00:04
みもれ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる、をテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第58夜となりました。今夜のお便りをご紹介します。
ペンネーム、パリコさんよりいただきました。
コロナ禍の影響で、心身ともに曇りがちの日々です。大好きな読書にも集中できません。
でも、新しい本と出会いたい気持ちがふつふつと、ぜひハッピーで前向きになれる魔法のような本を教えてください。といただきました。
ありがとうございます。
わかりますね。ハッピーで前向きになりたいですよね。
明るい気持ちになれる本、ポジティブな本を教えてくださいというリクエストは、パリコさん以外の方からもいくつかいただいてまして、
もともと私は割とヘビーな小説が好みだったりするんですけれども、心をえぐられるようなね、最後にちょっと明るい希望の光が見えるか見えないかみたいな小説が好みだったりはするんですけど、
さすがに最近はちょっとポジティブなものを読みたいなっていう気持ちがあって、すごくわかります。
この漢字いつまで続くんだろうっていう気持ちと、あとでもオリンピックはやるのかなとか、
ワクチンはどうやって予約するのさとかね、持って行き場のないイライラで頭が占領されちゃいますよね。
そんなちょっと心が曇っているような時に、私が手に取って読む本をご紹介します。
今夜の勝手に貸し出しカードは、最果てたひさんのエッセイ、好きの因数分解にしました。
こちら見漏れでもしかしたら何度かご紹介したかもしれないんですけど、最果てたひさんが48個の好きなものについて、3つの視点から語ったエッセイ、読み物なんですね。
因数分解という言葉がとても絶妙だなと思うんですけれども、好きなものを分解していって、それぞれのポイントから語るというイメージでしょうか。
この本の冒頭に、どうして好きなのかと言われても答えようがない。そこに答えなどなくて、答えなど必要なくて、私の前にそれが存在することをただ確かめ続けたいとありまして、
03:05
もうすでに痺れますね。パンパンと拝みたくなるような書き出しであります。
さて、この本を読むと何で元気が出るのかなということを考えながら、48個の中から好きなパートをご紹介していきたいと思います。
さて、この好きな因数分解に取り上げられているものは、ミッフィーからフィギュアスケート、食べ放題、東京タワーとジャンルも多岐にわたっていまして、私が一番好きなのは宇多田ヒカルの章なんですね。
最果てた日さんが宇多田ヒカルが好きなことは有名、私の中では有名な話でして、初のエッセイ本、君の言い訳は最高の芸術にも出てくるんです。
他のことを本業にされている人の初のエッセイ本って、その人の好きなものだったり好みや系統が凝縮されているというか、まだこなれてない感じで生々しく出てていいですよね。
初のエッセイ本フィッチなんですね、私。その話はちょっと置いておいて、宇多田ヒカルさんの歌詞を褒めてらっしゃるんですけれど、最果てさんは歌人でいらっしゃるじゃないですか、歌を読む人が歌詞を、ポップソングの歌詞をどう見るのかなっていうことは興味深いですよね。
最果てさんが宇多田ヒカルの歌詞力について何て表現していらっしゃるか、ちょっと読んでみますね。
宇多田さんの歌詞は聴いている側が歌に共感するというより、歌の方が自分の中へと共感してくるようなところがあります。
なるほど、でもこのくだり何度も読んでるんですけど、何度読んでも鳥肌が立つっていう、この本なんで何度も読んでしまうのかというと、自分が好きなもの、知ってるものに関しては、さっきの宇多田ヒカルの歌詞なんかは私も好きですけれども、
自分が思っていたこと、あるいは思ってもいなかったけど、そういうことだったのかっていうことを的確に見事に言語化してもらって、嬉しい、気持ちがいいみたいな、そうなのまさにそういうとこだよねっていう快感ですね。
逆に自分があまり興味がない、知らないものも結構48個の中にあって、例えばUFOキャッチャーっていうのがあるんですけど、えーって思って、自分があまり興味なくても好きなものについて熱く語っている人って愛おしいなっていう気持ちになってくる、タレパンダがお好きで、UFOキャッチャーでタレパンダの狩人と化してきたって書いてあるんですけど、
06:10
いかにタレパンダが優れたキャラクターであるかと一生懸命語っている最果てさん自身が、こう、愛らしいなぁ、愛おしいなぁって思ってしまうんですよね。
これ、自分が好きなものを3つに分解して3方向から語ってみるっていうのを私もやってみたんですけど、皆さんもぜひやってみてください。
なんかちょっと今好きなものを思い浮かべてみていただいて、そのどこが好きか、それと関係するエピソードとかでもいいと思うんですけど、3つあげてみてくださいね。
はい、皆さん何か思い浮かびましたでしょうか。私はですね、パフュームにしますね。
パフュームの何が好きかって、1番目は3人が仲良しなところです。
仲良しぶりに癒されるというね。2つ目は広島弁かな。広島弁って関西弁、大阪弁とも違うし、九州の言葉ともまた違って、
独特の強さもありつつ、人情味があるっていう、なんか私にとってはすごく魅力的な方言です。
3つ目はダンスかな。3つ目なんかいいって感じですけど、踊っている人たちを見るのも好きだし、踊るのも好きなんですね。
皆さんは何でしょうか、一生懸命語る最果てさんが可愛いと欲しいっていう話をしましたけれど、自分でもやってみると、
ああそういうところが好きなのかっていう、そういう自分に可愛いとこあるなって、自分のチャームに気づくところがある気がしました。
最果てさんは好きなものについて言葉にすることは、好きを飛び越えた自分そのものと表現していらっしゃるんですが、
まあそう、そうなのか、そうなんだろうと思います。だからちょっとやってみるとハッピーになるんです。
さて今日の紙フレーズは、この好きの因数分解に入っている古畑仁三郎の章より、素敵な一節をご紹介して終わりたいと思います。
プロの仕事だと思うキャッチーさを追い求めながら、あくまで人に響くものを作っていく、プロのエンターテイメントだと思う、とありました。
昨日の夜、田村雅一さんの武法をニュースで見て、ドラマ大豆だとはこと三人の元夫のかごめちゃんの死というニュースをツイッターで見て、
09:07
一緒くたにすべきものではないんですが、同時に目に飛び込んできたから、えーってなって気分がふさいでいたんですね。
最果てさんも古畑仁三郎がすごく好きだって書いてたなって思い出して、この章の最後にこう書いてありました。
いくらでも語り合おう、たった一言で済ませずに、そうしていつか古畑みたいに、名前が性格を飛び越えるような瞬間を共に迎えましょう、とありました。
古畑はもはや古畑っていう性格だっていうようなことをね、この本の中でおっしゃっているんですけど、そうか、語り合おういくらでもっていう気持ちになって、昨日は眠りについたのでした。
またちょっと今日最後しんみりしてしまったんですけど、このポッドキャスト自体、明日が楽しみになるというテーマでお届けしているので、
ちょっと曇った日が続きがちですけれども、少し楽しい気持ちになったり、
眠ってもらって全然かまわないんですけど、目落ちしてもらえたらいいなと思ってやっています。
パリ子さんも好きの因数分解、ぜひやってみてください。今日はリクエストありがとうございました。皆さんも最後までお付き合いいただきありがとうございます。
さて、そろそろお時間になってしまいました。真夜中の読書会おしゃべりなと出出は、こんな感じで皆さんからのお便りをもとにしながら、いろいろなテーマでお話ししたり、本を紹介したりしています。
みもれのサイトからお便り募集しているので、ぜひご投稿ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。おやすみなさい。おやすみ。