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2023-11-01 10:22

クリスタの「超解像」アップスケールにユーザーが反感(第702回)

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小さな画像を大きく拡大しても、きれいになめらかに拡大できるCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の新機能がユーザーに批判されていた理由と、AIによるアップスケーラー技術について解説しました。
=== 目次 ===
クリスタは以前生成AIでユーザーから大反対された
今回はきれいに拡大できる機能が反感を買った
絵を描くときのベクターとビットマップ
ビットマップではきれいに拡大するのが難しい
ビットマップでもAIできれいに拡大できるように
発表した自分の絵を守るのがむずかしい時代に
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アシカガキャスト。
クリスタこと、クリップスタジオペイントの新機能が、また物議を醸していました。
新しい機能が発表されて、それに反発する人がいたということですね。
以前もクリスタは、生成AIでテキストプロンプトから絵を生成する
画像生成AIパレットという機能を搭載しようとして、ユーザーから大反対されて
搭載を見送ったことがあります。
これはクリスタを作っているセルシスが独自開発したわけではなくて
ステーブルディフュージョンの画像生成AI機能を利用しているだけだったんですが
ユーザーからの反発が強くて、今後画像生成AIを用いた機能を
クリップスタジオペイントに搭載しませんと宣言していました。
ただ、これ今回改めて読んでみたら
ステーブルディフュージョンの学習データが著作者に許可を取っているものではないとか
そういう問題点を書いた上で
このような懸念がある画像生成AIを用いた機能を搭載いたしませんと言っているので
この言い方だと将来的にはそういう懸念のない画像生成AIを用いた機能を
クリップスタジオペイントに搭載することになっても
この宣言が嘘ということにはならないなと気づきました。
で、今回クリスタに搭載された問題の機能は何かというと
小さな画像を大きく拡大してもきれいに滑らかに拡大できるという機能です。
セルシスの説明によると画像解像度を変更する際の補完方法に超解像が追加され
極端に拡大しても滑らかな画質で拡大が行えるようになりましたとあります。
で、この機能がなぜユーザーから反発されたのかというと
自分がネットに載せたイラストを拡大して悪用されるかもしれないからということです。
イラストを画面で見せる分にはそこまで解像度が高くなくても大丈夫なんですが
いざ印刷するとかなるとかなり高い解像度が必要となるんですね。
なのでネットに載せているイラストを拡大されてグッズを作られるとか
本に載せられるとかいろんな悪用が考えられるとは思います。
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以前人がインスタグラムに載せている写真をプリントアウトして勝手に展示会に展示しているということがあってちょっと話題になっていました。
インスタグラムに載せている程度の画像だとそんなに綺麗にプリントアウトできないと思うんですが
綺麗に拡大して解像度を上げられるとなるとそういう話も増えるかもしれませんね。
あとやっぱりイラストを書く人は他の人が自分のイラストを自分が書いたと言って発表される
いわゆる自作発言これをすごく嫌がってる気にしているのを感じます。
まあ当たり前ですよね。
ネットに作品を載せるときにわざと解像度を落としているのに元データと同じような高解像度のものを他人が手に入れられるようになっちゃう。
他の人が自分が書いたと言い張る理由の一つになっちゃうんじゃないかといった心配もあるようです。
ただ今回のこの超解像の機能綺麗に拡大できますよという機能に関してはこんな機能つけるなといらないとセレシスを叩くのは違うんじゃないかという声の方が目立ちます。
それはそもそも同じことができるツールが無料のツールとかでいっぱいありますしフォトショップにもそういう機能があるからという理由が大きいようです。
イラストを拡大してどうのという話が今一つピンときてない人もいると思います。
デジタルでイラストを書くという時に大きく分けるとビットマップで書くというのとベクターで書くの2種類があります。
ベクターで書くと後から拡大しても綺麗な滑らかな線になったり扱いやすいんですが、
手書きで絵を書いている感覚とは全く違う図形を作っていくような方法で絵を書いていくことになりますしアナログっぽい表現が得意じゃないです。
クレヨンとかチョークで書いたような線とか絵具を塗ったような滲んだ色とかできないことはないんですがそういう表現をする場合はビットマップで書く方が一般的です。
でビットマップの方は絵を書くときに最初に解像度、何ピクセルかける何ピクセルのキャンバスの中で絵を書くかを決めてから書いていくんですね。
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その決めた解像度、ピクセル数によって方眼紙の一マスの大きさが変わるイメージです。
で絵を書いていくのは方眼紙の一マス一マスにどの色を入れるかと方眼紙1個のマスを2色で分けて塗ることはできないと。
解像度によって絵を構成するピクセル数が決まっているということなんですね。
でそれを後から拡大しようとしても方眼紙の一マス一マスを塗りつぶしたものを2倍にしてもギザギザが目立つようになるだけですよね。
実際お絵かきソフトとかグラフィックソフトで拡大するときにはある程度滑らかに拡大するための補正が入るんですが、それでもやっぱり極端に大きく小さいものを大きくするとギザギザが目立つガビガビしてそんなに綺麗にはできないんですね。
ただ最近これもAIの力でかなり綺麗に拡大できるようになってきています。
アップスケーラーという言い方をするんですが、AIを使ったアップスケーラーのツールがたくさん出てきていて無料でも使うことができます。
多分AIによって画像の中に映っているものが何かということを理解した上で細かいディテールをデッチ上げて綺麗に拡大したように画像を作っているんだと思います。
テキストによる指示で画像を生成する画像生成AIがそんなに高い解像度の画像を作れないので、生成した後の画像をアップスケーラーで拡大してから発表すると、画像生成AIとアップスケーラーがセットで使われるケースが多いんですね。
このAIによる画像のアップスケールの技術の進歩は本当にすごいと思っています。
私が昔描いたイラストでネットに載せるときに本当に小さい解像度300ピクセルくらいとか小さいサイズの画像しかなくて元データを探すのも面倒というものがたくさんあるんですが、
そういうイラストを何回かAIによるアップスケーラーで拡大したことがあるんですが見事にいい感じに拡大してくれました。もちろん拡大する上でディテールはデッチ上げられているのでちょっとAIっぽい癖があったりもします。
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特に人の顔の写真とかだとAIでアップスケールすると顔が変わっちゃうそういうこともありました。
そうやって技術の進歩がすごいのでビットマップの小さな画像も綺麗に拡大されてしまうし、AIを使った別のツールでイラストにかぶせて載せているクレジットも消してしまえたりするので、
確かにネットにイラストを載せている絵師と言われるような人が自分の絵を守るのにナーバスになるのはしょうがないのかなと思います。
ネットのおかげで絵を描く人が活躍できる場が飛躍的に広がったと思うんですが、技術の進歩で自分の絵が悪用される、無断で中国でグッズになってたりとかそういうことが起こる難しい時代にもなってきてるなと感じています。
今回は以上です。アシカガコウジがお届けしました。
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