1. 真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜
  2. EP199. 忘れたふりをしている..
2025-02-19 15:21

EP199. 忘れたふりをしている記憶、ありますか。いじめ問題に向き合う

読書のお供はなんですか?のご質問から。2025年早くもベストブック入り間違いなしの小説をご紹介します。

<勝手に貸出カード>

朝比奈あすかさん『普通の子


♡リスナーアンケートご協力のお願い♡

↓ご回答はこちらから

https://forms.gle/XZnywVRHdzqEZCEG7

「まよどく」も5年目に突入! より良いチャンネルとして続けていけるよう、アンケートにご協力をお願いします。※個人情報は取得しません。番組改善の目的以外には利用いたしません。【ご回答期限:2025年3月5日まで】


サマリー

このエピソードでは、朝日菜アスカの小説『普通の子』を通じていじめ問題が探求されます。主人公の美穂は、子供の頃のいじめの傷を抱えながら、息子が遭遇した事件の真相を追求する過程が描かれています。いじめ問題に焦点を当て、特に記憶や解釈の仕方の違いが探られ、美穂の感情とその背景にある親の思いが表現されています。

いじめの影響
真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは。第199夜を迎えました。今夜のお便りをご紹介します。
かるいざわかえんさんからいただきました。バタやんさん。
みもれから参りました。バタやんさんの優しい声が大好きです。
本ではないのですが、バタやんさんにお尋ねします。
ゆっくり本を読むとき、何か飲みますか。コーヒー、紅茶、または。
私は最近、図書館にリクエストしたマーガレット・アトウッドのマッドアダムをお借りしました。
待ち焦がれた三部作の最後、アトウッドの強く知的な女性に出会えるのが嬉しくて。
あとね、最近感じています。翻訳ってすごいよね。
我が家の子供が大好きなタンタン冒険シリーズ翻訳の川口恵子さんが素晴らしすぎて。
さておき、大好きな本にはお供が必要ですよね。
私は家事や仕事を終えての一人時間に入れたてのコーヒーとチョコの読書タイムが幸せのひとときです。
バタやんさんの読書タイムのおすすめのお供を教えてくださいといただきました。
ミモレの頃から聞いてくださってるんですね。ありがとうございます。
マーガレット・アトウッドといえば、ディストピア小説の傑作のドラマにもなったハンドメイズ・テイル。
自助の物語の人ですね。
3部作は私はちょっと読めてはいないんですけれども、マーガレット・アトウッドが描く近未来のディストピアもの。
最近は現実社会が追い越しちゃうんじゃないかと、ディストピア類がフィクションを現実社会が超えちゃうんじゃないかと思うことがありますね。
トランプ政権によるバックデートとかもそうですけど。
崩壊性とか、日本の政治家の言動とかも、世界情勢とかを見ると、なんかそんな気持ちになってしまいますが。
さて、本題のご質問に戻りますね。ゆっくり読書のお供ですね。
お酒を飲むかと思いきや、読書の時は意外とお酒は飲まなくて、
ネットフリックス見たりする時はビール飲みながら見たりしますけれども。
私もコーヒー派ではありますが、インスタントコーヒーを飲むのが好きです。
ブラックじゃなくって、スティックカフェオレの方です。
ブレンディースティックとかわかりますか?
クリームの粉状になっているのとコーヒーの粉状になっているのがミックスになっているやつです。
ちょっと甘い、あれをお湯をたっぷり入れて薄めに作って、チビチビ飲みながら読むのが好きです。
ちゃんとドリップしたコーヒーを飲めばいいんでしょうけれども、コーヒーはすごく好きなんです。
好きだからこそ、なんかに、別のことに集中しながら飲むと飲みすぎちゃうんで、
カフェインを取りすぎてしまう、眠れなくなっちゃうっていう心配があって、
その点、薄いスティックカフェオレはいいですよ、ちょうど。
あとちょっと甘いから、おやついらずで血糖値が上がる感じもあっていいなと思っています。
出張とかライブの遠征なんかでビジネスホテルに泊まることも時々あるんですけど、
その時に朝ごはんをつけるとお金がもったいないかなって思うんですけど、
朝コーヒーをたくさん飲みたくって、一杯とかじゃなくて、
スティックカフェオレをコンビニで箱で買って、
それを残ったやつを家に持って帰って読書のお供にしてます。
喉に残る甘さと粉ミルクの感じ、ちょっとケミカルな感じがありますけれども、
わりと好きで、読書の余韻とともに喉に残る甘さと粉ミルクの感じを楽しんでます。
さて、今日も本をご紹介しますね。
今日の勝手に貸し出しカードはリクエストとは全然離れちゃうんですけれども、
喉に残る余韻がしばらく飲み込めないくらいに、
嫌な感じで飲み込めなくて残る本を紹介します。
そんな前振りで恐縮ですが、
今夜の勝手に貸し出しカードは朝日菜アスカさんの普通の子にしました。
こちら、2025年のバタヤのベストブック入りと言ってしまってもいいです。
まだ2月ですけど、そう言っちゃっても過言ではないと思ってます。
そのくらい衝撃を受けました。
渾身の一作だと思ってます。
まずどんな小説かさっと説明しますね。
セキュリティサービス会社に勤める主人公の佐久間美穂さんは、
同じ会社に勤めている旦那さんと共働きで、
小学校5年生のハルト君という息子がいます。
そのハルト君がある日、小学校のベランダから落ちてしまうんですね。
幸い命に別情はなかったんですが、
さてどうして落ちちゃったのか、自分から飛び降りたのか、
何か消しかけられたのか、理を聞いてもハルト君は喋んない。
もしかしていじめられているのか、脅されたのか。
お母さんの美穂さんは心配をして、真相を突き止めようとするわけです。
その美穂さん自身も、子供の頃にクラスでいじめがあって、
結構ひどいいじめがあって、助けてあげられなかった。
保管者になってしまったという苦い思い出があって、という話なんですね。
物語の核心
ここまでだと、ハルト君はかわいそうだけど無事だったし、
骨折しちゃったんですけどね、
何かを制限されちゃうような酷い遺書が残ったとかいうほどの大怪我ではなかった。
美穂さんの昔のクラスのいざこざも、結構ひどい話ではあるんですけど、
ボスみたいな意見の強い女の子がいて、
このターゲットにならないようにみんな怯えたり、
悪口を一緒に言って林立てたりみたいな感じで、
あるといえばあるじゃないですか。
ちょっと鈍臭いタイプの子がいて、その子に矢印が向かっていると自分たちは安全みたいな感じですかね。
そういうのって、心当たりがゼロっていう人もあまり少ないんじゃないかなと、
これを聞いてくださっている方も子供の頃にそういう思い出が少しある人も少なくないんじゃないかと思うような話です。
ただこの小説がですねえぐい、
いやもうちょっと今年のベストブックかもしれないと言えるぐらいのパンチ力を持っている部分はその先なんですね。
だから今日は今から少しちょっと踏み込んだ結構後半の話に踏み込む紹介をしますので、
もしあんまり先入観なくフラットに読みたいな、読み始めたいなという方はここで一旦止めていただきまして、
読んでからまたぜひ聞いてください。
ちょっとなんか見かけて気になってたぞっていう、
いじめかちょっと重そうだけど聞いてから読もうかなとかっていう人はこのままちょっと行っちゃいますんで聞いてください。
ミホさんはセキュリティサービス会社に勤めていると言ったじゃないですか。
先ほどそのお家にセコムみたいなねサービスを取り付ける会社の営業をされているんですよね。
そこであるお家でうまくトントン拍子に契約が取れそうだと取れた。
結構お金持ちなご夫婦なのかなあんまり細かいことを言わずに、
じゃあこれもこれもつけてくださいという風に話が進んでいきまして、
良かった良かったと思っていたら、そのご夫婦の娘さんから営業の担当を変えて欲しいと会社に連絡が来るんですね。
娘さんがなんとミホさんと同級生だったと。
自宅の内部を知られるのが恥ずかしいからっていう理由で営業担当を変えて欲しいと書いてあるんですけど、
まあちょっとドキッとしますよね。
特に何かミスをしたというわけでもないのに、
あれどうしてちょっと待って待って会って話そうよってなるミホさん。
いやそっからがねもうちょっとあれですよ、
ブレンディカフェオレをもう1スティック追加しないと読めない感じで怒涛の展開になっております。
サスペンスと解釈
もちろんハルト君はどうしてそうなったっていう方も同時に明らかになっていきます。
では、この本の中で何を描いたかというと、
少しサスペンス要素もある小説なんですけれども、
何が描かれているかという一言では言いづらい小説ですが、
みんなそれぞれ自分の物語で解釈をしている様を描いた小説と言えるかもしれません。
ちょっと手前にもあるんですけれども、
微妙なことは、この小説を読んだ後に、
自分自身の状態による解釈の仕方とか、
立場による受け止め方とか、
記憶の仕方、それと誰かへの説明の仕方は様々で、
それがまた更に子供だったりすると、
またちょっと違うのかなと思ったりしました。
余裕のなさのリアルさだと私は読みました ちょっと冒頭の部分を読みますね
だからその日もミホは脱衣後の衣類を浴槽の蓋の上にまとめておいてそこから順に 取り上げハンガーにかけていた
繰り返されてきた毎日の中のなんということもなかったはずの平日の朝 半分くらい干したところで脱衣所のドアが開いた
顔を覗かせたのはハルトだった ベストがゴム製のジャージ素材のパンツに青い t シャツ
夏休みが終わっても蒸し暑い日が続いている 今何時?ミホは聞いた
おおよその時間は分かっていたが自覚させて急がせたい とあります
このちょっと夏が残っている蒸し暑い日で 脱衣後の衣服をね浴槽の蓋の上に置きながらそこから順番にハンガーにかけているっていう
すごいよくわかりますよね で急がせたいって思ってるんだけど
ハルトくんはママは何してんのとか言ってもう見りゃ分かるでしょっていうことを聞いてくる その
今何時って聞いたことには答えずに ミホさんも自分も身近くして出かけなきゃいけないからこのハンガーかけ終わったらね自分も出なきゃいけない
焦っている 今いる営業の部署でちゃんとこう実績を出さなきゃ
私もちゃんとやれるっていうところを見せなくちゃっていうことにも焦っている そんな中ハルトくんはなんかちょっと学校に行きたくなさそうな気配を見せてるんだけど
まあとにかく学校に行って頂戴よっていう気持ちが勝っちゃってるわけですよね 旦那さんはなんだか呑気な感じなんですよ
その辺のミホさんの苛立ちと なんかありそうだったけどちゃんと聞いてあげられなかったなっていう後悔
絶妙ですね絶妙にリアルで胸が苦しい そんな感じの描写が続きます
番組のリニューアル
では今日はこの本から神フレーズを読んで終わりたいと思います 自分の子供のことを人に指摘されるとそんなに傷つくものなの
その質問はミホの心の中から響いた そうかハルトを悪く言われるとこんなに私は傷つくのだ
とあります この自分の子供のことを人に指摘されるとそんなに傷つくものなのっていうのは
ミホさんのお姉さんの言葉なんですね 帽子をズバッと言われてぐぬねもって泣いてもカッと鳴る
そこを承知でお姉さんと妹とぶつかるのを承知でお姉さんも覚悟していったと思うんですよね
あんた今ちょっと偏ってるんじゃないってちょっと冷静になってねっていう意味で ハルトくんの大人には見えていなかった部分
ミホの自分では見えていなかった部分をぜひ最後まで見届けて確認していただけたらと思います
先ほどみんなあると思うんですよっていう話をしたんですけど そういうちょっと子供の頃のクラスであったいじめの話って
っていうふうに思った自分も結構衝撃をガンってぶつけられるお話でもありました
はい さて次回はですねいよいよ200回目の配信を迎えますパチパチありがとうございます
そしてこのまよどくは2020年の3月から配信をスタートしましたので来月でちょうど5周年を迎えますパチパチパチ
そんなわけでちょこっとまたリニューアルをしようと思っています それにあたってアンケートにご協力いただけたら嬉しいです
スポティファイで聞いてくださっている方はそのままQ&Aになってますので ポチッとお回答いただけたら
それ以外のプラットフォームから聞いてくださっている方は概要欄にアンケートフォームのURLを貼っておきますので そちらからご回答いただけたら嬉しいです
よりまよどくを聞いていただき 安く長く楽しんでいただけるような配信にしていきたいと思っています
もちろん私自身が一番楽しんで続けられたらと思っていますので 特に何か変えなくていいから聞いてるよっていう方もアンケートに回答いただけたら嬉しいなと思います
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます さてそろそろお時間になってしまいました
真夜中の読書会おしゃべりな図書室ではおすすめの本や漫画 紙フレーズをご紹介しております
リクエストや番組のご感想はインスタグラムバタヨムからお寄せください お届けしたのは講談社のバタヤンこと川端理恵でした
また来週水曜日の夜にお会いしましょう おやすみなさい
おやすみ
15:21

コメント

スクロール