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Audio Japan 〜あなたと一緒に日本を学ぶ〜。この番組は、日本の文化やトレンド、マニアックな情報などを掘り下げて楽しく学んでいく、そんな番組です。
英語で聞きたい方は、Audio Japan Learning Japan with you よりお聞きください。
パーソナリティの教育デザイナー、Taiki Araiです。よろしくお願いします。
GIGAスクール構想の概要と実際のツール
さてさて、今回はですね、GIGAスクール構想について話をしていきます。
この言葉を耳にしたことありますかね。
前半部分では、GIGAスクール構想の概要や、実際に学校現場で使われているツールなどについて話をしていきます。
後半部分では、私、Taiki Araiが現場で働いて感じたことについて触れていきます。
GIGAスクール構想についてですが、GIGAというのは、Global and Innovation Gateway for All。
全ての児童、生徒のための世界につながる革新的な扉を指します。
そんな意味だったんだと、調べて初めて知りました。
GIGAスクール構想の目的としては、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びというものを、
全国の学校現場で持続的に実現させること、こちらを目的としています。
その目的を達成するための手段としては、小学生、中学生に一人一台端末を配布すること、
高速ネットワーク環境の整備など、こういったものを国が補助していきます。
私と同年代の20代中盤から後半の人で、子どもがいない人たちからすると驚くかもしれないのですが、
今の小中学生はタブレットを使いながら授業するんですよね。
なので、小学校1年生からタブレットが一人一台配布されます。
実際に授業中に使えます。
私がICT支援員として授業のサポートに入っていたときは、
パスワードを一つずつ入力してログインできるだけで、「すけー!」とか、「先生、ログインできたよ!」と叫びます。
さらに、画面をタップすると音が鳴るサイトも紹介して、実際にやってもらったのですが、驚きます。
彼らを見ていると感性に従って生きているよなと感心しました。
本格的に指導するのは小学校3年生あたりからになりまして、
その理由としては、小学校3年生の国語の時間でローマ字を習う時間がありまして、
それを習っていない限りローマ字入力はできないんですよね。
実際、小学校1、2年生の多くは、タイピング入力ではなく手書きで入力していましたし、
ちょっとませている子は、「先生、見てみて!」と言った後に音声入力でドヤ顔してました。
やるやんと思いましたね。
当時は2019年度から5年かけて行う予定でしたが、
2020年の新型コロナウイルスにより休校措置が長引くことを踏まえまして、
前倒しで一気に生徒1人1台の端末保持へと踏み切っていきました。
災害や感染ウイルスなど外部の影響によって一気に進めていくあたり、日本らしいなと感心しましたね。
都道府県や学校ごとで使用する、実際に使うサービスなどは違っておりまして、
端末に関してはWindows、Chromebook、iPadのいずれかを使用して運用しています。
そこで、端末やWi-Fiが導入された後、どういうふうに使われていくのか、ツールを元に簡単に紹介していくと、
1つ目は学びポケットというものがありまして、
こちらは全国の公立学校で利用されている教育クラウドサービスでして、
生徒の情報を登録したり、保護者との連絡に使ったりします。
欠席連絡1つするにしても、これまでは電話でやっていたのに対して、
今は保護者はそのアプリ1つで連絡することができます。
朝の忙しい時間帯に電話となると、保護者も忘れてしまうこともあったり、
先生も違うことでバタバタしていることが多いです。
他には学びポケット内にあるアプリ、生徒がどれくらい使用したのか、
先生がどれくらい利用したのかも一元化されます。
なので、究極それを1つ見るだけで、どのクラスが利用しているか、
どれくらい運用されているかが可視化されます。
2つ目はGoogle for Educationでして、
普段日常生活でも使えるようなGoogleドキュメント、スプレッドシート、
Googleドライブ、クラスルームなど色々多岐にわたっています。
普段パソコンを使って仕事をしている人たちからすると、
当たり前かもしれないのですが、
例えば職場体験や修学旅行などで経験したことを発表する際に、
スライドでまとめたり、
授業中に必要な資料をドライブに格納した後、
クラスルームに貼り付けてそこから入ってもらうようにするなどがあります。
要するに、いつでもどこでも引き出せるような感じですね。
3つ目はロイロノートです。
先生が作成したノートをロイロノート内に貼り付けた後に、
生徒に配布したり、何か課題をやってもらう際にも、
ロイロノート内で提出してもらうことができます。
生徒がどんなアウトプット物を出したのか、
教室内にあるモニターであったり、
生徒の端末で一元化で反映させたりすることもできます。
こういった機能があることで、
授業中に先生から生徒に対して、
これ分かったかなと言ったとしても、
大抵の人は分かったと答えるんですよね。
それだったら問題を配布して、実際に解いてもらって、
どこまでできたのか、その時間内に確認した方が、
その後の個別対応がしやすくなるかなと思いました。
また、モニターを使うことで生徒の発表練習、
つまり前に出て話す練習にもなりますね。
私も支援員として働いている間、
中学校の英語の先生にお願いして、
一緒にディクテーションの授業を行いました。
ディクテーションとは、実際に音声で流れてきた英文を、
そのまま書き取るものになりまして、
とある英単語の発音が、
うんこのように聞こえると言い出した生徒が出てきまして、
その授業では大爆笑でしたね。
でもその変化とか、
こういうふうに聞こえたっていうのを発見できるだけでも、
個人的には面白いなと思いました。
今お伝えした学びポケット、
Google for Education、ロイロノートのように、
最低限この3つがあれば、
GIGAスクールに向けた土台を築くことができます。
そこから展開していくのであれば、
例えばCanva、Adobe、Padlet、
さらには桃鉄の教育版など通じて、
よりICT教育を進めることができます。
学校や自治体によって使えるものは異なりまして、
こういったものを普及して、
まずは触ってもらい、
その後生徒一人一人に応じて、
どういったものを使っていくか、
やっていくためには、
生徒を変えるのではなく、
先生や保護者の方のマインドであったり、
ICT教育の重要性なるものを発信していくことかなと、
現場で働いて感じましたね。
確かに小学生、中学生に
いきなりタブレットやスマホを持たせてしまうと、
危ないサイトに引っかからないか、
騙されないか不安になる、
こういったものすごく分かりますし、
私も将来子供ができたときに、
何歳からスマホを持たせるか、
どうやって運用させていくか、
ついつい考えちゃうなと思いましたね。
話が広がりそうなので、
現場で働いて感じたこと、
後半部分で深めていきます。
現場で働く中で感じたこと、
3つ話をしていくのですが、
先生の大変さと現場の実情
そもそも改めてになるのですが、
2023年度、
私、新井大輝はICT支援員という職種で働いておりまして、
具体的には複数の小中学校に訪問して、
先生方にタブレットの使い方であったり、
タブレットを使った授業の提案をしたり、
さらにはタブレットを使った授業の事例があったときに、
そういったものを資料にしてまとめて、
他の支援員であったり、
組織全体に共有したりするなどを主に行っていました。
その中で見て感じたこと一つ目としては、
先生は大変だなと見ていて思いましたね。
先生方が日中にやることとしては、
科目を教えるだけではなく、
クラス運営、生徒の指導であったり、
欠席対応、授業作り、
中学生ですと部活など多岐に渡るなという印象です。
休憩を取りたくても休憩を取れるのは、
小学校の先生ですと主に放課後、
中学校の先生ですと授業と授業の合間なのかなと
見ていて感じました。
そんなところに自分が授業提案しに行くとなると、
正直神経使えましたね。
相手の懐にヒュッと入ってくるので、
今思うとタブレットを使うのが嫌とか苦手な先生からすれば、
嫌な存在だったのかなと思いますね。
また、小学校、中学校など担当する学級によって違うなと見受けましたね。
先ほどもお伝えした通り、小学校1年生、2年生は
とにかく素直で、とにかく授業中もしゃべるしゃべると。
その背景には、特にその年代ですと
自分を見てほしいという心理になっている可能性が高いからであって、
仕方ないよなと思うところも正直ありましたし、
急に泣く子も出てくるので、その対応が先生上手いなと思いましたね。
学校中学年とか高学年になってくると、ちょっとずつ落ち着いてくる一方で、
クラス内での問題行動に対する注意であったり、
いじめが発生してしまったときの対処などに追われている印象がありましたね。
中学生になるとさらに落ち着きは出てくるものの、
そこら辺から多くの中学生はスマホを持たせてもらえるようになっていて、
気づけばツイッターやインスタグラムをやっていたり、
TikTokで動画を見たりしている中で、
SNSでどうのこうの問題が出てしまったりとか、
学校にスマホを持ってきてはいけない、もしくは持ってきていたとしても、
職員室に預けないといけないのに勝手に使ってしまったり、
帰るときにもゲームしたりしてしまって注意されるとか、
そういったものがありましたね。
要するにどこまでがOKでどこまでがダメなのか、
その線引きというのは、もし私がどうしたほうがいいですかと聞かれたとしても、
その場では決めるのは難しく、むしろ生徒との信頼関係で
その線引きが変わってくるのかなと見ていて思いましたね。
2つ目は情報のキャッチアップが求められる印象を持ちましたね。
情報のキャッチアップと授業の難しさ
例えば2020年度より小学校3年生から4年生は外国語活動、
小学校5年生から6年生は英語が正式に科目となっています。
30代以上の小学校の先生は採用試験時にあまり触れていないと考えると、
いきなり授業をやってと言われるとなかなか酷なことだなと思いましたし、
もし仮に自分に置き換えてみたときに、
語教科の中で理科が苦手なのですが、いきなり理科の授業をやってと言われますと、
正直難しいなと感じましたね。
それでも最近は英語専科、理科専科など、
中学校のようにその科目だけ教える小学校の先生も増えてきているので、
自分だったら理科専科の先生に理科をお願いしたいですね。
もちろん一般教養として知識を持っておいた方がいいのは正直あるんですけどね。
他には情報の先生が足りていない一方で、
2025年の共通テストから情報が必須化されます。
学校現場で教えられる先生が限られてくるとなると、
生徒からしたら自分で進めたり、スタサプなどの外部ツールで学んでいく必要が出てきそうです。
これは良いか悪いかを別として、極端な話、
昨今、先生の成り手が少ないと言われているので、
30代くらいで年収1000万円稼げる、そういうふうにPRしたら、
民間企業で働いている優秀な方の一部は、
教育業界に移ってくるのかなとふと思ったんですけど、どうなんですかね。
タブレットの使い方と運用方法
3つ目は、タブレットはあくまでもツールだなと思いました。
筆記用具や消しゴムなどのように、
タブレットも文房具の延長線上として使うのであって、
一番大事なことは、先生も生徒も勉強であったり、
他の活動も楽しめるところかなと考えたときに、
タブレットを使った授業をこれまでに提案してきた一方で、
版書するのも生徒が自立するまではすごく必要かなと見ていて感じました。
ただ書き写すだけでも、宿題をするときとかに参考になったり、
先生が考えたアウトプット物を擬似的に味わえそうだなと、そう思いましたね。
また、タブレットはツールの一つであるからこそ、
生徒が遊んでいるように見受けられるかもしれないのですが、
ある一定のところまではそこをあえて見守って、どういうふうに運用していくのか。
もしあまりにもよろしくないときには、
例えばクラス全体であったり学年全体で話し合いをした上で、
線引きを決めるのがいいのかなと見ていて感じました。
もし私がとあるクラスを運営するのであれば、
例えば必要なプリント以外は極力配布しない、
むしろタブレットを使って授業を進め、
何か問題を解いてもらうときに紙に書いてもらって、
それを写真で撮って送ってもらう。
人によってはタブレットで書くのが好きな人もいれば、
ノートに書くのが好きな人もいるので、
そういったところは自由に任せたいなと思いました。
保護者とのコミュニケーションと生徒による問題作成
他には、クラス内の1年間の様子をGoogleサイトというものに定期的にアップして、
クラスの人と保護者の身を見ることができる状態にします。
これは自分の身を守るためであったり、
生徒の変化を知ってもらって、
保護者との信頼関係をアップデートしていく。
極端な話、1週間に1度アップし続ければ、年間約50個。
途中、夏休みとか冬休みも入ってくると思うので、
そこの差分も踏まえて年に50回程度更新するだけでも、
保護者からすればすごく安心するのかなと思いましたね。
さらには、Padletというツールがあるのですが、
それを使って、疑似的にTwitterでもいいですし、
Instagramでもいいので、運用を1年間やってみるなどがありますね。
どんな発信内容が良くて、どんな発信内容であれば、
反応してもらえるのか、スルーされるのか、
実際に触ってもらって確かめてもらう。
それにスルーされるのも別に悪いことだとは思っていなくて、
スルーされるのは、もしかしたら自分が発信した内容に対して、
周りのクラスメイトが興味を持てていなかったからかもしれないし、
単純にテスト期間中だったから忙しくて反応できなかったり、
その要因は時期に応じて異なると思うので、
そういったものを含めて、1年間運用してみるのはありなのかなと思います。
もう一つだけお伝えするのであれば、
定期的に生徒に問題を作成してもらうなどがありますね。
反転授業にも近しいところではあるのですが、
定期的に何かを説明することで学習定着が深まるのですが、
それだけではなくて、例えば2人1組、3人1組でもいいので、
これまでに解いてきた問題で印象に残った問題でもいいですし、
他のクラスメイトが間違えそうな問題を作成して、
例えば30人で1人3問作ったとすれば、
30問から100問くらいできて、授業の始めもしくは終わり頃に5問解いてもらう。
それを通じて似たような問題が出てきたというところであれば、
みんなこういった問題に引っかかりやすいから重要な問題なんだなと認識できたり、
先生からしても今生徒はどこでつまずいているのか、
もしくはどこを理解したいと思うのか把握できる一つになると思うので、
定期的に生徒に問題を作成してもらうのもありなのかなと思いました。
はい、ここまでがGIGAスクール構想の概要と、
現場で働いて感じたことについての内容でした。
オーディオジャパン、あなたと一緒に日本を学ぶエンディングの時間となりました。
1週間があっという間に感じます。
さらに年始の箱根記念が終わってから3ヶ月経ちました。早すぎです。
大学陸上界隈では新入生がレースに出場してデビューを果たしている時期です。
学校現場においては新年度が今週くらいから始まって、今まさにバタバタしている時期かなと感じます。
自分もそうなのですが、ゴールデンウィークまではとにかく新年度になれる新しい習慣を作るなどして、
ゴールデンウィーク明けから本格的に始動していくのがいいのかなと思います。
私も今は何にどれくらいの時間がかかるか、
毎回毎回時間をある程度計測した上でコンテンツを作って配信し続けています。
ちなみにオーディオジャパンの英語版は毎週木曜日に配信していきます。
また気づいた方も一部いるかもしれないのですが、
オーディオジャパンのカバー画像、最初のアイコンですね。
こちらも変えました。
3ヶ月で変えるのかと思うかもしれないのですが、
今本当に試行錯誤し続けていまして、
アイコンを変えた理由としては、
もっとポッドキャストであったり、この番組に親しみやすさであったり、
愛着を持ってほしいなと思った時に、
日本の魅力やトレンドを発信していく番組だったら、
ちょっと可愛い感じの大和なでしこをカバー画像にすると、
少しは愛着を持ってくれるのかなと思いまして、
日本語版は赤色、英語版は青色にしました。
この女性の名前は現段階では決まっていません。
もしかしたらどこかのタイミングで決めるかもしれないです。
オーディオジャパン、あなたと一緒に日本を学ぶ。
番組への感想は、ハッシュタグオーディオジャパン。
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私、新井大輝への質問や感想なども大歓迎です。
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お相手はパーソナリティの教育デザイナー、新井大輝でした。