2024-04-16 20:23

21. 共同親権って何? 概要と離婚時に家族間で起こる問題

■話の流れ

共同親権とは / 衆議院で民法修正案が通過 / 2024年度中に進めている / 共同親権の反対は単独親権 / 単独親権はG20だと日本・インド・トルコ / 多くの国は共同親権を採用している / 離婚後の懸念は「養育費」「DV」「性的虐待」 / DVが男性発が8割の理由 /


■参考資料

「共同親権」法案が今国会成立へ…衆院法務委で可決、DV・虐待は単独親権

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240412-OYT1T50152/


'Whoever abducts first wins': Why Japan won't allow this Australian mother to see her children

https://www.sbs.com.au/news/dateline/article/whoever-abducts-first-wins-why-japan-wont-allow-this-australian-mother-to-see-her-children/2ukkhpwkx



世界(G20)の離婚後親権制度とジェンダーギャップ指数

https://comriap.hatenablog.com/entry/2020/03/11/070000


配偶者からの暴力相談件数

https://www.gender.go.jp/research/weekly_data/10.html


やさしげで礼儀正しく人当たりのいい夫は、なぜ妻や子供を殴るのか

https://president.jp/articles/-/40499



■アンケートフォーム

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSecxrGlGRJEdeVL2klEei5L1kGzjImbEnRJBsvBf_OPX2wYFQ/viewform



■Twitter(現X)

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■YouTube

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■note

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■HiNative

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Audio Japan 〜あなたと一緒に日本を学ぶ〜。 この番組は、日本の文化やトレンド、マニアックな情報などを掘り下げて楽しく学んでいく、そんな番組です。
英語で聞きたい方は、Audio Japan Learning Japan with you よりお聞きください。
パーソナリティの教育デザイナー、 Arai Taiki です。 よろしくお願いします。
今回はですね、共同親権について話をしていきます。 共同親権とは、一組の家庭が離婚した際に、子供の親権を双方の親に認められるものを指します。
どうして今回こちらを取り上げようと思ったのか。 それはですね、ここ数日、Xでタイムラインを見ていた時に
離婚後、共同親権制度に反対、そんな運動が20万人くらい署名していたんですよね。 というのも、数日前に
離婚後も、父母双方が親権を持つ共同親権の導入を柱とした民法などの改正案が衆議院で可決されたからです。
日本は現状、単独親権に対し G7やG20など、いわゆる主要国が共同親権制度を導入しています。
これだけ見た時に、署名活動に賛同した人たちは 共同親権制度に反対しているので
ある種、世界の流れと逆行しているのではと思ったんですよね。 つまり、この差分は一体何なんだと思ったんですよね。
それが今回取り上げるきっかけとなりました。 前半部分では共同親権の概要であったり、導入された背景、メリットのようなものをお伝えしていきます。
後半部分では、共同親権のデメリットと現状、今どうなっているのか話をしていきたいと思います。
冒頭と少し重なりますが、改めて説明すると、日本は現在、離婚後は共同親権が認められておらず、
父もしくは母、どちらか一方しか親権を持つことができない単独親権を採用していまして、こちらの制度は明治時代の1898年から始まっています。
親権の中身としては、子供の近くにいて子供の世話や教育をする権利義務を負う看護権が含まれています。
つまり、親権を持っている親のみ、離婚後も子供と一緒に生活を送ることができますと。
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世界で見た時に、単独親権を採用しているのは日本のほか、見ていくとインドとトルコのみなんですよね。
一方、アメリカ、イギリス、ドイツなどG20のほとんどは共同親権を採用しています。
しかも、共同親権を採用している国の方が、ジェンダーギャップ指数でも上位になっていると。
つまり、男女差別が少ないんですよね。
もともとは、共同親権を取っていた国も、1990年代に子供の権利条約が批准されてからは、単独親権から共同親権に移行していったんですよね。
つまり、共同親権にすることで、子供の人権や権利を守っていこうとしていきました。
単独親権だと何が問題なのか見ていくと、一つ事例として、国際結婚の際の子供の連れ去りが問題となっていました。
国際離婚に伴い親近を獲得しようとする日本人の親が、海外の居住地から子供を連れて日本に帰国してしまうことがあります。
そのため、元の居住地に住む外国人の親が、子供と面会することができなくなる事例も起こっています。
実際、日本人男性と国際結婚したオーストラリア人女性は、突然夫が子供と荷物を持っていなくなる、そんな経験を味わってしまいました。
裁判を起こしても、親権は夫にあるとされて、その後子供たちと会うことができなくなる。
すごく悲しいなと思いましたね。
その英字新聞を読んでいく中で、親権を勝ち取ることができるのは、子供を持っている方、ここでいう持つとは側にいる方なんですよね。
なので、言葉を選ばずに言うのであれば、親権が欲しいとなったら、国際結婚の場合、事実上子供を誘拐してしまえば獲得できる、そういうふうにも見えるなと、英字新聞を読んでいて印象的でしたね。
そういった状況もありまして、日本は2014年にハーグ条約というものを締結していまして、
ハーグ条約とは、国境を超えた子供の不法な連れ去りや留置をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みとして、
子供を元の居住国に返還するための手続き、国境を超えた親子の面会交流の実現のための定役国間での協力等に基づいて定めた条約のことを指しますと。
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ただ、2020年に開催された欧州議会本会議では、日本からの子供の返還率が低いと指摘され、
ハーグ条約の下で子供の返還が効果的に執行されるために、共同親権を認め、国内法制度を改正するよう求められていましたと。
共同親権自体は2019年頃から日本国内でも議論がされていたのですが、
そんな共同親権のメリットとしては、離婚後も両親が協力して子育てできることです。
単独親権であると、親権者となる親が1人で子育ての責任を負うことになるため、精神的負担を抱えてしまう傾向にあります。
その負担を分散することができるんですよね。 他には、面会交流であったり、
養育費の支払いがスムーズに行われる傾向にあります。 単独親権の場合ですと、親権者である親の許可がないと、
子供と面会することができません。 子供との面会が減ってしまうと、親からすれば子供に対する愛情が薄れてしまいますし、
子供も場合によっては愛着障害のような状態になるかもしれません。
ここまで、今は共同親権の概要であったり、メリットを中心に話をしてきたのですが、
実情はそんなものではないなと調べていく中で思ったので、 後半部分で
デメリットや現状どうなっているのか触れていきたいなと思います。 共同親権のデメリットについて触れていくと、
主に養育費とDV、そして性的虐待、 これら3つが主な問題となっていて、
中でも私自身が懸念しているのはDVかなと思っています。 ドメスティックバイオレンスですね。
内閣府男女共同参画局が出している配偶者からの暴力損害件数を見たときに、 2022年度においては約12.2万件出ておりました。
2002年度で約3万6千件だったので、ここ20年で約4倍増えています。 また、警視庁が出している配偶者からの暴力事案の外境でも、
DVの相談件数は約9千件ありまして、 内訳としては女性が8割、男性が2割となっています。
どうして男性からのDVが圧倒的に多いのか、改めて確認したいなと思い、 素人同然の私では絶対に答えられないので調べてみたところ、
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男が痴漢になる理由、子供への性加害、性的グルーミングとは何か、など、そういった関連の本を出されている 精神保険福祉士社会福祉士の斉藤昭義さんという方の記事を
プレジデントオンラインで見つけましたので、それを参照しながらお伝えしていきます。 まず、DVを起こしてしまう男性というのは、
一見すると暴力とは無関係で、それっぽく見えない人が多いです。 場合によっては、育免や周りから支持されていることも多いにありえます。
しかし、家庭内で暴力を振るってしまったり、言葉で罵ったりするなど、 DVのバリューエーションは多岐に渡っています。
では、どうしてDVを起こしてしまうのか。 それは、著者によると恐れだと述べています。
斉藤さんは、性犯罪者の再犯防止プログラムや DV加害者の暴力克服プログラムに携わってきた中で、
最初は、男性が無意識的に女性よりも有意な立場にあると見ていたのに、 気づけば、その自尊性が傷つけられたり、男性の男性性を見失ったりしそうになってしまう。
それが積み重なり、内面が恐怖で満たされると、 その恐怖を防衛する形で、暴力によってパートナーを貶め、支配する。
そうすることで、心の安定を得るとのことです。 暴力を通じて、自らの恐れの感情を否定し、優位性を取り戻そうとするプロセスが、
DVの本質と言えるそうです。 斉藤さんの記事を読んで、
私、新井大輝も、正直100%DVしないとは言えないなと思っちゃいましたね。
置かれている立場や環境、どんな人と関係性を築いているか、 さらには、その時の心理状態で、いくらでも自分自身が加害者になってしまう可能性があるなと
自覚しましたね。 これを認識できただけでも、まずは自分自身良かったなと思ってます。
DVが起こる原因について深めすぎたので、話を戻します。 日本語の共同親権が施行されると、まず浮かぶこととしては、そういった
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DVや虐待から逃げられなくなる。 そんな可能性が一気に高まってしまいます。
加害者が子供と会う権利を行使して支配し続けることができるからです。 実際に離婚した家族の娘とか息子の声のようなものを一部見つけたので引用すると、
中学生の頃に両親が離婚しました。 父親からもら腹、セクハラを受けており、気に入らないことがあるとグーパンチの顔前すんどめもされました。
母が私たちを連れて逃げてくれたのですが、すぐに居場所を突き止められ、玄関のドアをガチャガチャしたり待ち伏せしたりされ続けました。
お前たちを自殺に追い込むこともできると言われたこともあります。 もしあの時共同親権だったら、私たちはもっと追い込まれていたと思います。
いやー、この陰影を見た時にゾッとしましたね。 安心して生活を送ることできないじゃんって思いましたね。
それに、そもそもそんな状態になってもう離婚するってなったら、
夫婦間のコミュニケーションや性格が一致してないことが明らかになったり、暴力が進んでこのままでは一緒に住めないと実感しているからこそ、
共同親権になってしまうと、その支配からますます逃れられなくなるなと思いましたね。
また海外でどうなのか、共同親権を採用しているというものの、改めてチェックしてみますと、
オーストラリアは親責任という概念で、離婚後に単独か共同かという考え方はありません。
同居する親と別居する親の親責任の内容は質的量的に異なったり、
アメリカのニューヨーク州では看護という概念の中で、さらに心情看護と法的看護として区別されていて、
法的な共同看護が認められるのは、両親が敵対関係にない場合のみとされています。
つまりここで何が言いたいのか改めてお伝えすると、共同親権を採用しているとはいえど、実際には国によってその効果範囲が違うことが明らかになりました。
冒頭でお伝えした修正案のポイントを見ていくと、主に3つありまして、
1つ目は、協議離婚する父母が共同親権を選択する際に、父母双方の親姻を確認する措置を検討する、そんな規定を不足します。
2つ目は、共同親権下でも、窮迫の事情がある場合や日常の行為は単独で親権を行使することができます。
3つ目は、婚年途中に交付する予定となっていて、交付後2年以内に施行し、施行後5年をめどに制度や支援策のあり方を検討していきます。
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私自身が一番懸念しているのは、別の制度にはなるものですが、日本だけ遅れていると言われている選択的夫婦別姓制度が20年以上進んでいないのに対し、
今回の共同親権は異例のスピードで決まっているなという、そんな感覚を得ましたね。
そもそも今回の共同親権に反対というポストをXで見ていなかったら、自分が知らないうちに勝手に法律が改正されていたことになっていたのかなと思いましたね。
また、DVがあるかどうかを家庭裁判所が判断するとなった時、果たして判断できるのかという思う節があるんですよね。
DVには暴力的なものだけではなく、言葉や精神的苦痛を与えるものもありますので、双方の答弁だけではわからないところも出てくると思います。
あとは単純に、両親の離婚後に会いたくない親と会わなきゃいけないというのは相当きついなと普通に思いましたね。
ただ制度上でそうなってしまうと、会わないといけなくなる。なかなか難しいところです。
この放送がされている頃には、参議院でも議論がされている、もしくは始まるところになると思うので、どうなるのか様子を伺いたいなと思います。
いやー、参議院でも通過したら正直怖いなと思いますね。
オーディオジャパン、あなたと一緒に日本を学ぶエンディングの時間となりました。
今回取り上げた共同親権しかり、選択的夫婦別姓しかり、自分は時事ネタの中でも家族関連のことに対しては、まあまあビビッとくるんだなと再認識しましたね。
というのも、トラブルが起こる原因というのは、幼少期の両親からの影響が大きいとも節があるからです。
ほんの一例提示するのであれば、会社内で男性上司にうまく相談できない、うまくコミュニケーションできないとします。
その原因は、上司との相性が悪いと一般的には解釈されがちですが、その原因をよくよく掘り下げてみると、
例えば、その人の父親との関係がうまくいっていなかったり、父親と相談できていなかったりするからです。
あくまでも一例ですが、みんな多かれ少なかれ家族からの影響を受けているなと思うんですよね。
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反対に、家族間の仲がいい家庭であったり、家族とのトラブルを乗り越えた人っていうのは、周りとの人間関係もうまくいっている傾向がある気がしています。
あくまでも主観ですけどね。
話は変わりまして、2つ共有させてください。
先日、4月10日に門屋大賞が決まりまして、選ばれたのは、ナルセは天下を取りに行くでした。
いやー、個人的にナルセが選ばれて、すごく嬉しく思いますね。
くどいかもしれないのですが、マジでおすすめです。
普段、本や小説をあまり読まない人や、ナルセの生き様を味わいたい人は、ぜひ読んでほしいなと思います。
もう一つは、私、あらゆるタイプが、HiNativeというアプリで、主に日本語と英語を使ってライブ配信しています。
目的としては、自分の英語のスピーキング力を高める、アウトプットする機会を増やすことと、
そもそものオーディオジャパンをリスナーに知ってほしいなと思いまして、この放送がされている数日前から再開しました。
日本時間の夜7時から9時くらいの間で行っていることが多いです。
こちらのリンクも概要欄に貼っておきますので、生のあらゆる体験を見たい方は、ぜひチェックお願いします。
オーディオジャパン、あなたと一緒に日本を学ぶ番組への感想は、ハッシュタグオーディオジャパン、すべてカタカナでXに投稿いただけると嬉しいです。
また番組へのお問い合わせは、概要欄にあるGoogleフォームにてご連絡ください。
私、新井大輝への質問や感想なども大歓迎です。
今回の放送で気に入った方は、ぜひチャンネルの登録やフォローボタンを押してください。
最後まで聞いていただきありがとうございました。
お相手は、パーソナリティの教育デザイナー、新井大輝でした。
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