができづらくなっているということなんでしょうか。
この本ではそういったつらいと言えない人には2種類あると書かれていました。
一つは自分の感情なき者として、感情なんてバカバカしいと知らんぷりをしてきた人。
感情を優先したり、感情的な人をどちらかというと見下してきたタイプの人ですね。
もう一つは感情に気づいてはいるんだけど、つい他人の感情の方を優先する癖がついてしまっているタイプと、
医療従事者の方たちがみんなどっちかだとかということではなくて、
この本ではその傾向の強いお二人のケースが出てきて、
治療の様子が解説されていくんですね。
前者のタイプが開業医の陽介さんという男性です。
慢性的な背中の痛みがあって、それが心理的なものから来ているんじゃないかと、
伊藤先生のところへ訪れるんですよね。
セラピーに駆け込んできているのに、すごいセラピストの伊藤先生に対して、
高圧的なというかバカにしたような態度を取ったりとか、
オフィスのリッチとかインテリアをけなしたりとかですね、
飲み下した態度を取る俺様タイプなんですよ。
面接を何回か重ねていくうちに、陽介さんがお医者さんのご一家で、
その一家のエリート一家の中ではあまり認められてこなかったということが、
彼の中のコンプレックスというか、心の折りの部分があるということが分かってきて、
他者とか奥さんに対して高圧的な態度を取ってしまうのは、
そこに起因しているんじゃないかというのが、
だんだん分かってきたりするんですね。
このやりとりがなかなか面白いって言ったらあれですけど、
一つの映画を見るような興味深い本なんですけど、
程度の差こそあれ、この陽介さんほど俺様じゃなかったとしても、
幼い頃からのコンプレックスを蓋して、
感情を無視する癖がついていて、
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強く出れる相手にはすごく偉そうな態度を取ってしまって、
結構多いんじゃないかなと思ったりしました。
これを読んで。
男だから女だからというのを今はあまり言いづらいですけれども、
男の子の方が感情的になったり、
辛いって言わねを吐いたりしづらい中で育ってくるから、
自分の感情を無視する癖をつけてしまうのかもしれないなと思ったりしました。
最初若にした感じなんですけど、
先生がお勧めするマインドフルネスのメソッドとかも拒否したりとかするんですけど、
だんだん心を開いていって、
家族との圧力というか核心部分に触れ、
そして少しずつ自分に気づいて改善されてきて、
伊藤先生に勧められた漫画を読んでみたりするようになって、
ベルバラが面白かったって言ってはまるかと思って、
すごく涙が出ましたね。
でも本当にセラピストの人って大変だなってつくつく思ったんですけど、
めちゃくちゃ時間がかかるんですよね。
この数回のカウンセリングでどうにかなるとか、
目に見えて変わっていくっていう感じは全然ないんですよね。
マインドフルネスとか瞑想とか、
ヨガとかの延長線上として、
数回受けたら劇的に変わるんじゃないかという気がしちゃったりするんですけど、
ものすごく時間がかかることなんだなと思ったりしました。
向き合う本人もすごく大変そうだし、
ちょっとずつちょっとずつステップを提供し続ける
セラピストの伊藤先生の根気強さよとね、
すごい俺様で堅くなだったお医者さんが
めんどくさいおじさんになって、
ベルバラが面白いなってハマるくらい
感情が揺り動かされるようになるまでって
こんなに時間がかかるんだなって思いました。
今日はこの本から神フレーズをご紹介したいと思います。
マインドフルネスのおかげで、
以前よりもずっと自分を大切にすることができるようになりました。
そして自分を大切にできればできるほど、
他人を心から大切にできるようになるのだと思います。
他人を大切にするについては私自身、
まだまだ練習が必要だと考えています。
これは伊藤先生ご本人が最後の後書きに書かれているんですけれども、
伊藤先生でさえ自分自身がマインドフルネスで
自分を大切にするようなことができるようになったり、
他人を大切にするについてはまだまだ練習が必要だと考えています。
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この本の中で洋介さんともう一人クライアントさんが出てきて、
その人は若葉さんという女性の方で、
ご自身が心理師なんですけど、
つい他人の感情を優先して、
他の人のお世話に気が回ってしまう。
そこには人に迷惑をかけちゃ悪いとか、
時間を取らせちゃ悪いとか、
何か悪いことがあったり、
自分自身がマインドフルネスでできるようになったり、
人に迷惑をかけちゃ悪いとか、
時間を取らせちゃ悪いとか、
何か悪いことが起こった時には、
自分が悪いってすぐ思っちゃう癖があったんですね。
この方に伊藤先生が勧めたやり方が、
私はすごい面白いなと思ったんですけど、
悪いことをやってみるっていうのを勧めるんですよ。
若葉さんが悪いからやっちゃいけないって思ってることが、
例えば試食をスーパーとかで試食しても、
試食しただけで買わないとか、
道を歩いて向こうから来た人を自分が避けないとか、
そういうちょっとしたことなんですけど、
実際にやってみると、
そんなに悪いことは起こらないっていう。
一番しんどかったのが、
知り合いの約束をドタキャンするっていうことだったみたいなんですけど、
それすごい分かりますよね。
ドタキャンできないから無理して行ったり、
具合悪くても行ったりしてたんだけど、
実際にドタキャンしてみたら、
そんなに悪いことは起こらなかったっていう。
今日具合が悪くてごめんねって言ったら、
ああそうなんだ、お大事にねって言われるだけだったと、
今までなんであんな無理してまで行くことなかったんじゃないかって気づいたりとか、
どんなことを悪いと思うかっていうのは、
人それぞれ程度が違いますけれども、
悪いからやっちゃいけないって思っているけど、
他の人からすると大したことじゃないのではって思うことって、
もしかしたらいっぱいあるかもしれないですし、
皆さんの心の中にも私の中にもあるかもしれないなと思ったりしました。
そうやって自分をまず大切にしないと他の人を大切にできないという話でした。
この本にはマインドフルネスの具体的なメソッドとか、
レーズンを食べるレッスンというかステップだったりとか、
スキーマ療法が具体的にどういう療法なのかなども、
専門的な話も含めて詳しく書いてあるので、
面白い本でした。ぜひ読んでみてください。
リクエストありがとうございました。
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さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は、
皆様からのお便りをもとに色々なテーマでお話したり、
本を紹介したりしております。
みもれのサイトからお便り募集していますので、ぜひご投稿ください。
また水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。