Mocker AIの特徴とテンプレートの利用
プロが撮影したような商品写真をお手軽に作れる、Mocker AIというサービスを見つけました。
MockupのMockはM-O-C-Kですけども、このサービスはM-O-K-K-E-RでMockerです。
商品の写真をアップロードしたら、自動で背景を切り抜いて透明にしてくれて、AIで生成した背景画像を合成してくれます。
それだけだと他にも同じようなサービスはいっぱいあるんですが、あらかじめハイクオリティなテンプレートがたくさん用意されていて、
プロがスタジオや野外院でセットを組んで撮影したようなThe商品写真というような写真を作れるお膳立てができていることがポイントなんですね。
背景部分を作るのは生成AIなんですが、テキストで指示してプロンプトで生成するわけではありません。
多分その辺の本来プロンプトで設定する部分はテンプレート側であらかじめ用意されているんだと思います。
商品として見せたいものが家具だったら部屋のセットの中に配置されるとか、化粧品とか指輪だったら代理席のような台に乗ってるとか、後ろがちょっと野外の感じで花があるとか、
その商品をきれいにうまく見せるためのセットというのがあらかじめテンプレートとして用意されています。
じゃあそういうあらかじめ用意されている画像を合成するだけなのかと思うと、そうではなくてカスタマイズできる要素がちょっと用意されているんですね。
どういう背景にするかのコンセプトはカッチリテンプレートごとに決められているんですが、商品の置かれる位置とか大きさとか背景として生成される要素の位置とか大きさとか角度とかはビジュアルで見ながら調整できるんですね。
テンプレートを選ぶと配置される要素がラフスケッチみたいな感じで表示されるので、そのそれぞれの要素を位置とか大きさとか角度を調整してからAIで画像を生成します。
なので画像生成AIのイメージとイメージのような感じでラフで描いた絵を元に綺麗な写真画像を生成させる感覚で背景画像が作れるようになっているんですね。この発想はすごいと思いました。
操作する側の自由度は低いですが、高い確率で高クオリティの背景が生成できるようなお膳立てが用意されているので、この方が商品写真をコストをかけずに作りたいという人には喜ばれますよね。
プロがこういうのどうですかとアドバイスしてくれてお膳立てしてくれてるみたいなものですからね。以前紹介したフォトルームという商品紹介画像を簡単に作ることをターゲットとしたサービスがありますが、Mocker AIはフォトルームの強力なライバルだなと思いました。
商品写真の選択肢とカメラマンの仕事の変化
Mocker AIは今年の1月にスタートしているようです。フォトルームもコンセプトは近いんですが、あらかじめ用意されたいい感じの背景画像を合成するか、AIで好きなものを生成するという作り方になっています。
ただフォトルームはいろんな他の要素を追加したり文字を入れたりできる画像編集の機能があります。これはMocker AIにはない特徴ですね。なので、SNSで宣伝するための画像が文字などを入れた状態でフォトルームだけで作ることができます。
フォトルームやMocker AIのようなツールが出てきて商品写真を作る選択肢が増える一方でカメラマンの仕事はどうなるのと考えてしまいますね。もちろん合成するにしてもその大元の商品だけを撮った写真のクオリティに最終的な仕上がりは左右されるはずです。
カメラマンが商品を綺麗に撮影して、あとはツールを使って合成して仕上げるというやり方もあるかと思います。そしてもちろんスタジオとか野外でセットを組んだりしてカメラマンが撮影することがなくなるわけではないですよね。
でもやっぱりそういうツールの進化がカメラマンの仕事に影響を与えていく部分もあると思います。
以前も紹介しましたが商品を撮影せずに3Dで作った商品を使ったバーチャルフォトという手法で商品写真を作ることも今増えているようです。
なので大企業はバーチャルフォト、小さい会社はAI画像合成で商品写真を作っていくという時代になっていくのかもしれません。
カメラマンは一回デジタル化という大きな転換期があったと思います。そして今また大きな転換点に来ているのかなと感じますね。
商品を3Dで扱うバーチャルフォトですが、そもそも商品を3Dで作ること自体が大変なんじゃないのと思ったりしますが、
多分今や商品開発の時点で3Dが使われているんでしょうね。
実際に商品を作らずにバーチャルフォトで商品のPRのための画像を作れるというのは、商品を作って輸送してという部分がなくなるのでSDGs的にもいいとか言われています。
バーチャルフォトは背景も全部3Dで作っていたら大変なので、写真をベースとした背景とうまく合成させるような専用のツールがあるんですね。
セットを組んで撮影した場合、後日やっぱり違う角度から撮影したいとかはできないですが、バーチャルフォトなら後からいくらでも変更できますし、
バーチャルフォトの方が便利だよねという流れになってしまうのはしょうがないのかなと感じてしまいます。
商品が3DになっていればARとかVRに展開することも簡単ですし、あるいはECサイトなどでユーザーに合わせてパーソナライズするとか、デジタルならではのいろんな可能性が出てきますね。
IKEAのカタログもバーチャルフォトで作られているらしいです。そんなわけで大企業は3Dを使ってバーチャルフォトで商品写真を作るようになっていくと。
で、そこまでお金をかけられないよという会社は今回紹介したMocker、AIとかフォトルームのようなツールをうまく利用することで、AIの力も借りることでクオリティの高い商品写真を合成で作れるようになっているよと。
SNSで紹介するような写真だったらそういうので十分なんじゃないのというところで、カメラマンの仕事ってどうなっていくんだろうなと、部外者ながら気になっていますという話でした。
今回は以上です。足利浩二がお届けしました。