Balloon Channelは、デザインクリエイティブスタジオBalloon Inc.が配信するメールマガジンと連動してお届けしているポッドキャストです。
メールマガジンにてお届けしている最新のデザインニュースや日々の仕事で得られた知見、おすすめの書籍情報などについて、音声でお届けしていきます。
みなさん、こんにちは。
Balloon Channel第9回目は、私、コウホーの沙耶が担当させていただきます。
今回は、2つのデザインニュースと読書会のご紹介、そして、雑談、「読書会で読んだ本」についてお話しさせていただきます。
まずご紹介する2つのデザインニュースは、私たちの日常に潜む作業や学びを、デザインの力でいかに楽しく、能動的な体験へと再構成できるかを示しています。
参加型デザインの可能性を問い直しているという点が共通している2つのニュースを通して、道具としての機能を超えた可能性について事例を見ていきたいと思います。
まずは1つ目のデザインニュース、箱を開けるのが楽しくなるユニークなカッターナイフ。
まずご紹介するのは、ダンボールなどの箱を開封するためのカッターナイフです。
皆さんもご存知のように、開封という瞬間は楽しい一方、日常品のダンボールを開ける作業は、億劫になりがちですよね。
そこで紹介されているのが、ユニークでデザイン性の高いカッターナイフです。
磁石で机にくっついてさっと使えるものや、キーリングに付けられるもの、あるいは動物の形をしていて手になじむものなど、デザイン性と実用性を兼ね備えています。
これらは単なる道具としてだけではなく、開封の面倒くささがなくなるという感覚にも作用するプロダクトとして成立しています。
日常のありふれた作業を、遊び心と工夫で特別な体験へと昇華させようという試みですね。
よろしければ概要欄のURLから紹介されている5つのカッターナイフのデザインを見てみてください。
私は4つ目と5つ目のペンギンのデザインが好みでしたが、かわいいペンギンに労働させるのは申し訳ない気もします。
続いて2つ目のデザインニュース。
マナミガインテリアにレゴのミネラルコレクション。
続いては世界中で愛されるレゴのミネラルコネクションです。
ミネラルは鉱石、金片に広い、で、鉱、そして石と書いて鉱石ですね。
石に埋まったダイヤモンドやアメジストをイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
こちらのミネラルコレクションは、880ピースのブロックを使ってアメジストやトルマリンなど6種類の鉱物の美しさをレゴブロックでリアルに再現しているコレクションです。
透明のパーツや金属質の質感のパーツを組み合わせることで、鉱物の構造を手を動かしながら理解するという教育的な体験を生み出しています。
組み立てるという能動的なプロセスを通じて、地質学という専門的なテーマを親しみやすい遊びへと変換しているんですね。
そして、完成した作品はそのまま棚に飾ることができ、学びはインテリアへと変化します。
これはまさに、酸化型デザインの象徴といえます。
よろしければ、こちらも概要欄のURLから実際のレゴの画像を見てみてください。
メールマガジン内でも画像をご紹介していますので、メールマガジンにご登録いただいていない方は、ぜひ概要欄のURLからご購読いただけると嬉しいです。
最後に、おまけの雑談です。
読書会で読んだ本
今、読書会ドクドククラブのご紹介をしましたが、
この読書会で私が読んでいる本、そして参加者の皆さんが持ってきてくださる本について雑談したいと思います。
まず、参加者の皆さんが持ってきている本なんですが、
面白いことに、これまでの読書会で一冊も本がかぶっていないんです。
小説、バリバリのビジネス書、専門的な学術書などなど、ジャンルが本当に様々です。
しかも、発売されたばかりの新しい本だけではなく、
例えば、九記収蔵の《域の構造》のような日本の名著まで、専書は多岐にわたります。
よろしければ、概要欄に貼っている10月開催の読書会の申し込みページ、PDXのイベントページを見てみてほしいんですが、
イベントのカバー画像に参加者の皆さんが持ってきてくれた本の写真を使わせていただいています。
これを見るだけでも、その多様性が伝わるかなと思います。
本屋さんに行って、新刊本から次に読む本を探すのもいいですが、
こうやって、読書好きの人たちが読んでいる本を知るというのも、次の読む本を探すきっかけになるかなと思います。
読書会では、最初と最後、本についての雑談タイムを設けています。
もちろん参加自由で、雑談はせずに、読書に没頭し続けていてもOKです。
この雑談を通じて、新たな本の出会いがあるのも、このイベントの魅力の一つかなと思っています。
そんな読書会で、これまで私が読んだ本2冊をご紹介します。
1冊目が、二人暮らしの女性誌 伊藤春菜さん著。
これは、昭和の時代の女性が、結婚ではない形でパートナーと暮らしてきた、
先々期の女性たちの二人暮らしの記録をまとめた書籍です。
特に印象的だったのが、日本人女性初のオリンピックメダリストである、
人見絹恵さんと、彼女を支えた藤村長さんの二人暮らしの話です。
二人が一緒に暮らしたのは、ほんの数年間で、人見絹恵さんは24歳、藤村長さんは91歳で亡くなります。
彼女たちは亡くなった後、それぞれの実家のお墓ではなく、青森にある二人だけのお墓に入ります。
そして、後から亡くなった藤村さんは、人見絹恵さんのことを修正同居人と表現しています。
修正同居人という表現を聞くと、もし現代だったら、また違う表現ができたのかなと思うと、
胸がギュッとなるような、歴史の重みを感じるような一冊でした。
二冊目は、あそびとりた、北村絹恵さん著。
今は、コスパ・タイパという言葉が流行していて、社会全体で管理化が進んでいます。
この流れは、子どもたちが遊ぶ公園にも押し寄せていて、安全性を理由に遊具が撤去されたり、
年齢制限が設けられたり、このブランコは5回漕いだら交代しましょうという看板が建てられたりしているそうです。
著者は、こうした効率化や管理が子どもたちの自由な発想や想像性を損なうのではないかと考え、
それに抗うヒントをリタと場所づくりに見出そうとします。
全国の公園や遊具をフィールドワークした研究者による本です。
作者の方は、メディア論の研究者の方らしくて、最近ではチクマウェブで、
フジー・カゼロン・救済の音楽という名の連載もされているようです。
この中で、子どもと公園に行く中で遊具やあそびに興味を持ち、
これも研究対象となったようです。
本の中で、プロダクトデザイナーの深澤直人さんの遊具がアフォーダンスの例として出てきました。
アフォーダンスって、もともとは心理学の用語で、
環境が人に行為の可能性を与える性質という意味らしいんですが、
深澤さんがアフォーダンスという概念を使うときは、
もっと感覚的で詩的なもの、ポエミなものとして使われているようなんです。
人が考える前に、自然と手を伸ばしてしまうようなもの、
物の存在の在り方といった解釈でアフォーダンスを使われているみたいなんですね。
著者が自身の専門外に研究の範囲を広げて、
心象を書いて、読者がそれを楽しむのはいいことなんですが、
深澤さんの主張するアフォーダンスと、
それ以前にジェームズ・ギブソンが提唱しているアフォーダンスというのは、
これら2つは部分的に重なりつつも、
実はかなり異なる意味で使われているということには触れられていませんでした。
本人がアフォーダンスと言っているから、
その部分は検証せず、そのままアフォーダンスの有語として紹介するというのは、
個人的に少し引っかかる部分がありました。
あと、書籍のタイトル「あそびとりた」というのも、
本文を読んでもあまりしっくりこなかったんですよね。
ただ、アマゾンでは星4つの大好評の新書ですので、
ぜひ読んでみてください。
読書会ドコドコクラブへのお申し込みもお待ちしております。
ということで、今回はデザインニュースと読書会のご紹介、
そして雑談をお届けしました。
ぜひ次回のバルーンチャンネルもお楽しみに。
本日ご紹介した情報は、
ポッドキャスト概要欄に詳細を記載しています。
他、メールマガジンへの登録ページも記載しているので、
ぜひご覧ください。
また、次回のバルーンチャンネルでお会いしましょう。