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2022-09-05 10:36

AIお絵描きMimic騒動について(第572回)

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AIに自分の画風を学習させたイラストを生成できるMimicというサービスが、絵師たちからの猛反発で一旦停止することになりました。この騒動についての解説と感想を話しました。

=== 目次 ===
AIに自分の画風を学習させるMimicの問題点
消費者ではなく作り手側の思いから炎上
透かしを大きく入れれば解決したのでは?
使用用途がはっきりしてなかった
不正利用とは「自作発言」のこと
中国のお絵描きAIが出てきた
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アシカガキャスト。画像生成AIに関連する話です。
最近、Mimicというサービスが騒動になっていました。 自分の絵柄の特徴をAIが学習して、その絵柄で新たな絵を自動生成してくれるというサービスなんですね。
イラストを15枚から30枚程度アップロードすることで、 その特徴をAIが学習してくれるということです。
日本のサービスで、日本の会社がベータ版として8月29日にリリースしたんですが、 ものすごい反発を受けて、わずか1日でサービスは一旦停止することになってしまいました。
何が理由でそれだけ反発されたかというと、悪意のある人が人の作品を勝手に学習させて、 その人の画風のイラストを生成させてしまうということが簡単にできてしまうじゃないかという点なんですね。
もちろんそこはサービスの提供側も考えていて、自分の作品以外のイラストを利用してはダメだと規約にしっかり書いていたんですね。 守らない人はアカウント停止や悪質なものは法的措置も検討するみたいに結構強めに書いてはいました。
それでもまぁあくまでもルールなので、アップロードするイラストが自分のものかどうかの判断をする仕組みはないので、 そんなんだったら絶対悪用する人いるやんという理論でめちゃくちゃ叩かれてました。
この騒動で私が思ったことは、まず消費者側ではなく プロの作り手側の思いとか主張をもとに炎上したというのが珍しいんじゃないかなということです。
東京オリンピックのエンブレムのパクリ騒動の時は、 プロのデザイナーの言ってることは全く受け入れてもらえなくて、一般の人たちが一般の人たちの感情論で騒いでいたと記憶しています。
で、イラストに関しても絵師と呼ばれるような立派なオリジナルのイラストを書くことができる人というのはごくわずかで、多くの人は見る側というか、自分では生み出さない側だと思うんですが、自分で生み出す側の意見がこれだけ受け入れられるというのがなんか面白いなというか、
03:12
日本にはそれだけイラスト文化というか、ピクシブ文化なのか、イラストは特別なんだなと思いました。 あとミミックで生成した画像にはミミックのスカシが入るんですね。
画像の中に必ずミミックのロゴが入ります。 これどの画像生成AIもそうなんですが、フェイク画像として使われないための配慮とかもあると思うんですが、必ず画像に何かしらのスカシが入るようになっています。
で、このスカシをもっと大きくしさえすれば不正利用はできないので、どうせベータ版ですし、それで解決したんじゃないかなと思ったりもします。 あと実際に誰かが私の絵柄がそのままパクられましたという被害は一件も起きてないのに、その段階でサービスを潰したというか、
一時停止に追いやったというのはなんかすごいなと、悪い意味でのすごいなですが、タレントの炎上と同じような雰囲気を感じました。 あとやっぱり
絵師と呼ばれるような生み出す側の人には利用するメリットがあまり考えられないサービスだったことも問題だと思います。 ネタとしてやってみる分には面白いと思うんですが、
そういう人たちがAIで自動生成したイラストをこれが新作ですとそのまま発表することはしないですよね。 そもそもサービスの紹介を見た感じでは顔と首からちょっと下ぐらいまでしか生成しないみたいですし、
髪型や髪の色、顔の向きなどのバリエーションを作ってくれるツールという印象なんですね。 まあインスピレーションにはなると思うんですが、自分の絵柄を真似てくれなくてもインスピレーションにはなるとも思いますし、
プロが使いたいというサービスにはなってなかった印象があります。 もちろんベータ版としての公開なので、フィードバックを受けながらより良いサービスにしていこうという最初の一歩というか踏み出す前につまずいてしまった感じですね。
で、他の人の絵柄を真似た作品を使って不正利用される。この不正利用はどういうケースかというと、自分が描きましたと言って発表されることで、自作発言という言い方をその界隈ではしているようです。
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で、この自作発言に困っている人気の絵師さんというのは多くて、自分の描いた絵をそのまま他の人が自分が描きましたと自作発言するとか、トレースしたり明らかに真似て描いたものをオリジナルですと発表されるとか
とにかく自作発言の被害がすごく多くて困ってると、被害にあってる絵師さんが多いということらしいです。その前提の上で自作発言が簡単にしやすくなるAIのツールが出てきたぞと、いい加減にしてくれと、そういう心情があったようですね。
で、みんながミミックを叩き始めて、当然ミミックを擁護する側の意見も出てきたんですが、ミミックを擁護している側の人たちは、イラストレーターの人が自分の仕事をAIに取られると、そう思って過剰反応してヒステリックにミミックを叩いてると。
そう認識している人が少なくなかったようです。 もちろんミミック叩きの方に参加していた人にも、イラストレーターの仕事なくなっちゃうじゃんと、そういう危機感から感情的になっている人もいたと思うんですが、それはイラストレーター本人ではなく、イラストレーターを応援する人も多かったと思いますが、
ともかくAIで勝手に作られた自分の絵柄のイラストが不正利用されるとはどういうことかの共通認識がない状態で議論がかみ合わないことも多かった印象です。
で、ミミックを潰したら中国のお絵かきAIが出てきて、ほら見たことかと、中国やアメリカのお絵かきAIに全部持っていかれちゃうよと、そんな流れに今なっています。
今話題の画像生成AIとミミックとではコンセプトもサービス内容も全然違うんですが、ミミックを擁護していた側の人たちがカウンターとしてミミックを潰してもどんどんお絵かきAIは出てくるよと言いたかったっていうのがありますね。
09:19
中国のバイドゥという検索エンジンの会社が作っているなんて読むのかわからないんですがアーニービルグという画像生成AIにピクシブという単語を加えて画像生成すると日本のアニメっぽい萌えっぽいイラストが生成できるぞと気づいた人がいたんですね。
このバイドゥの画像生成AI自体は以前からあるんですがちょうどミミック騒動の後にピクシブというワードを入れたらクオリティの高い日本っぽいピクシブっぽいイラストを生成できるとわかったので盛り上がってるという状態になっています。
とはいえそれっぽい絵が作れるというのと仕事として納品できるレベルのイラストとは違うのでイラストレーターの仕事がなくなるというのとはちょっと違うよなと私は思います。
今回は以上です。
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