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2025-02-12 15:13

EP198. 選ばれても選ばれなくても。感想を語られ続ける世界で【オーディションと就活と婚活と】

今やグループアイドルのブームから定番の手法になりつつある「オーディション形式」。選者からだけじゃなく、多くの視聴者の批評にさらされる候補生たち。何かに「選ばれなかった側の人」のその先を描く連作短編小説『※個人の感想です』をご紹介します。

オーディション番組に夢中の人も、就活や婚活で砂を噛んだ経験がある人も……ぜひ一緒に憤慨してください。


<勝手に貸出カード>

・伊藤朱里さんの『※個人の感想です



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サマリー

このエピソードでは、オーディションの選考過程や就職活動とアイドルオーディションの違いについて考察されており、特に「タイムレスプロジェクト」と「ノーノーガールズ」の対比が興味深く取り上げられています。また、オーディションに落ちた後の選手たちの人生についても触れられており、感情的な深みが感じられます。さらに、オーディションや就職活動、婚活などにおける選択について考察され、個人の感想や意見の重要性が強調されています。選ばれる側にいることが持続的であることにも言及されています。

オーディションの選考過程
真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは。第198話を迎えました。今夜のお便りご紹介します。ペンネームあめりさんからいただきました。バタやんさんこんばんは。こんばんは。
真夜中の読書会いつも楽しく拝聴しております。バタやんさんの声がとても心地よくスッと眠ることができるので、寝つきが悪い私にとってはお守りのような存在です。
翌日の朝に聞き直すのが恒例です。ありがとうございます。はい、そのように聞いていただけたら嬉しいです。
さて、私は現在新卒として就職活動をしております。採用とは企業と学生のマッチングだと頭では理解していても、自分を否定されるんじゃないかという恐怖心が拭えず、面接では自然体で話すことができずに毎度にがにがしい思いをしています。
そんなモヤモヤを晴らしてくれるようなスカッとするエッセイや人の会話をテーマにした小説などお勧めがあればぜひ教えていただきたいです。
真夜中の読書会を聞き始めてから読者の幅が広がりました。これからも配信楽しみにしておりますといただきました。
ありがとうございます。こちらのお便りにずっと応えたいなと思いながら、時が過ぎ、春が来て、また就職最前線がやってきています。
アメリさんはいただいたお便りのタイミングから、もしかしたらもう就職が決まられているかもしれないなと思っているんですけれども、そうだといいなとも思います。
お便りをくださった当初の希望のお仕事にマッチングをされているか、違う道を選ばれたかはわかりませんが、勝手に貸し出しカードをお出ししたいと思います。
今まさに就活真田田中のリスナーさんもいらっしゃるんじゃないかなと思うので、ぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
今夜の勝手に貸し出しカードは伊藤あかりさんの最新刊、個人の感想ですという小説にしました。
個人の感想ですの前に米印がつきます。注釈につける記号ですね。
はいこちら本当つい先日読み終えたわかりでして、ホッとなうちにご紹介したいと思います。これを読んでそうだとあかりさんのお便りを思い出したので今日ご紹介しました。
それでは読んでいただきたいと思います。
それでは読んでいただきたいと思います。
一つはネットフリックスでやっているタイムレスプロジェクト、もう一つはyoutubeで見られるんですけど、ノーノーガールズっていうガールズグループのオーディション番組ですね。
タイムレスプロジェクトは元ジャニーズのセクシーゾーン、今は3人で活動しているタイムレスに新しいメンバーを募集するというもので、
ノーノーガールズの方はちゃんみなさんがプロデュースするガールズグループのオーディションです。
この前読聞いてくださっている方も見ているよっていう方いるんじゃないでしょうか。
はいぜひコメントを寄せください。
ノーノーガールズの方は最終メンバーが選ばれたばかりなんですけど、最初に個人審査やって合宿やってグループ対決、グループ選抜やってみたいな感じで進んでいって、
2つのオーディション番組はとても似ているんですけど、全然違う感じなんですね。
選ぶ側が選ばれる側にかける言葉が全然違うと思っていて、そこが面白いなと思って比べながらっていうか並行して見てました。
アイドルオーディション番組と選考
タイムレスは男性グループアイドルで、候補生たちもみんなかっこいいですね。
たぶんイケメンって子供の頃から言われて育ってきただろうなっていう人ばかりで、
歌やダンスは未経験の人もいて、スキルはまちまちっていう印象ですかね。
ノーノーガールズの方はちゃんみなさんが募集の時に掲げたコンセプトは秀逸で、
身長体重年齢はありません。ただあなたの声と人生を見せてくださいと呼びかけたんですね。
だからいい声だなっていうところは皆さん共通してますが、映ってる人たちを見る限り、
あとは結構バラバラで歌の上手い下手は問わないと言いつつ、みんな歌はめっちゃ上手いですね。
その途中残ってきてフィーチャーされている人たちは、技術的にというより音感みたいなところは抜群な人が多いのかなという印象でした。
タイムレスの方は菊池風馬さんとかね、もう何度も殻を破れよっていうね、かっこつけてるなよ、真剣味が足りないよっていうことなんだと思うんですけど、
かつをずっと入れ続けているっていう印象で、一方ちゃんみなさんはあなたは十分に魅力的だっていうことを何度も言い方を変えて言うんですよね。
ノーノーガールズに応募してきている子たちは歌は上手い、スキルはあるけど、何かでセンターに選ばれたりはしないものを突きつけられてきた女の子たちなわけです。
顔が可愛くないとか太ってるとか髪毛がないとか、そういう理由でスキルとは違うところで落とされてきたりした背景があって、
だからあなたは十分に魅力的だということを伝えた上で、ここはこうした方がいいとか、いつまでにっていうのを結構はっきり言うなっていうのが、ちゃんみなさんのフィードバック印象的なところでした。
ちょっと話がそれて、なんでこの話をしたかというと、伊藤あかりさんの今日ご紹介する小説「個人の感想です」は連作短編集なんですね。
一つずつ独立しても読めますが、登場人物がリンクしてつながっていて、どの章に結構共感したり親近感を感じるかは人それぞれかなと思うんですが、最後の章、人の性型にとやかく言う奴らという章があり、
その主人公がアイドルオーディション番組に参加して、ファイナルの一歩手前で落ちちゃって、韓国のアイドルオーディションだったんですけど、韓国のグループのオーディションだったんですけど、韓国の事務所辞めて、今日本に戻ってきているスミレさんという主人公が出てきて、
彼女はダンスがすごく上手くて、いい線まで行ってたんだけど、他の選考に残っているメンバーと揉めたところが切り取られて炎上して、叩かれてアイドルグループには最終的には選ばれず、今は日本に戻ってきて地元の学習塾で事務職をしているんですね。
あーもう胸が痛い。このタイプロとかノノガールとかどっちか見て夢中になっていた人はぜひこれ読んでほしいなと思って今選んだんですけど、そうなんですよ。選ばれなかった人のその先が描かれている小説です。
今ね、韓国でも日本でもたくさんのオーディション番組、オーディションコンテンツが企画されていますよね。少し前からあったから、ブームというかそれを通り越して確立された手法みたいになってますよね。デビューする前からファンがつく一つの手法として。
中住れちゃんのような良いとこまで行って選ばれなかった人というのも、すでにちょっとした有名人だったりとかある程度ファンがいたりするっていうのも独特な世界になっているなと思って、選ばれなかった人もそれだけの人数世の中にいて、今は別な仕事をされていたり。
その後恋愛サバイバル番組に出たり、ユーチューバーになったり何とかインストラクターになったりとか、そういう人々何かに選ばれなくて違う道を選んだ人っていうのがこの小説には何人も出てきます。
落選後の人生
その延長するシーンなんかも結構書かれてるんですけど、世の中こんなに知らない誰かに向かって悪意のあるコメントをする人がたくさんいるんだって、信じられないような気持ちで読みました。
アンチコメント的なものですね。全く目にしないかって言うとそんなことないけど、そんなにたくさん見る機会がないから、本当にこの伊藤あかりさんのアンチコメントのバリエーションがすごくて、よく思いついたなっていうか、いろいろ参考になさったり調べたりされたんだろうなと思いますけど、
どんな心塞がる調査だったでしょうと勝手に心配したりもしました。でもね、タイムレスプロジェクトでもノノガールズでもやっぱりそれなりにそういうコメントはあるみたいなんですよね。注意喚起が流れてきたのも見ましたし、私はもうみんな受かってみんな幸せ、みんな大好きみたいな気持ちで見てましたけど、
誰かのことを特に応援している人が別の候補生の態度が悪いとか、なんであいつが通ってみたいな文句を言うっていうのがエスカレートしてひどいバリ像を本人に投げつけるみたいな人がいるんですね。
私もあんまり見ないようにしてましたけど、番組のハッシュタグで流れてきちゃうから、目に入るとげんなりしますね。これが本人だったらげんなりどころじゃなくて、もう本当殺人水というか殺人罪ですよね。
さてそんな個人の感想ですが、そういったネガコメみたいなのもたくさん出てきて読むのがつらい小説でもあるんです。人の悪意とか憎悪とか間違った正義感に駆られた憤怒みたいなのを目の当たりにするという意味で。
でも読後は私は悪くなかったなと思いましたね。人の心のザラザラしたスポンジに詰まった砂粒みたいなものを見続けたら、自分は浄流されて浄化されたみたいな感じです。うまく伝わってますでしょうか。
今日はこの伊藤あかりさんの新刊個人の感想ですから、神フレーズをご紹介したいと思います。
届かない人には永遠に届かない。それでもいい。理解なんか求めないと言い切れるほど強くも無神経にもなれないのなら、受け取ってほしいときは欲しいなりに頑張るしかない。
この本を今日貸し出しカードに選んだのは、オーディションも就職面接も最終的には個人の感想です。
学校の試験とか資格試験はテストの結果点数でバツって決まる部分が大きいと思いますが、オーディションは面接はもちろん試験もあったりすると思いますけど、より個人の感想が決定打に占める割合が大きいと言いますか。
チャンミナさんに刺さった子が通った子が菊池風馬さんに刺さるとは限らないかもしれない。男女の差はありますけどもしなかったとして、こちらの人には刺さってこちらの人には響かなかったってこともあると思うんですね。
個人の感想なんですよ。なるべく個人の感想が合う世界を選んで、こちらが選んで生きていきたいなと思います。
なぜこのタイミングでアメリさんのお便りをご紹介したかというと、この本に出会ったっていうのもあるんですけど、就職して終わりじゃなくて、オーディションに通って終わり、ゴールじゃなくて、その先もずっと選択される側っていうのは続くわけなんですよ。
ずっと選ばれ続けるんです。何かの選択肢の一つになるって選ばれる側と選ばれなかった側になるっていうことが続いていくわけですよね。大人って。
何かお客さんがパッと入ってきて、どっちに声をかけようかなみたいな小さな選択は毎日あるし、この新しいプロジェクトを誰に任せようとか、このお仕事を誰に頼もうかなっていうので選ばれたり選ばれなかったりするっていう繰り返しですからね。
知らないうちに勝手に選ばれてるってことも結構多いですけど、これは絶対選ばれたい、関わりたいとか、もしチャンスがあればこういうことをしたいっていうのが、もしあるならばそれは察してってことじゃなくて、ここに紙フレーズでご紹介した受け取ってほしいなりに受け取ってもらうだけの努力はした方がいいと思うんですよね。
それが理解されなくても構わないとか、理解されてもしょうがないっていうふうに強く割り切れなかったとしても、受け取ってほしい努力はしたなっていうのは残るといいんじゃないかなと思います。
さてリクエストありがとうございました。就職が決まっているとしたら、この春からからでしょうか。お仕事頑張ってください。遠くから応援しています。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介しております。
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お届けしたのは講談社のバタヤンこと川端理恵でした。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。
15:13

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