2024-03-27 23:04

18. 物流2024問題:時間外労働960h上限で物流業界に起こること

■話の流れ

物流の2024年問題 / ドライバーの時間外労働が年間960時間 / ①:長距離ドライバーの収入が減少 / 収入の割合のうち残業が一番占めている / その背景は1990年の規制緩和で物流業社が増加しコストカットが進む / ②離職者の増加 / 他の業界よりも有効求人倍率が高い / 高齢化が進んでいる / ③輸送費の値上げや翌日配送の廃止も /


■参考資料

日本の物流問題 ――流通の危機と進化を読みとく (著)野口智雄

https://amzn.to/3TxBKWS


貨物自動車運送事業者数の推移

https://www.mlit.go.jp/common/001459243.pdf



自動運転とは?(2024年版) レベル別の実用化・開発状況・業界動向まとめ

https://jidounten-lab.com/u_36605#_-2



荷待ち時間を大幅削減~物流業界を変える新サービス~【Bizスクエア】

https://www.youtube.com/watch?v=Z8PK2UJ8mqg


九州-関西2泊3日 長距離トラックドライバーに密着「今やっている仕事は8割方無理」2024年問題 スーパーの特売に影響も…【news23】

https://www.youtube.com/watch?v=GUv59HkVCeY

















サマリー

物流の2024年問題について掘り下げ、問題とその結果や、企業の対応策について明らかにします。年間時間外労働時間が制限されることで、長距離ドライバーの報酬が減少し、離職者が増加する可能性があります。モーダルシフト、ドローン配送、物流の自動化などの対応策が取られています。運送業者の労働改善と自動運転による物流業界の未来について話しています。

物流の2024年問題と影響
Audio Japan 〜あなたと一緒に日本を学ぶ〜。この番組は、日本の文化やトレンド、マニアックな情報などを掘り下げて楽しく学んでいくそんな番組です。
英語で聞きたい方は、Audio Japan Learning Japan with you よりお聞きください。
パーソナリティの教育デザイナー、Taiki Araiです。よろしくお願いします。
今回はですね、物流の2024年問題について話をしていきます。
この言葉をどこかで聞いたことがある人いるかもしれないのですが、自分は書店でたまたま知りました。
日本の物流問題、流通の危機と進化を読み解く、野口智夫著という本を見かけまして、パラパラと立ち読みしたのがきっかけです。
確かに、自分は普段Amazonで注文した時、配送料がかかっていないので、そこまで気に留めていなかったのですが、
あれはAmazonプライムに加入しているからであって、普通は配送料かかりますよね。
あるいは企業の狙いとして、例えば5000円以上購入すると配送料が無料というふうにすることで、
例えば6000円くらい購入してもらって、その一部を配送料に当てている。
つまり、行動経済学におけるナッジのようなものを活用した例の一つかなと思いました。
前置きはここまでにして、本題に移っていきます。
前半部分では、物流の2024年問題について掘り下げていき、問題は何なのか、その結果、今後どういうことが起こるのか、影響するのかについて明らかにしていきます。
後半部分では、前半の話を元に、企業では何に取り組んでいるのか、どんな解決策があるのかについて紹介していきます。
物流の2024年問題についてですが、まず初めにお伝えしたいこととしては、
今年の4月1日から、物流業界で働き方改革が開始し、自動車運転業務の年間時間外労働時間が960時間となります。
本来であれば、労使間の協定で合意さえ得られれば、実質無制限に時間外労働ができましたと、それに対して制限がかかることになりました。
とはいえ、年間の時間外労働時間が960時間となると、月当たり残業時間80時間までは良いことになるので、これを見た時に過労死ラインの瀬戸際やんと思っちゃいましたね。
もしその時間が超えてしまうと、6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金が企業に課せられることになります。
もともとこの働き方改革というのは、2020年4月1日から働き方改革関連法によって施行されていたのですが、運送業、建設業、医師、佐藤製造業だけは4年間の猶予が与えられていました。
というのも、こういった業界においては、いきなり施行してしまうと困る人たちが増加すると見込まれていたからですと。
長距離ドライバーの報酬減少と離職者増加
そんな時間外労働が制限されることで何が起こっていくのか見ていくと、一つ目は長距離ドライバーの報酬が減少することです。
というのも、長距離ドライバーの収入のうち、残業労働が一番占めているんですよね。
どうして長距離ドライバーの収入のうち、その残業労働が多く占めるようになったか見ていくと、過去の政府による規制緩和が影響しているからです。
以前は運送業というのは、道路運送法による免許制によって新しく参入するのが容易ではなかったです。
要するに、物を運ぶ仕事というのは限られた企業しかできませんでした。
しかし、高度経済成長以降、人口が増えたりバブル経済が広がったりしたことで、消費者のニーズが多様化していきました。
現に宅配便の取扱数が2020年度において50億個以上あります。
それだけ多様化していき、何なら日本の全人口の50倍の宅配物が移動しているということを考えると、ちょっとゾッとしましたね。
そんなニーズの多様化に応えていくためには、必要なものを必要な分だけ個人や企業宛ての宅急便やコンビニエンスストアへ納品する小口荷物の配送が必要となっていきました。
そうなってくると、限られた企業のみでの配送は対応しきれないと政府が判断し、
1989年12月に物流二法というものが制定され、翌年1990年の12月に施行されることになります。
物流二法とは、貨物自動車運送事業法と貨物運送取扱事業法の2つの法律を総称したもので、
簡単に言うと運送事業が免許制から許可制になり、その結果物流業者が増加していきました。
実際に貨物運送事業者数の時系列的推移で数値比較してみると、1975年時点では3万1146車あったのに対し、1990年に4万車を突破しました。
さらに2022年においては6万3000車まで増えています。なので40年で2倍以上増えたことになります。
それまでの配送業者が少なかった時から規制緩和によって配送業者が増えていくことで、
荷物を顧客に届けてほしいと思う荷主の立場が強くなり、配送業者は低価格競争を強いられ、
そのコストカットのしわ寄せがトラックドライバーの働き方や賃金に影響していきました。
荷主からすれば、時間通りに荷物を集荷してくれなかったり、配達が遅れていたりすると、
代わりはいくらでもいるんだよって言える立場になりますし、
荷物を運んでくれる会社10社あったとして、そのうちの9社が代金を値上げしてくれと要求しても、
1社が安い配送料で全然いいですよと言ってしまったら、荷主はその会社にお願いすればいいですしね。
その結果、時間外労働の制限によって起こる2つ目としては、離職者が増加すると予想されています。
タダでさえ運送業者として働きたいと思う人が年々減っている中で、
このような待遇になってしまうと、若い人たちは他の業界に移ることが容易に考えられます。
若者が減ってしまうと、労働者の高齢化が進み、
配送している人も場合によっては50代、60代、それ以上の方々が運ぶと。
実際、ドライバーが高齢化すればするほど、どうしても事故も多発する可能性が高まってしまいます。
荷物を配送してくれるのは本当にありがたいんですけどね。
そんな不安を抱えながら若者の雇用がうまくいかなくなると、
どうしても人員が不足し、荷物を配送するためには送料を値上げしたり、
荷物を送るとしても翌日配送ではなく、
例えば翌々日配送であったり、3日後、4日後の配送となっていくわけです。
これに関してはまだ許容範囲かもしれないのですが、
他には、スーパーで水産品や成果物などが新鮮な状態で運ばれなくなることも起こり得ます。
ただでさえ、コロナやウクライナ危機をきっかけに食料品の値上がりが激しい中で、
食べ物の状態も新鮮でなくなる可能性が高まるとなると、なかなか厄介だなと思いました。
ドライバーの働き方について少し見ていくと、
ドライバーの仕事のうち8割は運転することで、
他の職種と比べると他人に干渉されないので、運転が好きで束縛されない、
自由な環境を求めている人に向いている傾向があります。
一方で、1日の平均の食料品の値上げは、
一方で、1日の平均労働時間が13時間から15時間で、
年間のうち3分の1は車中泊で過ごすことになっています。
労働時間が長くなる背景としては、
平均1.5時間で、長い時は荷物がトラックの中に入り切るまでに
3時間待っていることも少なくありません。
いつ荷物を入れたり出したりするかわからないので、
ドライバーはできる限り集荷場所に早く到着し、
待機して呼ばれるまで待つことになりますと。
しかも多くの場所では荷卸、荷積みも運転手が行うことになるので、
ただでさえ長時間の運転で体の負担が強いられているのに、
それでますます高まってしまうと。
これだけ見ていくと、
そりゃドライバーは不足していくなと思いましたし、
2025年にはドライバーの数が50万人近く足りなくなると言われているのですが、
まあそうなるよなと思いましたね。
首を絞める、つまり製作を打ち出したときの対象は今回運送業者になっているのですが、
そこではなく荷主に対してもう少し製作を打ってもいいのかなと個人的には思っちゃいましたね。
後半部分では、そんな現状に対して今どんな対応策が取られているか見ていきたいと思います。
モーダルシフト、ドローン配送、物流の自動化の対応策
一つ目はモーダルシフトです。
モーダルシフトというのは、トラックによる貨物輸送を鉄道や船舶に切り替えていくことです。
鉄道や船を使うことで一度に大量の荷物を運べるだけではなく、
二酸化炭素の削減に一石投じることができます。
デメリットとしては、輸送時間が延びてしまうので、
即日・翌日配送はますます難しくなり、
近い将来、スーパーやコンビニにすべての商品が並んでいることが当たり前ではなく、
棚に空きがあるのが当たり前になるかもしれません。
他にも鉄道も船舶もトラックと同様に人手不足であることは変わらないので、
なかなかモーダルシフトが進まないのではないかと考えられています。
もし仮に平日だけ店舗が稼働していて、
休日は閉店のようになっていくのであれば、話は変わるかもしれません。
2つ目はドローンでの配送です。
東京都や日本郵便などが現在実証実験で行っている段階で、
早ければ2025年度なので来年ですね、
2025年度に実用される見込みで今進んでいますと。
ドローン配送がうまくいけば、
消費者のニーズ多様化による小口配送の需要に応えていくことができるのかなと思っています。
また、特に過疎地域に住んでいる人たちがわざわざ街中まで降りなくても、
ドローン配送で直接配送することもできます。
配送時にドローンとドローンがもしぶつかったらどうなるのか、
ぶつからないように配送中はどうやって管理していくのか、
空の法律整備どうしていくかなどなど考えることは山ほどありそうなのですが、
数年後、街中にドローンが飛んでいる世界線も十分にあるのかなと思いましたね。
3つ目は物流や荷卸の自動化になるのですが、
例えばトヨタ自動食器が展開しているウルトラブルーというものがあるのですが、
これは高速処理、全方向移動、自動運転でコンテナやトレーラーからの荷卸、積み込みを実現可能にしてくれます。
センサーで荷物の場所を把握して、
画像認識システムによってその中の積み込み状態を確認し、
アルゴリズムに基づいて1時間に1000個以上の段ボールを処理してくれます。
これで運転手が荷卸や積み込みしなくても良くなることになれば、
負担がある程度は軽減できそうかなと思いました。
ただですね、現時点で調べた限りの対応策を今述べてきたのですが、
運送業者の労働改善
一番のボトルネックである運送業者の労働改善というのは、
身体的負担とあとは金銭的なところですね。
これらにつながっているかと問われると、正直うーんとなりましたね。
荷待ち時間を軽減できるアプリもあるのですが、
根本的なところとしては収入のうち一番割合として占めているのは残業時間であり、
その残業時間に4月1日から制約がかかることになると。
しかも労働者の高齢化が進んでいるので、ますます運転手が不足していくと。
となると、これはある種理想論になるかもではあるのですが、
自動運転を推進して、今後は配送業も自動運転に任せていくことが鍵なのかなと私は思いましたね。
最新のモビリティ業界、テクノロジー系メディアの自動運転ラボというものを参考に、
2024年3月時点で自動運転がどこまで進んでいるのか見ていきたいなと思います。
まず、自動運転にはレベル0からレベル5まで6段階ありまして、
レベルが上がるにつれて自動運転で処理してくれる割合が上がっていきます。
日本ではホンダがレベル3の市販車を販売しておりまして、
アメリカや中国ではレベル4の自動運転車が街中を走行し始めています。
レベル3は渋滞時の高速道路などで、運転中にドライバーがハンドルを離すハンズオフというものが可能になっています。
また、レベル2と違いまして、前方を見なくても問題ないので、
運転中にモニターでDVDやTVを見ることも可能です。
もちろん、走行環境によって自動運転システムが自動運転できなくなった場合、
ドライバーがシステムに代わって運転する必要があります。
その一方で、レベル4は限定された条件下においては完全自動運転することができるので、
ドライバーは運転中にスマホを見たり、車内で仕事をする、ゲームをすることも認められています。
もし、レベル4が実装可能となれば、
例えば、神戸から東京まで長距離移動を通じて荷物を運ぶとなったときに、
高速道路の運転が可能になった場合、
長距離移動を通じて荷物を運ぶとなったときに、
高速道路の間は自動運転に任せて、
普通の車道に移る前後でドライバーがそのトラックに乗りまして、
終荷場所まで一旦届け、荷積み・荷卸しを終えまして、
その後は再び高速道路付近まで運転し、
高速道路に乗ってからは自動運転に任せていく。
そんな未来になるのかな、もしくはなってほしいなと思いましたね。
もし仮にそれが可能となれば、トラック運転手の供給不足を補えたり、
もし人間のドライバーが神戸から東京まで運ぶとしても、
それまでは週に2,3回だったものが、週1回のみになっていくこともありえそうかなと思っています。
交通事故が減って、ドライバーも労働時間が長いときもあるけど、
そのときは風景や現地の食べ物を食べることに楽しめたり、
過労で何か事故が起こるとかも少しは防げそうかなと感じましたね。
私個人としては、今回このトピックを挙げたこともありまして、
早くレベル4あるいはその上ですね、レベル5の自動運転の未来が来て、
負担を強いられているドライバーの方が少しでも負担軽減になってほしいなとマジで思いましたね。
実際にYouTubeで長距離運転をしている方が動画を上げているのを見たのですが、
なかなかハードな仕事だなと思ったんですよね。
あえてそういう業界に飛び込むところが、かっこいいと言っていいのかどうかわかんないんですけど、
すごいなと思いましたね。
オーディオジャパン、あなたと一緒に日本を学ぶエンディングの時間となりました。
後半部分で自動運転について触れたのですが、
私としては運転するの全然好きじゃないんですよね。
20歳の時に免許を取得してからほとんど載っていない、いわゆるペーパーです。
しかも気づけば免許を更新してゴールド免許になり、
さらにさらに気づけば免許をなくしていましたね。
つい先日運転免許証をなくしたことに気づいて、
やばい、免許更新、これ切れたかもと思いまして、
つい先日免許更新センターに行ってきました。
そしたらですね、更新の時期が2年後だったので全然余裕でした。
ほんと良かったです。
そんなことより、免許の手続きで困っていた東北大学の中国人留学生がその場にいたので、
自分から話しかけて彼女のサポートができたことの方が個人的に嬉しかったですね。
はい。
こういう時に英語の勉強してて良かったなって思ったのと同時に、
免許センター内に中国人がかなりいて、中国語でかなり飛び交ってたんですよね。
なので、ざっくりとでもいいから中国語も体得しておくと、
いざという時に使えそうだなと思いましたね。
なので将来、新井大輝はトリリンガルになる未来もあるかもしれません。
ちなみに、唯一覚えた中国語は
我愛你です。
私はあなたのことを愛していますです。
やっぱりくだらないなと思うフレーズほどすぐに覚えられますよね。
小学生に大人気でした。
はい。
オーディオジャパン、あなたと一緒に日本を学ぶ。
番組への感想は、ハッシュタグオーディオジャパン。
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私、新井大輝への質問や感想なども大歓迎です。
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最後まで聞いていただき、ありがとうございました。
お相手は、パーソナリティの教育デザイナー、新井大輝でした。
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